シリーズ 人体 特別版~神秘の巨大ネットワーク 二集 脂肪と筋肉が命を守る 吹越満、池松壮亮、上田早苗


出典:『シリーズ 人体 特別版~神秘の巨大ネットワーク▽二集 脂肪と筋肉が命を守る』の番組情報(EPGから引用)


シリーズ 人体 特別版~神秘の巨大ネットワーク▽二集 脂肪と筋肉が命を守る[SS][字]


NHKスペシャルで好評を博した、シリーズ「人体」の特別版。脂肪と筋肉は、体に張り付いているだけ?とんでもない。


詳細情報

番組内容

脂肪が脳をコントロールしたり、筋肉が心筋梗塞や糖尿病を防いだり。驚きの真実が!なぜダイエットに失敗するのか?メタボの何が怖いのか。最新科学によって浮かび上がってきたのは、脂肪が全身に向けて発する「メッセージ物質」が異常を起こし、全身を傷つけているという可能性。一方、なんと、筋肉がメタボを改善する物質を出しているという驚きのパワーも。

出演者

【語り】吹越満,池松壮亮,上田早苗




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シリーズ 人体 特別版~神秘の巨大ネットワーク 二集 脂肪と筋肉が命を守る
  1. 筋肉
  2. メッセージ
  3. 脂肪
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  5. 脂肪細胞
  6. メッセージ物質
  7. アブラ
  8. レプチン
  9. 私たち
  10. 細胞


『シリーズ 人体 特別版~神秘の巨大ネットワーク▽二集 脂肪と筋肉が命を守る』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


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女優 橋本マナミさんがやって来たのは

最先端の医学研究を行う大学病院。

今回 体の不思議を解き明かすために
協力してくれました。

高性能のMRIを使って
橋本さんの全身データを記録。

それを
最新の技術を使って 映像化しました。

見えてきました。

複雑に入り組んだ腸。

ここには 胃の断面が見えます。

その上には 大きな肝臓。

そして 心臓。

橋本さんの体の中
リアルな臓器の姿が浮かび上がりました。

さあ 今日の主役の一つは こちら。

これは 橋本さんの体の
脂肪だけを取り出した映像です。

なんと 脂肪は
それだけで体の形が分かるほど

隅々にまで ついているのです。

皆さん 気になる皮下脂肪は

こんなふうに ついているんですね。

そして
こちらは 骨の中にある 骨髄脂肪。

腸などの周りには
内臓脂肪がついています。

全身の脂肪を全て足し合わせると
重さは なんと18kg。

橋本さんの体重 56kgの
3割にもなるんです。

そして こちらが もう一つの主役 筋肉。

橋本さんのふくらはぎから太ももにかけて
幾筋もの筋肉が見えてきました。

人体には 400種類もの筋肉があります。

これらを全て足し合わせると
筋肉は 21kg。

橋本さんの体重の
およそ4割を占めています。

私たちの体の 実に7割をも占める
脂肪と筋肉。

その驚きの働きを
ご紹介していきましょう。

いいね ナイス ナイス。
(シャッター音)

脂肪は ふくよかな女性らしい体を作り

筋肉は 男性らしさを象徴する

体の中で 最も魅力的な部分です。

とはいっても 脂肪は
ただ アブラを蓄えているだけ。

筋肉は
体を動かしているだけ。

そう思いますよね?

