黒子の美学「“麒麟(きりん)がくる”衣装デザイナー・黒澤和子の仕事」武将、姫、そして庶民の普段着までこだわり…


出典:『黒子の美学「“麒麟(きりん)がくる”衣装デザイナー・黒澤和子の仕事」』の番組情報(EPGから引用)


黒子の美学「“麒麟(きりん)がくる”衣装デザイナー・黒澤和子の仕事」[字]


大河ドラマ「麒麟がくる」で衣装デザインを担当する黒澤和子の仕事に密着したドキュメンタリー。1月初旬放送の30分版にドラマ映像やインタビューを追加した再編集版。


詳細情報

番組内容

大河ドラマ『麒麟がくる』で衣装デザインを担当するのは黒澤和子。父・黒澤明の勧めで『夢』の衣装スタッフに入り、2019年には『万引き家族』の衣装デザインで芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。「戦国時代は武将たちの個性が輝いた時代。これまでになく派手な衣装になる」と語る黒澤は武将、姫、そして庶民の普段着までこだわり衣装を新たに制作した。その創作現場に迫り、黒澤の美意識とドラマの見どころを紹介する。

出演者

【出演】黒澤和子,長谷川博己,門脇麦,岡村隆史,西村まさ彦,佐々木蔵之介,高橋克典,吉田鋼太郎,堺正章,本木雅弘,【語り】合原明子


『黒子の美学「“麒麟(きりん)がくる”衣装デザイナー・黒澤和子の仕事」』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数ベスト20)

黒子の美学「“麒麟(きりん)がくる”衣装デザイナー・黒澤和子の
  1. 衣装
  2. 黒澤
  3. 光秀
  4. 紋様
  5. 麒麟
  6. 仕事
  7. 監督
  8. イメージ
  9. 自分
  10. 生地
  11. 映画
  12. 黒澤和子
  13. 秀吉
  14. 本当
  15. ウサギ
  16. 雨龍
  17. 家族
  18. 今回
  19. 最初
  20. 作業


『黒子の美学「“麒麟(きりん)がくる”衣装デザイナー・黒澤和子の仕事」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

☆無料で民放各局の動画視聴ができるTVer(ティーバー)!まずはココから!

他にも、無料お試し期間のあるVODサービスが増えてますので、各社のラインナップを調べてみるといいかもしれませんね。

↓NHK 関連商品

武将たちが 絶え間なく
戦を繰り広げた 戦国時代。

激動の時代を勇猛果敢に駆け抜けた
一人の若者がいた。

何度 戦えば!
いつか戦が終わるって。

その人は麒麟を連れてくるんだ。
麒麟か。

2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」は

明智光秀を中心に
数奇な運命をたどる戦国武将たち

そして 時代に翻弄される人々の姿を

4Kの迫力ある美しい映像で
お届けします。

はい よ~い… はい!

