法医学教室の事件ファイル47 名取裕子、宅麻伸、由紀さおり、阿川佐和子、国生さゆり… ドラマのキャストなど…


出典:『法医学教室の事件ファイル47 30周年記念スペシャル』の番組情報(EPGから引用)


2020/05/24(日) 21:00~23:04


法医学教室の事件ファイル47 30周年記念スペシャル[デ][解][字]


名取裕子主演人気シリーズ47弾!早紀(名取)&一馬(宅麻)が結婚30周年の“真珠婚式”でウエディング姿初披露!!名取裕子×室井滋×阿川佐和子3女優のバトル再燃!!


詳細情報

◇番組内容

二宮早紀(名取裕子)は法医学教室の教授。夫の一馬(宅麻伸)は横浜東署の警部で、2人はケンカしながらも抜群のコンビネーションで数々の事件を解決してきた。早紀は結婚30周年を記念して、“真珠婚式”を開こうと大張り切り。しかし、一馬は「勘弁してくれ」を繰り返し、まったく乗り気ではなさそうだった。そんな中“日本の不動産王”といわれる超大物・太賀龍蔵(中尾彬)の娘が刺殺体となって発見される…

◇番組内容2

死の直前タピオカミルクティーを飲んだはずの被害者の胃の中から、タピオカではなく“ナタデココ”が検出された! <名取演じる法医学者・二宮早紀VS室井ふんする鑑識班長・河村映子VS阿川が熱演するキャリア管理官・宗方楓>――が本作でもバチバチの三つ巴バトルを繰り広げます。

◇出演者

名取裕子、宅麻伸、由紀さおり、阿川佐和子、国生さゆり、飯田基祐、ダレノガレ明美、中尾彬、室井滋

◇スタッフ

【脚本】外村朋子

【監督】山本邦彦

【ゼネラルプロデューサー】関拓也(テレビ朝日)

【プロデューサー】山川秀樹(テレビ朝日)、川上泰弘、伊藤由彦(国際放映)

◇おしらせ

☆番組HP

 http://www.tv-asahi.co.jp/prime-sun/


『法医学教室の事件ファイル47 30周年記念スペシャル』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数ベスト20)

法医学教室の事件ファイル47 名取裕子、宅麻伸、由紀さおり
  1. 年前
  2. タピオカ
  3. 早紀
  4. 先生
  5. 真知子
  6. 滝本
  7. 犯人
  8. 戸倉真知子
  9. 遺体
  10. 弥生
  11. 事件
  12. 銀杏
  13. 斉藤弥生
  14. 叔母様
  15. 直哉
  16. 松永
  17. 真実
  18. 斉藤直哉
  19. 太賀会長
  20. 太賀龍蔵


『法医学教室の事件ファイル47 30周年記念スペシャル』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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(汽笛)

♬~(音楽)

♬~

(二宮一馬)はあ…。

早紀 今からでも遅くない。

真珠婚式 やめないか?

(二宮早紀)何を今さら。

夫婦そろって 結婚30年を
無事に迎えられたお祝いなのよ。

ああ…。

ねえ 思い出さない?
私たち2人の 愛の第一歩…。

私と結婚してください。

アハハハハッ!
アハハ?

アハハハハッ! アハハハハッ!

だってさ
解剖を仕事にしてる私と

解剖に立ち会うと 貧血起こして
ひっくり返っちゃう

刑事のあなたが結婚でしょ?
アハハハハッ!

アハハハ…!

私は 真剣です。

あれから30年… ウフフ…。

こんな厳かな雰囲気の中で
改めて愛を誓えるなんて 素敵…。

(ため息)

オメデトウゴザイマス。
二宮一馬サン 早紀サン。

(扉の開く音)

早紀! うわっ!
動くな!

てめえらのせいで 俺は
臭い飯食らうはめになったんだ!

お前は
あの30年前の連続殺人犯…。

動くな!

あっ!

(銃声)
あなた!

救急車!

早紀…。

あなた… あなた!

あなた! あなた! あなた…!

あなた…! あなた~! ガッ…。

ん? あっ…。

ああ… あっ 夢か。

早紀 呼んだか?

ううん 空耳でしょ。
あなたも年ねえ…。

(あくび)
それは お互いさまだろ。

なんか 首が痛いんだけどな…。
まあ いいや。

なあ 早紀…。
ん?

お前が ずーっとやりたがってる
真珠婚式なんだけど…。

(二宮愛介)こんにちは~。
(二宮 南)こんにちは~。

あーっ!
あれ ちょっ ちょっ ちょっ…。

あ~ 心ちゃん!
いらっちゃーい!

よいちょ~。
よいちょ よいちょ よいちょ…。

あっ お母さん

真珠婚式の式場のパンフレット
いくつか もらってきたよ。

うわ~ ありがとう!
ごめんね 愛介。

あなたたちの結婚式も
まだなのにね~。

気にする事ないって。
僕たちは授かり婚だしさ。

心が もう少し大きくなってから
って決めてるんだよね~?

(二宮 心)あ~!
あ~!

あら 心ちゃんも来てたのね~!

ん~ バア!

わっ…。
アハハハッ!

ねえねえ 早紀さん これもさ

アトラクションの
スライドショーで使うでしょ?

えっ?
いい? ジャン!

わっ!
ゲッ!

えっ? ええーっ!
わあ…!

(愛介)えっ? 若っ…!

(南)スライドショーなんて
名案ですね!

でしょ?

この30年間 私たち夫婦が
どう進歩してきたか

それを写真で振り返るのよ!
ねえ?

進歩ねえ…。

…っていうより
劣化なんじゃないかしらね。

まあ 美容にね 無駄なお金を
ガッポガッポつぎ込んでる

まあ 早紀さんはともかくとして

一馬は もはや別人だものね~。

だから 嫌だって言ったんだよ
スライドショーだけは。

あら おじいちゃんったら

こんなわがまま
言ってまちゅでちゅよ~。

アハハッ! ここちゃんだって
見たいでちゅよね?

スライドショーね…。

こんなに頼んでも駄目でちゅか?

絶対やります!

たとえ
あなたのいまわの際の言葉でも!

いまわの際ね…。

まあ 俺が死ぬ時は

お前にだけわかるメッセージを
ちゃんと残す。

あら どんな? あっ わかった!

「愛してる」… でしょ?
フフッ…。

多分違う。
絶対… うん… 絶対…。

(携帯電話の着信音)
あっ 電話だ。

いずれ わかる事じゃない?
一馬が おだぶつする時に。

もう~ 叔母様ったら!
おだぶつだなんて!

縁起でもない事
言わないでくだちゃい。

わかった…。

早紀 事件だ。

(パトカーのサイレン)

(大石貴一)名前は戸倉真知子。
全国にチェーン展開する

あの太賀スポーツジムの社長です。

サイクリングの途中で
殺害されたと思われます。

♬~

心臓をひと突きにされている。

被害者の父親は

日本の不動産王と呼ばれている
太賀龍蔵だ。

総資産は1兆円。

政界にも強いパイプを持っている。

超大物だけに
面倒な事にならなきゃいいがな。

(小池勇樹)戸倉真知子は
離婚した最初の妻との娘です。

(滝本研斗)真知子さん!
(鶴田 茜)待ってください!

ちょっと… ちょっと!
駄目ですよ!

誰が こんな事を…!

(鶴田)太賀龍蔵氏の秘書の
滝本さんです。

遺体の確認に見えられました。

(ため息)

さっきまで
あんなにお元気だったのに…。

さっきまで?

あっ はい。

お昼の12時頃です。

太賀会長の結婚披露パーティーが
ありまして…。

太賀会長の?
はい。

ああ… 場所は?

山手にある
系列ホテルの別館の庭で…。

(滝本の声)パーティーといっても
ごく内輪のランチ会で…。

(滝本の声)乾杯のご発声は

お嬢様の真知子さんが
される予定でしたが

遅刻をなされて…。

代わりに ご親族の松永さんが…。

(松永 貴)では 僭越ながら
この松永貴が…。

(真知子)お待たせ~!

こんなんじゃ
SNS映えしないわよ!

はい タピオカ!
(太賀)ほう…。

お父さんは こういうお遊びが
好きだと思って。

さすが 私の娘だ。
気が利くじゃないか。

身内の集まりで

型どおりの乾杯なんて
つまらんからな。 ハハハ…!

(真知子)でしょ~?

はい レナさんには ピンク色の
タピオカいちごミルク!

遅かったわね。
これ 待ってたのよ。

私は
定番のタピオカミルクティーで。

じゃあ 皆さん

太賀龍蔵の5回目の結婚を祝して
乾杯~!

(一同)乾杯!

(むせ込み)

(滝本の声)真知子さんは
タピオカでむせられて…。

最後に口にしたのが

あのタピオカミルクティー
だったとしたら…

真知子さんが
あまりにもお気の毒です。

えっ? あの… お気の毒って
タピオカが何か?

