逆転人生「鑑識捜査官の熱き生きざま」歴史的大事件を次々と捜査。鑑識に生涯をささげた男が主人公。“似顔絵捜査”も…


出典:『逆転人生「鑑識捜査官の熱き生きざま」歴史的大事件を次々と捜査』の番組情報(EPGから引用)


逆転人生「鑑識捜査官の熱き生きざま」[字]


歴史的大事件を次々と捜査。鑑識に生涯をささげた男が主人公。“似顔絵捜査”も発案!タイ警察の捜査力の向上に貢献。「大佐」の称号もおくられた。未曾有の大災害にも出動


番組内容

主人公は「三菱重工ビル爆破事件」「オウム真理教事件」などの現場に出動してきた鑑識官。戸島國雄さんは“似顔絵捜査”の発案者でもある。タイに渡ったのは最愛の妻の死がきっかけ。「私の分まで生きて」という遺言を胸に鑑識の技と心を伝えようと奮闘する。当時、まだタイの鑑識は遅れていて、警察官たちからは反発も。彼らの心を動かすきっかけの一つになったのは、ある殺人現場での推理。壁の血痕に秘められた真実とは?

出演者

【司会】山里亮太,杉浦友紀,【ゲスト】戸島國雄,【出演】船越英一郎,大島麻衣,【語り】池水通洋


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逆転人生「鑑識捜査官の熱き生きざま」歴史的大事件を次々と捜査
  1. タイ
  2. 鑑識
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  9. 遺体
  10. 似顔絵
  11. 事件
  12. 犯人
  13. 推理
  14. 血痕
  15. 技術
  16. 刑事
  17. 仕事
  18. 似顔絵捜査
  19. 一緒
  20. 奥様


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(杉浦)今日の逆転劇の舞台は
なんと…

(大島)タイ。

この20年で
殺人事件が半減するなど

治安の改善に成果をあげています。

実は 捜査力の向上に
大きく貢献した

日本人がいます。

今回の主人公
戸島國雄さんは

その功績が認められ
大佐の称号まで
贈られたんです。

(船越)
すごいね 大佐。

なんで そうなったのか
めちゃくちゃ知りたいもん。

警視庁で36年間
鑑識の最前線に立ち続けた戸島さん。

この事件でも。

オウム真理教事件など
大事件の現場に 次々と出動しました。

更に 今では全国に広がった
あの捜査手法も

戸島さんが発案しました。

眼力ですね これ。

タイに渡ったのは
50代半ば。

鑑識の技術を
伝えるためでした。

しかし現場に出ると
予想以上に 鑑識は おくれていました。

そうだよね。
(船越)そうなりますよ。

タイの警察官たちの心を動かす
きっかけになったのは

ある殺人現場の推理!

壁の血痕に秘められた
真実とは?

♬~

まあ もう 船越さんは
今日はね…。

いやいや。 僕は あの
誤解のないように言っときますけど…

(笑い)

時々 なんか 事件が起きたら
一回 船越さんがよぎっちゃいますね。
分かる 分かる。

相談したら
解決するんじゃないかなぐらい。

私も船越さんと一緒に 刑事ドラマ
出させて頂いたので。    あ~ それで?

撮ったばっかりなんですよ…。
そうなんです。

だから ちょっと刑事の知識
ついてきたんで。

ちょっと鑑識を説明して下さい。
鑑識さん いらっしゃいましたから。

アハハハ!

ごく簡単に説明しますと このように
現場に残された指紋や足跡を採取します。

更に 糸くずや髪の毛 体液などの
非常に細かなものや

目に見えない
あらゆる痕跡を発見して

分析や撮影・記録をする仕事
というのが鑑識のお仕事。

言ったとおりですね。
言ったとおりだった?
(笑い)

戸島さんは鑑識官として
数々の事件の解決に貢献しました。

警察官の功績をたたえる最上級の賞に
「警視総監賞」というものがあるんですが…

(船越)信じられない。
1回取るだけでも…。

そうですよ
1回取るだけでも大変ですよ。  へえ~!?

僕 これだけ…

もらってる! すごい!
もらってるんですか!?

