フランケンシュタインの誘惑E+ 第一話「人体蘇生」 …人類が追い求めてきた夢「死者の復活」に迫る! 吉川晃司



出典:『フランケンシュタインの誘惑E+ 第一話「人体蘇生」』の番組情報(EPGから引用)


フランケンシュタインの誘惑E+ 第一話「人体蘇生」[字]


科学史の闇に迫る知的エンターテインメント「フランケンシュタインの誘惑」が、装いも新たにEテレで!この日は、有史以来、人類が追い求めてきた夢「死者の復活」に迫る!


詳細情報

番組内容

小説「フランケンシュタイン」が出版されて200年。科学史の闇に迫る知的エンターテインメントがBSプレミアムの特集シリーズとして帰ってくる! これに合わせ、これまで放送した中から2本をリメイク、Eテレで放送する! この日は、有史以来、人類が追い求めてきた夢「死者の復活」! 映画「フランケンシュタイン」が大ヒットした1930年代、人体蘇生を実現しようとした男がいた!「死」は、科学の力で操作できるのか?

出演者

【語り】吉川晃司





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フランケンシュタインの誘惑E+ 第一話「人体蘇生」
  1. コーニッシュ
  2. 実験
  3. 蘇生
  4. ラザロ
  5. 血液
  6. シーソー
  7. 酸素
  8. 死刑囚
  9. 死体
  10. 科学