いえ…。

どうか 一刻も早く
犯人を捕まえてください。

(芝山刑事)主任!
鑑識さん 終わりました。

ああ。 頼む。

眼球は清澄。

ん…?

ここに何か硬いものが…。

えっ? 何かしら? これ。

何? これ。

ん?

これ 神奈川県警の機関誌だな。
えっ?

俺が横浜東署に配属された頃の
キャリア組だ。

じゃあ これ 30年も前の?
ああ。

ほら この首にセーター巻いてるの
中瀬刑事部長。

(小池)若い頃の刑事部長?

この紅一点の女性

宗方管理官じゃないですか?
(一同)えっ?

くれぐれも うまーく
うまーくやってくださいよ。

「うまく うまく」が口癖で
人の上に ちょこんとのっかって

おいしいとこだけ
かじっていく…。

そのくせ うまくいかないと

毒針 シャーッと逆立てて
人を威嚇する

あの毒ハリネズミ!

でも なぜ これが
ご遺体のポケットに…?

(河村映子)触らない!
それ こっちによこす!

あっ 河村主任!

物証は鑑識の縄張り!

あんたたち どうして
こんなお宝を見落とすのよ もう!

相変わらず キーキー キーキー。

それでは 捜査員の皆さん

今から
凶器の捜索範囲を広げますので

手を貸して頂きます。 こっち。

(河村)こっち!
(鑑識課員たち)はい!

現場責任者 差し置いて
仕切るし…。

あれじゃ まるで ボスザルだわ。

(ため息)

ハリネズミの次は サル…。

そういうお前は
暴走するイノシシ。

そして 俺は
かわいい かわいいパンダ。

何!?
あっ? なんでもない。

ほら 検視したまえ ほら。

(ため息)

♬~

あの女…。

♬~

死因は 鋭利な刃物で
心臓を刺された事による失血死。

死亡推定時刻は

直腸温 死斑 死後硬直から見て
13時から14時の間。

(水野)被害者は
12時にタピオカミルクティーを飲んでいる。

(南)タピオカの主成分は
消化しにくいデンプンですから

仮に14時に死亡したとしても
まだ 胃の中に残ってますよね。

ええ。 では…。

黙祷。

始めます。

♬~

♬~

ん?

これは…。

なんで タピオカじゃなくて
ナタデココが胃の中に…?

えっ?
何が何に変身したんだって?

だから 黒くて丸いタピオカが

白くて四角いナタデココに
変身しちゃったの!

ハハ… そんな馬鹿な。

色と形だけじゃなくて
成分も全くの別物。

もちろん
変身するなんてあり得ないわよ。

謎は 死亡推定時刻から見て

胃の中に残ってるはずの
タピオカが

完全に消えてしまったっていう事。

(ノック)
あっ 続きは またあとでね。

はい どうぞ!

『医療JPジャーナル』の
斉藤弥生です。

あっ! うっかりしてた…。

取材… あれ 今日でしたか…。

(弥生)今度 うちの雑誌で

「法医学の30年」という特集を
組む事になりまして

第一人者の二宮先生に
ぜひ ご教示を仰ぎたいと…。

あっ いえいえ そんな…。

でも 大変申し訳ないんですけど
日を改めて頂けますでしょうか?

これから 捜査会議で 横浜東署に
出向かなければならなくて…。

そうですか…。

でも 法医学の先生が
捜査会議に参加されるなんて

解剖で
何か重要な手掛かりでも…?

いえ…。

昨日の殺人事件ですよね?

もしかして 犯人の手掛かり?

あの… 医療雑誌の記者の方が

どうして そんなに
事件の事を気になさるの?

あっ フフフ…。

知りたがりなんです
私じゃなくて 編集長が。

ああ…。

すみません とにかく
今日のところは これで…。

では また…。

失礼します。

(宗方)被害者の戸倉真知子は

日本の不動産王と呼ばれている
あの太賀龍蔵の一人娘です。

捜査は くれぐれも慎重に。

うまーく
うまーくやってくださいよ。

では 二宮警部。

はい。

まずは 司法解剖から推測される
凶器ですが…。

あっ! あの…。

えー これは よくありがちな

アウトドア用ナイフの
形状ですけど…。 二宮先生。

はい?
何か 犯人に繋がる手掛かりは?

いえ 残念ながら…。

(ため息)

この手のナイフは 種類も多くて
いずれも量産品です。

ですから 購入元から

犯人にたどり着ける可能性は
極めて低い。

二宮先生。

机の上で ナイフの形状が
わかったからといって

それは
なんの価値もないんですよ。

物証は 見つけてなんぼなんです。

細かい物証の積み重ねが
犯人逮捕に繋がるんです。

私たち鑑識は
その物証を見つけるためには

床や地面に顔をこすりつけても
そういう事は厭わないんですよ!

見事な鑑識魂だ。
(河村)はい!

頼りにしてますよ 河村主任。

アウェー…。
(せき払い)

小池 被害者の足取りのほうは?

12時過ぎに ロードバイクで

ホテルを出たところまでは
わかってるんですが

いやあ… それ以降は不明です。

死亡推定時刻の
関係者のアリバイは?

(大石)はい。 太賀会長にレナ夫人
親族の松永氏を始め

秘書の滝本氏 会社幹部も全員

16時から
同じホテルの本館で開かれた

株主の会合に出席していました。

という事は
ここに挙げた人物全員

死亡推定時刻の16時前後には
アリバイありという事ですね。

ちょっ ちょっと待ってください!

死亡推定時刻が16時前後って…。

法医学的には
13時から14時の間です。

先生。

解剖したら タピオカは
全くなかったんですよね?

一般的にタピオカというのは
完全に消化されるまでに

4時間ほどはかかる
という話じゃありませんか。

12時に食べて 殺害されるまで

12 1 2 3…
4時間経っている。

という事は
死亡推定時刻は16時前後。

何か おかしいですか?

いえ それは…。

まさか 本気でタピオカが
ナタデココに変身したとでも?

(笑い声)

法医学者ともあろうお方が
なんと まあ 非科学的な事を。

(立ち上がる音)
(せき払い)

ナタデココは 戸倉真知子本人が

パーティー会場に行く途中の
コンビニで購入した事がわかった。

被害者が自分で買った?
12時より前に…。

ひょっとして そのナタデココ

タピオカミルクティーで
乾杯する直前に

食べたんじゃないでしょうか。
えっ?

血液検査で 被害者は

糖尿病を患っていた事が
わかりました。

糖質の高いタピオカを食べる前に

低糖質で低カロリーの
ナタデココを食べて

血糖値の急上昇を
防いだんじゃないでしょうか。

(河村)だったら

あとから食べたタピオカも
検出されるはずでは?

そうなんです そこなんですよ。

ナタデココは残って
タピオカは消えた。

そこが謎なんです。

別に謎なんかじゃない!

ナタデココは
殺される直前に食べた。

だから 体内に残っていた。

これ以上は議論の無駄。
時間のロスです。

(ため息)

どうしても納得できないのよ
タピオカが消えた謎。

早紀…。
ねえ お願い。

解決するまで
このまま ご遺体 預からせて。

わかった。
ありがとう。

それにしても 捜査会議で
全然触れられなかったわね。

ほら ご遺体が持ってた
あの30年前の機関誌…。

あっ!
(壁をたたく音)

それには触れるな。
えっ?

あの写真に写ってるのは
全員 県警のキャリア組だ。

俺たち ノンキャリが

表立って どうこうできる
相手じゃない。

情けな~い!

あなた
昔は そんなじゃなかったわよ!

どんな大きな相手にも
果敢に立ち向かって…。

シュッ!

捜査に横やりが入ったら
元も子もないだろ。

俺も少しは学習したんだ。

ああ… だから あの

「うまく うまく」のハリネズミに
あんなにへつらって…。

凶器のナイフの事だって

鑑識山のボスザルに
いいように仕切られちゃって…。

なんとでも言え!

とにかく 今夜は泊まりだ。
なっ わかったな!

肩 痛い…。
(ため息)

叔母様の言うとおり。
完全に劣化してるわ。

(ため息)

鶴田。
(鶴田)はい。

現場にいた女だが…。

あっ
秘書の滝本氏に確認したところ

知り合いじゃないそうです。

ただ 野次馬に
声をかけられただけだと。

そうか…。

(三浦刑事)主任!
ああ。

(三浦)死亡推定時刻ですが…。

うーん…。

念のため 13時から14時
それと16時前後。

この両方でいってくれ。

《直腸温 死斑 死後硬直…》

《あらゆる面から見ても
死亡推定時刻は13時から14時》

《私の判断に間違いはない。
絶対に…》

《じゃあ なぜ 消化に
4時間はかかるタピオカが

1~2時間で
消えてしまったのか…》

(電話)

(南)はい 法医学研究室です。

えっ? 先生…。

明日 葬儀社が

戸倉真知子さんのご遺体を
引き取りに来るそうです。

なんですって!?