中でですね。 びっくりした。
そんなことあるんだと思った。
現実かと思った。

それは 鑑識官として10年目を迎えた
ある夜のこと。

私にとって大きな転機となる
事件が起きました。

現場は都内のマンションの一室。

1人暮らしの女性から
「暴行を受けた」と通報があったのです。

現場には 既に
複数の刑事たちが駆けつけていました。

今でこそ被害者の聴取には
注意を払いますが

当時はまだ意識の薄い警察官も
多かったように思います。

なるべく被害者の心を傷つけずに
犯人の情報を共有する手だてはないのか?

その時 ふと
頭に思い浮かんだことがありました。

当時 犯人の顔を再現するには
モンタージュを使うのが一般的。

たくさんの顔写真の一部を
組み合わせる方法です。

(大島)へえ~。
大変だな これ。

この事件でも
もしモンタージュを行うのなら

更に数日間 彼女に犯人の顔を
思い出してもらわねばなりません。

まあ…

当初 刑事からは
相手にされませんでしたが

私は被害者の負担を減らせる
似顔絵捜査に可能性を感じました。

その後 上野公園に通い続け

観光客向けに
似顔絵を描いていた人たちから

技術を学んだんです。

なぜ私が 被害者に心を寄せた捜査を
心がけるようになったのか。

今思えば
妻からの影響もあったかもしれません。

妻は 他人を思いやれる優しい性格。

夜中に呼び出しがあっても。

妻の職業は看護師。

患者たちから
とても信頼されていました。

仕事は違えど 苦しむ人のために働く
同志だと感じていたんです。

似顔絵捜査を思いついて15年。

その真価が問われる
事件が起きました。

それは都内の団地で発生した…

被害者は幼い姉妹。

モンタージュは難しいと
判断した担当刑事が

似顔絵を描いてほしいと
依頼してきたのです。

えっ でも 1990って
この前だもんな。

よ~し。

(戸島)さあ 上手に描けたかなぁ?

私は 2人の状態を慎重に探りながら
本題に入りました。

優しいなぁ。

このころの私は

最小限の情報で 正確な似顔絵を描く
技術を身につけていました。

50分ほどで完成。

それを姉妹に見せると…。

こんな顔かな?

(泣き声)

(船越)
これ 思わず泣きだすぐらい似てたって
ことですよね。   そういうことですよね。

そうか。 どうもありがとね。

似顔絵は事件現場の団地に
張り出されることになりました。

すると数日後…。

わ~!
(警官)おい!

犯人は自分の似顔絵を見て
危機感を感じ

1枚ずつ剥がして回っていました。

それを見た住民から警察に通報があり

逮捕につながったのです。

離せ!

(大島)やっぱ
剥がしたくなるんだな 犯人は。
(船越)そうですね。

嫌だよね。
そりゃあそうですよね。

このあと 似顔絵は
警視庁から正式な捜査手法と認められ

研修会が開かれるなど
全国に広がっていきました。

似顔絵はモンタージュに比べて
見る人の想像力をかきたて

通報につながりやすいと
評価されました。

似顔絵捜査が軌道に乗った頃

私には
少し気がかりなことがありました。

大丈夫か? 何が悪いんだ?

入院していた妻を見舞って
自宅に帰った直後。


もしもし。

(受話器を置く音)

(アラーム音)

