徹子の部屋 倉本聰~八千草薫さんからの不思議なメッセージ…~ 85歳で初めて1年間の連続ドラマの脚本を担当…


出典:『徹子の部屋 倉本聰~八千草薫さんからの不思議なメッセージ…』の番組情報(EPGから引用)


徹子の部屋 倉本聰[字]


~八千草薫さんからの不思議なメッセージ…~倉本聰さんが今日のゲストです。


◇ゲスト

85歳で初めて1年間の連続ドラマの脚本を担当した倉本聰さんがゲスト。

◇番組内容

帯ドラマ劇場『やすらぎの刻~道』はリタイアした人物を描くため、高齢の出演者が多く、放送中に亡くなってしまう事もあった。とくに八千草薫さんとは家族ぐるみの付き合いで、療養中も3日置きに電話で話をしていたため、こんなに早く亡くなるとは思っていなかったと語る。葬儀でもらった記念の時計に不思議な事が起こると「八千草さんのメッセージ」のように感じてしまうと明かす。ほか、最近始めたという“終活”の話題も。

◇おしらせ

☆『テレビ朝日開局60周年記念 帯ドラマ劇場 やすらぎの刻~道』

巨匠・倉本聰が描く話題の帯ドラマ。毎週月曜~金曜ひる12時30分から放送!


【『やすらぎの刻~道』番組HP】

 https://www.tv-asahi.co.jp/yasuraginotoki/

【『徹子の部屋』番組HP】

 http://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/


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徹子の部屋 倉本聰~八千草薫さんからの不思議なメッセージ…
  1. フフフフ
  2. 本当
  3. 倉本
  4. 八千草
  5. 写真
  6. ドラマ
  7. 一緒
  8. 時計
  9. 自分
  10. 台本
  11. 大変
  12. セリフ
  13. ミッキー
  14. 富良野
  15. 演出
  16. 屋根
  17. 元気
  18. 芝居
  19. 石坂
  20. 浅丘


『徹子の部屋 倉本聰~八千草薫さんからの不思議なメッセージ…』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


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(お嬢)「おばあちゃん
いなくなっちゃうのよ」

(有坂エリ)「水谷マヤさんが
自殺未遂を起こしました」

(中川玉子)「なすの呪い揚げを
やりましょう」

(一同)「おおー」

(黒柳)さて
1年間 放送していました

『やすらぎの刻~道』は

もうじき終わってしまうので
とっても残念なんですけど。

それをお書きになった作家の方が
倉本聰さん。

今日 おいで頂いております。

1年間の連続っていうのは
初めてですか?

初めて。

昔 大問題になった…。

もし お書きになったとしたら
大河。 あれ 1年。

大河はね 1週間に1本でしょ。

そうそう そうそう。
毎日っていうのはね

これは もう…
だから だまされた感じでしたよ。

どうして だまされたって…。

テレ朝の会長の
ハニートラップにあったんですね。

そうなの?
飯の…。

飯によるハニートラップに。
フフフフ…。

おいしいご飯食べて。
おいしいご飯で。

肉でやられちゃった。
そうか。

でも 放送前に… すごいのよ。

全部書き上げたら
このぐらいあったって

床から原稿が。

このぐらいありましたね。
ねえ。

何枚だったっけな。
5700枚とかって?

そうかもしんないです。
でも もっと…

実際 もっとだったんですってね。

プラスがありましたからね。
プラス。

ちょっと ほら
人が死んだりとか…。

途中でいなくなったり。
そうそう そうそう…。

そういう事の書き直しがあったり。

でも 手書きなんですって? 全部。
そうなんですよ。

すごいわね
手書きだなんて 今時ね。

だから 東京へ出てくると
ここに注射 打ってるんですよ。

腱鞘炎じゃないのかな? あれ。
なんて言うんだろう?