はじめまして 太賀です。

この度は お嬢様のご不幸
心よりお悔やみ申し上げます。

あっ… 恐縮です。
まあ こちらへ。

いえいえ
あの すぐに失礼しますんで。

大学のほうに
ご遺体の連絡が入ったんですが…。

まあまあ そう性急な事を…。

ああ 紹介しましょう。
家内のレナです。

よろしく。

こっちはね レナの母親の弟で
松永といいます。

どうも。

私の下で
貸しビル業をやらせてますよ。

で… ご遺体の件なんですが

まだお返しできる段階では
ないんです。

真知子さんが かわいそう…。

いつまで裸で
冷蔵庫に入れておくおつもり?

二宮先生…。

もう
葬儀の日取りは決めたんですよ。

明日の午後2時

大学のほうへ
葬儀社の人間をやります。

ですから まだ
お引き渡しする事はできませんと

申し上げてるんです。

法医学的検証が済みましたら
こちらからご連絡させて頂きます。

法医学的な検証?

フン…
それは もう終わった事ですよ。

終わった事って…。

お嬢様が亡くなられたのに

事実を解明しなくていいって
いうんですか!?

(松永)まあまあ 先生。

太賀会長ほどの立場にもなると

いろいろと
都合もありますからねえ。

太賀会長 これ以上
私がご遺体をお預かりしては

何か 都合の悪い事でも
おありなんですか?

そんなものはない!

いや… ただの親心ですよ。

いやあ 先生 実はですね

先ほど 横浜東署の二宮警部に
連絡したんです。

(太賀)遺体の引き取り
快く承諾してくれましたよ。

まさか…!

ご覧になりませんか?
いい眺めですよ。

横浜が一望できる。

ここから見ると 下にいる人間は
アリよりも小さい。

…ですな。

確かに
大きな太賀会長から見れば

私など
ちっぽけな存在かもしれません。

でも 一寸の虫にも五分の魂。

痩せ腕にも骨。

なめくじにも角!

私は 今まで

法医学者としての信念を
曲げた事は 一度もありません。

ほう~。

それは ご立派な事だ。

だが 私もね 他人の意見で
自分の考えを変えた事は

一度もない!

♬~

とにかく ご遺体は

まだお引き渡しするわけには
いきません。 失礼します。

♬~

(ため息)

あなた
太賀会長の秘書の方ですよね。

はい。 検視をされた先生…。
はい。

あっ 昨日は 失礼しました。
いえいえ…。

あの… ちょっといいですか?
はい。

あの 太賀会長は

なぜか とても ご葬儀を
急がれてるみたいなんですけど

何か特別な理由とか
おありなんですか?

さあ…
ただの会長の強いご意向です。

会長の…。
ええ。

真知子さんが乾杯の時に飲んだ
タピオカミルクティーについて…。

あら? やっぱり
何か ご存じなんですね?

真知子さんは
タピオカがお嫌いでした。

えっ?

実は あの乾杯は
レナさんの発案なんです。

タピオカを用意したのも
レナさんで

真知子さんは パーティー会場の
控室にあったのを

持っていらしただけで…。

(エレベーターの到着音)

私は これで…。
ああ…。

今の… 中瀬刑事部長?

なんで ここに?

(ため息)

やっぱり
あの太賀一族 うさんくさいわ…。

二宮先生。

あっ あなた…。

もしかして 私をつけてきたとか?

申し訳ございません。
まあ…。

このままだと
お時間頂けそうになかったので…。

近くでお茶でも飲みながら
お話 聞かせてください。

あっ…。

(弥生)
テーマは「法医学の30年」です。

現代の法医学で 30年前の法医学に
メスを入れるという視点で

書いていきたいと思っています。

30年前の法医学に?
はい。

少し調べさせて頂いたんですが

先生は すでに確定した事件を
何度か再鑑定されてますよね?

ええ…。
その結果

最初の鑑定では
事故死だったものが

先生の鑑定により

実は他殺だったと
証明された事件もあった…。

ええ 確かに…。

もし 30年前に鑑定され

すでに 遺体も
荼毘に付されているとしましょう。

その場合
先生は 再鑑定できますか?

事故死とされていますが
本当は殺人事件だったと…。

ああ… どうかしら?

もう 遺体はないわけだし…。

ケース・バイ・ケースとしか
言えないわね。

30年前は CTによる画像診断も
なかったわけだし

DNA鑑定も異物鑑定も

今みたいに
高性能の分析装置はなかった。

当時の解剖が
どこまで綿密に行われてたか。

それによるわね。
という事は

現代の 日々進歩した法医学を
もってしても

再鑑定となると
30年前の法医学者の技量次第。

哀れだとは思いませんか?
遺体は 法医学者を選べない。

とにかく
詳しいデータを見なければ

第一人者といわれる二宮先生でも

30年前の法医学に メスは
入れられないという事ですか?

そうね 遺体がない以上は。

フフフ…! そうですよね。
フフフ…!

今日は これで…。

お時間頂きまして
ありがとうございました。

その爪…。

アハハ…! この爪ですか。

鑑定できました?
30年前の法医学で。 フフフ…。

馬鹿野郎 30年。

あなた 随分 30年にこだわるのね。

先生 今日は
どうもありがとうございました。

あっ いえ…。

30年前の再鑑定って…。

何か 具体的な案件でも
あるのかしら?

(大石)主任! ガイシャの周辺で
気になる人物がいました。

2カ月ほど前から
戸倉真知子の周辺を嗅ぎ回る

40代くらいの女が目撃されてます。

40代くらいの女…。

戸倉真知子は 1週間前
行きつけのオープンカフェで

その女と言い争っていたそうです。

その女が怪しい!
早期解決の糸口が見えてきた。

二宮警部 頼みますよ!

いい?
くれぐれも うまく うまく…。

はあ… うまくやります。

はあ… ただいま。

タピオカの謎は解けないわ
うちの人は腰抜けだわ

変な押しかけ取材は来るわで
もう… ストレスたまりまくりだ。

(足音)
あっ…。

あら まあ おかえりなさい。

叔母様 なんですか? それ。

ジャーン! はい。

二宮家 30年間の出来事!

えっ?

(七海)一馬と早紀 結婚。

愛介が誕生。

そして マンションから一戸建てに
住み替え。

私 七海が初めて同居。

そして 初孫の心ちゃん 誕生。

こうして振り返ってみるとさ

30年 あなたたち夫婦2人
まあ それなりに進歩してるわね。

叔母様 こんな ありきたりの年表
却下します!

ええっ?
(ため息)

うちの人 出世はしなくても

刑事としての気骨だけは持ってる
って思ってたのに…。

今じゃ
上司の顔色ばっかり うかがって

長いものに グルグル グルグル
巻かれちゃって。

ボスザルに仕切られちゃって…。
もう 劣化の一途だ!

あった!
あった あった あった あった!

叔母様 見て! 見て これ。
これ 見て。 ほら これね

1998年 一馬 昇任試験に3連敗。
ショックで円形脱毛症に。

ハハハ…! あったわね そんな事。
ハハハ…!

もう こうなったらね うちの人の
劣化の年表とスライドショー

徹底して作りましょう!
ちょっと 早紀さん

イヤリングの真珠
片方 なくなってる。

ええっ!? あっ…!
やだ。 どこで落としたんだろう?

あんた 落っこちるなんてさ
それ 本物の真珠だったの?

本物ですよ!

これはね うちの人が
新婚の頃にね 買ってくれた

小さくても 本物の真珠です!

怪しいもんだわ。

偽物にすり替えられたもの
だったりして。

叔母様
今 なんておっしゃいました?

えっ なんてって…
偽物にすり替えられたって。

すり替え… 偽物…。

それよ!

ああ 早紀。
何? 朝飯 食ったかって?

馬鹿! こっちは…。

わかったよ。 行くよ。

お待ちしておりました。
いらっしゃいませ。

どうぞ。
ああ…。

奥へ どうぞ。
奥へ…?

いらっしゃいませ! ご主人様。
うん。

えっ!? ご主人様って お前…
お義父さんだろ。

うーん!
「うーん!」って…。

これ 俺の朝飯?

そう! メイド喫茶 法医学教室の

特製タピオカミルクティーで
ございます!

さっさと飲み干して!

タピオカの消化するまでの時間を
検証するんだから。

(荒い息)

おい! どこが楽ちんなんだよ!

(南)ホテルから
遺体発見現場までが約15キロ。

被害者がロードバイクで走ったのと
同じ距離を走るわけですね。

できるだけ 食べたあとの状況に
近づけないとね。

しっかり!

(水野)あと少し あと少し
あと少し! よし!

先生 15キロ走りました。

タピオカを食べてから約1時間。
オッケー。 ストップ!

はあ…。

(南)見事に消えましたね。

これで
タピオカが消えた謎が解けたわ。

(南)こっちが本物で
こっちが偽物なんです。

あなたが飲んだのは偽物。

偽物?

