SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ブレイディみかこ×鴻上尚史」多様性世界に暮らす親子を描いたブレイディ…


出典:『SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ブレイディみかこ×鴻上尚史」』の番組情報(EPGから引用)


SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ブレイディみかこ×鴻上尚史」[字]


著書「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」で、多様性世界に暮らす親子を描いたブレイディみかこ。教育・育児にも鋭い論を放つ鴻上尚史と意見をぶつけ合う。


番組内容

鴻上が長く続けている人生相談を読んで、会いたいと思ったというブレイディ。むだな縛りから子どもたちを解放し、才能を伸ばすために、常に具体的な実践術を唱え続けてきた鴻上に共感した。一方鴻上は、イギリスでブレイディが体験してきた多民族、貧富の差などによる多様性世界について切り込んでいく。ボーダレス化と分断化がともに進む日本でどう生きればよいか、2人の会話からそのヒントが見えてくる。

出演者

【出演】保育士・ライター・コラムニスト…ブレイディみかこ,作家・演出家…鴻上尚史,【語り】六角精児,平岩紙


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  15. 人生相談
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  17. エンパシー
  18. 演劇人
  19. 時代
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『SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ブレイディみかこ×鴻上尚史」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


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ブレイディみかこさんの

「ぼくはイエローでホワイトで、
ちょっとブルー」です。

去年の…

受賞したのは

多様化するイギリスに暮らす親子の
成長物語を描いた

「ぼくはイエローでホワイトで、
ちょっとブルー」。

本当に頂けて うれしいです。
ありがとうございます。

「SWITCHインタビュー」。
今日の達人は

本の著者で イギリス在住のライター…

本の主人公は

ブレイディとアイルランド人の夫との間に
生まれた男の子。

公立中学に通う息子が

人種差別 貧富の格差などによる
子ども同士の分断を乗り越え

成長していく姿を
母親の視線で描いている。

この本は これから 日本が迎える

多様性社会に対応するための
教科書であると

幅広い層の読者から多くの反響を呼んだ。

ノンフィクション部門では
異例の売り上げだ。

そのブレイディが
会いたいと望んだのは…。

どうですか?
いや 私は あります。

(鴻上)とりあえず 一回 態勢を整えて…
違う! そういう意味じゃない。

もう終わってるじゃん。
そこをピシッといきたい。

始めた… ドン!

劇団 第三舞台の旗揚げ以来

演出家として
40年近いキャリアを持つ鴻上。

日本の演劇界の第一人者だ。

さらに テレビ番組の司会や
コメンテーターも務めるなど

幅広い分野で活躍。

(笑い声)

小説やエッセーなど 多くの著書もある
マルチな才能の持ち主だ。

その中で
特に ブレイディが感銘を受けたのが…

読者から寄せられる
さまざまな相談への

鴻上の 丁寧で誠実な回答には

多くの共感の声が集まっている。

鴻上さんって 何かしら こう…
今の日本に対する問題意識とかを

持ってらっしゃる気がするんですよね。

だから 私は もう…

鴻上さんが…

その辺のお話を聞きたいなと思ってます。

見てる方向っていうか…

だから まあ… でも…

…と思いますけどね 僕は。

鴻上は
打ち合わせなどのために日本へ来ている

ブレイディを訪ねた。

ここ…

こんにちは。

どうも はじめまして。
はじめまして 鴻上です。

よろしくお願いします。
ブレイディと申します。

はい よろしくです。

ここは 作家が執筆に集中できるよう
出版社が所有している邸宅。

あの川端康成や開高 健など

名だたる作家たちが缶詰めになり
原稿を執筆した部屋もある。

ああ でも… いいですね。
すごい 何か いろいろ…

ああ そうですか。

何か 川端康成さんと…

「さんと」って 知り合いじゃないですけど。
もちろん 僕も知り合いじゃないです。

そうですか 川端 三島が出ますか。

おお~!

ああ~ いいですね!