新時代の「大河ドラマ」にふさわしく
新しい視点の脚本と

個性豊かな登場人物が
物語を盛り上げます。

そして もう一つ
注目のポイントがあります。 それは…。

衣装は大事だと思います。

衣装の比重というのは
僕の中では 役作りの上では

すごく大きいと思うんですね。

役者にとって衣装っていうのは
重要な戦道具。

やっぱり 体の一部
その役の一部ですね。

「麒麟がくる」で衣装を手がけるのは
黒澤和子さん。

衣装デザイナーとして
テレビや映画の世界で活躍しています。

そんな黒澤さんの仕事の流儀は…。

私は監督の頭の中のものを
再現するだけなので。

黒子なんですよ。

黒子に徹してドラマを彩る。

黒澤和子さんの仕事ぶりを

豪華キャストのインタビューとともに

お伝えします。

ドラマの撮影が進む中
黒澤和子さんがNHKにやって来ました。

黒澤さんの仕事は
主な登場人物の衣装をデザインして

製作すること。 現場で 衣装を扱う
スタッフとの打ち合わせは大切です。

ベストみたいなのを作って

ねっ ちょっとタッチをつけないと。
了解 了解。

大河ドラマ「麒麟がくる」の舞台は
戦国時代。

黒澤さんには こだわりがありました。

私も ずっと何度も
戦国時代やってるんですけど

俺様は俺様はみたいな人ばっかりなんで
目立ちたいとか

そういう文化だったんで
ものすごく派手な時代ですよね。

彼女は時代考証も分かってるんで
戦国時代がどんな格好かっていうのも

分かってるんで
大変 面白い思いしてます。

室町時代末期
美濃の国から物語は始まります。

ズラリと並んだ 若き光秀と家来たち。

明るい色で華やかな衣装ですね。

そこにやって来る
盗賊たちの衣装も
ご覧のとおり。

黒を基調としながらも
鮮やかな色が配色されています。

ドラマの中で 光秀は
美濃を離れ 旅に出ます。

やって来たのは 京の都。

当時の京都は 戦で荒れ放題。

けが人や 飢えた子どもたちの姿は
リアリティー満点です。

何だ? ここは。

一方 こちらは
南蛮との貿易で栄えた堺の町。

町もそこで暮らす人々も
鮮やかな色に包まれています。

何でも
例えば 庶民だったら汚せみたいに

なっちゃう場合があるんですけど
やっぱり 人様の口に入るものを作る

食べ物屋さんの場合は
どんなに貧しくても

毎日毎日 洗って
白っちゃけてるけど

清潔だっていう雰囲気を
出さなきゃいけないし

一個一個 丁寧に考えてやらないと
やっぱり 映像って

奥行きが出ないのかなとは思います。

当時の人々の暮らしぶりや
歴史的背景までも物語るのが

時代劇の衣装です。

カラフルな衣装が登場する「麒麟がくる」。

その中には
特別な意味のある色があります。

色について
アイデアを出したのが

チーフ演出 大原 拓です。

一個の参考アイデアとして
黒澤さんに言ったのが

風水の五行相克説というのがありまして

青 赤 黄 白 黒と
その五色が

大原則としてあるんですけど…。

五行相克説とは

古代中国にルーツを持つ哲学思想。

万物は五つの元素から成り立ち

それぞれ生かし合ったり

滅ぼしたりするというものです。

光秀… 明智家の家紋

水色桔梗の紋が
あるんですけど

大体 水色のイメージなんですよね
光秀というと。

それは 何か いわゆる 成長なんですよ。
木というものがベースなんですね。

木の元素を示す青色。

「麒麟がくる」は
光秀自身の成長を描く物語でもあるため

成長を表す青色が ぴったり はまります。

では ほかの武将は?

五行の中で 木という部分の青
それを光秀と見立てた時に

討つのは 相反するものは
何なのかというと黄色なんですね。

青の光秀が滅ぼすのが黄色。

本能寺の変で光秀が討つ
織田信長の色です。

続いては白。

信長の家臣で
後に光秀を倒す 豊臣秀吉です。

黒は 光秀が仕える
美濃の大名 斎藤道三。

そして 赤は徳川家康です。

このアイデアに 黒澤さんは…。

面白かったですよ。 すごい
やっぱり クレバーな監督だから

いろんなこと考えるなと思って。
そこが まず たたき台で

そっから
広がってったっていう感じですね。

では 主要キャストの衣装を
ちょっと見てみましょう。

主役の明智光秀。
演じるのは 長谷川博己さん。

テーマカラーは
木の象徴である
青や緑です。

これまで 知将のイメージが強かった光秀。

今回は
勇猛な武士としての一面も強調されます。

長い筒で火を噴き そばにいた者の
小手を射ぬき 重い傷を負わせました。

それが 戦で どれほど役立つものなのか
しかとは存じませぬ。

最初 見た時に
あまりに この鮮やかさが すごくて

あ~ 素襖のは すごく鮮やかな
それこそ 空のような青さですよね。

ああいうのだったり こういう緑も
かなり こう 蛍光的な色で

ちょっと 僕にとっては
最初は 本当 正直 違和感がありました。

それで やはり 黒澤さんのその世界観と
監督のそういう世界観で

こういうものを作りたいんだ
というものを

向こうから提供されるものから
僕は 役のイメージを広げていこうかと。

やっぱり若々しさ。 あと…

その… ブルーの持つ知性的なイメージ
そういうのを感じ取ったんですよね。

誰じゃ?
明智十兵衛と申します。

明智…?

