SWITCHインタビュー 達人達(たち)「岩下志麻×下村一喜」 …女性の美などについて語り合う。


出典:『SWITCHインタビュー 達人達(たち)「岩下志麻×下村一喜」』の番組情報(EPGから引用)


SWITCHインタビュー 達人達(たち)「岩下志麻×下村一喜」[字]


日本を代表する女優・岩下志麻。デビューから60年となる岩下が、世界の女性アーティストからラブコールを受けている写真家・下村一喜と、女性の美などについて語り合う。


詳細情報

番組内容

前半はドレス、後半は和服のあでやかな服装で下村を迎えた岩下、「心中天網島」など数々の代表作に出演した際、どのような思いで演技に臨んだのか語った。さらに女優一筋に生きてきた人生について振り返る。一方、かねてから大ファンだったという岩下を撮り続けている下村。美を引き出す撮影術について岩下に打ち明ける。「美しい女性像とは?」というテーマに、女優、写真家という異なる立場から出される結論とは?

出演者

【出演】女優…岩下志麻,写真家…下村一喜,【語り】吉田羊,六角精児




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SWITCHインタビュー 達人達(たち)「岩下志麻×下村一喜」
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『SWITCHインタビュー 達人達(たち)「岩下志麻×下村一喜」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


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死ね!

(銃声)

そちも因果は存じておろう。

デビューから60年
演じることに すべてをささげてきた。

今も変わらない美しさ。

ふだん 自分を語ることが少ない 岩下。

まあ! 鯉がいっぱい。

すてきな所ね。

今回 ぜひ話したい相手がいると
出演を決めた。

その人物とは?

私は 若いときに 随分
すばらしいカメラマンの方と

ご一緒させていただいてきたんですけれど
60歳を過ぎて お会いしたのが

下村さんだけなんですね。 下村さんの…

もう ムード グッと入れちゃって はい。

いくよ オーケー?
いくよ はい!

ワン ツー ゴー!

世界中の女性がラブコールを送る
写真家だ。

みずからを「美の伝道師」と言う 下村。

写真に収められた女性たちは
美しさを より輝かせる。

下村が狙うのは
被写体の「美」が際立つ瞬間。

その一点にこだわり
誰もが息をのむ女性像を作り上げてきた。

その美しさに魅了された人は数知れず。

国内外の著名人が
下村に撮影されることを熱望する。

岩下も その一人。

今では ほとんどの写真を
下村にオファーしているという。

撮影現場では聞けない 下村の写真術の
秘密を知りたいと考えていた。

とにかく…

メーキャップ それからヘアスタイル

全部
下村さんがチェックしてくださって。

とにかくね 完璧ですね。

「美」を追い続ける下村。

著書で みずからのルーツを
こうつづっている。

孤独な日々を過ごす下村が憧れたのは

映画を彩る女優たち。

その美しさに のめり込んだ。

中でも 強く惹かれたのが
岩下志麻だった。

もう8歳ぐらいですかね。
それより少し前ぐらいから

ずっと憧れてる方でしたので。

語弊があることを覚悟で言うと…

というか その役になってしまう方なので
すばらしい女優さんだと思います。

(取材者)これから
対談が始まりますけれども

緊張していらっしゃいますか?

憧れの人からの指名とあって
気持ちの高まりが抑えきれない様子。

ああ~! ハハハハハ…。

すてきです!
ありがとうございます!

いや~…。
ハハハハハ… 姫 どうも。

よろしく 今日は。

よろしくお願いいたします。
どうぞ よろしくお願い申し上げます。

いやいや すてきですよ。

大女優を迎えるため
下村は ふだん使うスタジオに

気合いを入れて
撮影セットを用意した。

でも 自分の背景は
あえて ふだん着のまま?

よろしくお願いいたします。
よろしくお願い申し上げます。

やっぱり「姫」? じゃないでしょ?
「姫」に… どうしましょうか?

ハハハハハ…。

「美」とは何か? 「表現」とは何か?