…らしいです。

文豪たちの思念が籠もった この空間で…。

ブレイディと鴻上が語り合う
多様化へ進む日本社会を生き抜く術とは。

うちの息子が言ったのは やっぱ…

ああ いい言葉だ。

…気がします。 日本に比べて。

そうなんです。 それが…

だから…

それを どう折り合いをつけて
やっていくかっていう力っていうのは

何か… 自分たちだけ通用するって
言っても駄目なんですよ。

いや それは もう 演劇人は
ず~っと言ってますね。

それこそ 大胆に いじめの現場の…

…をやらせるだけでもね。

♬~

いや だから 僕 今回の本を読んで
すごい おもしろいと思ったのは

いわゆる… みんな違う。

本当は…

…っていうことの具体的なことが

いっぱい直面してて。

たぶん 日本も実は もう
そういうふうになってきてるんだけど

いまだに 日本は「みんな仲良く」とか

「お友達同士
いろいろと団結しましょう」とか

「絆」とかね。

…っていうか
私 やっぱり びっくりするのは

私 もう…

23年って すごい長いですよね。
長い 長い。

でも 何かね 日本って 帰ってきても
あんまり…

これは すごく珍しいっていうか…

経済もそうじゃないですか。

大体 23年間あったら
物価とか すごく上がるのに

日本って ほとんど それも…

何かね…

逆浦島。
そうですよね。

何か
これほど変わってないっていうのは…。

いや 怖いんだと思いますね。

つまり どこに変わっていっていいか
分かんないから。

つまり 変わらなきゃいけないとは
なんとなく思ってるんだけど

どこに向かっていいか分からないから…

あの… 何だっけ…。
台風が来たじゃないですか 日本に。

あのときに
どっかの避難所で断られた方が…。

ああ ホームレスがね。
ホームレスの方が断られましたよね。

あれ イギリスでも
実は ニュースになってたんですよ。

BBCが報じてたのかな。
それで 何か…

うちの息子が言ったの やっぱ…

…って言ったんです。
ああ いい言葉だ。

もし 自分が ここで

「嫌です。 入れられません」って
言った場合に

その ホームレスの来られた方は

それから どうなるんだろうって考えたら
嫌じゃないですか。

すごい嵐の中で その方は
どんな目に遭われるか分からない。

もしかしたら…

うん。
だから そこで本当に…

でも 入れられなかったのは
やっぱり 自分の…

ほかに避難所に来てらっしゃる方とか

あるいは
自分が所属している組織とかの人たちは

やっぱり 入れないほうがいいだろうって
思ったから 言うわけであって

本当に個人として
自分のことを考えていたら

そこで…

…っていうことはしないはずだと
うちの息子 言うんですよ。

いい…! 賢い息子さんですね。
だから そこで その…

周りの人たちのことが きっと
嫌だっていうに違いないっていうのは

あまりにも…

だから そういうのはね
確かに 何か あるような気がしますよね。

あれですね。 だから まあ…

僕は ブレイディさんの本が

あんだけ ちゃんと売れてるのは
すごい 希望だなと思うんですよ。

みんなが やっぱり
多様性に対して どう…

どうしたって 絶対…

止められないですね。
止められない。 止められないときに

どうやって関係をつないでいったら
いいんだろうっていうのは

すごく みんな 探してるんだと
思うんですよ。

ブレイディがイギリスに移住したのは
1996年。

その後
ロンドンにある日系の新聞社に勤務し

翌年の1997年

現地で知り会ったアイルランド人男性と
結婚。

そして 出産を機に資格を取る。

それは…

どうして でも 保育士を選んだんですか?

私 だから 子どもが出来るまでは
子ども 嫌いだったんですよ。

まあ パンクのイメージが
直感じゃ… あるね。

でも 出来るとね 本当に 子どもって

「人間は環境の動物」って言うけど

本当に…

本当に 私たちって
自分で何でもできるように…

できるようになった気になってるけど
大人になったら…。

本当に 教えてくれないと
誰かが見てくれないと

トイレだって
できないわけじゃないですか。

これは すごいなと思ったんですよ。

このときに…

すごく これは 大きいなと思って。

こういうこと
ほかにないんじゃないかなって。

…ぐらいに思いましたね。
なるほど。

それで その… 保育士になってみたら

すごい おもしろかったわけですか?
おもしろいですよね。

本当に それぐらい…。 いろいろ また

私が資格を取って保育士になったのが

普通の保育所じゃなくって…

それが やっぱり
すごく 貧困地域にあって

いわゆるソーシャルワーカーとかが
絡んでるような家庭。

福祉が ちょっと 介入してる…

そういう所で働いていくうちに
何か こう…

これは ある意味 保育士になって…

…だよねって思ったんですよ。

っていうか 私の師匠が
そういう考え方の人だったんで。

それは 一番の問題は それは やっぱ
貧困が一番の問題だったんですか?

いろんな多様な人種がいて
差別があるとかっていうことですか?

そこが だから 託児所も
すごく変わったのは

私が保育士の資格を取ったころは

わりと その地域の
いわゆる英国人の貧しい方々が

すごく 主に来られてたんですけれども…。

「ホワイトトラッシュ」と
いってたやつですね 白人の。

でも だんだんと…

何か やっぱり そこに…

何か お互いがお互いを…
何て言ったらいいのか…。

こう… なっちゃって 結局
移民の方のほうが多くなったりとか

白人の方が
だんだん 来なくなったりとか

いろいろ そういう…

しかし 2016年
イギリスの緊縮財政のあおりを受け

ブレイディが勤めていた託児所が閉鎖。

当時 日本へ向けたニュース記事や書籍も
執筆していたブレイディは

保育士だった日々を本にまとめた。

それが この一冊。

タイトルは…

貧困問題や人種差別など

保育の現場から見た
イギリスの分断社会を

生々しく描いている。

子どもたちの差別意識が
かいま見られるのが このエピソード。

ブレイディは 託児所で
一人 ブロックで遊んでいる子どもに

問いかける。

すると 子どもは…。

子ども同士でも もう…

ああ いるんだ。
やっぱり 親のあれを刷り込まれて。

でも 幼児で
この子は何にも分かってないまま…

…してるんだっていうのを見るのは

なかなか切ないものがありますよね。
ありますよね。

だから 一生懸命
イギリスの保育施設っていうのは

例えば 労働党が政権を持ってたときは

保育の2本柱が やっぱり…

多様性推進っていうのを
すごく 柱に掲げていたので

ものすごく そういう方面の教育は
してましたね だから。

やっぱり 多様性推進が すごいんですよ。
例えば 子どもが遊ぶときに

遊ぶ場所を
セッティングするじゃないですか。

そしたら ドールハウス
ちっちゃなドールハウスとかに

例えば キッチンに
家族を座らせておくとか

家族の人形を座らせておくとか
遊べるような…

何か 遊びたいなと思うような
セッティングをするわけじゃないですか。

そしたら キッチンに入れておくのは
お父さんとお母さんじゃいけない。

そうじゃない家庭もあるから…。
なるほど。

お父さんとお父さんに
エプロンをさせて立たせとくとか。

あと 必ず…

そういうのも あるんですよ。

ちょっと みんな
違うお人形にしとこうねとか

そういうところまで
気を使うんだなっていうのは

すごい その保育士の仕事をやったときに
これは…! って。

日本でも やってるだろうかって ふと…。
やってない やってない。

やってないですよ。
絶対 やってないですよ。

たぶん そんな お父さんが2人
エプロンをしてるような人形を

たぶん 日本で
いわゆる保育園とかが用意したら

たぶん…

だって…

それ 信じられませんよね。
ハハハハ…! ねえ!