『フランケンシュタインの誘惑E+ 第一話「人体蘇生」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


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有史以来 人類が追い求めてきた夢
「死者の復活」。

科学が 目覚ましい発展を遂げた
20世紀前半

その夢を
現実にしようとした男がいた。

アメリカの生物学者 ロバート・コーニッシュ。

1934年 コーニッシュは 動物を次々に
殺しては生き返らせるという

実験を行った。

死んだ犬の蘇生に成功すると
マスコミに公表し

一躍 時代の寵児となった。

続けて コーニッシュは
人体実験へと踏み出す。

死刑囚を 処刑後に生き返らせる
という この計画は

全米に賛否を巻き起こした。

科学技術が
万能と思われていた時代。

「死」を 科学の力で
乗り越えようとした男と

その闇に迫る。

あなた方が生きている時代から
200年前

一冊の小説が世に出ました。

主人公は 科学を志す若き男。

墓地から盗み出した死体を
つなぎ合わせ

命を吹き込みました。

生み出されたのは 恐るべき怪物。

その小説の名は…

今回 お届けする
闇に魅入られた科学者は

ロバート・コーニッシュ。

「死者の復活」という
「フランケンシュタイン」の小説を

地でいく命題に
人生をささげた男です。

1903年 コーニッシュは

カリフォルニア州の
弁護士の長男として生まれた。

幼い頃から 神童と呼ばれ
母親のもとで英才教育を施された。

14歳で 名門カリフォルニア大学バークレー校に
進学すると 化学を専攻。

18歳という若さで卒業し…

解剖学の研究員となったが

専門分野以外のものにも
異様な興味を示した。

水中で本を読むための
メガネの研究に のめり込み

ビタミンの合成や 新しい歯磨き粉の
開発に夢中になった。

コーニッシュの蘇生研究を調査し
本にまとめた

ジャーナリスト フランク・スウェイン。

1771年には イタリアの解剖学者
ルイージ・ガルヴァーニが

死んだカエルに電気を通すと

筋肉が けいれんする事を
突き止める。

人々は この発見に驚嘆し

「失われた生命が 電気によって
蘇る」と おののいた。

20世紀になると
科学技術が劇的に発展し

生と死を操ろうと考える
科学者たちが現れる。

1928年には ソ連の科学者
セルゲイ・ブリュコネンコが

死んだ犬に人工心臓を取り付け
数時間生かし続ける事に成功した。

詳細は ベールに包まれたまま
うわさだけが アメリカに伝わった。

蘇生科学の歴史を研究している
スーザン・レデラー教授。

1931年 ある映画が
世界的に大ヒットする。

主人公の青年 フランケンシュタインは
死体を墓地から盗み出し

つなぎ合わせて 生き返らせた。

恐怖に震え上がる観客の中に
全く別の感情を抱く男がいた。

ロバート・コーニッシュだ。

フランケンシュタインのように
死を克服する事は可能なはずだ。

コーニッシュは 生命を蘇らせる研究に
取りつかれる。

そして 本来の解剖学の知識を
駆使し ある道具を開発する。

死体を上下に揺らし続ける事で
強制的に血液を循環させる。

この時 臓器の重さの移動が
横隔膜の動きを引き起こし

人工的な呼吸をも生み出す。

血液循環と人工呼吸によって
酸素が体内を巡り

死者を生き返らせる
というのだ。

1933年
初めての人体実験が行われた。

蘇生を行う許可が下りたのは
4時間前に病院で死亡した男。

コーニッシュは 死体をシーソーに縛りつけ

5秒から 8秒の間隔で
上下に揺らし続けた。

死体に変化が現れる。

コーニッシュは 未発表の報告書に
その時の興奮を記している。

すぐさま胸部を圧迫して
呼吸させようと試みたが

脈は途絶えてしまった。

コーニッシュは その後 溺死者1名
感電死した者1名に蘇生を試みる。

しかし 2人とも脈は全く戻らず
失敗に終わった。

シーソー型蘇生機に自信を持っていた
コーニッシュは

動物を使って
問題点の検証を始める。

実験に使われたのは
自らの手で殺した羊。

血液の循環が 間違いなく
起こっているのか確かめるため

羊の大腿静脈に
青色の色素を注入した。

シーソーで揺らし続けて 25分。

全身の主な血管に
青色の色素が行き渡っていた。

「血液循環は
確かに起こっている。

それでも
なぜ羊は目覚めないのか…」。

コーニッシュは 生命の復活のために
有効と思われるものを

片っ端から 実験していく。

日本の柔道家 嘉納治五郎が
編み出した活法まで試した。

死んだ羊に活を入れ
息を吹き返させようとしたが

うまくいかなかった。

事態を打開するために
コーニッシュが目をつけたのは

外科医 ジョージ・クライルの実験だった。

クライルは 酸素などを加えた血液を
輸血する事で

死者を蘇生させたが 数時間後に
再び 死なせてしまった。

コーニッシュは その原因を
血液が固まったためだと考えた。

心臓が止まって
血液が循環しなくなると

血液凝固が起きやすくなる。

そこで コーニッシュは

血液を固まりにくくさせる性質で
知られていた 「ヘパリン」に注目。

血液に ヘパリンと酸素を加えた
独自の輸血法を開発した。

コーニッシュは 死体をシーソーで