光秀が仕えることになる
織田信長のテーマカラーは 黄色。

演じるのは 染谷将太さんです。

自分が演じる信長が 合戦で戦うと
一体 どんな男になるのかっていうのは

すごく どうなるのか
自分自身が楽しみにしています。

本木雅弘さんが演じるのは 斎藤道三。

旅のかかり いくら欲しい?
ハッハッハッハッハ…!

京都の油売りから親子二代で
大名にのし上がった

道三のテーマカラーは 黒。

冷徹な合理主義者に
ふさわしいイメージです。

道三で言えば
黒を基調にされたっていうのも

一つなのかもしれないですけれど
まあ これなんかも 要するに

この襟のところに お太鼓の帯を使って
何か くっつけていたりとか

で あの~ こういった小紋を
合わせたりしてるみたいなんですけど

これも 確かね チラッて
何となく 裏の生地のところを見たら

これ 実は 洋物だったりするんですよね。

だから 何か そういったものを
混ぜてるのも面白いし…。

その ふん装を着せて頂いた時に
自分の 何となく たたずまいが

ヒュッと見えてくる
っていうところがあるので

今回 とても助かってます。

色と並んで 衣装作りで重要なのが
紋様です。

鮮やかな緑が印象的な光秀の衣装には

竹の紋様が描かれています。

竹のイメージも まだ これから
どういうふうになるか

分からないような シュッと前に
伸びていくような その竹の勢いと

そういうのは出していきたいな
というふうに思いましたね。

帰蝶。 何用じゃ?