追求し続ける2人の人生が交差する。

どういうところから こう… イメージを
吸収してらっしゃるんですか?

それは どうして
何度も ご覧になるわけ?

もう 魅了されてるんですね。

ああ…。
シーンが。

私も そうなんですけど…

役の気持ちでいますでしょ?
だから その…

でも だから…

♬~

下村が初めて撮影した岩下の写真。

「お正月」をテーマに
選んだのは 白い着物に白い背景。

極限までシンプルな構成にして
岩下の美を際立たせた。

一目でほれ込んだ岩下は すぐに

みずからの写真集の撮影を
依頼したという。

♬~

あの… 写真を ちょっと持って…。
あら! 昔のね 懐かしいわね。

これ 大好き。 もうね…。
後光がさしてますね。

こういうね あの
やっぱり こう

構図を作れる方って
少ないですよね 本当に。

そうですか?
ええ。 で 体が半分

隠れてるじゃないですか。
ええ ええ。

それが また すごくね いいんですよね。

ちょっと アール・デコとか
私 大好きなんですけども

そこの感じと姫のおぐしが
リンクしてって。

ああ~ あっ これも大好きな写真。
これも格好いいですね。

ポーズが また スッとね…。
ねえ これ…

そうですよね。

普通 化粧品の
ポスターとかですと

どっちかというと
まっすぐで

色みも見せてということなんですけど…

そうですよね。 で やっぱり
こういう手の持っていき方?

これも 下村さんのね ご指示で
「額に手を」って言って

「指 広げて」っておっしゃったから
こういう指になったんであって。

何か こう…

こういう こう… 何ていうんでしょう?

私も信じられないぐらい
きれいに撮ってくださるっていう

その技術のもとは何ですか? 絞りとか…。

私の場合 意外と…

なので やはり あの… 何でしょう?

技術うんぬんというより いわば こう…

どっちかというと
気持ちは… そうですね

そちら側にウエイトが…。
シャッターチャンスですね。

ええ ええ…。
ああ なるほどね。

衣装やポーズなど
さまざまな工夫を凝らして

撮影された写真の数々。

♬~

常に新しい美を引き出すマジックに
岩下は いつも驚くという。

その秘密は どこに?
下村の撮影現場を見てみよう。

オーケー! よろしくお願いします!
(一同)お願いします!

この日の撮影は
男性にふんして活動する

イケメン女子がコンセプトのグループ
ザ・フーパーズのCDジャケット撮影。

下村は 彼女たちをどう演出するのか?

結構 作られてるものなので 何か…

躍動感を出すため用意したテーマは…

撮影の前に 必ず みずからポーズをとり
被写体とイメージを共有する。

そう! 下村さん 必ず
おやりになるわよね いつもね。

それで
すごい イメージが浮かぶの 私。

あっ そうですか?
ええ。 やってくださるからね。

手の持っていき方とか
表情とか

それから いろんなね
ポーズのつけ方。

ものすごくね
参考になりますよ。

そんな もったいない。
ありがとうございます。

ゴー!

この手 こうしましょうか。
持っててもいいです。

つかんでてもいいです
カーテンを。

下村さんって ものすごく…

そうですね。

この撮影のときは
どっちかというと…

いきましょう!

ワン ツー ゴー! オーケー はい…。

映画のように演技のイメージを伝え
その一瞬を切り取る。

そう 「うわ!」って こう…

はい いきます! いくよ!
ワン ツー ゴー!

オーケー! はい オーケー!

ワン ツー ゴー! オーケー!

気持ち お顔 表現できる?
はい オーケー! ワン ツー ゴー!

いくよ。 はい! 集中して!

はい いくよ! ワン ツー ゴー!

絶え間なく声をかけ
気持ちを盛り上げる。

オーケー! いくよ。 ワン ツー…。

狙うのは
彼女たちの心が最も高まる一瞬。

撮れましたね。
≪オーケー! 以上で終了です。

寂しいけど終わっちゃった!
アハハハ…!