これから日本が迎えるであろう…

その社会を生き抜くヒントをくれるのが…

公立中学に通う
ブレイディの11歳の息子が

所得格差や人種差別など

子ども同士の分断の壁を
力強く乗り越えていく姿を描いている。

息子さんがね…

…に対して でも…

お前 これ着ろよって あげても
すごい まずいだろう…。

どうやったら
友達のプライドを傷つけないように

でも もう ボロボロの…
今 制服 着てて

あまりにも これじゃ
もう かわいそうだから

じゃあ どうするか
っていうようなことっていうのは

すごい…

みんなで やっぱ 考えることだと
すごい思ったんですよね。

ある日 ブレイディの息子は

家が貧しく 裾がギザギザになっている
制服を着た友人 ティムを家に招いた。

リサイクルして作った
きれいな制服を渡そうとする息子。

しかし どうしたら
友人を傷つけないように渡せるだろう?

息子さんの… いいこと言いましたよね。

あれ 私のほうが 逆に
あの場に いるわけじゃないですか。

私も いやいや 紙袋に入れてるし
どうしよう どうしよう… って

私のほうが すごく思っていて。
でも そのときに…

でも ちょっと待って…。 今 この子に
この服をあげようとしてるのは

私は やっぱり 自分の息子の友達に
あげようとしてるっていうことは

これは すごい 身内意識なんじゃないか。

だって その子以外にも たくさん学校には
そういう子がいるわけじゃないですか。

何で そういう子に あげようとしないで

この子にだけ
あげようとしてるっていうのは

これは 何か
私は 内と外の意識になっちゃってて

これはこれで
間違ってるんじゃないかとか

すごく そういう… いろいろ考えて

やっぱ あげないほうが
いいんじゃないかっていう…。

…に やっぱり こう…

いや 間違ってるんじゃないかって
思ったときに 息子が…

…って言った。
もう これが基本じゃないかって。

何か 基本を忘れてるんじゃないかって
大人は… っていう瞬間でしたよね。

いろんな面倒くさいこと
ごちゃごちゃ考えるけど

それが 一番大事だってことですよね。

だから 「シンパシー」と「エンパシー」の
違いっていうのも

すごいね 僕は感動したんですよね 何か。

共感 同情を意味する
「シンパシー」とは

区別された言葉だ。

ある日の授業中 ブレイディの息子は

教師から
「エンパシーとは何か?」と問われ

こう答えた。

「自分で誰かの靴を履いてみること」。

イギリス人でも わりと
「シンパシー」と「エンパシー」の違いって

分かってない人が多いっていうか わりと
ごっちゃにしてる人たちが多くて

みんな 聞いたら
違うことを言ったりするんですよね。

結局 でも シンパシーっていうのは
もっと…

…することですよね。

でも エンパシーっていうのは
そうじゃなくって。

だから 自分と同じ意見を持つ人でも
持ってない人でも

同情できる人でも
できない人でもいいから

他人の立場になったら…

「アビリティー」って書いてあるんですね
英辞書に。

だから それは…
でも そこには希望がある。

だから そこの能力を磨いていくことが
多様性で大事なんだよって

息子が学校で習ってきたっていうのは

これは なかなか 本当に そうだなと。
いい教育ですよね。

本当は 道徳って そういうことを
道徳で教えなきゃいけないんだけどね。

「かわいそうだから
同情しました」じゃなくて

相手の立場に立てる能力を どうしたら
伸ばせられるかってことですもんね。

それって すごい…

逆に言ったら 文学とか
こういうエンパシーの力 なければ

書けないわけですよね。

1965年 ブレイディは福岡市に生まれる。

10代のころから
イギリスのロックバンドに影響を受け

高校卒業後は
アルバイトで金をためては

イギリス旅行を繰り返す日々を
送っていた。

私は もう ティーンのときから
音楽が やっぱり

UKロックっていうか
パンクとかが すごく好きで。

服装 ファッションがそうですもんね。

ポストパンクとか あの辺りから
ずっと 延々と

イギリスが とにかく好きで。
もう… 何て言うんだろうな。

…っていう言葉を
すごくイギリスの昔のロックはね

使いましたよね。
そういうときに 日本は

80年代
私がティーンのころなんていうのは

バブルでね いい時代。
「一億総中流」とかいわれてた…。

ソフト&メロウな曲が
はやってた時代ですよね。

時代ですよね。
そのときに 何か気骨のある

「ワーキング・クラス」っていう あれが

すごくかっこいいなと思って
私自身も 何か

父親とか肉体労働者ですし
ワーキング・クラスじゃないですか。

何か 本当のワーキング・クラスの人たちが
いる国に行って

思いっきり…

…とかっていうのがあって。
高校卒業して 行ったり来たり…。

お金をためて バイトして
お金ためて 行って…。

一番 はまったバンドとかって
あるんですか?

