100分de名著 アーサー・C・クラークスペシャル(2)「幼年期の終わり」地球上空に突如飛来したオーバーロード…


出典:『100分de名著 アーサー・C・クラークスペシャル(2)「幼年期の終わり」』の番組情報(EPGから引用)


100分de名著 アーサー・C・クラークスペシャル(2)「幼年期の終わり」[解][字]


地球上空に突如飛来したオーバーロードと呼ばれる異星人たちは、高度な科学力で人類を統治し平和をもたらす。彼らは実は人類を新しい段階へ進化させるための産婆役だった。


番組内容

地球上空に突如飛来したオーバーロードと呼ばれる異星人たちは、高度な技術と管理能力で、人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらす。彼らは実は、オーバーマインドという更なる上位者の命を受け、人類を全く想像もできない新たなステージへ進ませるための産婆役だった。人類という存在を超える進化とは何か? それは人類にとって本当に必要なのか?第2回は、人類にとって進化や進歩とは何かという普遍的な問題を考える。

出演者

【講師】作家…瀬名秀明,【司会】伊集院光,安部みちこ,【朗読】銀河万丈,【語り】墨屋那津子


『100分de名著 アーサー・C・クラークスペシャル(2)「幼年期の終わり」』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数ベスト20)

100分de名著 アーサー・C・クラークスペシャル(2)
  1. 人類
  2. オーヴァーロード
  3. 悪魔
  4. 面白
  5. カレラン
  6. 地球
  7. 小説
  8. 人間
  9. クラーク
  10. ジャン
  11. メタモルフォーゼ
  12. 意味
  13. 今回
  14. AI
  15. オーヴァーマインド
  16. ロドリクス
  17. 圧倒的
  18. 一体化
  19. 宇宙
  20. 宇宙船


『100分de名著 アーサー・C・クラークスペシャル(2)「幼年期の終わり」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


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SF界の巨人 アーサー・C・クラーク。

その評価を決定づけたのが
「幼年期の終わり」です。

圧倒的な知性を持つ 地球外生命体。

彼らとの接触により 人類は
想像を超えたメタモルフォーゼを遂げる。

人間にとって 「進化」とは何か?

クラークの
壮大な思考実験を読み解きます。

♬~
(テーマ音楽)

♬~

「100分de名著」 司会の…

さあ 第2回となる 今回は

SF史上 最高傑作とも言われる
「幼年期の終わり」です。

クラークが 35歳の時に発表したもので
長編小説なんです。

第1回では ほぼほぼ処女作品って
言われてる小説を ひもといて頂いて

それが まあ面白かったんで

更に変化・進化したら
どういう作品なのか ちょっと…。

第2段階 楽しみですね。
はい 楽しみですね。

指南役 ご紹介させて頂きます。
作家の瀬名秀明さんです。

よろしくお願いします。
お願いいたします。

よろしくお願いします。

瀬名さん 第1回は 「人類の好奇心」が
テーマでしたけれども

第2回は どうなるんでしょう?

まあ 人類の変容というか 変態というか

何か別のものに変わってゆくということの
可能性を追求している。

例えば 最近
人工知能 AIブームですし

それに伴って ロボットも
かなり進歩してきてるんですけれども

僕ら そのロボットやAIと
一体化してしまうかもしれないし

それこそ 「マトリックス」の世界みたいに
電脳世界にね 心とか魂だけが入って

不思議なことが起きるかもしれないし
まあ そういうことを書いた

先駆けのような作品と
言っていいかもしれないですね。

早い! はい。
はい。

さあ それでは
早速 物語に入っていきましょう。

世界各地の大都市上空に
巨大な宇宙船が出現する。

これが人類と異星人オーヴァーロードとの
最初の接触でした。

異星人を指揮する 地球総督カレランは
圧倒的な科学力をもって 世界を統治。

人類が抱える問題を解決していきました。

人種差別が見られる国に対しては

あらかじめ通告した日時ちょうどに
「日食」を起こして警告。

闘牛のような
動物虐待にあたる行為は

観客に 牛と同じ痛みを感じさせて
これをやめさせました。

人類単独では 決して 成しえなかった
平和な社会が実現したのです。

しかし オーヴァーロードは
正体も目的も 一切が謎。

カレランは
50年後に 初めて人類の前に現れます。

ところが
その姿は あまりに衝撃的なものでした。

驚くべきことに オーヴァーロードは

人類が 昔から 神話や宗教の中で
描いてきた そのままの

悪魔の姿をしていたのです。

すごい 面白い。

僕 あの モンティ・パイソンって
イギリスのコントが大好きなんですけど

その テリー・ギリアムが書くコントの
リズムが ちょっとあるんですよね。

何かね
「バンデットQ」という作品の中で

ものすごい悪魔が
最後 ドーンって登場するのね。 ええ。

サラリーマンの格好してるの。
ハハハハハ!

