新美の巨人たち 老舗旅館・柊家×又吉直樹…200年の歴史に刻まれた京の美の真髄 “川端康成の別宅”14号室に又吉直樹が…


出典:『新美の巨人たち 老舗旅館・柊家×又吉直樹…200年の歴史に刻まれた京の美の真髄』の番組情報(EPGから引用)


新美の巨人たち 老舗旅館・柊家×又吉直樹…200年の歴史に刻まれた京の美の真髄[字]


なぜ『柊家』は200年愛され続けているのか?受け継がれるもてなしの心とは?▼“川端康成の別宅”14号室に又吉直樹が宿泊!落ち着きがあり解放感に満ちた空間を体感!


詳細情報

番組内容

シリーズ「春の京都で美に憩う」第1弾▼200年の長い歴史の中で、華族、皇族、文人墨客に愛されてきた京都の老舗旅館「柊家」。館内にさりげなく飾られている書画骨董や美術品は、いずれも名品揃い。日本を代表する最高峰の旅館で、極上の“おもてなし”を受けるのは又吉直樹さん。川端康成が愛用した部屋に一泊し、解放感に満ちたくつろぎの空間で身も心も癒されます。京都の街中に静かに佇む老舗宿の美に迫ります。

出演者

 旅人:又吉直樹

 ナレーター:市川実日子

音楽

【オープニング&エンディングテーマ】

上原ひろみ

関連情報

【番組公式HP】

www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/


【番組公式Twitter】

@binokyojintachi


【番組公式Facebook】

www.facebook.com/binokyojintachi/


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新美の巨人たち 老舗旅館・柊家×又吉直樹…200年の歴史に刻ま
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  17. お願い
  18. お疲れさ
  19. 気持
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ある文豪の定宿でした。

仲居さんの手記によれば…。

彼の部屋は 14号室。

文豪いわく…。

白足袋が動きます。

磨き上げられた廊下を滑るように。

手が動きます。

洗練された所作で。

熟練の技で。

その動きの一つ一つが

創業から 200年あまりの歴史を
積み重ねてきたのです。

京都 『柊家』。

いやぁ。

本日は 又吉直樹さんが

名旅館 『柊家』を探訪する旅です。

伝統と革新の見事な調和。

そこに京都の美の真髄が
生きています。

えっ お掃除?

御池通に又吉さんが
やって来ました。

若い頃は 京都の寺社巡りが
趣味だったそうです。

学生時代 もう毎週のように
京都 来て

いろいろ まわってましたね。

旅館に泊まるってことは
当時なかったですね。

実家が すぐ30分 40分くらいで
電車で行けちゃうんで。

日帰りで いつも来てましたね。

こちらですね。

ここに1泊していただきます。

こんにちは。
はい どうぞ。

名前だけは聞いたことが
あるかもしれません。

日本を代表する
最高峰の旅館ですから。

今日の作品 『柊家』。

創業は 文政元年。

1818年ですから
およそ200年前のこと。

ひっそりと たたずんでいる気配。

二階建ての数寄屋造りは

高い塀に囲まれて
中は うかがいしれません。

塀の周囲には 駒寄せの柵が
巡らされています。

年季が感じられる看板。

門口には 園祭りで配られる
厄除けの粽。

水が打たれた石畳の玄関。

間口が広いのは

人力車が出入りしていた頃の
名残です。

お越しやす… おおきに。

はい 失礼します。
お疲れさまでございます。

玄関を上がると
すぐ目の前に堂々たる扁額。

こちらは 「来者如帰」
来たる者 帰るが如し。

来られたお客様が
我が家に帰ったように

くつろいで
いただけますようにという

私どもの おもてなしの心…。
なるほど。

ぜひ ゆっくり お疲れを
とっていただければ…。

よろしくお願いします。

お部屋のほうへ…。
ご案内いたします どうぞ。

お願いします。

又吉さんは 14号室へ。

失礼します。 おぉ!