(医師)10時10分 ご臨終です。

私は 家庭でも仕事でも
一番の支えだった妻を

突然失ってしまいました。

数日後。 遺品の整理をしていた私は
妻からの遺書を見つけました。

「国雄さんへ
あなたには話していないけど

先生も違う病名で
告げてくださっているけど

私は白血病で その治療を受けています」。

看護師だった妻は 処方された薬を見て

自分が白血病だと
気付いていたようでした。

最期まで私を気遣い 死への恐怖や不安を
一人で抱え込んでいたのです。

手紙には
私のその後の人生を大きく左右する

ひと言が添えられていました。

「国雄さん ありがとうございました。

私の分まで生きてください」。

その決意を胸に 私は更に
大きな壁に挑むことになるのです。

いやぁ すごい…。 いろいろ
聞きたいことがあるんですけども

まずは 奥様とは 仕事は違うんですけども
志は一緒だったということなんですかね。

(戸島)そうですね。 どういうわけか…

あの 病気のことは
ほんとに戸島さんは…。

いやぁ 知らなかったですね。

人間ドックで検査入院だっていう
そのひと言だけで安心してた。

検査入院だと
思ってらっしゃったんですか。   ええ~。

(船越)その 仕事に没頭する戸島さんを
愛していらっしゃったんでしょうね。

それをあり続けるためにどうしたらいいか
で とったことでしょうね。

(大島)すてきな奥様ですよ。
ねえ。

その奥様に支えられながら
鑑識に まい進する中で

似顔絵捜査という手法を
新たに考えつくわけです。

すごい昔からあるもんだと
勝手に思ってました。   ですよね。

これ でも 何がすばらしいって
被害者の方の…

…っていう。 これ もし
自分がね 大島さんが

被害を受けた人間だったら
どうです? ずっと聞かれるよりか。

いや もう何回も何回も そんな
嫌なことされた人のこと

思い出したくもないじゃないですか。
鮮明に思い出さないと

捜査の役にも立てないっていう
この複雑な気持ち。

だけど思い出したくないっていう。
戸島さんの優しさがなかったら

似顔絵捜査っていうのは もうちょっと
おくれてきたかもしれない。

可能性はありますよね。

…ということになりますよね。
まさにそうですね。

今では300人以上 この 専門に行う
捜査官がいるということなんです。

へえ~。
もともと
美大とかで 絵がお得意だったんですか?

いや そうでもないですね。

(戸島)それから 茶わんとか器。

もうそれで
これじゃあ似顔絵にならないなって。

だから私は すぐやめて
「ありがとうございました」で。

1週間ぐらいやったけど
もう駄目だって…。

犯人が目の前にいて
描くわけじゃないですもんね。
そうなんです。 そもそも。

想像で。
再現ドラマで 数十分で似顔絵を描くと
紹介してましたけど

どういうふうに進めていくんですか?

どうでしたか? って
子どもでも大人でも

私は どういう表情だった…?

最初の印象をとってく。

まず おおまかに ちょっと
雰囲気をつかんで そっから

どんどんと いろいろ細かいとこ
入ってくってことですか。   (戸島)はい。

細かいところは
どういうふうに聞くんですか?