この黒い丸いのは
タピオカじゃなくてゼリーなの。

ゼリー?
うん。

まず 冷えた食用油を用意する。

これは 黒砂糖を溶かした液に
ゼラチンを混ぜたもの。

これを食用油に落としてやると…。

おお!

ゼリーの成分のゼラチンは
25度程度で溶け出すから

1時間もすれば
胃の中から消えるの。

戸倉真知子さんは 12時に
その偽のタピオカを食べた。

だから 1時間後の13時に
胃の中から なくなっていても

不思議ではないの。

じゃあ 死亡推定時刻は
13時から14時の間…。

そう!

戸倉真知子を殺した犯人が
タピオカとゼリーをすり替えた。

目的はアリバイ工作ね。

13時から14時のアリバイがなくて
16時前後のアリバイが完璧な人物。

それが犯人よ。
関係者のアリバイは?

ああ。 16時からの株主の会合には
全員出席していて

アリバイは完璧。
(ため息)

だが 13時から14時のアリバイは
はっきりしていない。

太賀一族 怪しいわね。

ご遺体を
あんなに引き取りたがって…。

なあ タピオカのすり替えなら
外部の人間にも可能だろ。

40代ぐらいの女が
浮上しているんだよ。

あなた… 太賀一族を
どうしても捜査から外したいのね。

馬鹿! 本当に もう…。

どっちにしてもだ

タピオカが偽物だという証拠は
何もない。

じゃあ 被害者が飲んだ
タピオカミルクティーの

空の容器っていうのは?

だから 押収するには
捜索令状が必要なんだよ。

そんな簡単なもんじゃないんだよ。

情けない…。

はいはい いいです。
証拠は 私が見つけます。

ああ…。

あれ? お前 今日
遺体を引き渡す日じゃないのか?

渡しません!
証拠を見つけるまでは 絶対に。

ごめんなさいね。

口の中
くまなく調べさせてね。

♬~

(南)検査に出してきます。

次 食道を調べるわよ。
(水野)はい。

(南)先生 ゼラチンの成分は
検出されませんでした。

そう…。

(南)だ液で流されたんでしょうね。
もう 証明は無理です。

そう簡単に諦めないで。
まだ 何か…。

(くしゃみ)
(水野)すみません。

あっ 鼻に つば入っちゃった。

そう! それよ!

被害者は タピオカミルクティーを
飲んだ時…。

(むせ込み)

(滝本の声)真知子さんは
タピオカでむせられて…。

口の中のものが鼻に…。

ご遺体の鼻腔を調べるわよ!
(南・水野)はい!

見つかったわよ!
犯人がアリバイ工作した証拠。

被害者の鼻腔から
ゼラチンが検出された。

あら 先生 いらしてたんですか。

管理官! 死亡推定時刻は
やはり 13時から14時の間です。

犯人は 偽のタピオカを使って
アリバイ工作したんです。

(宗方)さすが二宮先生。
あっ…。

…と 私が喜ぶとでも?
えっ?

(ため息)

あなたは何もわかっていない。

あれほど うまく うまくやれと
言ったでしょ!

はあ…。

あなたは
あの太賀龍蔵に喧嘩を売った。

その事が どういう結果を招くか
わかっていますか?

パーティー会場はもちろんの事

太賀龍蔵に関係する令状は
一切取れなくなった。

(河村)ええっ!? そんな!
大事な物証が…。

全ては あなたのせいです。

二宮先生
今すぐ ご遺体を返しなさい。

どうしても嫌だと言うんだったら
嘱託医を解任します。

えっ!? いや でも…

でも そこまで圧力をかけてくる
という事は

逆に 太賀龍蔵には

調べられたら困る何かが
あるんじゃないですか?

あっ そういえば

昨日 太賀タワーで
中瀬刑事部長をお見かけしました。

早紀 やめろ。

(宗方)容疑者は
被害者と言い争ってた女でしょ。

今後 一切 私の許可なしに
太賀家の関係者との接触は禁止。

先生は
ここへの出入りも禁止します。

出て行ってください。

二宮先生!

何さ!
毒針 ビンビン逆立てちゃって!

中瀬刑事部長…。

さては
太賀龍蔵の意向を伝えに来たのね。

「うまく うまく」の
あの毒ハリネズミに…。

彼女…。

そういえば

彼女 戸倉真知子さんの事件の事を
やたらに聞きたがってたわ。

♬~

(足音)

あなた
さっき 横浜東署に来てたわね。

とても 法医学の特集記事の
取材には思えないけど。

今 起きてる殺人事件に関して
何か?

(弥生)先生 例えば
この石段の一番上から

足を踏み外して
転げ落ちたとしたら

人は死にますか?
えっ?

法医学者としての意見を
聞かせてください。

(ため息)

そうね 足を踏み外したとしても

人間は
無意識に頭を庇うものだから

死亡するまでには…。

あっ…。

あなたが 再鑑定できるかどうか
知りたがってた

30年前の事故死って
ここからの転落?

だとしても 遺体がなければ
再鑑定できないんですよね?

それは…。

だったら もう
この話は忘れてください。

失礼します。

(ため息)

気になるわね
このお地蔵さん。

「一九九〇年二月
奉納 斉藤弥生」

やっぱり 30年前に…。

(河村)二宮警部。
はい。

まだ八方塞がりではありませんよ。

この30年前の機関誌ですが

ここに わずかに付着した指紋が
警察関係者にヒットしました。

名前は藤田伸三。
退職した元刑事です。

退職した刑事…。

(鈴)

(藤田茂子)そうですか。
指紋が出たんなら

主人が持っていた機関誌だと
思います。

確か あれは
2カ月ほど前でしたかしら。

(茂子の声)
余命を宣告されていた主人は

何か思い立ったように

知り合いの週刊誌の記者の方に
連絡を。

すると すぐに その記者の方が
駆けつけてこられて…。

(藤田伸三)この写真の中の誰かが
事情を知ってるはずだ。

記者の名前は斉藤弥生。
裏を取ります。

藤田さんと斉藤記者とは
付き合い長いんですか?

まだ新米の記者だった頃からです。

なんの事件ですかしら?
ずっと追いかけているようで…。

斉藤弥生は 一体 何を…。

(鶴田)主任!
ああ。

この人が斉藤弥生です。

やっぱりな。
殺害現場にいた あの女だ。

(携帯電話の着信音)

なんだよ? 捜査中だ。

何?

戸倉真知子の事件を探っている
怪しい女?

そうなの!

医療雑誌『医療JPジャーナル』の
記者の

斉藤弥生って
名乗ってたんだけどね

調べたら
そんな記者はいなかったわ。

そうそう。

法医学の特集 組むっていうのも
真っ赤な嘘だったの。

えっ? あなたも彼女の事を?

斉藤弥生は 30年前から
何かを追っていたようだ。

あっ それって
きっと 30年前の転落死よ。

当時ね
事故死って判定されたものを

再鑑定できないかって 私に。

あっ それから 彼女
中瀬刑事部長の事も探ってた。

えっ? 中瀬刑事部長だと?

早紀 斉藤弥生の事は俺に任せろ。

お前は 今度こそ
おとなしく引っ込んでろ!

ああっ ちょっ…! もう。
(電話の切れる音)

主任 30年前の転落死の調書が
見つかりました。

亡くなったのは斉藤直哉
当時 23歳。

斉藤弥生の夫です。

死因は 頭部損傷による失血死。

斉藤直哉は
風邪による高熱を発しており

朦朧として足を踏み外して転落。

解剖医の所見は 事件性なし。

だが 斉藤弥生は

夫が殺害されたと疑い
30年間 調べ続けた。

明日
斉藤弥生を任意で引っ張る。

(一同)はい。

(呼び出し音)

劣化して 行き着く先は 冥土かな。

あっ あった あった!
ありましたよ。

ほら あの尿管結石の時の
体内から出てきた結石。

(七海)アハハ…! 本当だ。
じゃあ これもね。

オッケー!

他に もっと面白いのないかな?
なんか出てきそうだよね。

えーっと…。

えっ これ… これ
30年前の神奈川県警の機関誌?

ひょっとして これ…。

あっ あっ あった!

叔母様 叔母様… 見て!
見て見て 見て見て… この人。

ほら この肩パッド…。
(七海)ええっ すごいね。

ちょっとでも
自分を大きく見せたいんですよね。

本当はね もうね

こんな ちっちゃい
毒ハリネズミなんです この人。

その針で刺されちゃったんだ
うちのイノシシ。

えっ? えっ?
えっ?

アハハハ! ウフフフフ!
あらっ!

アハッ! ああっ! フフフフ…!

ああ 「全国鑑識現場競技会」
えっ こんなのあったの…。

嘘! えっ これ あのボスザル?

やだ…! 結構かわいいじゃない。
いやあ~!

え~? でも 私服の時は もう
イケイケで キーキー言いながら

仕切ってたんじゃないの?
お立ち台で。 ええ?

そういう早紀さんだってさ 30年前
似たようなもんじゃないの?

あら ちょっと ちょっと!
見てよ この細い眉毛。

やだ! 叔母様
この写真は… 違うの 違うの!