だから
ある意味 その真逆みたいな。

同じ イギリスって共通点も
あるのかもしんないんですけど。

面白いですね。
もう ちょっとツボです。

面白い。 すごく面白いです。

ちょっと 序盤の基本情報を
まず押さえておきましょうか。
はい。

オーヴァーロード こちらは圧倒的な
科学力を持つ 異星人なわけですが

その宇宙船が ニューヨークや東京など
世界の大都市に突如出現するわけですね。

この映像 もう みんな見てますよね
ある意味 映画や何やらで。

後のSF映画では ある意味
これに影響された映像だらけですもんね。

そうですね これが元祖で。

我々人類のトラウマになってしまうような
映像になったと。

で 地球総督カレランが
ストルムグレンを通して

間接的に 世界を統治するようになります。

で どんなふうにしていくかというと

こちらがオーヴァーロードの統治によって
解決した さまざまな難題なんです。

もう全然 武力とか暴力とかじゃない

かなり かっこいいやり方で
人類を統治していくんですよねえ。

だから いいことですよね
あの… 彼らが やってきたことは。

一見 ユートピアのようなものが

実現したかに
思えるわけなんですけれども

人間は 無力感に
駆られてしまっていると。
はい。

科学者とか技術者は それまで一生懸命

いろいろ 人類を進歩させようと思って
やってきたのに

こんな スゲーやつらがいるんだったら

俺たち もう何にもやる必要ないじゃん
といって やめちゃうんですよね。

で 文化とかも停滞してしまうんですね。
飼いならされちゃう感じだ。

そうなんです。
手のひらの上に のせられちゃう感じ。

こういう小説をですね 「人類家畜小説」
というふうに呼んでいまして。

まあ その代表例として この小説は
日本でも 広く読まれたんですね。

ところが この小説は そこから先を書いた
っていうところが まあ すごいところで。

実は その…

…っていう方向に
話が進んでいくんですね。

僕ら そのカレランの姿を見て

悪魔だって思うんですけど

何で 悪魔だって思うのかと。

これは 実は 人類が昔から
宗教の中で描いたり

想像したりしてきたわけですけど

実は それは 未来に対する
人類の記憶だったんだ。

今 聞いてること 単純化すると
いろんな文献に悪魔の絵が出てくるのは

正夢じゃないけど 要するに

「未来に こういうやつ 来る」
ということを感じ取ったのと

その時の もやもや みたいなものを
まあ 書いてる?         そうそうそう。

未来の その 悪魔が やって来るという
ビジョンが分かる

人類の その力が
実は重要だったんだ。

人間が持ってる予感 予感のすごさとか
まあ そういうことですよね。 そうですね。

そうすると 1夜目で言ってた そういう
何か 神秘的なものと科学的なものを

うまく混ぜる うまさで言うと まあ
「おいおい そんな まんま悪魔のやつが

宇宙から来るわけねえじゃねえか」
っていう ツッコミに対しては

逆です 逆ですと。
その 来ることを予感してて

それを悪魔として 書いてたわけだから

そっくりなもの 来るのは
むしろ 必然なんですよっていう

仕掛けですね これ。
うまく落とし込みますね それ また。

じゃあ 続きを
見ていきましょうか。
はい。

さあ このあと オーヴァーロードと人類は
どう関わっていくのでしょうか。

見てみましょう。

オーヴァーロードの宇宙船が
地球にやって来て 50年。

人々の生活は
大きな変化を遂げていました。

機械化が進むことで
労働時間は 劇的に短縮。

日用品が無料で手に入り
衣食住に困ることがなくなった人類は

スポーツや映画などの娯楽に
大半の時間を使って 暮らしています。

一方 オーヴァーロードが
地球で何をしようとしているのか?