広さ10畳の伝統的な
数寄屋造りのお座敷です。

お庭が見えてますね。

改めまして いらっしゃいませ。

お部屋係の はつねと申します。

どうぞ よろしく
お願いいたします。

又吉です。

部屋に通されたら 抹茶で一服。

『柊家』に身を任せてみましょう。

あぁ おいしいな。

14号室は 最も古い
江戸時代にできた部屋。

天井は
決して高くはありませんが

落ち着きがあり
開放感に満ちています。

なぜなら 座椅子より
高いものがないからです。

自然と視界は広がり
目は縁側の外の庭へ。

きれいな お庭が。

『柊家』の庭は

定期的に京都を代表する
庭師の方が

手入れをしています。

何にも考えずに
ボーッとしときたいですね。

こういうとこで。

又吉さん ここは

川端康成の京都の別宅と
言われたほど

愛用された部屋なんですよ。

江戸時代後期の文政元年
運送業を営んでいた初代が

旅館を開いたのが
『柊家』の始まりです。

名前の由来は

左京区にある世界遺産
下鴨神社の境内にあります。

摂社の比良木社。

邪気をはらう常緑樹の柊が
自生する この神社を

初代が深く信仰し

屋号を
『柊家』としたそうです。

幕末には
維新の志士たちがとう留し

明治に入ると

華族や皇族
文人墨客に愛されたのです。

小説家の川端康成や三島由紀夫。

彫刻家の

海外からは
チャールズ・チャップリンも訪れています。

このサインは アラン・ドロンです。

200年に及ぶ歴史ゆえに

館内の書画骨董や美術品は
いずれも名品揃い。

こちらの掛け軸は
さりげなく 横山大観。

コウヤマキの甘い香り漂う
家族風呂には

日本のステンドグラスの先駆者
小川三知の作品が

贅沢に飾られています。

モチーフは
いかにも京都らしい大原女。

そろそろ 日も暮れどき。

『柊家』の厨房が
忙しくなる時間です。

腕を振るうのは…。

『柊家』の料理を任されて
20年あまり。

日本料理の名人。

確かな目で選び抜かれた
旬の食材を生かし

丁寧な仕事が施された料理は

女将と検討を重ねた
ふさわしい器に盛りつけられ

ひと品ずつ
お部屋係の女性によって

運ばれます。

静かに 素早く。

お待たせいたしました。

お料理 出させていただきます。
ありがとうございます。

季節ごとに献立を変える
正当な京懐石です。

うん。

あぁ おいしいですね。

器もきれいやし
すごい贅沢ですね。

客のペースに合わせて
料理が作られ 運ばれる。

そのタイミングを計るのは
お部屋係の仕事です。

気を遣うのは 料理の温度。

温かいものは 温かく。

冷たいものは 冷たいままに。

あぁ おいしい。

いやぁ いいですね。

はい。

せかされず しかし
間をもてあそぶことなく

最適の状態で運ばれてくるのです。

うん。

おいしいですね。

何年くらい
やってらっしゃるんですか?