(拍手)

(一同)ありがとうございました。
ありがとうございました。

現場でも 例えば 私なんかが伺うと…。

私 プレスリー 好きじゃないですか。
はい はい。

そうすると もう プレスリーの音楽が
スタジオに流れてて

もう こんなに私の気持ちをね
和やかにしてくださって

そして 高揚感をね 持たせてくださる。

それと 撮ってるときに
ものすごく のっけてくださるのよね。

はい。 興奮して撮ってます。
そうですか?

「きれい きれい!」とか言って
撮ってくださると 何か 自分が…

だから もう いつも…

もったいないお言葉
いえいえ…。
ありがとうございます。

とんでもないですよ。

ハハハハ…! こんな内容…。

ほかの方の写真なんていうのも
あるんですか?
はい。

この写真が私 自分の中では
すごい好きなんですね。           ええ。

すごい いいですよね。

無理やり この エビ
食べさせたりしてるところ。

ああ~ なるほどね。

こういう やっぱり
コスチュームも あれでしょ?

全部 お決めになったんでしょ?
ご自分でね。

はい そうです。
そうでしょうね。

それじゃないと
やっぱり こういう構図が

思い浮かばないですよね。
はい。

やっぱり 衣装の段階から
やはり もう

画的に構図が思い浮かんでらっしゃる?
はい。

撮るものっていうのが
決まってらっしゃるのね ある程度ね。

で 被写体の方が決まりまして
お衣装のお色みも すべて決まりまして

そうすると…

そちらのほうが
目が散らばらずに…

構図も これ
実は企業秘密なんですけれども…

は~! はあ… なるほど。

ええ。

これも少しこちらに

手を広げていただくと こう…。

これがスッと目に入ってくる…。
そこに下村さんの

秘密の一つがあったんですね。

♬~

ヘアなんかでも
作ってる最中にいらして

「それは ちょっと違うんじゃない?」。
「こういうふうにして」。

「僕のイメージは こうなんだけど」
みたいなね

イメージを
おっしゃることがあるけれど

あれも ものすごく 私には
「なるほど!」と思うことが多くて

それは どういうところからイメージを
吸収してらっしゃるんですか?

映画ですか? やっぱり。
ええ。

だって あれほど
映画 お好きなんだものね~。

もう 本当に
よく ご覧になってらっしゃると思って

びっくりしちゃう。

下村は1973年生まれ。

映画監督を目指し
美術大学で映像制作を学んでいた。

在学中に写真の道へ。
21歳でプロとしてデビューした。

映画に昔から
もう 惹かれていたわけですか?
はい。

幼少期から?
幼少期から。

どういうのが きっかけで?
はい。 私 ちょっと

自分では あまり そんな
自意識はないんですけれども

ちょっと変わってるらしく

まあ ちょっと
学校で嫌なことがあったりとか

悲しかったりとかね そういったときに
いつも…

ああ なるほどね。

失礼な話 岩下志麻さんになったり
そういうふうにして

その世界… 逆に そっち側の世界に
生きてきたという感じです。

うん… なるほどね。
ええ。

ブツブツ… 学校の帰り道 ずっと
岩下さんのせりふを言いながら帰って。

本当? すごいわね~。

そんな下村が心惹かれたのは

岩下が 邪馬台国の女王
卑弥呼を演じた映画。

もう 昼間から「卑弥呼」を見たり…。
あっ 「卑弥呼」を見たり?

「卑弥呼」を昼間から…。
アハハハ…!

すごく強い要素ですね。

ありがとうございます。
こんなのになっちゃいましたけど

岩下志麻さんのせいです。
じゃあ あれですよね

俳優さんにも
なりえたかもしれないけれど

でも どちらかというと
映画監督になりたかったって…。
ええ。

その世界観を作りたい
っていうふうに思いました。 なるほどね。

…っていうことに気が付いたんですね。

せりふを何度も言えるっていうことも…

例えば 1分間 岩下さんが
お茶をたててる横顔があったら

繰り返して また繰り返して 繰り返して

ずっと また繰り返してっていうのを

「おかしいんじゃないか」って
同居してる人間が言うぐらい。

それは どうして何度もご覧になるわけ?