書きすぎて?
うん。 そうそう。

でも 評判よくてね

みんな 見てる人が
いっぱいいたし

出る俳優さんたちも
すごく楽しみにして

出てたでしょ? みんな。
そうですよね。

意外と断るのかと思ったら

断らなくて みんなね。

でも 女の方がね

生き残ってるんですよ。

そうそう。 男の方 少ないですね。
少ないの。

だから 宍戸錠さんなんかも

頼もうって言ってたんだけど

亡くなっちゃったでしょ。

そうそう そうそう。

梅宮も もう少し前に

頼もうと思ってたんだけど。
そう。

ギリギリでしたよね。
女は元気よね やっぱりね。

女 元気…。 もう…。

元気だし うるさいし 大変。

ハハハハ…。 うるさいんだって。
怖い。

怖い?
うん。 なるべく

顔 合わせないようにしてる。
ハハハハ…。

ここに次々と
色んな方がいらっしゃってね

『徹子の部屋』に出た時のお話
ちょっと

ご覧頂いていいですか。
怖い。

「こんな事 言うのもなんですけど

浅丘さんは
離婚なさってから

あの方と初めてお出になる?」

「そうなんです」

「もう 本当にね
16年 経つんですね」

「もう そんなになるの?」
(浅丘)「はい。 してから」

「石坂浩二さん」
(浅丘)「はい」

「今度… 倉本さんは

絶対 石坂さんと一緒だとは
初め 言わなかったの」

「あとから聞いて
えっ 一緒なの?」

「まあ いいけどって。
私は全然 平気ですよって」

「で やる事になりました」

「“先生!"って言って

長ーい事 抱き合うんですよ」

「抱き合うの?」
「抱き合うんですよ」

「大変」
「そうすると 加賀まりこさんが…」

「フフフフ…」
「チラッとにらまれ

みんなに見られ」
「そこのとこ…」

「台本に書いてあるんです」
「書いてあるの? そういうふうに」

「長い事 抱き合うって」
「抱き合う」

(お嬢)「先生!」

これ。

「怖いよー」
「すごいですよ

本当に」
「ねえ」

「結婚のきっかけが そもそも

倉本さんドラマで
共演なさってで 石坂さんが…」

「『2丁目3番地』っていうので
ご一緒して

森光子さんやなんか
皆さんご一緒で」

「そうか」
「はい。 それで…」

「プロポーズに
倉本さんを一緒に…」

フフフフ…。
「兵ちゃんが 倉本さんを一緒に…

私の家まで
ついて来てくださって」

「石坂さんが」
「はい」

「それで 両親に私を頂きたいと」
「そう」

「倉本さんに つれてってもらった」
「そうなんですか」

フフフフ…。 そうですってよ。
フフフフ…。

なんで ついて行ったの? その時。
プロポーズする時。

いや なんて言って…

「プロポーズって
どうやっていいかわかんない」

って言うから。
フフフフ…。

それで しょうがないから
ついて行ったんだけど。

だけどね 結婚するのも
大変だったんですよ。

要するに 式を…。
あっ そうなの?

お客が多いしね。
うん。

散々 苦労して台本書いて
式やったでしょ。

それも台本書いたの?
そりゃ 書きますよ。

ところがね 離婚した時はね
なんにも挨拶がないわけ。

で 俺 おかしいんじゃないか
って思って 腹が立って。

それで 他の局ですけど

『あゝ!離婚式』っていうドラマを
書いてやったの。

本当? フフフフ…。

離婚式を盛大にやるっていう。
あっ そうなの。

そんなのやったらどうだ
っていう感じで。

やったらどうだっていって。
フフフフ…。

浅丘さんと加賀さんからの電話が
多かったんですって? なんか。

はい。
フフフフ…。

恐ろしい電話がね。

なんだって言うの?
いや…。

意図は よくわかんないんだけど。
あっ そうなの。

色々 コチョコチョと。
あっ そうなの。

でも…。

それから 藤竜也さんと
ミッキー・カーチスさんたちも

2人 出てらっしゃるところ
見て頂いて。

「『勝海舟』で
初めて使って頂いて

それから
50… 四十何年ぶりに…」

「2回目ですね」
「あっ そうですか」

「多分ね
それは理由がありましてね

当然 時代劇だから
侍言葉 使ったんですよ」

「ええ」
「反抗する青年なんだからね

くだけた感じで
いいんじゃないかなと思ってね

本読みの時に
自分のアレンジした言葉で

しゃべったらね
倉本さんにね…」

「“ちょっと待ってください"