しかし 最新研究により
脂肪と筋肉は

私たちの想像を はるかに超えて
多彩な働きをしている

重要な臓器であることが
明らかになってきました。

脂肪と筋肉が特別な物質を出して

全身に 大切なメッセージを
発信しているというのです。

脂肪が出すメッセージ物質は

脳に働きかけて 欲望を操ったり

体を守る免疫の働きを
左右していることが分かってきました。

一方 筋肉が出すメッセージ物質は

がんの増殖を
抑えたり

記憶力をアップさせたりするという

意外な働きが注目されています。

はるか昔から 私たちの脂肪と筋肉には
驚くべき力が備わっていたのです。

ところが 現代人の体では

そんな脂肪や筋肉の情報のやりとりに
異変が起き始めていることも

明らかになってきました。

突然死を招く
心筋梗塞や脳梗塞

体中の血管をむしばむ
糖尿病などが

その結果 引き起こされている
というのです。

この発見によって 今 病を元から絶つ

全く新しい治療の戦略が
見えてきています。

あなたの命を守る
脂肪と筋肉の驚くべき力。

その不思議を解き明かすために

さあ 私たちの体の神秘の世界へ
冒険の始まりです!

どうすれば
この命を全うできるのか?

体の中には
巨大な情報ネットワークが存在する。

臓器同士のダイナミックな情報交換。

命を支える臓器たちの会話に
今こそ 耳を傾けよう。

まずは 脂肪の大切な働きについて
教えてくれる

小さな男の子のお話から。

アメリカ・コネチカット州に住む
ジュリアン・フェルトンくん。

1歳半の男の子です。

ジュリアンくんは 生まれつき
体に全く脂肪がありません。

脂肪萎縮症という難病です。

ふだんは 健康な子どもと
変わらない様子のジュリアンくん。

ところが 食事時になると
不思議な症状が現れます。

貪るように食べる その姿。

すさまじい食欲があるんです。

この日 お昼に食べたのは

サラダ ヨーグルト
そして 鶏肉とキャベツのあえ物。

さすがに おなかは いっぱいのはず。

ところが…。

お母さんのごはんまで欲しがって
手がつけられません。

ジュリアンくんの…

そもそも 私たちの体の脂肪は

ただ アブラの塊が
こびりついているのではありません。

脂肪を顕微鏡で見てみると…

丸い玉のようなものが見えます。

この一つ一つが…

脂肪って 実は
生きた細胞が集まったものなのです。

赤い部分は 細胞の核。

内部は 油滴と呼ばれる

アブラをためる大きな袋で
占められています。

ここに 食事でとった糖分やアブラを

エネルギー源として蓄えるのです。

今回 電子顕微鏡を使って
脂肪をさまざまな角度から撮影。

それを基に 脂肪の本当の姿を

初めて 立体的な映像で映し出しました。

アブラをため込んだ脂肪細胞が
無数に寄り集まっています。

私たちの体についた脂肪の正体は

こんな姿をした
脂肪細胞の塊だったのです。

ジュリアンくんには
脂肪細胞がありません。

そのため 食事でとった糖分やアブラは

蓄えられることなく
常に血液中を漂っています。

欲しがるままに食べると…

血糖値は
健康な人の基準の およそ1.5倍。

血液中のアブラは…。

基準値の20倍以上に。

健康を害するほどの値です。

これまで 脂肪萎縮症の人は
食欲を抑える手だてがなく

重い糖尿病や心臓病を引き起こし

僅か30年ほどの命だと
いわれてきました。

では なぜ 脂肪細胞がないと
食べても食べても 満足できないのか。

原因を突き止めたのは
食欲研究の第一人者…

フリードマン博士は

脂肪細胞が なんと 食欲を抑える物質を
出していることを発見し

世界を驚かせました。

その物質の名は…

僅か100万分の1mmの小さな粒です。

レプチンの劇的な作用を示す実験です。

これは 食べ物の写真を見た時の
脳の活動を捉えたものです。

注目するのは 食欲をつかさどる場所。

正常な人では
食事をすると その活動が収まります。

一方 脂肪萎縮症の人の場合

食後も 食欲の中枢の活動が収まりません。

ところが レプチンを投与すると…。

静まりました。

とめどない食欲が
レプチンによって抑えられたのです。

これまで医学の常識では

脳が体全体の司令塔となり

ほかの臓器に指示を出していると
考えられてきました。

しかし 研究が進むにつれ

体のさまざまな臓器が
メッセージ物質を出し

互いに会話をしていることが
分かりました。

そして 今
フリードマンさんの発見により

臓器とさえ思われていなかった脂肪も
メッセージ物質を発し

司令塔であるはずの脳を
逆に操っていることが

明らかになったのです。

それにしても
100万分の1mmほどの小さな粒が

一体 どうやって
脳を操るというのでしょうか?