一番 はまったのは
セックス・ピストルズとPIL。

ジョン・ライドン命で 私
ファンサイトまで運営していたっていう。

本当に!? 日本のファンサイトを?
そうそう そうそう…。

へえ~! ああ そう。
そこが私の始まりなんですよね。

物書きとしては
ジョン・ライドンのファンサイトから

始まったっていうぐらい
ジョン・ライドンがすごい好きで。

人生の師匠と
思ってるんですけど。

博多?
博多です。 で 博多って

また 80年代って すごい…

…とかが はやった時代で
すごく 音楽 盛んだったから

自分も バンドやったり
いろいろしてたんですよ。

待って そのころの博多って
それこそ あれでしょ。

シーナとか もう…

高校生なのに ライブ会場に行くみたいな。

そう そう そう。
ああいう子が たくさんいました。

あの時代の福岡は。
やっぱ 博多って そういうあれなんだ…。

何か そういうノリがありましたよね。
なるほどね。

それで 行ったり来たりって
お金ためたら行って

また帰ってって やってた…?
だんだん いろいろ疲れてきて

しばらく落ち着いたんですけど 福岡に。
でも やっぱり行きたいなって。

私生活で いろいろあったのもあって。

まあ… まあね 20代のときは
いろいろあるじゃないですか

色恋沙汰だ何だ… ありますよね? はい!
で 30になったときに

ああ もう これは 本当に
私 イギリスに行こうと思って。

…で行ったら
本当に帰ってこなくなっちゃって

今まで住んでます。

多様化社会に向けた教育がなされている
イギリス。

しかし その一方で
イギリスの人々の間には

いかんともし難い壁があるのも
事実だ。

その分断の壁を象徴しているのが

ブレイディの息子が参加した
中学対抗水泳大会のエピソード。

気になったブレイディが
隣の母親に尋ねてみると…。

ブレイディは がく然とした。

何か こう…
いわゆる多様性とかね そういうのを

ちゃんと やってるからっていうので
イギリス いいかなと思うと

ブレイディさんが書かれてた プールの…
学校対抗 大プール合戦。

こっち側の観客席は いわゆる…

ええとこの学校だから
わりと人が少なくて空いてて

こっちの公立学校は
びっしり。
もう… うわ~っといる。

あれは でもね…

私も あそこまで露骨にするのかって。

何で 向こう側に
公立の学校が行けないのかって。

別々に座らせたほうが
やりやすいっていうのは

もちろん あるんでしょうけど。

でも その競技も別々に行うって
結構 すごい話で。

公立校が泳いだら 私立が泳ぎ
また公立が泳いだら 私立が泳ぎ…。

一緒にやればいいんだけどって思ってたら
やっぱり見てたら

あまりにも やっぱり…

確かに それはある。
だから 私立の学校の子たちは

本当に本格的に習ってるなっていう
すごい もう…

立派な泳ぎ 美しい泳ぎをするし

かたや 公立の子は普通の…。

何か こう ターンとかしてくるでも
手でタッチして帰ってくる。

でも 私立の子は もう 本当に
プロ並みのターンで すごく速いから

一緒に泳がせると たぶん もう
泳ぎ始めたころに着いてるみたいな。

そのぐらい差がつくのは
もう 見えてるんで。

だから 別々にさせるのかなっていうのは
分かる気もするけど。

でも これは やっぱり 経済格差が

ここまで はっきりになってくると…

それって 勉強だけじゃなくても。

昔は 何か…

…とか あったけど。

ここまで やっぱり
親の持っている資本によって

子どもの資質が
どれだけ伸びるかっていうことが

露骨に差が出てくる世の中になると
もう…。

これって でも 演劇とかでも
きっと そうだと思うんですよ。

今 イギリスは。
だから問題になってますよね。

今 女優さん 俳優さんとかが やっぱり

あんまりにもミドルクラス出身の人が
多くって 本物の…

そういう役を演じさせられる俳優が
今 少ないとか 何か よく…。

僕… 1年間 イギリスの
演劇学校へ行ってたときに

いわゆるプライベートスクールの
いいとこの… 男子学生がいて。

それで すごいなと思って。
学校は分かんなかったんですけど

イギリス人は
ちゃんとしてんじゃないかと思ったら

こっちに 開脚しようとしただけで…

レーモンドっていう男だったんですけど
開脚ができなかったんですよ。

で あとあと聞いたら
こっちは いわゆる田舎の公立学校で

こっちは いわゆるロンドンの
プライベートスクール…。

…だから もう やってるんですね
体操とか ばっちりね。

そうか! って。
つまり お金で こんなに…

学力じゃなくて…

…と思って
ちょっと がく然としましたけどね。

ああいうところは
イギリスは 本当に すごいですよ。

すごいですよね。
ピンキリの世界みたいな。

それは だから… つい 日本人は

やっぱり イギリスはすごいなとか
フランスは… とかって思うけど

そういうのを知ると
いや それはどうよ? っていうか。

それはどうよ? の世界ですよ。
それはどうよ? ですよね 本当に。

ブレイディさん的には 結局…

どうなんですかね? それは。

好きだから 今もいるし 日本に
帰ってくる気は全くないですもんね。

そういう激しい格差があっても
やっぱり 好きっていう感じ?

あるんだけど…

ああ なるほど。

これから どういう文章を
どういう人に向かって書こうという…?