小さいとこは 仕上がった時…

(戸島)変わったところ直してって言って
向こうに言わせて

ここを修正 ここを修正。
それは向こうの言いなり。

こっちから ひと言も
余計なことは言わない。

その戸島さんの似顔絵が 事件の解決に
つながったケースをご紹介しましょう。

被害者は腹部を刃物で刺され 重症でした。

お医者さんから
10分だけ面会を許された戸島さん。

10分。
はい。 被害者に負担をかけないよう

目のまばたきや うなずきをもとに
素早く似顔絵を描き 刑事に渡しました。

それが捜査の手がかりになって 数日後に
逮捕につながったということなんです。

しゃべることも なかなか困難な方から
聞き取って それがもとで逮捕できた。

そう。
それだけ正確な似顔絵が
できたってことですね。

そうか しゃべることもできないから
ちょっとサインをお互いで決めて

イエスの時は こうしてくれ
ノーの時は こうしてくれで それだけで。

それで その絵を持って
発生現場に行ったら

う~ん こんなの いるな いるな
見たなって 何人か言ったから

それにつけ加えたら すぐ捕まった。
はぁ~ なるほど。

このパターンはすごいですよ。 10分で
ちょっと輪郭とか 雰囲気だけつかんで

更に 周りに聞き込みに行くっていうのが。
両方やってますもん。

向こうは しゃべることができないから。
作っていくのは相当難しいですからね。

いや 難しいですよ。 しかも10分ですよ。

この似顔絵捜査をはじめ

鑑識として 数多くの実績を
残してきたにもかかわらず

またゼロから挑戦を始めたんですよね。

はい。 それで
私がタイに行くようになって

私の第二の人生が そこからまた始まった。

私はショックを引きずったままでした。

かつては ホッとできる場所だった自宅が
とても寂しい空間に感じられました。

そんな中で 私は
思いがけない誘いを受けていました。

JICAの技術協力指導員として

タイの警察に 鑑識の技術を
伝えてくれないかというのです。

なんだか私は タイに行けば
死んだ妻に近づけるような気がしました。

私はタイに降り立ちました。

タイ警察から与えられた仕事は

警察署を巡り
鑑識のセミナーを行うこと。

しかし 3か月後。

私は捜査の実情を知りたいと
殺人事件の現場に出動したんです。

そこで目にしたのは
驚くべき光景でした。

[ 心の声 ] どうなってるんだ これは…。

金目の物を取っていく人たち。

日本とは
遺体に対する考え方が違うようでした。

葬儀ボランティアの人たちは

遺体の処理をめぐって
言い争いをしていました。

めちゃくちゃ被害者に
触ってるじゃん これ。

日本の犯罪現場では
規制線を張るなど

事件解決につながる証拠を
守るのが普通です。

しかし当時のタイの警察官には
現場保全の意識が薄く

遠目から眺めているだけでした。

(大島)ええっ!? 注意もしないんだ。

まあ そうなっちゃうかぁ。

当時 タイ警察では
目撃者探しなどを重視し

物的証拠などを探す鑑識は
おくれていたのです。

こっから教えてくって
めちゃくちゃ難しい。

私が目をつけたのは 警察学校で
授業を受け持っていた若手たちでした。

まだ既存のやり方に染まっていない方が
伝わりやすいと思ったのです。

私は度々 彼らを現場に連れ出しました。

例えば 女性の変死体が見つかったという
マンションに近づくと…。

現場には 真相につながる
たくさんの手がかりがあることを

伝えていったんです。

首をつった遺体は 殺人の
偽装であることも少なくありません。

この時 私が注目したのは
縄と首の間に挟まっていた…

自殺であれば 女性は髪をきれいに
外に出すケースが多いのです。

若手に伝えたのは
こうした知識や技術だけではありません。

(大島)あ~ ほんとだ。

日本で培った「鑑識の心」を
繰り返し説きました。

被害者に寄り添う
っていう このスタンス。

私の教えに共感する若手たちは
どんどん増えていきました。

手応えを感じる一方で

まだ大きな壁が残っていることも

忘れてはいませんでした。

従来のやり方が染みついた
中堅やベテラン警察官たちは

どうすれば振り向いてくれるのか?

どこだって組織は上がかたいのよ。
(船越)そうだね。

タイ人の気質や 警察官が
エリート階級であることを考えても

簡単なことではありませんでした。

しゅん巡しながら1年が経過。

(戸島)サワディー。


そんな時 大きな転機となる
事件が起きたのです。

「妻が殺されている」という 夫からの通報。

私はベテランの警察官たちと
現場に駆けつけました。

室内には物が散乱し

頭を殴られた被害者の血が
飛び散っていました。

あ~ 頭殴られたんだ。

夫は だいぶショックを
受けているように見えました。

(船越)強盗ね…。

警察官たちは
妻が在宅中に強盗に押し入られ

殺されたと推測したようでした。

金銭目当ての強盗事件が
多い地域だったのです。

(船越)ん? 何か見つけた。

しかし 私は 彼らの推理と
現場の状況に矛盾があると

即座に見抜きました。

その一つが遺体の腕。

壁の血痕にも 手がかりがありました。

30年以上の経験から導き出された
私の推理。

このあと タイの鑑識を変えていく
一つのきっかけになったのです。

う~ん いやぁ これ タイに行った当初
鑑識の考え方が全然違ったんですね。

だって
踏み荒らされちゃうわけですからね。
驚きましたね あれ。

日本だったら 刑事さんよりも
まずは鑑識さんですからね。

あ~ そっか。
ドラマでも そうですけれども

鑑識さんが一番最初に 現場に臨場して

それでいろんな
先ほどおっしゃってた採取をされて

で 合図があったら 我々…
我々っていうのも変ですけど。

(笑い)
刑事が やっと臨場が許されるという。

それ よくご存じですね。
はい。

鑑識が行って 最初から

入っていいって言うまで
みんな表に待たせておく。

そうでしょうね。  概念がないですもんね
触っちゃ駄目っていう。

その鑑識の技術を
タイの警察に伝えるために

現地の警察官と打ち解けることって
大切ですよね。

そのために戸島さん
こんな努力をしていたそうです。

まずは タイ語の勉強。
(船越)はぁ~。

(大島)言葉の壁がありますもんね まず。
(船越)そうですよ。 まずはそこですよね。

当時55歳だったそうなんですが 独学で。

すごいな。
タイ語をマスターされたそうです。

もう一つ。 できるだけ一緒に食事をして
タイの方と同じものを食べました。

すすめられたものは
基本断らなかったそうです。

(船越 山里)へえ~。
だからこそ大変になってしまった

1個 メニューがあるんですよね。

(大島)えっ?
(船越)カニ?    田んぼにいるカニ?