斎藤道三の娘で 後に信長の妻になる帰蝶。

御陣にお加え頂きまする。

その名のとおり
光沢のある 白っぽい生地に

色鮮やかに飛び交う
蝶が施されています。

成り上がり者の戦国武将 松永久秀。

野心家で策略にたけ
勢力を伸ばしてきた久秀の衣装に

あしらわれているのは
花火風の紋様。 派手ですね。

どっちかだと思ったんですよね。
派手なものなのか

それとも
黒ずくめみたいなことになるのか。

いずれにしろ その松永っていう
役柄からすると

極端なところに振ってある方がいい…
恐らく いいであろうなとは

思っていたので その極端な派手な方に

黒澤さん 持っていって下さったので
とても 僕はうれしいです。

やっぱり 独特だと思います。
本当に 黒澤さんの感覚っていうのは

ほかの感性っていいますか
ほかの方とは 全然違うって

これを見ても思います。
特に時代劇はね いろんな人から

いろんなことを言われるでしょうし
あんなのなかったとか。

でも そこを飛び越えていかれる
勇気っていうのは すばらしいなと

すごいアーティストの方なんだなと
思います。

三河の山あいで山菜を採っていたら…。

野盗に捕まっていたところを
光秀に助けられた 三河の農民 菊丸。

神出鬼没 ミステリアスな役どころです。

農民らしく
衣装の紋様は 大根です。

冬場は ちょっと厳しいんですが
あの~ 布が2枚というところで…。

着るのと脱ぐのが すごく早いところは
ありがたいなと思ってるんですけども。

黒澤さんが 「かわいくしといたから」
というふうに言って頂いたんで

非常に よく見ると 柄とかも すごい
かわいらしい柄になってるんですけども

これから ちょっとまた 衣装も
ちょっと いろいろ変わってくる部分も

あるって おっしゃってたので
その辺は 楽しみなんですけど

今んところ 2枚で頑張ってますけれど
はい。

わしは自分を名医とも思わん。

そして 賭け事が大好きな医者 望月東庵。

その衣装の背中には
ウサギと月が描かれています。

ウサギに三日月というね
そんな紋様を背中にしょって

生きていってるんですが
何か… いいんですね でも。

ほかの動物だと
あんまり合わないですね。

ウサギを背中にしょっている
東庵というのは

何か こう 根は明るい
寂しがり屋な そんな男が

双六好きで…
頑張るということなんじゃないですかね。

黒澤さんの仕事場にお邪魔しました。

一緒に働いているのは 3人の息子です。

柄や紋様を考えたり 染色を担当する
次男の秀之さん。

三男の爽さんは デザイン画を。

そして 長男の隆之さんは
マネージメントを担当。

3人は
もともと 違う仕事をしていましたが

5年前から
黒澤さんのアシスタントをしています。

え~っと
もともと 役者をやっていたので

普通に映画に出たりとか
ドラマに出たりとか…。

うちの母も 海外からの仕事だったりとか
それこそ 日本国内でも

あの~ まあ… 巨匠といわれる方と
お仕事できるようになって

その数が また増えてきたので
まあ それだったら

会社にした方がいいなという部分もあって
作ることになったんですけど

で まあ 僕がやるしかないかなっていう
感じですね。

僕の場合は
イラストレーターをやっていたので

だんだん だんだん
母の仕事が増えるにつれて

じゃあ こっちを正式にやりましょうか
っていう感じになったんですよね。

今回は 柄を 結構 いっぱい調べたので
実は ウサギっていうのは

ツキを呼んでくるっていう意味で
縁起がいいらしいよとかってなると

「ああ それ いい案ね」っつって。
あとは 自由に描かせてもらって…。

三男の爽さんは
アニメーターをしていました。