その目的は
いまだ 謎に包まれていました。

オーヴァーロードの一人
ラシャヴェラクは

神秘主義の書物を大量に集める
人物の家に滞在。

魔術や心霊研究などの本を
読みあさります。

そして ある日 パーティーが開かれ

こっくりさんに似た
オカルトゲームが行われると

これを ラシャヴェラクが
注意深く 見守りました。

参加者たちが指を置くと

ディスクが動いて
質問に答えるというもので

27歳の青年 ジャン・ロドリクスは

「オーヴァーロードの母星は どこだ?」と
尋ねます。

すると…。

意味不明の英数字が示され その瞬間

別の参加者である ジーン・モレル
という女性が気絶。

ラシャヴェラクは
カレランに こう報告しました。

実は オーヴァーロードたちが
注目しているのは

ジーンが 後に産むことになる
息子のジェフリーでした。

ジーン親子は その後 太平洋上に浮かぶ
ニューアテネに移住。

そこは 実験的な街。

人類の主体性を取り戻そうと
芸術に専念する人々が集まっていました。

ジェフリーは そこで

オーヴァーロードから
ひそかに監視されることになるのです。

一方 ジャン・ロドリクスは

オカルトゲームで浮かび上がった
英数字が

オーヴァーロードの母星の
座標であることを突き止め

彼らの宇宙船に密航します。

母星にたどりついたジャンは
大気の密度を変え

星の重力をも調整する 圧倒的な科学力に
驚愕しました。

その姿は 人間の理解の範疇を超え
地獄のようにも見えたのでした。

一体 オーヴァーロードは
人類を どう導こうとしているのか?