そうですね あんまり…

結構 成り行きでやっているところが
何でも あるので。

いろんな問題…

…を書きたい。 普通の…

でも 普通の生活の中にこそ
その影響が出てきてる。

普通の生活の中から
ミクロからマクロを

見上げることができるんだよっていうのは
ずっと 意識して書いてることですね。

ああ そうですね。

なるほどね。

いやあ でも それで言うと
本当に 息子さんは

ちゃんと すてきに育ちましたね。
いやあ… 何なんでしょうね。

でも 何か やっぱり
あの本に書いてるのって

11歳 12歳の話じゃないですか。
今 13歳なんですけど

だんだん やっぱり
ちょっと変わってきてますよね。

でも それはそれで
いいと思ってるんですよ 私。

もう 思春期は みんなね。

もう しゃべらなくなり…
そうそう! それで でもいいと思います。

そういう時期なんで もう いけよって
そっちにっていう感じです 私は。

いや それは 本当 そう思いますね。
うん。

ここで…

今回
テレビや新聞などの取材を受けるため

来日したブレイディ。

日本で
ぜひ食べておきたいものがあるという。

実は 何てことのないお店なんですけど。

シュークリームがおいしい?
そうなんです。

こちらが そのうわさの
神楽坂シュークリーム。

結構 何か 有名らしいんですよ。
あっ そうなんですか。

神楽坂の この辺に住んでいる
編集者さんの一人が

神楽坂なら
ここに行かなきゃ駄目だって

教えてくれてですね。
なるほど。

ブレイディおすすめのシュークリームは

ホイップとカスタードの2層仕立て。

神楽坂に立ち寄った際は
必ず食べるという。

ありがとうございます。
っていうか ご存じだと思うんですけど…

何か シュークリームとか
向こうにもクリームパフとかあるけど

全然 こんな感じじゃないじゃないですか。

だから すごい シュークリームとプリンは
食べたくなりますね。         なるほど。

どう食べろっていうこと?
あった あった…。

私は 先にクリームだけ
なめちゃったりとか。

あっ おいしい おいしい。
あっ おいしい おいしい。

クリーム おいしいですよね。
おいしいです おいしいです…。

これ おいしいです。

結構ね さっぱりしてるんですよね。
うん…。 あっ おいしい。

後半は インタビュアーをスイッチ。

日本の演劇界を代表する
作家 演出家の鴻上尚史。

1981年の
劇団 第三舞台の旗揚げ以来

演劇人生を歩む鴻上は

今も現場の第一線で活躍している。

長年 劇団を運営する中で
いろいろ苦労もあったようで…。

演劇の演出家を40年ぐらいやってて
要は その…

よく演劇をドラマにしたり
漫画になったりすると

大体 皆さん…

大体 ここでエンドマークなわけですよ。

だけど 演劇やってる人間からすると…

そうするとね
結局 いろんなことがあって

初日に仲直りして握手したけど
10ステージ目ぐらいに

やっぱり…

…とかって怒ってくるんですよ。

怒ってきたときに 大体 僕は いつも

全部のステージにいるので
劇場で見てるので そうすると

「鴻上さん ちょっと 話があるんだけど」
みたいに

来るわけですよ。
あっ 来たと思うわけですよ。

そうすると 「夜 ちょっと…」。

「あんまり 人がいない所が…」。

「じゃあ 個室 取りますか」みたいな
話になって

話すと
「もう あいつとは やっていけない」とか…

…とかっていうふうに言われたときに

でも あと10ステージ… 15ステージとか
残ってるわけで

そうすると
「まあ まあ 気の持ちようですから」とか

「気にしないで」とかっていう

抽象的なことを言っても
しょうがないので

「じゃあ あの人は 何か
ウナギが好きとか言ってましたから

明日 2人と一緒に…」。

…するしかなかったんですよ。

何か みんな 鴻上さんに
聞いてもらいたいんじゃないですか。

まあ まあ 確かに 相談ってね 言うだけで
ちょっと ほっとしたりしますからね。

そういうところ ありますよね。
バ~ッて出しちゃうだけで

もう OKだっていうところも
あるのかもしれないですよね。

そんな鴻上の能力は
別のところでも発揮されている。

ネットで連載中の
一般の人々から寄せられた相談に答える

人生相談だ。

相談者と真正面に向き合った
鴻上の誠実な回答に

共感の声が集まっている。

実は ブレイディも
この人生相談のファンの一人だ。

「AERA」の人生相談の
ファンじゃないですか。

あれは どのくらい
今 やってらっしゃるんですか?

え~っと 1年と10か月ぐらいですかね。

何か やっぱ ああいうのを見てると…

…というか 気付かれると思うんですよね。
そうですね。

だから もう 悩みの種類はね
本当 雑多なんですよ。

もう 本当に…
本当に いろんな種類がくるので

本当に いろいろです。 だから

先月 回答したのはセックスレスの問題で。

結婚して9年目ぐらいかな。

「もう全く 旦那が 何もなくなりました」
とかっていうのから始まり

それから 男性で… 話題になったのは
66歳男性が やっと退職して

妻とも さあ 今から きょうだいとも
一緒に今から過ごそうと思ったら

何か「お兄ちゃんは偉そうだから嫌だ」
と言われ

妻も… 「一緒にいたくない」と言われ

「私は 一体 何がまずかったんだろう」
みたいなこととかね

いろいろありますね。

振り返られて
例えば 20年前 30年前の日本と比べて

今の その悩みの内容と 何か…

それとも あんまり変わってない?
どうですかね…。

ああ でも そうだよね。
…と思いますね。

だから 高度経済成長のときとかってのは
たぶん…。

「たぶん」っていうのも 何なんですけど。

今よりも
縛りが強かったりとかだったんだけど

どうせ…

…ような気がするんですけど
今は 本当に

みんな 出口が見えない中だから

どんどん 何か こう…

内向化してくるっていうか
そういう感じは すごい 感じますね。

相談に答えるときに
最も気をつけていることは何ですか?