最新研究のデータを基に

ミクロの世界を
超高精細なCGで描き出しました。

さあ 体の中をのぞきに行ってみましょう。

辺り一面を 丸い脂肪細胞が覆っています。

細胞の大きさは 僅か0.1mm。

おや?
血管から 何か しみ出してきました。

食べたものに含まれている
糖分やアブラです。

それが 脂肪細胞の中の大きな袋に
ため込まれていきます。

すると ドラマチックな変化が始まります。

細胞の中へ入ってみましょう。

カプセルに包まれた 小さな小さな粒。

これが…

レプチンは 脂肪細胞からのメッセージを
伝える働きをします。

そのメッセージとは…。

「エネルギーは十分たまってるよ!」。

たまったアブラが増えるにつれ

レプチンが 脂肪細胞の外へ
放出され始めました。

追いかけてみましょう。

あっ 血管へ向かっていきます。

血流に乗って 運ばれていきますよ。

私たちの体の血管網は

細胞からのメッセージを伝える…

レプチンが 脳へと向かっていきます。

たどりつく先は
本能的な欲望をつかさどる…

視床下部には 無数の神経細胞が
張り巡らされています。

ほら レプチンが
次々と 血管から しみ出して

脳の中へ入っていきます。

目指すのは 神経細胞の表面。

そこには レプチンだけを受け取る
特別な装置があります。

脂肪細胞からのメッセージを
脳が受け取った瞬間です。

すると 脳は
もう食べなくていいと判断して

食欲が おさまります。

こうして 脂肪細胞が出す
小さな小さな物質が

日々 私たちの食欲を
ひそかに操っていたのです。

更に
レプチンがコントロールしているのは

食欲だけではないことも
分かってきました。

脳科学者のエリン・ラインハート博士。

レプチンの持つ別の役割に注目しました。

ラインハート博士は メスのハムスターに
レプチンを投与する実験を行いました。

すると 性行動の回数が
大幅に増加したのです。

これまで 単なる エネルギーの貯蔵庫だと
思われていた脂肪が

レプチンを使って脳に指令を出し
食欲を操る。

更に それが きっかけとなって

脳が卵巣に向かって
メッセージ物質を送る。

こうして 脂肪細胞は
生殖行動をも左右していると

考えられているのです。

今 脂肪が出すメッセージ物質は
次々と見つかっています。

その数は およそ600種類。

ほかにも さまざまな臓器に
メッセージを送っています。

私たちが体に蓄えた
エネルギーの量を見極め

有効な使い方を決める脂肪細胞。

脂肪は
全身のエネルギーをコントロールする

陰の立て役者である可能性が
浮かび上がってきました。

さあ 次は いよいよ 筋肉のお話です。

やって来たのは ベルギーの田舎町。

お客さんが食べているのは
この地域でも名物のステーキです。

ちょっと時間を遡ってみましょう。

これが その牛 すごい筋肉です。

この牛は ベルギーで 代々育てられている
ベルジャン・ブルーという血統の牛。

普通の牛の2倍もの筋肉が
ついています。

一体 どうして これほど立派な筋肉が
ついたのでしょうか。

今回 体の秘密を探るために
特別に開発した顕微鏡に

ハイビジョンの16倍も高精細な
8Kカメラを取り付け

生きた筋肉を撮影しました。

右側の丸い玉は 脂肪細胞です。

その すぐ横に見える細長い筋状のもの

これが 筋肉の細胞です。

脂肪と筋肉って
まるで違う形をしているんですね。

筋肉の細胞は
長いものでは 10cm以上もあります。

よく見ると 筋肉の細胞の中に

細かい しま模様があることが分かります。

これは サルコメアと呼ばれる
筋肉にしかない特殊な構造。

幅 僅か500分の1mmのしま模様を捉えた
とても貴重な映像です。

私たちが
筋肉を動かす時

このサルコメアが
収縮することで

大きな力を
生み出しています。

トレーニングをすると
筋肉の細胞に傷がつき

それが修復される度に
太く大きな筋肉に成長するのです。

ところで 先ほどの牛。

決して 特別なトレーニングを
しているわけではありません。

詳しく調べたところ

筋肉の成長をコントロールする
ある物質が働いていないために

筋肉が つき過ぎていることが
分かりました。

その物質の名は…

筋肉の細胞から初めて発見された
メッセージ物質です。

ミオスタチンは 筋肉の細胞から
周囲に向けて放出され

周りの細胞に
「もう成長するな」という

メッセージを伝えます。

なぜかというと…。

その発見以降

筋肉が出すメッセージ物質が
次々と見つかり

総称して マイオカインと
呼ばれるようになりました。

研究論文は 1年間に100本以上!