見て見て ほら。
アハハハ…! すごい!

何 騒いでるんだよ!

まあ あなた
お早いお帰りで…。

おっ? なんか とげのある…。

ん…?
おい なんだ? なんだ? これは。

えっ?
これはさ

真珠婚式のスライドショーで
発表する 一馬の劣化年表。

劣化年表!

どうせ こんな事だろうと思った。

だから
絶対に嫌だって言ったんだよ。

亭主をさらし者にして…
真珠婚式?

ハッ! 自分が目立ちたいから
やりたいんだろ?

なんですって!?

ねえねえ 早紀さん あなた
これで お立ち台で踊ったら?

すごく目立つわよ~!
もう 叔母様まで そんな! もう。

なんだ あれは おい。

もういい。
真珠婚式 やめた。 やめた!

今さら 何 言ってんのよ!

やりたきゃ
1人でやりゃいいだろ。

まあ ドレスでも十二単でも
好きなのを着て やれ!

俺は 着替えたら 署に戻る。

あっ ちょっと! やだ~!

バージンロードなんて
1人で歩いたって楽しくな~い!

もう! ふん! もう… 何よ!

あっ…。

片方だけのイヤリングなんて
みっともない…。

もうやめた! やめた やめた!
真珠婚式なんて やめた!

(携帯電話の着信音)

私 滝本です。

実は 先生にお譲りしたいものが
ございまして…。

多分 ご興味がおありかと。

明日 10時に大学そばの汐見公園で
いかがでしょうか?

いいですけど…。

では。

♬~

♬~

遅いわね。

(女性の悲鳴)

どうしました!? えっ?

あなた…!

ああっ ちょっと待って!
ねえ 何があったの?

ねえ 何があったの!?

…あなたが!?

離して!
待って…!

♬~

滝本さん!

馬鹿野郎!
なんで 俺に連絡しなかった?

ごめんなさい。
まさか こんな事になるなんて…。

犯人は斉藤弥生なんだな?

刺したところは見てないけど
何がなんだか わからなくなって。

とにかく 今日は帰って休め。

待って!
ん?

私に 滝本さんの検視を
させてほしいの。

無理 言うな。
今のお前の立場はな…。

滝本さんは
私に会いに来て 殺されたのよ。

私には 滝本さんの最期の声を聴く
義務があるの。

お願い。

わかった。 責任は俺が取る。

死因は 鋭利な刃物で
心臓を刺された事による失血死。

縦2.6 横0.8。

この刺創… 最初の事件の時と
ほぼ同じ形状ね。

そういえば あのナイフ…。

何があったの!?

(早紀の声)刃の根元に
乾いた血痕が付着してた。

戸倉真知子さんが あのナイフで
刺されたんだとしたら

この創傷には 彼女の血液が
混入してる可能性がある。

この創傷の血液

できる限り採取して
分析に回して。

(南)はい。

ん? 何かに かぶれたみたいね。

原因 調べといて。
(水野)はい。

うん? これは…。

ピンセット。
(水野)はい。

これ タピオカですよね?

いや 偽物よ。 これはゼリーよ!

なぜ また 偽のタピオカが…。

二度にわたる偽のタピオカ

同じナイフの形状…。

《あなたの目的は
復讐だったの?》

《本当は 夫の直哉さんの事故死は
他殺だったと

真実を明らかにする事では
なかったの?》

《だから 私のところに
取材を装って訪ねてきた…》

ここだったのね。

ああ。

はい 死体検案書。
ああ ありがとう。

胃の中にあった
偽タピオカだけど

戸倉真知子さんのものと
完全に成分が一致した。

恐らく 滝本さんは タピオカが

ゼリーにすり替えられた事を
知ってたのね。

だから 私に

すり替えの証拠である
偽のタピオカを渡そうとして…。

その滝本研斗の身辺を
洗ったところ

戸倉真知子に取り入って

スポーツジムの金を
くすねていたようだ。

ええっ!?

じゃあ あんなに悲しんでたの…
あれ お芝居?

金づるを殺されて

今度は その犯人を強請って
口封じされたんだろう。

同一犯だとすると

最初の事件の犯人も
やっぱり 斉藤弥生?

ああ…。

30年前の
夫 斉藤直哉の転落死は他殺で

突き落としたのは戸倉真知子だと
確信し

復讐した可能性がある。

当時 高校生だった戸倉真知子は

斉藤直哉が勤める洋菓子店の
常連客だった。

30年前に
2人に接点があったのね。

ああ。

だがな 当時の調書を見る限り

斉藤直哉の転落死に
事件性はない。

ねえ その調書って 今…。

これだ。

えーっと…。

解剖したのは
神奈川医科歯科大学の福留先生ね。

ああ… あの先生が
事件性がないっておっしゃるなら

事故死に間違いないわね。

早紀… 滝本の この
右手のひらのかぶれって なんだ?

ああ… それ 原因はギンコール酸。

あっ 銀杏の果肉によるかぶれよ。

でも 銀杏って
普通 10月から12月に実るから

今 季節外れよね。

ちょっと 気になるわね…。

おう…。

二宮先生。
はい。

凶器が同じって本当ですか?
ああ…。

形状が ほぼ一致したし
滝本さんの創傷の中に

戸倉真知子さんの血液が
混在してたの。

つまり 戸倉真知子さんを刺した
同じナイフで

滝本さんも刺されたって事ね。

なんで?
えっ?

なんで
その凶器を確保しなかったのよ。

いや 確保って…。

大事な物証が目の前にあるのに

みすみす
犯人に持ち去られるなんて…。

いいですか? 物証っていうのはね
手に入れてなんぼなんですよ。

私だったら 命 懸けてだってね
それ 手に入れてましたよ!

そういう覚悟もないのに
そうやって出しゃばってくるから

この… 巨大イノシシ女!

まあ…! そっちのほうこそ

キーキー キーキー
出しゃばって

なんでも仕切りたがる
この ボスザル!

なんだって!?

地道な物証の積み重ねが
聞いてあきれるわ!

本性は
ただのイケイケ女じゃない!

(河村)まあ!
イケイケは そっちじゃない!

この 巨大イノシシ!
巨大って何!? 巨大って!

ハハハ… イケイケなんて
お前 いつの言葉だよ。

死語だよ 死語。 アハハハ…!

(河村・早紀)うるさい!

はあ… ただいま。

あっ おかえりなさい。

ああ 叔母様
もう 写真はいいんです。

真珠婚式 やめたんだから。

あら… これ 私のアルバムよ。

えっ?
今まで いろんな所

旅行してきたなあって…
この30年。

台湾 ブラジル ニューヨーク。

うわあ… うらやましい。
叔母様 身軽ですもんね。

まあ 亭主には
先立たれちゃったけどさ

でも 考えてみれば
この時期が一番

私 充実してたのよ この30年。

まあ 考えようによっちゃ
悪くはないわ。

だって 家庭に縛られず
自分の時間は全部

好きなように使えたんだしさ。
フフッ…。

叔母様
いつも楽しそうですもんね。

そう。 私ね 毎日ルンルンよ。
オホホ…。

でもさ… ねえ 楽しい事ってさ
誰かに聞いてもらいたいじゃない。

そんな時ね
フッと思うのよね…。

こんな時 亭主がいてくれたらなと
思ってさ。

叔母様…。

早紀さんもさ 体を張ってる刑事の
女房なんだからって

まあ いずれ身軽になったらなんて
のんびりしてるとさ

真珠婚 祝いたい時 亭主なし。

今頃 そんな事に気づくなんて
あなた まだ半人前だわね。

女房の不作は60年。
えっ… なんです? それ。

あら
あなた そんな事も知らないの?

一人前になるには

それだけの年月がかかるって
そういう意味よ。 ねっ?

桃栗3年 柿8年
梅はスイスイ13年。

みかんの間抜けは20年
銀杏の馬鹿野郎は30年。

女房の不作は60年
亭主の不作は これまた一生。

ああ こりゃ こりゃ…。
ちょ ちょ… ちょっと 叔母様!

ねえ… 馬鹿野郎 30年って
なんでしたっけ?

あっ 銀杏。

銀杏…!

馬鹿野郎 30年。 フフフッ…。

じゃあ あれは銀杏…。

でも どうして あれが銀杏?

滝本さんのかぶれの原因も
季節外れの銀杏…。

滝本さんは どこで銀杏に…?

ひょっとしたら
あの爪と関係あるのかも…。

(南)先生 頼まれてました銀杏の件
見つかりました。

えっ?

(南)銀杏で堆肥を作っている
農家の人です。

これだったのね
季節外れの銀杏の正体は。

場所は…。

(男性)
ああ この人なら見えましたよ。

去年の11月頃だったかな。

ああ やっぱり…。

銀杏が実ったんだけど
身を捨てるのは忍びないから

堆肥にする方法を
教えてほしいって。

銀杏が実った?
(女性)ええ。

他にも果物とか育ててるそうです。
30年前から。

30年前…。

あの その場所
どこだかわかりますか?