それを食べさせられたから…

生で食べたんですか?

よく召し上がりましたね でもね。

それで 夜帰って9時ごろですかね
急に おなかが痛くなって。

やば~ そっか…。
もうね これね…

それで病院に行ったんですよ。
病院に行ったんだけど すぐに…

(3人)ええ~!?
それで 腹が…。

(船越)あらららららら。
(大島)ほんとだ ざっくり。

ず~っと切って。
ええ~っ。 すごいな。

それもこれも全てね 少しでも
コミュニケーションとれるように。

タイ人に。
タイ人になるために。

頑張って食べただけなのに。

それはもう身を粉にしてね
なんとかタイの方に近づいて

タイの警察
よくしていこうって頑張って。

で その タイに鑑識を伝える上で
ある事件が転機になった。

警察官たちが意識を変えるきっかけの
一つになったのが

再現ドラマにもあった…

こちらに 殺人事件が起きた…

おさらいしますと
タイの警察官は

お金がなくなっているという証言などから
強盗殺人と考えました。

(3人)うん。
戸島さんは異なる推理をしたんです。

まず目をつけたのは 遺体の腕。

倒れている人形をご覧下さい。

例えば 傷があるとかないとかっていう。

ああ~。
腕に?

(船越)きれいだったんですよ 腕がね。
確かに けがとかしてなかった。

更に 壁の血痕。

こちらには 犯人につながる
有力な情報が隠されていたそうなんです。

遺体の傷痕や倒れていた場所から

犯行時の位置関係
このように推理しました。

被害者は この位置に立っていました。

後ろ向きで。   はい。 私がその背後
犯人です。

いきなり後ろからドンッていったら…

めちゃくちゃ小さい人じゃないかぎり。
犯人が?

(大島)お子さんとかじゃないかぎり
返り血は 壁につかなそう。

そんなドラマをね
去年やりましたけれども。
(笑い)

ええ。 それは まあドラマの中で。

ただ 大体
抵抗してないのは なぜかっていうと

ドラマで多いのは 身内の犯行みたいなね。

(大島 山里)ああ~。

顔見知りの犯行か 身内の犯行みたいな。
警戒してないってことですもんね。

私の推理は まとめました。

(笑い)
頼むわ 俺たちの全ての意見まとめて。

大島さん どんな推理を。
分かりました。 やっぱ 警戒しない。

身内の可能性もある。

たまたま正月に遊びに来ていた
親戚の息子だと思う。

ここで?
(大島)小学5年生ぐらいの。

今初めて
出てきてない登場人物 出てくるわけね。

それが答えの場合 クイズ…

それは… 背が低かったら返り血が
っていうふうにならないからでしょ?

そうです。 血の部分で。
すごい推理だな それ。

(笑い)
船越さん いかがですか?

まずは この血痕から何が分かるか
っていうことだと思うんですよね。

そういうデータがあるわけですね。

こういう血痕になる場合は
この手で こうした時が多いとか…。

それは僕らには分かんないけど
戸島さんなら分かるんじゃない?

あの血が うそなんじゃないですか?
ええっ それ 問題難しくない?

(笑い)

「強盗殺人」という
見立てに対して

私が感じた矛盾とは
何だったのか?

まず注目したのは
腕に傷が全くなかったことでした。

強盗が襲いかかってきたら
必死に身を守るのが普通。

真っ先に手を使うため
傷や圧迫された痕が残るはずです。

しかも 衣服が乱れた形跡も
ありませんでした。

(大島)ああ~。

私は警察官たちのプライドを考えて
相談を持ちかけるように話しました。

そうか ナビゲートしてくんだ
向こうに。

強盗殺人という見立てに
彼らが疑問を抱いたところで すかさず…。

被害者と壁の間に犯人がいるのに
なぜ直線的な血痕がついたのか?