ある日 カレランは 人類が科学によって
自滅するのを止めにきたこと。

そして 「オーヴァーマインド」と呼ばれる
更に格上の存在に命じられ

地球にやって来たことを ほのめかします。

う~ん!
はあ~! なるほど。

本来 科学と こっくりさんとか
科学と悪魔とか

一番 僕ね 食べ合わせの
悪いもんだと思うんですよ。       はい。

どうやったって 上手に おいしく
調理できないもんだと思うんですよ。

完璧に入れてきますね。
う~ん。

これ すごく面白いですよね。
つまり オカルトの話が

その 人類の可能性だったんだっていう
方向に話が進んでいく。

それも包括したうえで SFという
すばらしいものを書いてやろうみたいな

何か 下手すりゃ 燃えてるんじゃない
この人っていう。

オカルトみたいな題材が
入ってくることに対して

腕が鳴るようなとこ
あるんじゃないかって。

歓迎してるような。
ちょっと思いますね。

ど どうなってくんだ こっから…。

このあと 何しようとしてんだろうと
思いますよねえ。       こっからだよね。

明らかに 1夜目の
宇宙は 例えば科学力によって

征服できるものだという
考え方ではない。

今回は 逆に 好奇心だけで突っ走ったら
自滅するかもしれないよと

オーヴァーロードに
言わせているわけですよね。
はい。

クラークが 本当に どこに
向かおうとしてるのかっていうのが

もう ここから目が離せなくなってくると。

では オーヴァーロードがもたらした社会
どうなったのか見てみましょう。

読み返して 一番 面白いなと
実は 思ったところの一つなんですね。

最近ですね AIが発達すると まあAIが
全部 雑用を引き受けてくれるから

人間は 何もしなくても
いいだろうとかっていうね

そういう議論が 割と ここ数年間
議論されているんですよね。

あと 経済学者の人なんかに言わせれば
「ベーシックインカム」といって

国民一人当たりに 何万円かずつね
毎月 おこづかいを出せば

働かなくてもいいし
あとは まあ AIがやるから

そうしたら もう あとは

それこそ 芸術活動とか
そういうのに専念して 生きていけて。

何か 今読むと それに そっくりなので

ちょっと 僕も驚いてしまった。
すごいですね 何十年も前に。

相当 前ですもんね。
それが すごいかな~。

これ ありか なしかだけでも
軽く飲み屋で 一軒…。

いけますね。
いけるんですよね。

さあ 物語は終盤にさしかかります。

オーヴァーロードの真の目的が
明らかになります。

ある日 オーヴァーロードが
最重要人物として見守る

7歳の男の子 ジェフリーに
激変が訪れます。

それは 「超能力の覚醒」でした。

物体を宙に浮かせたり

精神体となって はるかかなたの
銀河の星々を探検したり…。

人類を 全く新たな存在に
メタモルフォーゼさせることが

オーヴァーロードの
真の目的だったのです。

この日を境に 10歳未満の すべての
子どもたちに 同じ変化が訪れました。

カレランによれば
一人一人の意識は つながり

全員で 1つの統合体として
生きるようになる。

肉体という 物理的な壁を超えた彼らは
やがて 無数の種族の集合体である

オーヴァーマインドと
一体化するというのです。

一方 オーヴァーロード自身は
オーヴァーマインドと 一体化できない

進化の袋小路に陥った種族でした。

高度な文明を持ちながらも

他の種族のメタモルフォーゼを
手伝うことしかできない

悲しい運命を背負っていたことが
明かされます。

子どもたちは 親たちにとって
一切理解できない存在に変貌します。

意識は ここになく 目は うつろになり
全員が裸で 同じように踊っています。

やがて 彼らが引き起こす超常現象が
巨大なものとなり

地球は壊れていきました。

カレランたちは 地球を離れますが

オーヴァーロードの母星から戻った
ジャン・ロドリクスは

人類の終焉を見届け それを伝えます。

地球は メタモルフォーゼのための
エネルギー源となり

跡形もなく 消え去りました。

とても宗教的な…。 肉体は滅んで
魂が天国にいます みたいな。

で まさに地球 今
今 かじを切り始めれば

俺たちみたいにはならないで
済むんじゃないかっていう。

オーヴァーロード オーヴァーロード。
うん オーヴァーロードがやってることは。

いいやつだったなぁ…。

ちょっと かわいそうにも
なってきましたね 最後は。
かわいそうな。

何か すごく切ない感じがしますよね。

オーヴァーロードって
こんな人たちだったんだ。

僕たちのこと
こんなに見てくれていたんだっていう。

今の時代にも
面白く読めるなと思うのは

シンギュラリティっていうことがね
よく 最近 言われるようになって

レイ・カーツワイルっていう
未来学者の人が

2045年ぐらいになると
地球上の その人工知能ですね

これは もう人類の 人間の知能を
超えるようなところまでいくだろうと。

しかも ロボットの体をね
一部 持ったり

それから 遺伝子工学の力で
まあ 体を変えたり

人類の 今までの知能とか肉体とか

精神とかを超えた存在に
なるかもしれないってことを

レイ・カーツワイルは
言っているわけですよね。

これ僕 今読んで すごく思うのは
ああ 今の我々は最後の人類で

このあと 生まれてくる子どもたちは
ひょっとしたら ここで書かれている

メタモルフォーゼする人類に
近いものに

ひょっとしたら
なっちゃってるかもしれない。

だから 僕らは
ジャン・ロドリクスであると同時に

カレランでもある
産婆役になっているんだということが

最近 読み返すとですね
すごく心に響くんですよね。

全然 かけ離れた話じゃない気が
してきますね。
そう。

というか もっと言うと
最新作のSFとして まだ機能するという。

その考え方さえ変えれば。

あと 一つ思うのは
あのオーヴァーマインドのように

その 一つのものに 一体化するっていう
よく考えたら

何か ちょっと怖いものでもあるのかなと
思うんですが それは いかがですか?

あの子どもたち
幸せそうなのかっていうと

決して 僕らからすると
そうは見えないんですよね。

あれって ハッピーエンドなのか
バッドエンドなのか分からないような。

好奇心を持って 宇宙に飛び立って
宇宙を征服するっていうことが

ある意味 分かりやすい
勝利条件じゃないですか。

でも今回 完全に その分かりやすい
勝利条件は やめましたね。

そうですね。

でいて そのパーツ 全部入れたので
どうぞっていう感じが

ちょっと 今回の小説は します。
そうですね。

本当のユートピアって
何なんだろうかという

問題提起をしている小説ですよね。

だけど 答えは出てないですよね。

次に読む 「都市と星」という作品で

この答えが まあ書かれていく
ということになります。

更に 一段階 きますか。            はい。
はあ~。

第2回は いかがでしたか?

一生涯に それ一冊 出せただけでも
すごいことだっていうレベルの

これが あと2回あるんだってことに
対する

わくわくと ある意味 恐怖。
ああ~。

アーサー・C・クラークという
そのマインドに

俺が もう触れられなくなったら
どうしようとか いろんなこと…。

瀬名さん
今回も ありがとうございました。

ありがとうございました。
ありがとうございました。

♬~


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