これ 30年かけて
やっと実った銀杏。

来年も おいしい果実をつけてね。

(弥生)直哉の夢が叶うね。
自分で育てて実った果実で

おいしいスイーツを作る
パティシエ!

(斉藤直哉)桃栗3年 柿8年。

途中は すっ飛ばして
銀杏の馬鹿野郎 30年!

馬鹿野郎って何? それ。
ハハハハハ…。

直哉…。

私は あなたの無念を
絶対に晴らしてみせる。

弥生さん。

先生! なんで…!?

ここは誰も知らないはず!

待って!

離して!

あなた 30年間ずっと
追い続けてきたんでしょう?

ご主人の転落死の真相を…
あれは事故死じゃないって。

そう信じてるんだったら
こんなやり方しないで

ちゃんと警察に…。

警察?

30年前の真実を隠蔽した
警察に?

隠蔽…?

そうよ。
私は それを暴き出すために

雑誌記者になった。

真実を聞き出すまでに
30年かかった。

実は 初動捜査では

女子高生が突き落とすところを
見たという

目撃証言が得られていたんだ。

だが すぐに取り消された。

隠蔽工作がなされたんだ。
裏で大きな力が動いた。

この写真の中の誰かが
事情を知ってるはずだ。

じゃあ 私が見た調書は

すでに
改ざんされたものだったのね。

はあ…
直哉さんを突き落としたのは

戸倉真知子さんね?
そうよ。

それで 直接 真知子さんに?

私は 30年前に
あなたに突き落とされて死んだ

斉藤直哉の妻です。

(弥生の声)その時に確信した。

真知子がやったんだと…。

ここに写っている中瀬刑事部長が

あなたの犯行を
隠蔽したんですよね?

あの時 あなたが すぐに
救急車を呼んでくれていたら

直哉は助かったかもしれない。

それとも 頭から激しく流れ落ちた
血を見て…。

死んだと思いましたか?

頭から血が?

(真知子の声)嘘… あの時
血なんて流れてなかった。

答えなさい。
あの時 何があったの?

30年前の真実が
闇に葬られる事だけは

絶対に許さない。 答えなさい。

そういう事… ハッ…。

30年もの間 馬鹿みたい…。

真実は 私が明らかにする。

♬~

秘書の滝本さんと会ったのよね?
ここで。

つけられてたのよ。
真知子と会ったカフェから。

私でよければ 手 貸しますよ。

もう
いい加減 うんざりなんですよ。

太賀一族に こき使われるのは。

もし 何かつかんだら
ご連絡します。

条件などは その時に…。

(弥生の声)私を利用するつもり
だったんでしょうね。

でも 私も
滝本を利用するつもりだった。

だったら
どうして その彼を殺したの?

真知子さんを殺した事に
気づかれたから?

冗談じゃない!

私は誰も殺してなんかいない。

じゃあ 滝本さんが殺された現場に
どうして あなたは いたの?

滝本の携帯からメールが来たの。

(弥生)
「真知子さんを殺した犯人が

凶器のナイフを捨てた場所が
わかりました」

(弥生の声)
教えられた場所に行くと…。

♬~

(弥生の声)
メールを送ってきたのは

滝本を装った犯人からだった。

(弥生の声)私は
その犯人に はめられた。

私は 誰も殺してなんかいない!

あの真知子が死んで

一番悔しい思いをしているのは
この私!

30年前の真実が闇に葬られた…!

あと もう少しだった!
あと一息…。

30年も追い続けて…。

私は 絶対に犯人を見つけ出す…。

だったら せめて
凶器のナイフを私に預けて。

この30年で 法医学の技術は
飛躍的に進歩した。

その事は
あなたも知ってるはずよ。

あなたの無実は
あのナイフで証明できる。

先生は 私を信じるの?

ええ。
だから あなたも私を信じて。

遺体は法医学者を選べないけど
今のあなたは法医学者を選べる。

先生… 本当に信じていいの?

(北野係長)斉藤弥生!
銃刀法違反で現行犯逮捕する!

先生! だましたわね!?

いいえ! 私は何も…。

(北野)行くぞ!

待って… 待ってください!

違う!
その人は違うんです!

(北野)黙ってちゃわからん。
やったのは間違いないな?

♬~

(中瀬拓郎)二宮くん。

(中瀬)
容疑者の確保に協力したのは

お宅のイノシシだそうじゃないか。

大したものだね。

はあ はあ… 宗方管理官!

先生は
出入り禁止にしたはずですけど?

私の事 尾行させてたんですね?
なんて卑怯な…!

(ため息)

人を2人も殺した容疑者ですよ。

どんな手を使っても
確保しないと。

うまく うまく…。

弥生さんは 直哉さんの復讐を
する気はなかった。

ただ
真実を知りたかっただけです!

真実? ハッ…。

そもそも 30年前の一件が
本当に他殺だったのか。

斉藤弥生の勝手な思い込み。
証拠は一つもない。

あなたって人は どこまで…!

早紀。

管理官 斉藤弥生は完全黙秘です。
まさか あなたまで?

ちょっと来い。
ちょ… 何よ!

ちょっと来い!
ああ… ちょっと!

もう…!
許さない! あの毒ハリネズミ!

何もかも
弥生さんの勝手な思い込みで

事件に
幕引き図ろうとするなんて!

30年前 直哉さんは真知子さんに
階段から突き落とされた。

でも それを
中瀬刑事部長が隠蔽した!

遺体は もう 骨になってるんだ。
お前に何ができる?

確かに もう 遺体はないし
だからといって

生身の人間を使って
実験する事もできない。

でも 何かしないと…。

あっ! ねえ
直哉さんの死体検案書は?

調書には添付されてなかった。

えっ!? そこまで念入りに
隠蔽工作されてたの?

あなた
警察官として悔しくないの?

ねえ なんで黙ってるの!?

警察官だからできないんだ!
俺はな…!

お前には わからん。

意気地なし!
見損なった! もう…。

あっ…。

資料室に埋もれてました。

福留教授が研究用に残されていた
30年前の詳細な解剖記録です。

恐れ入ります。 拝見します。

斉藤直哉… あった。 これだわ。

「死因は頭部打撲による
頭蓋骨骨折に起因する失血死」

「死亡の原因並びに死亡の種類」

「事故 あるいは他殺」…。

(早紀の声)やっぱり 福留先生は
他殺の可能性も指摘していた。

不意に ここから
突き落とされたとしても

死亡するとは考えにくい…。

打ち所が悪かったのかしら?

(北野)おい いい加減にしろ!
だんまりを決め込むの。

(早紀の声)弥生さんが 30年前の
事件の真相に近づいた事で

今回の2つの殺人事件が
起きたのよ。

30年前の事件の真相を
明らかにしない限り

今回の事件は解決しない。

鶴田。
はい。

頑張ってるか?

はい。
そうか。

早く帰れよ。
どちらに行かれるんですか?

野暮用。

ここか…。

うっ… うう…。

うう…。
どうしたんですか?

気分でも悪いんですか?

うっ!
(刺す音)

♬~

ああっ…。

ああ… あっ…。

あっ! くっ…。

♬~

あっ… ああ…。

はあ はあ はあ…。

くそ… 俺もここまでか…。

♬~

(早紀の声)30年前の事件の真相を
明らかにしない限り

今回の事件は解決しない。

♬~

お母さん!
あっ 愛介… お父さんは!?

まだ 何も…。
僕も まだ 着いたばっかなんだ。

刺されたって 誰に?
わかりません…。

あなた… あなた!

すいません! あの時
私が ついて行ってたら…。

きっと
我々を巻き込まないように

1人で30年前の事件を
調べに行かれたんです。

あの…。

現場の血痕からして
二宮警部が刺されたのは

石段の上。

この痕跡を見る限り 二宮警部は

恐らく 最初は犯人を追いかけた。

けど 出血がひどすぎて
諦めたんでしょうね。

その後 なぜか
方向転換をして石段のほうへ。

そして 石段から転落した。

なんとかして 助けを求めようと
したのかもしれません。

あなた…。

一馬…。 ああ…。

一馬…!

(ドアの開く音)
愛介…。

ねえ どうなの? 容体は。

予断を許さない状態なんだ。
すぐに病院に戻んないと。

お母さんに頼まれたものあるから
南 手伝って。

わかった。 お願いします。
(七海)はい はい…。

はあ… 一馬…。

こんなにかわいい心ちゃんを
残していくなんて… ねえ?

一馬 私が絶対許さないからね!

私が絶対許さないから!

(心電図モニターの音)

あなた… 頑張って…。

死んじゃ嫌よ。

ずっと一緒にいてくれなきゃ
嫌だからね。

私たち
30年も一緒にいたんじゃない…。

♬~

(一馬の声)俺が死ぬ時は

お前にだけわかるメッセージを
ちゃんと残す。

方向転換…?