やっぱり 実行可能なこと…
具体的で実行可能なことを

最後 手渡してあげたいというふうに
思いますね。

何か だから
「気の持ちよう」とか「頑張れ」とか…。

「頑張れ」多いですよね 何かね。

だから 「頑張れ」とか「気にするな」とか

気持ちを… 「気合いを入れる」とかね

そういう精神的なことじゃなくて
実行可能な

でも すごく具体的なことを ちゃんと
伝えられたらいいなと思いますね。

例えば この相談。

この相談に対し 鴻上は…。

何か 本当に…

その人に向かって書いてない人生相談も
あるじゃないですか。

ありますね。
何か そうじゃない人生相談もあるけど

すごい… 鴻上さんのは
すごい本気で書いてらっしゃるなって

その相手に向けてっていうのが。
だから ちょっと これは

自分のために書いてるっていうか

自分をプロモーションするための
人生相談だったら

この文句は入れないな
っていうようなことも

はっきり
書いてらっしゃるじゃないですか。

だから 私 そこがすごいなと思って
いつも読ませていただいてるんですよ。

僕自身は あんなに
何か 皆さんに喜んでもらえるとは

夢にも思ってなくて。
いや すごくいいですよね。 熱いですよね。

僕 でも だって それで言うと
たぶん あれですよ。

ブレイディさんの
もし お母さんが書くとしたら…

…みたいなのは たぶんあると思います。

それで きたら 何て答えます?
いや それは もう だから…。

それは もう
成功したと思っていいと思いますよ

みたいな… 答えますね。

演劇人として 文筆家として
マルチに活動する鴻上。

その底に流れるのは

「理不尽なルールに縛られず
自由に生きよう」というメッセージだ。

そんな思いに至るルーツは
実は 鴻上の幼少期にまで遡る。

1958年
鴻上は 愛媛県の新居浜市に生まれた。

小学校の教師だった父親の影響で

鴻上は 人一倍 正義感が強い少年に育つ。

例えば 僕は 田舎だったので

朝の6時とかに 公民館から
音楽が流れるわけですよ 朝6時に。

で 夕方 今も5時かな? …か6時に
また音楽が流れるんですけど。

夕方は 別に まだ いいんですけど
朝の6時っていうのは

父親が言ってたのは だって…

朝 一律に…。

すごい大きい音なので
もう 間違いなく目を覚ますだろうと。

それは 悪い意味で それぞれを…

一律に 何か やろうとしていることは
おかしい! みたいなことを

父親は言ったりするわけですよ。

それは 子ども心に
それはそうだと思って。

それは だって
夜 タクシーの運転手さんで…

田舎とはいえ
タクシーも ちゃんとありますからね。

…をした子どもでしたね。
なるほど。

それが やっぱり 今に ずっと
つながってきてると思われますよね。

…とかっていうふうに思うことを
ずっと思ってきましたから。

だから まあ… ブレイディさんみたいに
イギリスに脱出しなかったから

ガンガンぶつかってきたっていうか。

要は…

要は ろくでもない先輩ほど
先輩風を吹かすじゃないですか。

それで…

そうすると
いい先輩は 先輩風を吹かさないから…

校則は もう 本当に 中学校から…

本当にね もう…。
無意味なの多いですもんね~!

どうしてなんだ? って。
ほぼ 全部 無意味と…。

本当に だって もう…

…みたいなのは 全く無意味なわけで。

中学校のときは それを
何とかしようと思ったんだけど駄目で。

駄目っていうか 闘って。

高校入ったら 生徒会長になって

それを 何とか変えたいなと思って…。

一番の変えたいと思った理由は 要は…

信頼関係 築きたいんだけど

例えば 僕らの時代は 女の子でいうと…

黒は駄目だとか言うわけですよ。

でも 隣の学校へ行くと…

「何でですか?」って聞いても

先生の納得できる答えなんか
ないわけですよ。

人生相談できて笑ったのは
そのリボンの色は決まってたんだけど

白は駄目だっていうのがあって。

先生に
「何で 白は駄目なんですか?」って

登校した高校生が聞いたら…

…っていうことを
先生が言ったっていって。

もうね…
ちょっと 想像を超えた世界ですよね。

「目にチラつく」…。
「目にチラつく 白がね」って。

先生も考えてたと思いますよ。 先生も…

それ 首相とかが言ってる へ理屈と
よく似てるじゃないですか。

結局 何かね やっぱり…

そこなんですよ。
そういう へ理屈を言ってる教師って

分かるじゃないですか 子どもも。

政治家も そうなんですよ。

そういう人たちが
教師であり 政治家である社会を

信じられるわけないじゃないですか。

本当に 信頼関係 築きたいし
リスペクトしたいのに

そんな愚かなことで どんどん…

でも そうやって ずっと
いまだにですね… いまだに だから

無意味な校則とかになると
本当に ちょっと

我を忘れて熱くなりますね。

はっきり 大人気ない態度を
取ってしまいます。

でも なぜ 日本は そういう…

…を作ろうとする人がいたり
維持してるんでしょうね?