閉鎖された空間じゃないですか
アニメーションを作るのって。

むしろ やっぱり 映画みたいに
外交的というか

活動屋っぽい… 体を動かしながら
やっていくような仕事の方が

向いてるのかなと思って
こっちに来ましたね。

楽なのは 気ぃ遣う必要もないし
あれとか これとかで通じるっていう。

例えば 「丸」って言っても
どういう「丸」を想像するかって

人によって 全然違うじゃないですか。
やっぱり 家族でずっと一緒にいたから

その「丸」の形が近いというか…。

例えば 色目とかも 今回は 光秀さんは
まあ ブルーですけど 青だけど

このくらいの青だよねっていうのが
何となく似てるとか…。

あっ こういうふうに思ってるんだな
というのは

すぐに やっぱり 家族だから分かるし
ず~っと 一緒にいるわけですからね…。

黒澤さんの仕事場には
白黒写真が飾られています。

日本映画界の巨匠 黒澤 明監督です。

実は 和子さん 黒澤監督の娘。

生まれたのは 映画「七人の侍」が
公開されたのと同じ 1954年です。

和子さんが 衣装の世界に身を置く
きっかけになったのは

母 喜代さんの言葉でした。

母が このごろの女の人は
自立して 仕事ができた方が

自由でいいわよって。
離婚もできないしねとか言って。

自分 大変だったんで…
うちの父の面倒で。

だから 中学の頃かな。
自立できた方がいいよって。

何かのタイミングで そう言われたんで
何か その拍子に 口をついて出たのが

ファッションデザイナーっていう…。

専門学校で服飾デザインを学んだあと

和子さんは ファッションの
スタイリストとして活躍しました。

ある日のこと。 そんな和子さんに
父 黒澤監督が声をかけました。

最初は 何か 本当に 雑談で 明日から
一緒に働かないかっていうのは

父が言ったんだけど 何か そのあと
何か 助監督がいいかなとか

美術部がいいかなとか 制作部がいいかな
とか いろんな話が出てて

あ~ もうお任せしますって言ったら
何日かしたら

衣装部に決まってたっていうだけなので。

大監督の娘といっても 最初は下働き。

そして 「八月の狂詩曲」で
衣装デザイナーとしてデビューしました。

これまでに手がけた作品は
映画やテレビドラマなど30以上。

映画「万引き家族」では
芸術選奨を受賞しました。

映画の現場が やっぱり…。
これ 何なんでしょうね。

DNAなんでしょうかね。
何か ふるさとっぽい感じがして

居心地がよかったんで

で びっくりして 今になったら
三十数年いるわけなんですけど。

8月初旬。

黒澤さんたちは 秀吉の衣装デザインに
取りかかっていました。

そうそう。 だから それに まあ
柄を入れてもいいね。        うん そう。

秀吉のイメージカラーは白。
そこに どんな紋様を入れるか

次男の秀之さんには
アイデアがありました。

今回 麒麟が題材でしょ。
うん。

鳳凰と麒麟と亀と龍で。

龍っていうのは
その4つの中の断トツ トップなわけ。

まあ 中国で言えばさ。
だから こう 麒麟が光秀だとしたら

光秀より秀吉の方が 後で勝つわけだから
まあ 龍になってもいいのかなとは

ちょっと思った。
ちょっとかわいい龍にしたくない?

そうね。 その かわいい龍があるんですよ。

秀之さんが見つけたのは…。

これ。 これが雨龍っていって
雨乞いの象徴の龍なわけ。

日本では農家文化だから
この雨龍っていうのは

すごく人気がある。
雨龍って龍なの?

雨龍は 家紋としても
使われている紋様です。

大きい龍になる前の
成長段階の姿だと
されています。

ただ こいつは その 言ってしまえば
龍の稚魚みたいなもんで。

これが何? すごい龍に…?