それは凶器を何度か振り下ろした際に
後ろに飛び散ったのだと推測されました。

更に血痕が 右上から
左下に向かっていたため

左手を振った可能性が
高いと思ったのです。

その時 私たちの目に
飛び込んできたものがありました。

調書に左手でサインをする夫の姿です。

警察官が 私の推理を突きつけると
夫は妻を殺したと自供しました。

この事件のあと 私は次々と
現場に呼ばれるようになりました。

窃盗から爆破テロ事件まで。

現場をはいずり回って証拠を探し
事件の解決に貢献したんです。

タイ警察と関わり始めて9年。

その真価が問われる出来事が起きました。

(ノック)

いいですよ。

私は すぐに10名ほどを連れ
車で出発しました。

向かったのはバンコクから南へ
およそ700キロ。

海に面したカオラックです。

街の周辺では信じられない光景が
広がっていました。

原因はインドネシアで発生した
スマトラ沖地震。

タイ南部にも10メートルもの津波が
押し寄せていたのです。

遺体の安置所も
予想外の事態になっていました。

[ 心の声 ] これはどういうことだ。

10体と聞いていた遺体が… 既に数十体。
更に次々と運び込まれていたのです。

安置所の周りには 行方不明者を探そうと
家族たちが集まっていました。

しかし遺体は傷みがひどく

個人を特定できる
状態ではありませんでした。

身元を特定するため所持品を探しましたが
何も見つかりません。

そこで私たちは
指紋を採取することにしました。

タイでは 15歳以上の指紋登録が
義務づけられているからです。

そうなんだ。
(大島)わぁ~ それは探せる。

しかし…。

私たちは しばらく考え
一つの結論にたどりつきました。

「遺体の指を切って 指紋を採るしかない」。

しかし タイの法律でも

医師以外が遺体を切ることは
認められていません。

俺がいく。

タイの警察官はエリート階級。

法律違反のリスクがある行為を
するはずがないだろうと思っていました。

ところが…。

頼む。

私たちのチームは3か月間

一人の脱落者も出さずに
作業を続けました。

その結果…

遺体の指を切ったことも
罪には問われませんでした。

タイの鑑識のおくれに
ショックを受けてから 9年。

最も厳しい現場で 「鑑識の心」を
共有することができたのです。

その後も 私は 鑑識の技と心を伝え続け

72歳で一線を退きました。

その約束を
少しは果たせたような気がしています。

いやぁ すばらしい。
(拍手)

被害者に寄り添うという
鑑識の心まで伝わったんですかね。

自分の身内が分からないっていうけども…

しかしね 同じ日本人同士でも

いろんな技を伝えたり
まして心を伝えるっていうのは

ものすごく
難しいことなわけじゃないですか。

でも 鑑識魂みたいな

その魂までを
タイの方々にお伝えになったって

これはもう ほんとに
すばらしいことだなという…。

心 そして 技もね 伝えて。
(大島)でも 鑑識でリードして

最初 戸島さんはもう さっきの殺人現場も
犯人分かってたけど

警察官の方に相談して
一緒に歩もうとしていくじゃないですか。

こうだから こうだから こうだから…
決めつけない感じがまた

一緒に成長していけたんでしょうね。

(笑い)

あれも
ここへの第一歩だったわけですもん。

戸島さんね タイに来たきっかけの
一つでありますけども

奥様との別れっていうのが
あったと思うんですけども

奥様の遺書に書かれてた
私の分まで生きてというのは

あれはタイで頑張っていく ふんばる時に
あの言葉っていうのは強かったですか。

ああ もう ほんとにね ひと言
やること やること

やっぱ思い出しますよね。

死を意識しましたか。

確かにね
奥さんも驚くでしょうね。

こんな傷つけて
「タイで何があったの!? あんた」と。 ねえ。

でもね
言っても その距離の縮め方だって

この 生活を そっちに合わせたりとか

時には 命を
落としそうになったこともある。

命がけっていうことですね。

そうじゃないと でも 魂までは
伝わらないのかもしれない。   なるほど。

言葉だけで 立場だけで
教えるんじゃなく。
はい。

命がけで 本当に伝えたいことを伝えると。

去年の暮れ かつての教え子と
久しぶりに再会しました。

その日の夕食は大好きな
タイ料理を囲みました。

タイ風のさつま揚げに…

エビのすり身をのせた揚げパン。

おいしそう。 グリーンカレー。

昔話にも花が咲きました。

翌日は かつての部下がトップを務める
鑑識チームを訪問しました。

管轄するのは麻薬や銃の犯罪が多く
力量が問われる地域です。

何かアドバイスをしようと思って
来たんですが…。

(拍手)

そう言ってもらえるのは
この地で挑戦を続けてきたから。

志を継いでくれた仲間は
私の一番の勲章です。

♬~


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