もともと 世間という…
僕が ずっと考えてる

「世間」っていうのと
「社会」っていうのがあって

「世間」っていうのは
自分の知ってる人間たちで作った空間で。

鴻上が考える「世間」とは

学校 職場などの知り合い
近所の人など

自分と関わりがある人々。

一方 「社会」とは

自分とは
全く関係のない

他者が生きる世界のこと。

実は 長い間…

社会に対しては 無視してよかったし

旅の恥は かき捨てでよかったんだけど。

なので ずっとやってきたんだけど

やっぱり 大企業とか…

…だけで やってきた大企業は やっぱり

続々と やっぱり 倒産したりとか
吸収合併されてるわけで。

それで…

…って気付いた企業が
今 生き延びているわけですよ。

特に 銀行系とかね いわゆる大企業の
本当に 老舗とかっていうのは

自分たちの中のルールだけでやってきてて
本当に 吸収合併とか なってきてる。

学校も 実は 大きな組織な分だけ

自分の中の組織の…

でも 今は もう 本当に 多様な…

いろんな国の人間も入ってくるわ

それから 価値観も多様してきて…

…っていうことに気付いた人と

いやいや もう だって…

…って思ってる人の すごい…

そこに だから
それこそ「ぼくはイエロー」みたいのが

ちゃんと入ってくると
ほらほら こうやって

やがて この世界に 日本もなるんだから
この多様性の この試行錯誤を

ちゃんと理解しましょうっていうか
対応しましょうよっていう…。

結局 でも…

…と やっぱり思っていて。

自分の信じているルールだけが
すべてではなくて

人が信じているルールは
また 違うかもしれない。

じゃあ その中で
こういうルールもあるんだねって

それこそ…

…中で 何か こう
一緒に折り合っていけるのは

それこそが 何か 多様性であり
そうじゃないと やっぱり

対応していけない世の中に
もう なってくるから。

コミュニケーションのうまい人
っていうのは 何かっていうと

つい 日本人って コミュニケーションの
うまい人っていうのは

誰とでも友達になれるとか

わりと簡単に
人間関係を築ける人のことを

コミュニケーションがうまいって
思われてると思うんだけど。

…がある人のことだと。
そうなんです。

それが対応力なんですよね。 だから…

…っていう力っていうのは 何か…

自分たちだけ通用するって言っても
駄目なんですよね。

でも 僕らは もう 本当に…

そうすると どう…

練習しなきゃいけないのに 今 日本の…
まず 学校でやってることは

「みんなが同じ
リボンの幅をそろえましょうね」とか

「色はこれですよ」
とかっていうわけですよ。

日本社会を見つめる鴻上の視点は
多岐に及ぶ。

さあ 始まりました!
「COOL JAPAN」。

今回も クールな日本文化を
発掘できるかな?