揺らしながら輸血を行い

更に 心臓に血液を集める
働きがある

「アドレナリン」を投与するという
方法に たどりついた。

1934年 コーニッシュは いよいよ
犬を使って蘇生実験に取りかかる。

実験に使用する犬には
ラザロ2と命名。

聖書の中で キリストが生き返らせたと
伝えられている ユダヤ人

ラザロにちなんで 名付けた。

実験は バークレー校の
コーニッシュの研究室で行われた。

そこには
新聞記者が集まっていた。

世間の注目を集めようと
コーニッシュが招いたのだ。

ラザロ2の心肺が停止して 6分後
蘇生に取りかかる。

輸血を行い アドレナリンを注入して
シーソーを動かし続ける事 5分。

突然 ラザロ2の心臓が鼓動を始めた。

昏睡状態ではあったが
蘇生に成功したのだ。

しかし その後 ラザロ2は血栓ができ
死んでしまう。

続けて実験した ラザロ3も
同様の症状で息絶えた。

「ヘパリン」が足りなかったと考えた
コーニッシュは

ラザロ4では
その投与量を調整。

更に
血圧を安定させるとされていた

「アラビアガム」を追加した。

ラザロ4は蘇生し
12日後に意識を取り戻した。

だが 今度は
脳にダメージを負ってしまう。

生気はなく ぼんやりと
空中を見つめるばかり。

無酸素状態が
長く続いたためだった。

ラザロ4の経過は
新聞で 逐一報道された。

コーニッシュは 一連の実験について
論文にまとめる事なく

マスコミを通じて
世間に アピールしていく。

更に 実験の映像を

映画「フランケンシュタイン」を作った
製作会社に提供。

「命が蘇る」というタイトルで
公開された。

そこには 立派な科学者の役として
コーニッシュの姿が映されている。

コーニッシュの名は
一躍 全米に知れ渡った。

しかし 残酷な動物実験が
強烈な批判を浴びる事になる。

抗議に対し
コーニッシュは皮肉交じりに

「それなら 実験動物を
皆の好きな犬から

豚に変更する」と うそぶいた。

悪評を恐れた大学は
コーニッシュを解雇する。

蘇生術の完成まで あと少しだと
考えていたコーニッシュは

独り 自宅で動物実験を続けた。

ラザロ5は 4日後には餌を食べ
元気にほえるほどに 回復した。

この結果もまた新聞で報じられた。

あなた方人類にとって 夢のような
悪夢のような行いでしょう。

しかし これは
医学が普通に目指している事。

1秒でも長く生を延ばし
死を免れる。

その先に
蘇生はあるのです。

ですが 実験のために生あるものを
殺すというのは どうでしょうか。

また 実験台となったラザロたちは
本当に死んでいたのでしょうか。

死とは 血液循環や呼吸が止まる
「心肺停止」。

酸素や栄養などが行き届かず 脳や
内臓の機能が止まる 「臓器の死」。

最終的には 体全体を構成する
「細胞の死」へ至る

幅の広い概念です。

国や時代により
その定義は常に変化します。

あなた方にとっても
何をもって死とするか

はっきりとした答えを

持ち合わせてはいないのでは
ありませんか?

コーニッシュは
いよいよ 人体実験に乗り出す。

目をつけたのは 死刑囚。

処刑された直後に
生き返らせようと考えた。

コーニッシュは ネバダ コロラド アリゾナの
3州に協力を求める。

この3州は いずれも
処刑に ガスを使っていた。

コーニッシュは 死刑囚を蘇生させる
手順を新聞に寄稿。

デモンストレーションの写真入りで
公開した。

タイトルは…

まずは 死体をシーソーに乗せ
上下運動を始める。

死の原因となった毒ガス
シアン化物は

解毒剤 メチレンブルーで中和。

更に マスクから酸素を供給して
人工呼吸を行う。

そして ヘパリンと酸素を加えた
血液を輸血し アドレナリンを投与する。

医学界は たとえ蘇生が成功しても
脳の損傷は免れないと指摘した。

3州の知事たちは要請を却下した。

コーニッシュは その後も
実験器具の改造に明け暮れ

シーソーの代わりとなる人工心肺を
開発する。

この人工心肺は
血液を取り出して酸素を混入し

体内へ送り返す機能を持っていた。

手動のシーソーよりも
時間の短縮につながり

脳へのダメージを軽減できると考えた。

死刑囚を使った人体実験を
断られて 12年後。

コーニッシュのもとに
一通の手紙が届く。

差出人は 刑務所に服役中の
トマス・マクモニグル死刑囚。

手紙には 「コーニッシュに会いたい」と

書かれていた。

マクモニグルは 少女を誘拐し 殺害した
凶悪犯として起訴され

死刑判決を受けた人物だった。

コーニッシュは
マクモニグルが収監されている

カリフォルニア州 サンクエンティン刑務所を
訪れた。

マクモニグルは 新聞で
コーニッシュの研究を知ったと語り

自ら 実験台になる事を願い出た。

コーニッシュにとって
好都合だったのは

この刑務所が ガスで
処刑を行っていた事だった。

面会を終えたコーニッシュは
その日のうちに

実験の許可を得ようと
州知事に手紙を出す。

コーニッシュが 州や刑務所との交渉を
始めると 再びマスコミが注目。

前例のないケースだと
司法界は混乱した。

処刑された死刑囚が生き返ると
適用する法律がない。

刑務所長と交渉する事 3度。

その度に コーニッシュの申し出は断られ
州との交渉も決裂した。

この街に
コーニッシュの親族が暮らしている。

Hello.