“藤さん 私ね てにをはまで
一生懸命 書いてるんです"」

「そっくり」
(ミッキー)「出た」

「“とにかく このとおりに
言ってくれますか"

って言われまして。
“すいません"って言ったけど

本番の時に
倉本さんいるかなと思ったら

いないんですよね」
「スタジオに」

「そしたら よしっていってね

練習の時と同じように
砕けた感じでね

“ええー 僕はですね

そういう事はないと思いますよ"

みたいなね 自分の言葉で
しゃべっちゃったの」

「スタジオから出たらね
倉本さんがね…」

「フフフフ…」
「フフフフ…」

「いらしたの?」
「いた。 目が合っちゃって」

「多分 そのせいがあってね
何十年もね 声がかからなくて

今回 声かけて頂いたわけです」

「ミッキーさんにすると
セリフ長いんだって?」

「そうだよ。 俺 倉本さんの
これやるって聞いただけで…」

「だから 痩せちゃって」
「本当なの?」

「本当なの。 しかも 長いセリフが
いっぱいあってさ」

「俺は もう 3行以上のセリフは
覚えられないから」

「これは
ミッキーの3行革命っていって

有名なんだよ」
「ハハハハ…」

(ミッキー)「3行以上になったら
カンペ出してくれっていって」

「いい。 うまい うまい」

うまいんだけど カンペね…。
見てた 昔から…。

私と
『夢であいましょう』に出てる頃

もうカンペ
あの方 やってましたから。

その頃から?
そう。 だから

見方 うまいんじゃないの?
本当に うまい。

全然 見てるように見えない。
わかんないの。

わかりませんでした。

藤竜也はウソつきだね
作り話ばっかりするね。

そうなの? フフフフ…。

俺ね なんかね
「セリフを一言一句 直すな」って

よく言うっていうの
伝説化されちゃったんだけど

そんな事
言った覚えないんだけどね。

そうなの?
うん。 違うの それは。

みんな そう言うわね。
そう言うの。

それね 若い役者がね…
歌手の人なんか 来るじゃない。

そうすると 全然 自分流の
セリフに変えちゃうんですよ。

そうそう そうそう。
そうするとね

性格が変わっちゃうのね。
そう。

だから 性格が変わると
行動も変わるはずだから…。

そうです。
この性格で このしゃべり方で

この行動なんだっていうのがね
勝手に変えられると

台本が ひっくり返っちゃうのね。
そりゃそうですよね。

風吹ジュンさんですけど。
風吹ジュンさんの

びっくりしちゃう写真が
出てくるんだけど

ちょっと
出して頂いていいですか?

「あの時は 石坂さんの
亡くなった奥さんで…」

「律子さんの役でした」
「亡くなる直前の ちょっと…」

「亡霊なんて…」
「認知症の… だったのが

そのあとは ほとんど亡霊で…」

(菊村 栄)「今 コーヒー
いれてますから どうぞ」

(菊村)〈大体 あんた

さっきから 何分
律子の写真 見つめてるのさ〉

「あれ 本当に 今度の時のために
本当に撮ったの?」

「そうなんです。
あっ これ 違うの」

「これの写真は
倉本さんが以前 なんか

記憶に残ってたらしくて
遺影を あれにしたいって」

「あの水着の写真に…
指定があったんですよね

そういう指定が」

「倉本さんが
欲しいとおっしゃって?」

「あの写真を
欲しいって言ったの?」

「使いたいっていう
ご指定がありました」

「なるほど。 今 書斎に
飾ってあるんですって」

これね。
うん。 枕元に飾ってありますね。

本当? 枕元に飾ってある?
これ 昔

『GORO』っていう雑誌に載った
写真なのよ。

で 枕元に飾ってあるの? 今でも。
今でも飾ってある。

あれ やっぱり 好きなの?
好きなの あの写真。 奇麗だった。

奇麗? 体がいいの?
体が。

フフ…。 あの写真 見ながら
台本 書いてたの?

いや 台本… 台本と…。

これはベッドサイドですから

台本とは ちょっと違う…。
すごいわね。

ベッドサイドっていうのが
一番すごいわね。

うん。 すごいでしょ?