♬~

あなたは死を覚悟した。

だから 犯人を追うのをやめて
方向転換して

あの石段のほうに…。

うっ… ああっ…。

♬~

(一馬の声)早紀… 俺の体を使え。

♬~

それが
あなたのメッセージなのね。

命を懸けた…。

そのメッセージ
確かに受け取った!

私が…

私が
30年前の真実を明らかにする。

それが…

それが あなたの望みなのね。

絶対 無駄にはしない…!!

(マウスのクリック音)

《肘・膝の骨折と打撲痕》

《これは 恐らく

2人が無意識に
頭部を庇ったために生じたもの》

《うちの人と同じように
庇ったのに

直哉さんにだけ どうして

頭部に こんなに激しい損傷が?》

戸倉真知子さんから
突き落とされたあとで

石段の下で
何者かが頭部を殴打して

それが致命傷に…?

頭蓋骨の陥没の形状は…?

《長さ3.0センチ》

《幅1.2センチ》

《深さは 中心部2.5センチ》

この傷…!

女性の戸倉真知子さんには
無理だわ。

とどめを刺した
誰か 別の人物がいた…。

《凶器の接触面は 幅が狭くて
ラウンドしている》

《この形状で

強い力を加えられるもの
といったら…

取っ手が付いている
可能性が高い!》

(たたく音)

(カメラのシャッター音)

(たたく音)

違う…。

(たたく音)

フンッ!

(カメラのシャッター音)

(宗方)河村主任
こんな朝っぱらから呼び出して

私に見せたいものって
一体 なんなんですか…?

(河村)だてに30年も
夫婦やってきてないですよね

先生と警部は。

私も 30年間培ってきた鑑識魂を
見せないと!

宗方管理官
一つ お願いがあります!

失礼します。

私に 被疑者と2人だけで
話をさせてください。

何を言ってるんですか?
あなたに そんな権限はない!

宗方管理官から
許可は頂いております。

私 鑑識課の
河村映子といいます。

どうか ご主人の遺骨を
調べさせてください。

遺骨?

30年前の真実を
突き止めるためには

どうしても 物証が必要なんです。

物証さえ出れば
どんな巨大な敵だって…!

嫌よ。

どうせ また潰される。

あなたが潰さなくたって
あなたの上の上の上が潰す。

あの二宮先生だって
私をだまして…。

それは違います! 二宮先生は今
真実を求めて闘ってます!

真実を突き止めたいのは
あなただけではないんです。

これは 私たちにとっても
戦いなんです!

どうか… どうか お願いします!

(心電図モニターの音)

あなた… ごめんなさい。

命まで懸けてくれたのに
私 行き詰まってる。

お母さん…
何 弱気な事 言ってんだよ。

らしくないよ。

わかってる。 でも…。

諦めんなよ。

ここは 僕に任せて
お母さんは 早く戻って。

お父さんの思いを引き継げるのは
お母さんしかいない。

愛介…。

これは?

(河村)チタンの燃えカスです。

斉藤直哉さんの頭蓋骨のかけらに
付着していました。

頭蓋骨って…。

河村主任 あなた 一体…!?

(河村)30年前に存在していた

チタン製の
テニスのラケットです。

今のものより ずっと小さい。

これが 直哉さんを殺した凶器…!

当時は まだ試作段階で

手に入れる手段は
ごく限られていたようです。

それと
斉藤弥生から押収したナイフに

戸倉真知子と滝本研斗の血液に
混じって

ごく微量ですけれども

トンカツソースが
付着していたようです。

トンカツソース?

先生が斉藤弥生から聞いた
公園のゴミ箱ですが

調べたところ 中から
トンカツ弁当の空の容器が…。

それって 犯人が
滝本さんを殺したあとで

凶器をゴミ箱に捨てたという証拠。

弥生さんがはめられたっていう
物証になるわ!

はい! すっごいお宝ですよ。

でも まだ報告は上げてません。
真犯人が捕まるまでは

隠蔽される危険がありますので。

河村主任… ありがとう!

ありがとうございます!!

ああ…

さすが30年前の現場鑑識競技会で
表彰されるほどの人ね。

生まれながらの天職だわ!

アハハッ… いやいや
あの賞は まぐれだったんですよ。

でもね

新米に負けたベテランたちに
もう 妬まれて…。

それで嫌がらせばっかり。

あの頃は 鑑識部屋の隅っこで
泣いてばっかりいました。

河村主任が?

フッ… だから この30年

誰からも認められる
鑑識になろうと

必死に頑張ってきただけです。

みんなは知らないだろうけど

私は知っているの。

あなたのお尻の
かわいいホクロ。

今さら そんな昔の事を持ち出して
何が目的だ?

30年前の斉藤直哉の転落死。

改ざんされる前の調書が欲しい。

太賀龍蔵に
はしごを外された時の保険として

残してあるわよね?
あなたなら。

そんなものは ない。

嘘おっしゃい!
(机をたたく音)

とっとと出しなさい!

警察のお偉い方が
私に なんのご用でしょう?

30年前の転落死事件の調書です。

改ざんされる前の。

松永さん

ここに あなたの目撃証言が
載っています。

(宗方の声)「石段の上で
女子高生が泣きながら

その男を石段から突き落とした」

こんな重要な証言が

見間違いという事で
あとになって取り消された。

松永さん
今のあなたの財産と地位は

その見返りとして
手に入れたものなんでしょ?

だったとしても
もう時効ですよね?

今 私が
はっきり知りたいのは

あなたや警察に圧力をかけたのは
一体 誰なのか?

その人物が

今回の事件の鍵を握っていると
私は見ている。

松永さん

もう忖度しないで
言いなさい。

はあ…。 いや…。

(宗方)誰なの!?

その…。
(扉の開く音)

(宗方)これは 太賀会長。
ご無沙汰致しております。

管理官自らお出ましと
聞いたもんでね。

うちの中瀬刑事部長が
そんな事まで わざわざ お耳に?

あなたは賢い人だと思っていたが
私の眼鏡違いかな?

龍チャン お客様よ。

あっ! はあ… 管理官!

こちらのお二人が うちの運転手に
いろいろ聞いてたから

直接 龍チャンに聞けば? って
お連れしたの。

ほう… そっちの2人は
何を探っておられるのかな?

太賀会長
単刀直入にお伺いします。

会長は 30年前 趣味のテニスで
チタン製のラケットを

使ってらっしゃいましたよね
まだ試作中の。

ああ… そうだったかもしれんが
もう忘れましたよ。

本当ですか?

あなたが会員だった
テニスクラブで聞いてきました。

モニターとして

何度もアンケートに
答えていらっしゃったとか。

聞こえなかったのかね?
「忘れた」と言った。

そんなはずは…!
不愉快だ!

宗方 こいつらを連れて
出て行ってくれ。

お前ら3人とも 私に逆らって
このままで済むと思うか。

さっさと消えろ!

はあ… 申し訳ありませんでした。
管理官まで巻き込んでしまって。

すいませんでした。
いいの いいの!

私 生き方 変えたの。

30年前の事件の調書を見ていて
あの頃の事を思い出した。

キャリアであっても
所詮は女って扱い。

悔しくてねえ…。

絶対 出世してやる! って。

私なりに頑張ったわよ
この30年。

でも 結局

同期の中では一番格下の
管理官止まり。

ハッ… このまま消えるよりは

大物と刺し違えて散ったほうが
かっこいいと思わない?

だから決めたの。

なんとしても あの巨大な城を
攻め落としてやる。

捨て身で刺せば
きっと うまくいく!

刺す… 毒針で!

知ってるわよ 先生。
私の事を

「うまく うまく」の毒ハリネズミ
って あだ名してるんだって?

いや…。
(河村)管理官。

ハリネズミなんて
まだマシですよ。 私なんか

キーキー小賢しいボスザル
なんて呼ばれてるんですから。

(宗方)アハハハッ…。
それを言うなら 河村主任だって

私の事 巨大イノシシって!

まあ 今回は
目をつぶりましょう。

私も
ひと暴れするつもりですから。

管理官…。

私たち3人とも
30年ものの大馬鹿野郎ですね。

本当に。 こうなったら
一時休戦という事で。 ホイ!

ホイ!
ホイ。

せーの!
(3人)一蓮托生!

(3人)オーッ!

滝本さん お願い…。

犯人を確定する
決定的な証拠がないの。

もう一度
あなたの最期の声を聞かせて。

どうしても
弥生さんの冤罪を晴らしたいの。

あらっ。

えっ… 停電?

ああ… 冷蔵庫 大丈夫かしら?

滝本さんの胃の内容物の
偽のタピオカ

溶けちゃわないかな…。

何? これ…。

♬~

♬~

「ハイドロコロイド」

じゃあ 異物は…

絆創膏のかけら!

《犯人もゼリーを作る時に
誤って氷に触れ

ハイドロコロイドの絆創膏を
貼った可能性がある》

《それが 何かの弾みで欠けて
ゼリーに混入した》

《…とすると

あのかけらには
犯人の体液が!》

あなた 犯人がわかったわ!

