プロフェッショナル 仕事の流儀 言葉の海で、心を編む~辞書編さん者・飯間浩明 “言葉ハンター”の異名を取り…


『プロフェッショナル 仕事の流儀▽言葉の海で、心を編む~辞書編さん者・飯間浩明』の番組情報(EPGから引用)


2018/06/11(月) 
プロフェッショナル 仕事の流儀▽言葉の海で、心を編む~辞書編さん者・飯間浩明[解][字]
“言葉ハンター”の異名を取る気鋭の辞書編纂(さん)者。街なか、SNS…日々生まれる言葉を集め、その意味や解釈を辞書に編む。国語辞典の改訂に向けた熱き闘い!
詳細情報
番組内容
“辞書の神様の生まれ変わり”と評される、気鋭の辞書編纂(さん)者・飯間浩明(50)。“言葉ハンター”の異名を取り、街なかやSNSなどで日々生まれる言葉を集める。「黒歴史」「シズル」「鉄板」…時代を映す言葉の数々。その本質を、的確かつ端的に辞書を編む。言葉ひとつひとつに並々ならぬ愛情を注ぐ飯間。国語辞典の改訂に向け、8万語を超える言葉と一身に向き合う男の、知られざる熱き闘いの現場に密着!
出演者
【出演】辞書編纂(さん)者…飯間浩明,【語り】橋本さとし,貫地谷しほり
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『プロフェッショナル 仕事の流儀▽言葉の海で、心を編む~辞書編さん者・飯間浩明』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数BEST10)

プロフェッショナル 仕事の流儀▽言葉の海で、心を編む~辞書編さん者・飯間浩明
  1. 飯間
  2. 言葉
  3. 得る
  4. 辞書
  5. 語釈
  6. 改訂
  7. 射る
  8. 意味
  9. 時代
  10. 誤用



『プロフェッショナル 仕事の流儀▽言葉の海で、心を編む~辞書編さん者・飯間浩明』の解析用ソース(番組内容ネタバレ注意!)


その男の目には
世界は まるで違って見える。

世の中にあふれる
膨大な言葉を発掘する。

その姿は
さながら 「言葉ハンター」。

日本でも数少ない
辞書作りを専門とする

日本語学者 飯間浩明。

時代を映す言葉。

その本質を
的確 かつ 端的に記す。

飯間が手がける辞書は
「生きた国語辞典」と評される。

英語の「sizzle」
「油が じゅうじゅういう」より…

言葉に臆病だった少年時代。

相手に思いを伝えられず
苦しんだ。

動きだした辞書の改訂作業。

立ちはだかる難題に挑む。

言葉のプロの誇りをかけた 闘い。

3月中旬。

取材を始めた頃 飯間は 自宅の
引っ越しを終えたばかりだった。

言葉遣いも どこか独特だ。

飯間は 日本でも数少ない

辞書作りをなりわいとする
フリーの辞書編纂者だ。

手がけるのは 現代語に
最も強いとされる 国語辞典。

およそ6~7年に一度の
辞書の改訂に向け

ひたすら 気になった言葉を
集める事に時間を費やす。

この日も 洗い物の最中。

(アナウンサー)「ブラック校則の問題に
取り組む民間団体が…」。

「ブラック校則」という言葉が
耳に残った。

新しく生まれた言葉や

これまでにない使い方などを
発掘する…

「私たちが 今後も世界で戦える
トップカーラー

カーリング選手になっていかなきゃ
いけないな…」。


中でも 飯間が目を光らせるのが

SNSなど 若者たちが
言葉を発信するツールだ。

学期末のこの日 検索したのは
「終業式」というキーワード。

飯間は 6年前に初めて

「たん」という新たな接尾語を
発見して以来

幾度か出会っていた。

なるほど。

そして 飯間の用例採集の主戦場が
町なかだ。

看板やメニュー 人々の会話など

日々生まれる言葉に
アンテナを張り巡らせる。

(シャッター音)

(取材者)何撮ったんですか?