だから こういう龍になるには…

成長していかなきゃいけないんですよ
龍が。

これは もう ほぼ麒麟っぽい。
そう そう そう。

龍は
やがて出世していく秀吉を象徴する。

黒澤さんは 秀之さんのアイデアを
監督に提案することにしました。

秀吉を演じる
佐々木蔵之介さんです。

8月15日
衣装の打ち合わせが行われました。

衣装デザインチームです。
黒澤です。 よろしくお願いします。

加藤です。 お願いします。
よろしくお願いします。

黒澤です。 よろしくお願いします。

蔵之介さんが自分の衣装を見るのは
この日が初めてです。

これは 今 相当 きれいですけど…。

監督が アジアンで白っていう
難しい注文が出てるんで

今 必死に作っておりますので。
全部 白を感じないといけないという…。

そうなんです。

いや 生地があってよかったと…。
ふんどしだけかと思ってたんで

よかった 布があってよかったと思って。
フフフ…。

アジアンで白って頑張りますので。

では早速。
はい 分かりました。

多分 襦袢は要らないかも。 一番最初ね。

なるべく 裸に一枚 羽織ってるだけで…
頭とかはね いいかな。

だから 今 袖なしも
初めはなくてもいいかなという。

何か かっぷくが出ちゃいますね。

「麒麟がくる」で秀吉は
行商人の姿で登場します。

こんなイメージなんですね。

誰も買いたくないようなものを
いっぱい持っている。   そう そう そう。

そうですね。
でも あると便利みたいなね。

すいません 何枚か頂きます。

イメージは固まったようです。

ここで 大原監督に
紋様についての提案が。

今 考えてるのはハンコ的な。
ハンコ押したみたいなの。

素朴なアジアな感じって
あるじゃないですか。

それで こないだ言ってた
龍の子どもみたいなのを

ポンポンと押そうかなと
思ってるんですね。

だから 初出の時の貧乏感というか
素朴さというか…。

本当に ゴワゴワした生地に
ハンコを押して… で 何か しっかり

出てるところも出てないところもある
みたいな感じにしようかなと思って。

龍でね つながるのはいいと思うんで…。

無事 監督のOKが出ました。

いよいよ 生地に
紋様を入れる作業です。

こっち ちょっと大きい
で こっち ちょっと ちっちゃい。

かわいくない? ハハハハ…。
カブトムシみたい。

雨龍をデザインした型紙を使って
色をつけていきます。

あんまり 間を…。
あけない。   違う違う あけて。

あけて?
うん その方が。 だって 要するに

農民はさ
そんなに お金がないわけだから

そんなに びっちり…。
はい。

描かれた紋様の数も 着る人の身分や
地位を反映しているんですね。

あんま のせ過ぎると
べったりしちゃうから…。

あの~ 厚いとこと厚くないとこと
あっていいから…。

インクが のり過ぎちゃう。
うん うん だから いいんだよ それで。

両端を…。
つなげて つなげて。

つなげる?
うん。

どっちが右って決めとかないと…。

かすれてるとこがあってもいい。

薄い黄色に白の柄。 テレビの画面では
ほとんど見えないような所にも

手を抜かないのが こだわりです。

奥行きは出るのよ
そういう頑張りをすると

あの~ 衣装って奥行きが出るの。
適当にやるよりはね。

見えないことに
喜びを見つけないといけないのよ。

映らないこともあるからさ。

映らないこともあるし
使わないこともある。

そこにね 引っ掛かってると
この仕事できないのよ。

潔くないと。 作品のためだからね。

衣装のために 衣装 作ってるんじゃなくて
作品のためだから。

全体のバランスを見ながら
龍の紋様を配置。

完成へと近づいていきます。

これは 秀吉が木下藤吉郎を
名乗っていた時に着る衣装の一つです。

白い模様で
生地に立体感を持たせています。

♬~

袂には 雨龍から少し成長した
龍が描かれています。

♬~

テーマカラーや 柄はもちろん 紋様の数や
色のかすれ具合にまで こだわり抜く。

黒澤さんの仕事です。

黒澤和子さんが衣装をデザインする上で
大切にしている

父 黒澤 明監督の言葉があります。

黒澤 明っていう人を見てて
いろんなふうに思ったり

こうしたら もっと思ったとおりの映像に
なるんじゃないかとか

こうしたら喜ぶんじゃないかとか
思ったことが

私の学びになってた部分も多いので…。

本当に 十何年間 もう毎日 365日
父とそれを歩んだことの方が

その 一個言われた格言とかよりか
私は大事なんじゃないかなと思う。

私は 監督の頭の中のものを
再現するだけなので。

その 何か みんな 勘違いして…。

私 ファッションショーやるんじゃないよ
って いつも言うの。

自分の好きなものを作って
自分のテイストを入れて

自分が主役っていうの 大っ嫌いなんです。

だから スタッフっていうのは
黒子なんですよ。

常に
監督が どうしたいかっていうことが

私はプロ意識だと思います。

黒澤さんの衣装作りに
妥協の文字はありません。

生地の色が イメージに合わない時は
自分たちで染めます。

ちょっとグレーを入れて…。

少し茶色も入れる。
うん それは それでいいんじゃない?