ゼリーの中の異物

絆創膏のかけらから検出された
体液のDNAを鑑定したら

一致する人物が

警察のデータベースの中に
いたの!

正攻法では
また隠蔽されるかもしれない。

だから こっちも
それなりの手立てを考えないと。

宗方管理官も河村主任も
一蓮托生だって言ってくれる。

でも あの2人を
巻き込むわけにはいかない。

病院の裏の海浜公園に
犯人を呼び出してあるの。

30年間 あなたと2人 ずっと
協力してやってきたように

この事件も あなたが…

あなたが ここにいる!

いってきます。

♬~

(船の汽笛)

犯人の目星が
ついたそうですねえ。

ええ 滝本さんが食べた
偽のタピオカの中に

犯人の体液が付着した
絆創膏のかけらが混入してたの。

そのDNAが一致したのよ

松永さん あなたと。

私のDNA?

以前 レナさんが あなたに無断で

あなたの所持品を売却して
逮捕された時

あなた
任意でDNA提出しましたよね。

全ては 30年前
戸倉真知子さんが

斉藤直哉さんを石段から
突き落とした事から始まった。

それを目撃していた事

あなた
宗方管理官から追及された時

認めましたよね。

ええ… 見てましたよ
一部始終。

(松永の声)当時 大学生だった私は
バイトの帰り道…。

(真知子)待ってよ…。

(直哉)やめてくれよ!

迷惑なんだよ…。

なんでよ…! 大っ嫌い!!

(直哉)うわあ…! ああっ…!

ああ…。

いったんは
警察に話したんですがね

太賀会長と話がついて
証言を取り下げたってわけです。

でも
真知子さんから突き落とされて

石段から落ちた時

直哉さんは
死んではいなかった。

彼は 転落したあとで

テニスラケットで頭を殴られて
殺された。

当時 あなた

太賀会長が会員だった
テニスクラブで

ラケットのガットを張る
アルバイトをしていたそうね。

はあ… 思い出すなあ。

30年前のあの頃は 毎日毎日
バイトの掛け持ちでしたよ。

平日の昼間から
優雅にテニスをしている

セレブな連中が
うらやましかった。

特に太賀龍蔵は 雲の上の存在。

おまけに 嫌な奴でしたよ。

いつも ガットの張り具合に
ケチをつけて…。

あの日も散々 嫌みを言われて

家に持ち帰って
張り直しをするはずだった。

だから 真知子が男を突き落として
逃げるのを見た時

チャンスだと思ったんですよ。

この先ずっと 太賀龍蔵に寄生して
甘い汁を吸い取ってやる。

それには 真知子が
殺人犯になってくれないとね…。

ああーっ!
(殴る音)

そのために なんの罪もない
斉藤直哉さんを…。

でも よく真相に
たどり着きましたねえ。

遺骨の頭蓋骨に

チタンの燃えカスが
付着してたのよ。

そうか… あのラケットの破片が。

直哉さんが この30年
叫び続けていた最期の声が

やっと届いたのよ!

この30年の間
夫の無念を晴らそうと

必死で生きてきた
弥生さんの執念で!

30年… その間に

私も ビルをいくつも
所有するところまで上ってきた。

でも まだまだですよ。

あの不動産王の太賀龍蔵と
親戚になった事だし

私は もっともっと高いところまで
上る。

それを阻もうとしたのが
戸倉真知子さんね。

彼女は
弥生さんから話を聞いて…。

頭から血が?

嘘… あの時
血なんて流れてなかった。

その時 初めて 真知子さんは
直哉さんの死の真相を悟った。

殺したのは 自分ではなかったと。

そう。

私は 30年もの間
苦しんできたのよ。

あの時の事が
ずっと とげのように心に…。

あんたなんか ぶっ潰してやる!

(松永の声)生かしておくわけには
いかないですよねえ。

それで あなたは

結婚披露宴のランチ会で
真知子さんが

レナさんの用意したタピオカミルクティーで
乾杯する事を知って

消化時間の差を利用して
アリバイ工作を思いついたのね。

(松永の声)
偽のタピオカを作ろうとして

うっかり氷に触れて 水ぶくれが。

その時 指に貼った絆創膏が
まさか あのゼリーの中に…。

すり替えは名案だと
思ったんですがねえ。

乾杯~!
(一同)乾杯!

(松永の声)あのランチ会のあと
真知子と待ち合わせました。

全て要求に応じるので
話し合いをしたいからと

その雑木林で…。

(刺す音)
(真知子)うっ!!

(早紀の声)それを
滝本さんに目撃された。

(松永の声)それで
私を強請ってきましてね。

偽物のタピオカ

真知子さんが
取りに来る前に

3分の1ほど
抜き取っておきました。

はあ… 美味ですよ。
黄金の味がします。

わかった…。
改めて連絡する。

(刺す音)
ううっ!! あっ! ああ…。

(早紀の声)そのあと
弥生さんに罪を着せるため

滝本さんのスマホから
メールを打った。

許せない…!

あなたは 私の夫まで…!!

二宮警部は 先生とは違って
捜査のプロですからね。

30年前の事件を
本気で調べられたら困る。

先生 今の話
録音でもしてますか?

でも 無駄ですよ。

私は もっと高くまで上ると
言ったでしょ。

この30年間を
水の泡にしたくないんでね…。

あっ…!

(心電図モニターのアラーム)

ううっ… 大石…

至急
病院の裏の公園に来てくれ…。

あっ…。

早紀が…。

♬~

ああ… あっ…。

先生 今 楽にしてあげますよ。

♬~

うあっ…! ああ…。

(小池)大丈夫ですか!?
(大石)主任!

頼む!

ああ…。
さ… 早紀。

あっ! ああ…。

あっ… あなた!?

あなた…!!

ああ もう… しっかりして!
しっかりして!

さ… 早紀…。
うん…。

怪我はないか?
大丈夫… 大丈夫よ。

しっかりして…。
よかった…。

死なないでーっ!!
うわあーっ!!

痛い…。
あっ あっ…

ご ご… ごめん ごめん。
ごめんね。

ハハハッ… ハハッ…。
ごめんね。

早紀…。
うん。

さ… 30年 ありがとうな。

愛してるよ。

…ありがとう!

うぅ… ああ~!
ごめん ごめん…。

(弥生)ありがとうございます。

直哉の無念が晴らせたのも
先生のおかげです。

ううん 私一人の力じゃないわよ。

警察の中にも 一蓮托生の
心強~い味方がいてくれたから。

でも 弥生さん
30年の思いが叶って

本当によかった。

太賀龍蔵が引退したのも

あなたの書いた記事が
きっかけだったそうよ。

ねえ?
ああ。

会長職から身を引き
もう 奴の出る幕はない。

中瀬刑事部長も免職したしな。

これからも
記者は続けていくんでしょ?

もちろんです。

今までどおり 果樹園と
二足のわらじで頑張ります。

先生 また どこかで…。

フフフッ…。

はあ…。
ああ…。

(はなをすする音)

長くて孤独な30年だったろうに。
うん。

彼女の笑顔に救われるな。
うん…。

私 今回の事で
つくづく思ったわ。

30年の歳月を生きてきたのは
私たちだけじゃないって。

うん。
弥生さんも…。

あっ そうだ!

あの2人…
ハリネズミとボスザルも。

(2人の笑い声)
あっ 大事な人 忘れてた!

叔母様!
おお…。

フフフッ…。
ハハハ。

早紀 ちょっと
手 出してごらん。

手?
手を。

手。
手。

ああー! これ…!

うわ~!

…って 何? これ。
うん?

あれ~?
銀杏!

真珠が銀杏に
変身しちゃったみたい。

もう~ 何よ! これ…。
冗談だよ。

ほら。

はい。
ああ…!

ああ~ かわいい! これ…。

すごいかわいい!

(せき払い)

早紀…。
うん?

結婚30周年おめでとう。

これからも よろしくな。

うん!

ねえ あなた これ…
これ つけて つけて。

ここへ つけて。
いいよ もう 恥ずかしい。

いいから つけてよ!
いいから! 恥ずかしいから。

ほら つけてよ これ。
つけて…

つけて つけて!

どう? きれい?
きれいだな…

真珠。
いや…。 きれい? きれい?

うん。 だから 真珠がきれいだ。
うん…?

〈過去の放送を見るなら
TELASAで〉

(梶山勝利)刑務所から出所した
女が3時間後に自首をした。

(矢島聖美)取り調べてる映像を
中継してください。

(三沢早苗)人を殺したんです。

(小石川春夫)殺害なんて
できるはずないでしょう!

(聖美)死ねー!

たった今 私が殺しました。

(真壁有希子)誰が殺したのよ?

(早苗)私が殺してたかもしれない。

(有希子)
被疑者をマル裸にしてみせます。

(聖美)後悔する事になりますよ。

本気で許せなかった。

どうして裏切ったのよ!

(聖美の笑い声)


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