研究の内容を見ると
筋肉が出すメッセージ物質が

「がんの増殖を抑える」。

「うつの症状を改善する効果がある」など

意外な発見の連続です。

中でも驚くのが

アメリカ国立老化研究所などのチームが
発表した

「筋肉の働きで
記憶力が高まる可能性がある」という

研究成果です。

運動をした時に
筋肉の細胞から出ると考えられる

カテプシンBというメッセージ物質。

4か月間
体内のカテプシンBの量を測定し

その変化が
記憶力テストの成績と どう関係するか

調べました。

結果です。

ばらつきはあるものの

4か月の間に 運動などで

血液中のカテプシンBが
増えた人ほど

記憶力テストの成績が
向上したというのです。

研究チームは カテプシンBが

記憶をつかさどる海馬の神経細胞を
増やす働きをした可能性があると

考えています。

筋肉は
単に 体を動かすための道具ではない。

まさに今 ホットな研究分野として

筋肉の 思いも寄らないスーパーパワーに
注目が集まっているのです。

体の7割を占める 脂肪と筋肉。

どちらも さまざまなメッセージ物質を
全身に送って

私たちの健康を維持してくれる
大切な臓器だったんですね。

さあ ここから先は
更に驚きの話が続きます。

なんと 今
現代社会を生きる私たちの体の中で

脂肪と筋肉が発するメッセージ物質に

大変な異常が起きていることが
分かってきました。

それが 人類に

命に関わる かつてない事態を
もたらしているのです。

その前に。

私たち人類と脂肪の
切っても切れない深い絆について

お話ししましょう。

ダニエル・リーバーマン博士は
人類の進化を研究する中で

霊長類の体脂肪率の違いに着目しました。

チンパンジーの…

ところが 昔ながらの狩猟採集をする
ハザの人々の…

似た環境に住んでいるのに
5倍ほどの脂肪量です。

では 人は どこまで
脂肪を蓄えることができるのか。

体重 207kgの
この男性。

減量のため
医師の管理のもと
絶食治療を行いました。

その期間 なんと 382日間。

人は 1年分以上ものエネルギーを
体の脂肪にため込むことができるのです。

人類は 豊富な脂肪を蓄える
この能力を獲得したおかげで

進化することができた。

リーバーマン博士は そう考えています。

脂肪を蓄える人間の能力は

人類の飛躍的な進化を
ほかの面でも支えてきました。

長距離を走って 狩りができたのも…。

たくさんの子孫を
残すことができたのも

脂肪を
たくさん蓄えられたおかげ。

私たち人類の繁栄は
こうして もたらされたのです。

♬~

多くの脂肪を蓄積できるという
人類の強み。