私ですか?
はい。

そうですか。 いつもテレビで
拝見させていただいてます。

田口八重さんは

『柊家』で60年も働いた
伝説の仲居さん。

その思い出を
一冊の本に綴っています。

彼女をひいきにしたのが
川端康成でした。

すべてに完璧に

仕事をしたい
っていう人でしたから…。

っていうことも
八重が よく言っておりました。

古都の春の宵です。

又吉さん
川端康成の部屋で執筆中。

お疲れさまです。

この旅館
朝も ちょっと すごいんですよ。

あぁ 湯豆腐。

京都 『柊家』の朝。

暗いうちから
200年続けられてきた

道の掃除が始まります。

勝手口から出てきたのは
若い板前さん。

並びの角の
お豆腐屋さんに来ました。

平野とうふは 明治39年の創業。

北大路魯山人や
白洲次郎にも愛された名店です。

出来立ての豆腐は

『柊家』の名物の朝食に加わります。

まだ ちょっと温かいですよね。
はい。

おおきに。
おおきに ありがとうございます。

おいしそう。

湯豆腐の桶は
人間国宝 中川清司の作。

中に仕込んだ炭火で
豆腐をやさしく温めます。

うん。

おいしいですね。

湯豆腐 久しぶりに食べましたね。

ちょっと特別なものを
見せていただきました。

『柊家』の掃除です。
その所作にご注目。

まずは 3種類のはたきを
使い分けてのほこり取り。

続いて 濡れた紙をちぎり
部屋にまいて 掃き掃除。

畳の目に沿って しっかりと。

初めて見ました。

これは 普通の紙ですか?
普通の そうですね

うちは 再生紙を使ってますね。

通常でしたら 掃除機で
畳を掃除すると思うんですけど

それだと傷んでしまうので。

水拭きのあと
乾く前にから拭きして 仕上げ。

およそ40分で 部屋が
シャッキっと生き返ります。

江戸時代から 建て増してきた
『柊家』の建物。

最も新しい部分を
見せてもらいました。

本館から 新館へとつながる

トンネルのような
漆塗りの廊下を抜けると

光に満ちた空間が現れます。

気持ちいい空間ですね。

庭がずっと見えるっていう。

角に柱がないんですね。

新館を設計したのは

これが例えば
山の中やったら

周りは山ばっかりで
気にならへんのですけど

この周りって マンションとか
駐車場で なかなか

景色がないので 思い切って
全部 三方向

京都も三方向
山に囲まれてますし

ちょっと景色にできひんかな
と思って

柱のない空間を
つくってみたんです。

新館の客室には
京都が育んできた

工芸の美の神髄が
いたるところに。

例えば こちらの床の間は…。

下がなんか あれですね。

この素材だと 水みたいに見えて

軸が 映ってるのが
おもしろいですね。

ここも細かいですよね。

光の当たり方で 微妙に
色が違って見える。

ガラスじゃないんですね。

なんと 黒漆に 玉虫の羽が
施されているのです。

別の部屋の天井は

京都の表具師の技が光る
和紙張り。

床の間に浮かぶ柊模様も
和紙のすかし。

日の光の移ろいによって

色の加減が変わっていくそうです。

この先も

そういったものを なんか
いっぱい ここの中には

作っていきたいなと。
ですから ホントはもっと

やりたいんですけど
あんまりやりすぎると

お客さん お腹いっぱいに
なるかもしれへんし

ここに来て よかったなと
また来たいなと思えるくらいに

なるためには ちょっと
引きめのほうがええのかな

っていうふうに思ったんです。
あえて ここやめとこう

このくらいにしておこう
という気持ちではやってます。

どうして 『柊家』は 200年もの間

愛され続けてきたのか。

秘密は 屋号に。

家という文字。

他の旅館とは違い

屋ではなく 家なのです。

単なる屋号としての
『柊家』ではなくて

やはり 宿ですので…。

『柊家』に寄せて
川端康成が書いた

自筆の原稿が残されていました。

「私は 旅が好きだし
宿屋で書き物をする

ならわしだが 『柊家』ほど
思い出の多い宿はない」。

よっぽど気に入ってますね。

川端康成が 『柊家』を愛した
意外な理由とは。

川端康成は 『柊家』に寄せて
こうつづっています。

川端さんとか 三島さんとかが

自分の家へ遊びに来る
って考えたら

むちゃくちゃ怖いじゃないですか。

いろんなこと
気づきはる人やから

ねぇ 徹夜で準備しても
間に合わへんくらいの

そういう… 僕の偏見かも
しれないですけど

そういう人たちが
なんていうんですか

自分の もうひとつの家みたいに
使ったり

馴染みの宿として使う
っていうのは もう

まあ よほどのことですよね。

いやぁ こういうとこに
当たり前の顔して

泊まれるようになりたいですね。

お疲れとって
いただけましたでしょうか。

すごい休めました。
京の我が家と思って

また お疲れのときは
ぜひ お越しください。

ぜひぜひ おじゃまします。
今日も あいにくの雨ですけど

でも 雨がまた京都はね 風情…。
そうですね。

すみません
お世話になりました。

ありがとうございました。
また お待ちしております。

ありがとうございました。
ありがとうございます。

この建物の中に
もうひとつの京都があります。

さりげなく ひっそりと。

けれど たゆまず 揺るがず。

200年 磨きをかけてきた
やすらぎの形。

京都 『柊家』。 万事控えめの極上。

『新 美の巨人たち』は

次回は 2つの庭の物語。


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