奥様 不快に思わない?
奥様は別のベッドルームですから。

不快には思わない。 そうか。
思わない 思わない。

じゃあ それは今でも置いてある?
置いてある。

ただ 『道』って
もう一つのドラマがあるでしょ?

あれはね
八千草さんだったんです。

八千草さん? うん。

ところが 八千草さんが
亡くなっちゃったんで…。

亡くなるって…
病気になられたんで…。

ジュンにしちゃおうっていう事で

風吹ジュンさんを交渉して。

非常に 両方に対して
まあ 失礼というか…。

八千草さんにも
申し訳ない気がしたし

それから 風吹ジュンにも
悪いなって感じしたんだけども

そこは お願いして。

そしたら 両方で
気持ちよく受けてくだすって。

そう。 でも 八千草さんが
ご病気になるなんて

思ってもいらっしゃらなかった
だろうから。

そうですね。
元気そうだったのにね。

しかも 八千草さんは

なんか 不思議な魅力の
ある方だったから。

そうなんですよね。
品が良くて。

ちょっと
代われる人がいないんですよね。

そうそうそう。
本当に そう思います。

こっちから出てくる美しさ
みたいなものがね

顔に出ちゃってるから。
そうなの。

ちょっと VTRあります。
ちょっと ご覧ください。

「『やすらぎの郷』 全130話」

「そうですね」
「すごいですね」

「それ 何カ月かで
全部 お書きになったってね」

「今 ほら そんな先まで みんな
もらってないじゃない?」

「ドラマなんて。 今 もうね」

「セリフ覚えたりする時に
ダーッとあるっていうのはね

すごい なんか
色々 責任を感じたりね

プレッシャーになりますね」
「プレッシャーになりますね」

「八千草さんは
どういうお役どころなの?」

「なんと 92歳」

「えっ? あっ そうなの?」

「ええー。 じゃあ ちょっと
老けないといけないの?」

「フフフフ…」

「1人… 1人だけ
白くしてますけど 頭ね」

「1人だけ
戦前派の女優なんですよ」

「ふーん」

「すごいわね。 それじゃあ 随分

ご経験のない事なさるわけね」
「そうですね」

でも 療養中もご連絡なすったって
八千草さんと?

そうですね。 3日に1回ぐらいは
電話で話してましたね。

どんなお話なすったの?

いやね 八千草さんはね うーん…。

まだ できると思ってたんですね。

最後の最後まで。
ご自分ではね。

「断らなかってもよかったのにね」
なんて言って。

あっ そう。
ずっと やりたがってましたね。

あっ そう。

仕事の好きな方だしね。
ええ。

でも 亡くなるとも
思ってなかったでしょ?

どうなんだろう…。

ある種
覚悟はしてたんだと思うけど。

でも 亡くなって すぐに
いらしたんですって? お宅に。

そうですね。 ええ。

それは富良野から
すっ飛んでいきましたけど。

あっ 富良野から?
ええ。

ちょうど 病院から
運び込んだ時でしたけどね。

あっ そう…。

それがね おかしいんですよ。
八千草さんが亡くなった…。

記念品にね 時計を…

他の人も配られたんだけど
時計を頂いたの。

それはね 僕の部屋の書斎の所に
置いてあるんだけど。

突然 変な時間を指すんですよ
その時計が。

フフフフ…。
本当に 変な時間を指すの。

5時半とかね。
夜中なのに5時半とか。

あれ?
時計 狂っちゃったかなって…。

あした 時計屋に持っていこうと
思ってると

スーッと元の時間に戻ってるの。

それが3回ぐらいあったの。
ええー?

これは来たなと思ったの。
そりゃそうね。

なんかね。 なんか お知らせ。

なんか やってるなっていう感じが
ありましたね。

じゃあ 八千草さん ふざけて
なんかやったの?