ところが 今 その能力が

逆に 多くの現代人を
窮地に追い込んでいます。

WHOによると…

アメリカ・ミズーリ州に住む
ブレンダ・オテイさんは

肥満が進み メタボリックシンドロームと
診断されました。

35歳の時 心筋梗塞を発症。

立て続けに3回の発作を起こし
緊急手術を受けました。

これまで
度々 ダイエットに挑戦しましたが

うまくいきません。

アブラの多い食事がやめられないのです。

一体 なぜ 食欲を抑えられないのか。

皆さんにも 心当たりありますよね。

実は 体内で
ある異常が起きていました。

これは 脂肪細胞が
アブラをため込んでいく様子を

顕微鏡で捉えた映像です。

脂肪細胞は 食べ過ぎて
余った糖分やアブラを蓄えて

どんどん大きくなっていきます。

それに伴って 食欲をコントロールする

あのレプチンも増えていきます。

つまり 脂肪細胞からは

食欲を抑えるメッセージは
たっぷり出ているはずです。

なのに なぜ
食べ過ぎてしまうのでしょうか。

ここは メタボの人の…

血液中には あふれたアブラが
大量に漂っています。

なんと そのアブラが邪魔をして

レプチンが
血管の外へ出ていくことができません。

どんなに レプチンがあっても
脳に入っていきにくくなっていると

考えられているのです。

更に なんとか レプチンが
脳へ たどりつけたとしても

レプチンをキャッチする神経細胞が
鈍くなり

大切なメッセージに 反応できなく
なっているともいわれています。

今 ブレンダさんは
心筋梗塞だけでなく

脳梗塞 糖尿病 腎臓病 高血圧と

5つもの病気を引き起こす
おそれがあると宣告されています。

予防のため 毎日15種類の薬を
のみ続けています。

なぜ メタボになると

こんなにも多くの病気を
招いてしまうのか。

最新研究から その本当の理由が
浮かび上がってきました。

メタボ研究の世界的な権威…

ある意外な現象を突き止めました。

免疫。 それは 病原菌などの敵から
私たちの体を守ってくれる

防衛隊のことです。

免疫細胞が 青色の細菌を食べて
分解しているのが分かります。

しかし 免疫と
メタボリックシンドロームとの間に

一体 どんな関係があると
いうのでしょうか。

ミクロの世界に飛び込んで

メタボの人の体内で起きている

深刻な事態を目撃しに行きましょう。

ここは メタボの人の内臓脂肪の中。

辺り一面に
煙のようなものが漂っています。

大量にとり過ぎた糖分やアブラです。

脂肪細胞は 内部に アブラを蓄えて
もうパンパン。

その表面を見てみると…。

あっ アブラの粒が
次々と ぶつかっています。

(警告音)
大変!