染料を追加してやり直し。

この湯船 温度は なんと 85度もあります。

乾くと
多分 もっと明るくなっちゃうから…。

うん だから そこに
ちょっと黒っぽいのを入れて…。   うん。

ねっ。 少し入れれば…。

また やり直しです。

(取材者)熱くないんですか?
熱いです。 フフフッ…。

父譲りのこだわりを
次の世代に伝えようとしている黒澤さん。

しかし 家族ならではの
難しさもあるようです。

やっぱり 仕事の時は うちの母は…
ボスなので

言うこと 聞かなければいけないところも
あるし

アシスタントとして 納得して
やらなければいけないところもあるし

だけど 一端 家族に戻った場合
っていうのは 母親なので

その… そこの線引きですよね。
そこが 一番難しい。

まあ 母親も それは
同じことを思ってると思いますけど…。

今は うちの息子たちは
指導中でございます。

その… いつか 衣装デザイナーになれたら
いいなとは思ってますけど

私とは
タイプが違うかもしれないですけど…。

だから そのために
すごく厳しく指導をしている最中です。

うるさいとか思ってるでしょうけどね。

まあ 最初の頃は やっぱりね 黒澤 明の娘
っていうふうに見られてたけれども

祖父が亡くなってから
ずっと 映画界にいて

最終的には 今は もう
黒澤和子として みんなに認められている。

いつかは その… 母みたいに
ちゃんと 加藤秀之として

映画界にいるっていうことが目標なので
それをやってきた母を

やっぱり そこは すごく尊敬しますよね。

衣装製作も佳境を迎えた11月。

重要な作業をすると聞き
仕事場を訪ねました。

何やら スプレーをかけて
衣装をこすっています。

実は これ
衣装を汚しているんです。

これは 人間の体って
水と脂が出るじゃないですか。

水と脂を混ぜたスプレーで
やわらかく もんでる作業です。

汚しっていう言い方をするから みんな
何か 色を塗るって思うんだけど

そうじゃなくて 経年変化ですから。

どっから一番最初に切れてくるかなとか

汚れてくるかなっていうことを
考えながら…。

例えば この状態を見て頂いて

やっぱり こういうふうに
ちょっと白くすると

古くなった感が出るじゃないですか。
そういうタッチも

こういうふうに つけていかないと。
どうしても生地っていうのは

白っちゃけるんですよね。
あの… 古くなるとね。

皆さん 経験があると思うけど
黒っぽいの 着てると

塩が吹いたりするじゃないですか。
だから そういうふうに

一つ一つ シチュエーションを考えて
ただ汚せばいいってなっちゃうと

すごく単一化しちゃうんですよ。
だから その…

やっぱり おんなじようなもので
ただ おんなじに全部汚すと

ちょっと気持ち悪いんですよね。
それぞれじゃないと。

それは気を付けてます。

地道な作業。 しかし これこそが

衣装作りの原点だと
黒澤さんは考えています。

で この 面倒くさい作業を
やり続けるわけです。

ハハハッ。 だけどね
汚しって楽しいんですよ。

ハマっちゃうと。 ねっ?
そう そう そう。

うちは みんな大好きで。
この人は こういう人だから

ここが 膝っこが汚れるよねとか
何か いろいろ考えてね。

そう そう そう 楽しい。

黒澤和子の衣装。

俳優たちは
どう受け取っているのでしょうか。

すごく役のことを考えられて

衣装を作ってらっしゃるなというのは
すぐに感じました。

感覚的な部分ですね。

着ていて着心地がいいというか
何か あの…

着心地がよくて
居心地がいいっていうのは

これは もう すばらしいことではないかと
思っております はい。

本当に もう その役を
誰よりも熟知してるような…

そんな気さえしますね。

ビジュアルだけで その役の印象
趣味 生き方みたいなものを

受け取れるような
そんな衣装だと思います。

そして この染めですとか 何ですか…
いろんな生地や 糸の選び方も

本当に綿密でね どの役も
すばらしい衣装ですね はい。

すごく鮮やかな色合いだなと
思って…。

あまり 時代劇で
こういう色合いの衣装を

見慣れなかったので
すごく新鮮さもありましたし

黒澤さんご自身も
楽しみながらっていうか

遊び心を持ってじゃないですけど
全部の登場人物の衣装を

製作なさったんじゃないかなって
何となく思っていて

その遊び心を 私もキャッチして

オリジナルキャラクター
っていうこともありますし

新しい時代劇
っていうこともありますし

何か その… この衣装のおかげで
ちょっと遊ぶ勇気みたいなものを

もらえてる気が すごくします。

今日も スタジオでは
撮影が行われています。

撮影スタッフの後ろに
見守る黒澤さんの姿がありました。

次のベストも
あと2種類 作ってありますので。

また それは…。
賭け事が うまくいくように。

あ~! 先ほど聞きましたら

ウサギは跳ねる。
跳ねるは 博打で言えば

上昇機運があると。 月は
ツキを呼ぶぞということの

博打オンリーで… はい。
次は 亀も作っております。

亀でございますか?
鶴亀じゃなくて ウサギと亀?

亀は何なんですか?
亀も やっぱり 縁起がいいっていう。

縁起物という…。
今 岡村さんが…。

ありがとうございます。
大原さんが新しく作ってって言って…

よく どんなご苦労がありますか
みたいなこと よく聞かれるけど

苦労と思ったことが全くなくて…
あの~

好きでやってる仕事なんでね。

ただ やっぱり
できる限りのことを尽くして

こう…
監督のお手伝いをしたいっていうかね。

具体的なものを どんどん。

監督 そして 役者を衣装で支える
黒澤和子さん。

混迷の時代 運命に翻弄されながら
必死で生きる人々の青春群像

大河ドラマ「麒麟がくる」。

こだわり抜いた衣装にも注目して
お楽しみ下さい。


関連記事