こうして 1年間で集める言葉は
4, 000語以上。

これが
飯間の辞書作りの根幹を成す。

前回の改訂から4年
飯間が本格的に動きだした。

集めた言葉の中から 辞書に
新たに載せる候補を厳選し

その意味などを書く
「語釈」の作業に取りかかる。

新語候補の一つ 「黒歴史」。

2年前に
この言葉を見つけて以来

ネットや新聞など あらゆる媒体で
使われるようになっていた。

「過去25連敗中 “黒歴史"消す」。

飯間は 言葉が定着してきたと
考えていた。

集めた資料の中に
気になる記述があった。

(飯間)ほんとなのかね。

「黒歴史」の語源と思われる
19年前の映像をチェックする。

4時間かけ 書いた語釈。

「人に知られては困る はずかしい
消してしまいたい歴史」。

ただ単に 「消してしまいたい歴史」
と説明するのではなく

「人に知られては困る はずかしい」
という

使う人の主観も編み込んだ。

ここにこそ
飯間が辞書に込める思いがある。

そして 飯間は
語源の情報も書き込んだ。

この日 語釈を書いた言葉は
全部で5つ。

気付けば 夜は明けていた。

♬~

飯間さんの
言葉に対するこだわりは

意外なところでも かいま見れる。

♬~

♬「やっと眼を覚ましたかい」


それは 毎年の大みそか。

「紅白歌合戦」の裏で

歌詞の意味などを実況する
人気のツイート。

例えば
CMで話題となった この歌。

♬~

コロコロした声と…。

飯間さんが注目したのは
「コロコロ」という言葉。

時代が変わっても変わらない
言葉の奥深さ。

その一方 飯間さんは

時代に応じて 本来の意味から
どんどん変化する言葉にも敏感だ。

例えば こちら。

もともとの語釈は…

♬~(カラオケ)