脂肪細胞が アブラの粒を
細菌などの敵と勘違いして

あるメッセージ物質を放出し始めました。

そのメッセージとは…。

「敵がいるぞ!」。

敵などいないのに 誤って

警告メッセージを
発してしまったのです。

メッセージ物質は 全身へ。

それを受け取るのは
体の防衛隊 免疫細胞です。

何やら 形が変わり始めました。

警告メッセージを受けて活性化し
戦闘モードに入ったのです。

更に 免疫細胞は 次々と分裂し

自分自身も「敵がいるぞ!」という

誤った警告メッセージを
拡散していきます。

まさに…

これこそが メタボの
本当の恐ろしさだったのです。

これは 顕微鏡で撮影した
貴重な映像です。

活性化した免疫細胞を捉えました。

膨れ上がった脂肪細胞の周りを

白の免疫細胞が
敵を探して動き回っています。

免疫細胞は 本来なら
細菌などを攻撃して

私たちの体を守ってくれる味方のはず。

ところが 暴走した免疫細胞は

とんでもない事態を引き起こします。

なんと 血管の壁の内部に
入り込みました。

そこに あふれたアブラを発見。

これこそ
排除すべき異物だと認識して

次々と食べ始めます。

しかし アブラは あまりにも大量です。

パンパンに膨れ上がった免疫細胞は
ついに…。

辺りに 免疫細胞が持っていた
攻撃用の有毒物質が

飛び散っています。

それが 大事な血管の壁を
傷つけてしまいました。

こうして 暴走した免疫細胞は

体中のさまざまな場所を痛めつけ

心筋梗塞や脳梗塞 腎臓病

そして 糖尿病など

恐ろしい病気を
引き起こしていくのです。

こうしたメカニズムが分かったことで

メタボの新しい治療の開発が
急速に進んでいます。

免疫の暴走を抑える免疫抑制剤を使って
心筋梗塞を予防できないか。

世界規模の臨床試験が
複数 行われています。

2017年の発表では
過去に心筋梗塞を起こした患者に

免疫を抑える薬を投与することで

再発を24%減らすことができたと
報告されています。

更に 最新の研究によって
薬を使わずとも

私たちの体の ある臓器を使って

免疫の暴走を抑えられる可能性が
明らかになりました。

その ある臓器とは…。

メタボがもたらす 免疫の暴走。

それを抑えるメッセージ物質を

筋肉の細胞が出すというのです。

発見したのは
いきなり駆け下りてきた こちらの女性。

ベンテ・ペダーセン博士。

自ら体を動かして
筋肉の知られざる働きを研究しています。

博士は 足の筋肉を動かした時に
どんなメッセージ物質が出るか

詳しく分析しました。

ワン ツー スリー ナウ。

大量に見つかったのが…

体の中で どんな働きをしているのか。

それを調べるため 8人の被験者に

運動後に出るのと同じくらいの量の
IL-6を投与しました。

すると 思わぬ変化が起こりました。

メタボの人の体内では

脂肪細胞から免疫の暴走を引き起こす
メッセージ物質が

誤って大量放出されていましたよね。

その物質の量が
IL-6によって

半分以下に
減ったのです。

運動をすると 筋肉からは

メッセージ物質 IL-6が
大量に放出されます。

そして 血液に乗り 全身へ。

受け取るのは
メタボの人の体内で暴走している

免疫細胞です。

IL-6が伝えるメッセージとは…。

すると…。

免疫細胞の戦闘モードが
解除され始めました。

盛んに飛び交っていた警告メッセージも
静まっていきます。

こうして 免疫の暴走が治まると

ペダーセン博士は考えています。

食べ物があふれる一方で

体を動かす機会がどんどん減っている
現代社会。

それは 人類の長い歴史の中で
想定外の事態です。

しかし 私たちの体に備わった
メッセージ物質の力を引き出せば

体内の異常な暴走を
食い止めることができる。

人体には 想定外の事態をも克服する

柔軟な仕組みが秘められている可能性が
あるのです。

生まれつき 体に脂肪細胞がない
難病と闘うジュリアンくん。

これまで治療法がなく

多くの患者は
30年ほどしか生きられませんでした。

でも メッセージ物質の解明によって
新たな希望が見えてきました。

2014年に アメリカで

脂肪細胞が出すメッセージ物質である
レプチンが

治療薬として承認されたのです。

治療を受けている3歳のアラニちゃんは

この新しい薬によって
とめどない食欲が抑えられ

糖尿病などの発症を
防ぐことが可能になりました。

ジュリアンくんも 間もなく

このレプチンによる治療を
開始する予定です。

メッセージ物質の解明が

小さな命の未来を
明るい光で照らそうとしています。

臓器とさえ思われていなかった
脂肪と筋肉。

その知られざるパワーは
まだ解明され始めたばかりです。

あなたを健やかに保つために
全身に向けて 今 この時も

静かに メッセージを
発し続けているのです。

♬~


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