ふざけて…。 今は割と

その時計 ちゃんと まともに
動くようになりましたけどね。

本当。
なんか そのね…。

ヤチさんの
我々と違った時の流れ方が

あの人にあるでしょ?
あります。

それがね なんか 時計に
出てくるような感じがあるのね。

あっ そう。 なるほどね。

今日は ちょっと忙しくて
ある方から

メッセージを頂きましたんで
ご覧ください。

「色々 倉本さんからは

おばあちゃんになったら
ああしろ こうしろって

色々 ご注文がございまして…
徹子さん 聞いてください」

「あのね 体を90度に曲げて

首も90度に上げて
口は開けないで

こうやって しゃべってくれって
言うんですけど

これだと あんまりセリフが
わからないですよね」

「普通にやってますけども…」

「面白い経験になります」

「ぜひ 皆さんもね これ
見てやってください」

「写真とか楽しい現場の様子を
倉本さんに

ああー 見せたいなって
思うんですけど」

「楽しいですよ
このスマホっていうやつは」

「ちょっと そこだけ
進んで頂くと…」

「田中絹代賞なんて

もったいない賞を
頂きましたんで

せっかくですから やっぱり

もっと生かしたいと
思うんですね」

「だから あと ねえ
どうです? 2年分?」

「どうでしょう? 延長されては」

「楽しみにしております」

フフフ…
馬鹿言っちゃいけないって。

あと2年なんて 書くの嫌だ?
冗談じゃない。

冗談じゃない? フフフフ…。

でも このドラマがきっかけで

ご自分も終活なさったとか
っていうのは 本当なの?

終活はしましたね。
例えば どんな?

うーん… 遺言書いたし。

あっ そう。
ちゃんと きちんと…。

うん。
司法書士に頼んで

それで 遺言書いて お墓買って。
あら。

石も選んで。
何を選んで?

石。
あっ 石を選んで。

だけどね 遺言ってね

一度 書いても
時々 こう 気が変わるのよ。

そうよね。 そうだと思います。

あれ? あいつに こんなにやんの
もったいねえなとかね。

それより こっちのヤツが
よくやってくれるから

こっちに もう少し回そうかって。

そのつど 金がかかんのよ。
あっ そうなの?

司法書士が また…。

それより 僕 何年か前に
尊厳死協会っていうのに入って。

尊厳死?
それで

今 尊厳死協会の
顧問やってるんですね。

あっ そうなの。 へえー。
尊厳死協会の問題って…。

まあ 安楽死も
つながってくるんだけど

この事は 随分考えましたね
書きながらね。

意識もないのに
いつまでも生かされてるのは

俺は嫌だっていう事ですよね。
ええ。

それを だから あらかじめ

その協会に
登録しとくんだけれども。

僕も だから そういう
身分証明書みたいなの

持ってるんだけど。

でもさ 自分がね
ぶっ倒れて どこかで

救急車で運ばれた時に

あるって言えないじゃない。
そうそう そうそう。 わかんない。

これはね やっぱり
本人の問題よりも

周りの問題なのね。

周りに よく言っとかないとね。
そうそう そうそう。

だから こういうとこで
宣伝しちゃえば…。

まあね。
尊厳死協会だってね。

それね
僕 親父や ばあちゃんの…

ばあさんの死んだのを付き合って。
おふくろも そうだけど。

死ぬ時のね
苦しみ方っていうのを…

あれだけは
やりたくないっていう…。

あっ そうなの?
うん。

でも 奥様より
先に死にたいとかって

お思いになる?

それはね 随分考えますね。

あとに残ってやった方が
親切っていう言い方…。

優しい。
だけど その方が

男はね 1人で あとの苦しみを…

というか
悲しみを引き受けた方が

いいんじゃないかな
っていう気がしますね。

でも あれでしょうね

1年間の これだけのものを
お書きになると

燃え尽き症候群みたいなのに
ならないかなっていう

ご心配はなかったですか?
それは あったんですよ。

あっ そう。 やっぱり。
あったんです。

でも 1年間… じゃないや

半年の時に終わって
症候群になりかけた時に

ハニートラップに遭って
あと1年って言われたから

症候群が出かかってたから

パッと引き受けちゃったんですね。
フフフフ…。

でも 今度は なんか
ガーンと出る気がする。

そう。
だから それで 僕 最近

絵を描き始めちゃったんです。
スケッチブックお持ちなんで…。

点描画を描いてらっしゃるとか
って聞いたけど そうですか?

木しか描かないんですけどね。
おおー。

それはね

僕の周りが木だらけなのと…。
北海道で。

人と会うより
木と会ってる方が多いのと。

40年前に… 四十何年前に
向こうに住んだでしょ?