飯間さんは前回の改訂で
こう書き加えた。

鉄の板がかたい事から転じた意味。

賭け事で使われ始め
ここ十数年で広がった。

「辞書は 時代を映す鏡であれ」。

飯間さんが目指す
辞書編纂者の姿だ。

飯間はこの日 辞書の編集会議の
ために 出版社を訪れた。

あ 失礼します。
≪あっ どうも。

こんにちは
よろしくお願いします。

編集委員は 日本語学の権威や

最も多くの言葉を執筆する
飯間など 5人。

次の改訂に向け 収録されている
8万2, 000語の見直しや

新たな言葉の選定などを行う。

編集方針を話し合う中で
出版社が危機感を訴えた。

辞書の売り上げは 出版不況や
ネットの普及によって

20年で3分の1にまで
減少していた。

存在意義そのものが
飯間たちに問われていた。

実は飯間には 気になって
頭から離れない言葉があった。

それは1か月前 電車の窓から
一瞬だけ見えた言葉。

飯間でも これまで一度も
出会った事がなかった。

翌日。 もう一度
同じ電車に乗ってみる。

一体
どこに書かれていた言葉なのか。

見つけた。

それは 工場の外壁に掲げられた
標語だった。

次の駅で降り 工場へ。

更に 言葉の生まれた背景や
どのように使われてきたのか

現場に直接聞くという。


飯間が大切にする 信念がある。

20分後
飯間は興奮して戻ってきた。

「整正美化」とは
単に整理整頓するだけでなく

作業も美しく行おうという
独自の標語だった。

お疲れさまでした。

辞書編纂者 飯間浩明。

どんな言葉にも
あふれんばかりの愛を注ぐ。

この日は
ラジオ番組へのゲスト出演。

テーマは 「最近 気になる日本語」。

今でこそ 言葉のプロの飯間さん。

だが意外にも 言葉に悩まされ
苦しみ抜いた日々があった。

「何故
われわれは会話がへたくそか」。

これは 飯間さんが
中学生の時につづった

言葉をテーマにした考察だ。

高松で生まれ育った飯間さん。
小さい頃から 本が大好きだった。

祖父が集めた蔵書のみならず
特に国語辞典は

通学中 歩きながら読むほどに
熱中した。

ある日の授業中 教科書に
教師も知らない言葉があった。

飯間さんは 思わず言った。

どうして 自分はたくさんの言葉を
知っているのに

うまく扱えないのか。

相手に思いを伝えられず
日々 悩み続けた。

飯間さんは
言葉の「本質」を知りたいと

大学で日本語学を専攻。

授業以外 半ば引きこもりながら

「万葉集」や「源氏物語」など
日本語の原点に のめり込んだ。

そんなある日 一冊の本に出会う。

「ことばのくずかご」。

著者は 日本語学者…

町で見聞きした言葉や 時代の
新たな表現を集めた

斬新な本だった。

見坊さんは 国語辞典の神様と
うたわれた人物だった。

かつて夢中で読んだ辞書への
思いが わき上がってきた。

自分も 辞書を作りたい。

だがそれは 選ばれし専門家だけが
担える 狭き門だった。

飯間さんは大学院を卒業後

大学講師とアルバイトで
食いつないだ。

一人 用例採集を始め

現代語についてのエッセイも
次々と発表した。

そして 10年。

ついに ある出版社の目に留まり

辞書の編集委員に抜擢される。

それは偶然にも
あの見坊さんが生前

手がけていた辞書だった。

飯間さんは これまで以上に
熱心に言葉を集め 調べ尽くした。

だが 神様が作り上げた辞書の
伝統を守ろうとするあまり

語釈を書き換える事には
慎重だった。

そんな飯間さんのもとに
ある日 読者カードが届いた。

そこには
全国の小学生から大人まで

言葉の悩みや質問 要望が
たくさん書かれていた。

飯間さんは初めて 多くの人が

言葉を大切に生きている事を
実感した。

更に
一つの言葉が飯間さんを変える。

「恋愛」。

語釈は
「男女の間の恋」となっていた。

だが 一人の編集委員の指摘に
ハッとなった。

「男女だけに限っていいのか」。

どうすれば 使う人の気持ちに
沿った辞書が作れるか。

飯間さんは 臆さず闘い続ける。

改訂に向け 飯間には
辞書編纂者人生で

長年 苦しみ続けている
問題があった。

市民講座でも
その言葉を取り上げる。

「的を射る」と「的を得る」
どちらが正しいか。

一般的に 「的を射る」は
うまく的に当てる

急所に当たる意味で
正しい表現とされ

「的を得る」は誤用とされる。

しかし 飯間の考えは違う。

論争を呼ぶ 2つの言葉。

そもそも 「的を得る」が間違いだと
初めに指摘したのは

あの辞書の大先輩
見坊豪紀だった。

「的を射た」と「当を得た」が
交錯して

「的を得た」になってしまった
という説だ。

この日の編集会議。

飯間は 改訂版に載せる
「的を得る」の語釈を用意していた。


今回 飯間は
「的を得る」は誤用ではないと

はっきり明記したいと考えていた。

実は 飯間たちの辞書は
前回の改訂で

初めて「的を得るもあり」と
2つの言葉を併記。

今回 更に もう一歩
踏み込みたいという。

世論の4割が 実際に「的を得る」を
使っているという調査や

言語学の論文などを基にした
考えだった。

だが…。

出版社から反対の声が上がった。

前回の改訂版ですら
読者から批判が相次いだという。

飯間は粘る。

「的を得る」への誤解を
正した上で

読者に どちらを使うか
判断してもらいたい。

結論が出ないまま
会議は5時間に及んだ。

2日後 「的を得る」が使われていた
歴史的根拠を探し出す。

ええっと… ああ あそこだな。

一晩かけてネットで見つけた
情報を頼りに訪ねたのは

仏教書専門の古書店だった。

見つけたのは
80年以上前に出版された学術書。

更に もっと古い資料があるという
情報をつかんだ。

江戸時代に書かれた
方言に関する文献だ。

250年前にも
「的を得る」は使われていた。

「的を得る」の歴史的根拠は
見つかってきた。

だが 飯間の心は揺れていた。

「的を得る」を立て過ぎると

「的を射る」を使ってきた人の
気持ちを損なうのではないか。

飯間が
語釈の作成に取りかかった。

う~ん…。

何度も「得るは誤用ではない」と
書きかけては 消す。

自分は何を見据えるべきか。

飯間の語釈。

「的を得る」「的を射る」。

「射る」を優先させた。

あの 「的を得るは誤用ではない」と
強調する文言は入れなかった。

ただ ある一文を付け加えた。

「『射る』も『得る』も
特に戦後 広まった言い方」。

「的を得る」も ちゃんと人々の間で
生きてきたという思いを込めた。

この結論を 編集会議にあげる。

♬~(主題歌)

じゃあ
ちょっと行きましょうかね。

こっち渡ります。

あっ ダメだ。

すべての言葉に価値がある。

その一心で 辞書を編む。

飯間は今日も街に出る。

♬~

それはね たくさんの人を
よかったと思わせる人。

ちょっと辞書風になりましたかね。

♬~


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