外国人の視点から
かっこいい日本を発掘するテレビ番組。

「まんが道」ですよ 皆さん。

鴻上は この番組の司会を
実に 14年も務めている。

僕 「COOL JAPAN」という番組を…
NHKのBSで15年目に入るんですけど。

「COOL JAPAN」という
タイトルのわりには

15年 続いてる理由っていうのは…

要は もう 日本を
礼賛していいというんじゃなくて

日本の嫌なとこ ないか? みたいなことを
いっぱい言うんだけど

そうすると
あるとき 外国人が集まったときに

もう なんだか 日本の会社は
規則が厳しいだの

飲みに行かないと 何か もう
はじき飛ばされるだの みたいなこと

さんざん。 君ら…

そうですよね。
なんで 日本にいんだよって聞いたら

いや まず 安全だよっていうことを
言ってましたね。

それから 客としては
こんなに天国な国はないと。

だから…

…っていうのが絶対いいと。

あと まあ もちろん 食べ物もおいしいし
何か 便利だし

まあ 世界中で 夜中に電球切れてとか
乾電池が切れたときに

手に入る都市… 国は日本だけだし。

何と言うかな…

そうですよね。
まだ そうなのかもしれないですよね。

本当に 本当ですよ はい。

先ほど その
コミュニケーション能力の問題…。

結局 でも コミュニケーション能力って
すごい 大事だなって私が思ったのは

託児所に勤めていたときに

やはり 虐待とか
育児放棄とかされている家庭の子ども

小さな子どもって なかなかね

感情を伝える回路が 何か
ちゃんと発達してないっていうか

発達が やっぱり
ちょっと 遅れてるっていうか。

それをイギリスが
どうしようとしてるかっていうと

例えば 保育… 幼児教育の段階で
演劇的な要素を すごく取り入れていて。

例えば 壁に
笑ってる顔とか 泣いてる顔とか

怒ってる顔の写真を貼って

これは
どういうときにする顔かな? って。

じゃあ みんなで
この顔 やってみようか! って。

演劇教育がされてるっていうのは
日本にないじゃないですか。

ない。 ないですね。
演劇教育とか

私 日本もやるべきだと思うんですけど。

それは もう 演劇人は
ず~っと言ってますね。

演劇人は もう 何十年も もう…。
だって…

東京芸大という まあ いわゆる
この国の芸術の中心にね

音楽はあるわ
美術はあるわっていうのに

演劇だけがないっていうのは
それは もう 駄目だし。

鴻上は 学校や さまざまな団体に向けた
演劇ワークショップを長年開催している。

その目的は 演劇を通じて
コミュニケーション能力を養うこと。

ああ いいじゃないですか。
へえ~ ここでやるんだ。

この日 鴻上は
高校の演劇クラブの舞台を監修した。

何か分かるな。 ハルキ君の気持ち。

演技指導をする中で
鴻上が最もこだわったのが

自分の思いを伝えるための技術だった。

≪分かるの? 俺の気持ち。
≪うん。

技術が必要なんだよ。

つまり 日本人は つい
「気持ちさえあれば伝わる」とか

「気持ちが一つになれば」とか
「絆」とか 言いがちなんだけど…。

俺たちには…

…っていうことを
突き詰めようとするっていうことなのね。

やっぱり そのコミュニケーション
人とコミュニケートするときに…

でも 何か それって
大事じゃないですか。

それができないと 多様化する社会で…

イギリス人よりも 日本人のほうに
やらなきゃいけないと思います。

イギリス人は 放っておいても

自己主張しなきゃいけないのが
出てくるんだけど

日本人の場合は もう 本当に こう
なんというか

目立たないようにするとか
飲み込むとかっていうので

生き延びられると思ってる子たちがいて。

だから 演劇教育は 僕は…
まあ 僕は 演劇人な分だけ

演劇教育っていうと 何か ちょっと
手前みそすぎて 恥ずかしいから

表現教育っていうふうに
言ったらどうだって言ってんですけど

表現教育で
それこそ もう大胆に いじめの現場の

いじめられる役と
いじめる役を やらせるだけでもね。

いじめっ子がね いや こんなに
5人 10人から

くそみそに
言われるってことが こんなに…

というのは 本当に
実は やんなきゃいけないことなんですよ。

何か やっぱり ロール・プレイとか

それって まさに エンパシー。

まさに それって
人の靴を履いてるわけじゃないですか。

コミュニケートするっていうのは
演劇 すごく大事です。

本当に もう 演劇人が言うとね

手前みそなこと言ってんじゃねえよって
言われるんだけど。

だって あれ 別に
役者を育ててるわけじゃなくて

みんなが 自分の…
自分のことを言えるっていうことは

人が言ってることも理解できるようになる
っていうことなんですよね。

それって相互のことだから
コミュニケーション能力を鍛えるのに

演劇ほど役に立つものはないですよね。
そのとおりです。

いや もう…

アハハハ…!
いやいや 本当ですよ 本当に。

でもね あんま 広がらない理由は
先生方が指導できないっていうか。

そのロール・プレイ どうやったらいいの?
みたいなことが あったりするんですよ。

あのね… 僕は しばらく 頼まれて…

まあ あんま やらないんだけど
やったときに

はい みんな 円形に…。

「円になろうぜ」って言うんだけど

これ 小学校の低学年だったら
それだけで10分ぐらいかかるわけですよ。

ガタガタ言いながらね。
でも 別にね それでいいの。

つまり 円になって お互いの顔が見える
ポジションとはどこかっていうのを

それぞれが こう 発見してくれれば
いいわけだから 全然かまわない。

そうしたら それ 見てた 担任の先生が

「ほら そこ! もうちょっと 下がって!
そこ 広いとこ 出て!」。

「横の顔 見えねえだろ!
もっと こっち来て! はい!」。

いやいや それは…

「はい どうぞ!」って言われると…。

もう その瞬間に
もう 凍りついてるわけですよ みんなね。

あっ そうか これは もう ちゃんとした
何か こう

道徳の時間なんだなっていうか
円になるための授業なんだなみたいな。

でも そうじゃなくて
本当に 気付かないやつが…

パッと見たら 後ろに何人も…
みんな 輪がある。

自分で 僕の… 僕を遮ってる
あっ いかんと 戻るみたいな。

円になること一つでも
他者を発見する作業なんだけど

他者を発見するためには
適度な時間 待たなければいけない。

でも あまりにも待ち過ぎて
子どもたちが飽きるようなら

的確な指示を出さなきゃいけない
とかっていうのは

やっぱ あれ 技術なので。

だから 大学の…
先生になる課程の中に

まず 演劇の授業が
ちゃんと入ってもらえると

先生たちが
ああ そうだっていうふうになると。

だから まあ 道 遠いですけどね。

ずっと でもね もう
演劇界としては言い続けてるんです。

最後に ブレイディから鴻上に
こんな質問が。

アハハハ…!
やめてください!

でも 何か こういう方向に…。

例えば まあ 演劇と執筆と あと まあ

オピニオンリーダーみたいな。
いやいや いやいや…。

でもね 根っこは 全部 一緒なんです
僕 やってることは。

自分が思ってることを
演劇っていう形で発表したり

エッセーで書いたり こうやって
テレビに出させてもらったりしてて

大本は 言ってることは たぶん

みんな 幸せになろうぜっていうことだと
思うんですけど。

それなんですよね。
みんな 幸せになろうっていうのが。

私も幸せになるために
人間は生きてると思うんですよ。

何かね まっとうに
幸せになろうって言うと 何か

何て言うんですかね。
てれも もちろん あるんでしょうけど。

何か 「それだけでいいのか」とかね。

「単純に幸せになるだけで
世の中はいいのか」みたいなことを

言う人がいたりするわけだけど
幸せになっていいんじゃないですか?

いいですよね。 私も そう思います。

(取材者)では 対談 以上になります。
はい ありがとうございました。

はい ありがとうございました。
お忙しいところ。

いいえ とんでもないです。

確かに 社会に対する
そうですね

信頼が薄いっていうのは
そのとおりですね。

そこを ちょっと… 大事なことですね。
ありがとうございました。

失敗しないと幸せにはなれないですよね。
本当ですよね。

ブレイディさんに連絡するのは
どうやったら…?

あっ 私はあります。 名刺があります。
名刺がありますか。

♬~


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