富良野。
ええ 富良野に。

その頃ね 今の温暖化の前で

マイナス30度を超える事が
ザラだったんですよ。

そうなんですか。 ええ。
そうするとね 木がね

夜中に凍裂っていうのを
起こすのね。

凍裂っていうのは 凍るという字と
裂けるっていう字 書くんだけど。

音がするの?
ビーンって

すごい音が長く響くの。

木の幹がビンッと裂けるわけ。

それが山に こだまして。
当時の風物詩でしたけどね。

今は全然
聞こえなくなっちゃったけど。

寒くないからね。
その時に

家の前のシラカバが
裂けていた所にね

毎年 ロシア人が現れるんですよ
幹の中に。

フフフ… 困った事だね。
それがね

イゴール・カバノビッチと名付けて
親しくしてたのね。

この人? この人
イゴール・カバノビッチが

出てきちゃうわけ?
こういうふうに。

毎年 出てくるの 同じ顔して。
ええー 不思議ね。

氷づいて。 もう タラタラ…
なんていうの? ツララ垂らして。

それで その人とね
結構 会話してたのよね。

本当。 日本語で?
日本語ですね。

まあ でも 心言葉みたいなんで。

それでね そこからね なんか
木を描くっていう…。

木のしゃべりっていうものが
なんか 気になってきて。

でも 僕は 絵が下手だから
文章 添えるようにして。

とてもいい文章が
書いてありますけど。

点描画展は 今日から始まります。

こういうのを
たくさんお描きになったので

展覧会ができるぐらいになって。

倉本さんの
お描きになった点描画。

点々… この点を数えた人が

いるんですって?
そう。

何点ぐらいあるんで?
この木を描く…。

そんな大きな絵じゃなくて

8万個は描いてましたね。
8万個。 すごい。

これ でも 点で こういうふうに
描けるんだと思います。

たくさん これ 全部
木が ここにあるんですけど。

この展覧会があるそうなんで。

富良野の皆さんと一緒に
芝居をおやりになるんでしょ?

そうなんですね。
久しぶりなんですけど。

今回 書いた…

石坂浩二が書いてる
『道』っていう…。

あれの基になったのが
『屋根』っていう芝居なんですよ。

『屋根』?
その『屋根』っていう芝居を

新しく作り直して。

鼓童って太鼓の集団 知ってます?
太鼓 太鼓。 ええ。

鼓童の連中に話して

音楽を彼らに付けてもらって。
あっ そうなの。

ええ よかったでしょ。
よかったですね。

そうですか。
彼らは すばらしい。

ええー。
ドラマの出演者も舞台に出てる?

ドラマの出演者も出ます。

ジャニーズの戸塚君とかね

何人か出ます。
あっ そうですか。

ぜひ 皆さんも
見にいらしてください。

『屋根』っていう…。
はい。

演出もおやりになるんで
芝居の時は。

85歳なんで なんか
大変なんですって? 演出も。

えっ?
演出やるの大変だって 本当?

大変ですよね。

僕 大体 今 本当にね 眠いの
一日中。

本当? やだな。

朝寝して 夜寝するまで昼寝して

時々起きて居眠りをする
っていう生活なのよ。

なんか うとうと うとうと
コアラのように過ごしてんの。

だから その間で
演出がもつかなって

ちょっと不安なんだけど。
やりだしたら

多分 ムチ持ってやるから…。
でも 4年前に

これが最後の舞台とかって
おっしゃってたんだけど

またやるのが
すごいなって思いますよね。

まあ ちょっと考えがね…。

今回
『道』っていうドラマをやってみて

これの元をやりたいなと思って。

まあ ご自分の人生と
こう 照らし合わせて

書いてらっしゃる時が
あるだろうから。

放送の方は このあと
『やすらぎの刻』が

放送になるんですけど。
皆さん きっと

お楽しみになってらっしゃると
思いますけども。

どうぞ 続きを
ご覧になって頂いてください。

何か 今
おっしゃる事ありますか?

ないです。
ない? フフフフ…。

さっき ちょっとやってましたよね
風吹さんがね。

どうも ありがとうございました。
どうも ありがとうございます。

(拍手)

(菊村 栄)〈マロが死んだ!〉


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