コーニッシュと親しかった 甥の…

人体蘇生に全てをささげた科学者
ロバート・コーニッシュの闇。

それは 命をもてあそぶ実験を
推し進めた事。

論文を書くという
手続きを踏まず

科学的な検証を受けなかった事。

そして 自らの研究が
社会に どんな影響を与えるかを

一切 考えなかった事でした。

死刑囚マクモニグルを使った人体蘇生を
拒否された コーニッシュのもとに

実験に協力したいという
申し出が殺到した。

そのほとんどが
金銭目当てのものだった。

カンザス州の男性は
見返りとして 30万ドルを要求。

カナダの退役軍人は
生き返ったあとは

ぜいたくに暮らしたいと
家具や日用品を求めた。

コーニッシュは申し出に困惑し
こう つぶやいたという。

コーニッシュは 人体蘇生への情熱を
失ってしまう。

生活費を捻出するため
フッ素入りの歯磨き粉を開発し

「ドクターコーニッシュの歯磨き粉」と
名付けて 売り出した。

ところが 当時 フッ素には
毒性があると考えていた

消費者雑誌から 歯磨き粉として
ふさわしくないと否定される。

コーニッシュは ある奇妙な趣味に
没頭してゆく。

年に一度の ジャンピングカエル祭りに
参加する事を目指した。

5本足のカエルを
手に入れた事が

きっかけだった
という。

コーニッシュは 筋肉をつけさせる虫を
餌として与え

カエルが冬眠する冬も
休まず 訓練させた。

晩年のコーニッシュ。

ほとんど外出する事もなかった。

1963年 生涯独身のまま
兄弟にみとられて息を引き取った。

脳卒中だった。

一方で コーニッシュが取り組んだ
人体蘇生の手法は

救急救命医療の現場で
実現していく。

血液の凝固を防ぐ ヘパリンは

1935年に
ヒトへの臨床試験が行われ

その後 輸血の現場で
使用されるようになった。

人工呼吸に 心臓マッサージを
組み合わせる方法は

1960年 その有効性が認められ
現在の心肺蘇生法として確立した。

だが 論文ひとつ残さなかった

コーニッシュの功績が語られる事は
なかった。

科学の力で 「死」を
乗り越えようとする挑戦は

医療技術の劇的な進歩とともに
新たな段階へと突入している。

2016年
アメリカのバイオテクノロジー企業が…

脳死とは 脳の機能が低下し
回復不可能な状態を指す。

人工呼吸器などの補助がなければ
心肺機能も停止してしまう。

この企業では 脳死した患者本人の
幹細胞を取り出して培養。

それを死んだ脳に戻し
新たな脳神経の再生を促す事で

脳の機能を回復させる。

自力で呼吸する事が
可能となり

動く物体を目で追うといった
認知機能も取り戻せるという。

もし この治療法が確立すれば

「死」という概念そのものが
覆る事になる。

この治療法を開発した企業は

最終目標を
「脳神経の完全な蘇生」と掲げ

今年 南米で
人体実験を開始する予定だ。

適切な動物モデルがいない
という理由で

動物実験が行われる事もなく
実施されるという。

脳死患者の脳の蘇生。

それは 夢の技術であると同時に

あなた方が現在行っている
臓器移植の道を閉ざしかねない

技術でもあります。

なぜなら臓器移植は 脳死判定を
受けたドナーの臓器を

摘出する事で
成立しているからです。

また 脳の蘇生により

大脳の神経ネットワークの再構成が
可能になるとすれば

患者の記憶や性格まで
変わってしまう可能性があります。

別の記憶 別の人格。

果たして 脳死から復活した
その人物は

以前と同じ人間だと
言えるのでしょうか?

カリフォルニア州 サンパブロにある
セント・ジョセフ・カトリック墓地。

その一画に
人体蘇生の研究に突き進んだ

ロバート・コーニッシュが眠っている。

マッドサイエンティストと呼ばれ

晩年 人目をはばかって生きていた
コーニッシュには 墓石さえない。

♬~

進み続ける 「科学」。

小説「フランケンシュタイン」では

科学によって生み出された怪物が
こんな言葉を残しています。

♬~


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