そこのシーンに?
ええ ええ。

なので 映画も…。
その切り取った画ではなくて?

止まってる画ではないですけど
シーンですね。          シーンにね。

それが 特に 姫がきれいだとか
ハッとした瞬間だとか

それを ずっと繰り返して見てます。

だから 内容を追うっていうことじゃ
ないんだなっていうことで

より やっぱり 写真のほうが。
…が お好きだっていうことね。

向いてるんじゃないかなっていうふうに
思いました。               なるほどね。

ああ…。
シーンが。

だから 気持ちのつくりっていうことを
すごい重要におっしゃるのね。

いつも 写真撮るときね。
ええ。

下村は 被写体に一瞬の「動き」を演出し
写真に命を吹き込む。

1930年代の女優をイメージしたという
この写真。

今にも倒れそうな中
平然と立つ一瞬を切り取り

激動の時代を生きた強さを
現代によみがえらせた。

こちらは 女優 黒木 瞳。

待ち人が現れず
ため息をつく直前の一瞬。

崩れ落ちそうな自分を
一本の指で押しとどめるようなしぐさが

女性の気位の高さを表現する。

一瞬の動きの中に現れる心の揺らぎ。

それこそが
女性の美を引き出すのだという。

何に一番こだわってらっしゃいます?
写真 撮るときに。

形というのも
もちろん こだわってます。

人間のできるポーズというのは

きれいに見えるポーズ
っていうのがありますので。

ただ そこに…

心の動いていく様であったりとか
っていう… そうですね

そこを すごく気をつけて
撮影してます。        なるほどね。

瞬時にして
0コンマ001秒以下で パッと

ジャッジメントしなければいけない
っていうことが写真の世界であります。

昔は… 私が 写真始めたばかりのころは

絵を私 描いたりしますので…

うん。
こうで こうで こうで…。

でも そうすると
予定調和じゃないですけれども…

そもそも 写真で撮らなくていい。

油絵を描けばいいわけですね。
ああ… 済んじゃうからね。

また悩みまして。 で そこで…

たとえ 姫でも 私が違うと思ったときは

「姫 ちょっと 私 こっちのほうが
いいと思うんですけれども」。

「なぜかというと 今 こう見えてます」と。

「ああ~ そう? 下村さん そう考える?」。

「じゃあ こういうのやってみて
どうでしょうか?」って。

おぐしのことからも そうですし。
ええ そうですね。

ポーズのことも そうですし
何か そういうふうに…

…っていうのが すごく幸せですし

そのコミュニケーションも絶対に大切。
大事ですよね。

とりあえず「きれい きれい きれい!」って
言ってるわけではないんです。

ただただ押してる方 いますよね。
ええ ええ…。

何か こう 関係なくね。

そうですよね
何か 心が通じ合わないとね。

自分も興奮してますけど その方も…

…っていうふうに いつも思って。

写真って 何でしょう その人の…。

結構 正直ですよね。
正直なんですよね。

だから ハートがね すごく
写るんですね 下村さんの写真って。

美しさとは何か?
常に追求を続けてきた下村。

独自の感性は
幼いころから培われてきたという。

執筆した本には
美に憧れるようになった

下村のルーツが記されている。

純粋なまでの
美しさへの憧れが

下村の写真には
あふれている。

下村さんのセクシュアリティーからいくと
男性を撮ることもあるわけですけど

男性を撮るときと女性を撮るときと
どんなふうに違います?

基本 向かい方は一緒です。
ああ…。 気持ちは どうですか?

気持ちも一緒です。
あっ そうですか。

僕は女性が大好きなんですね。
そうよね。

ただ セクシュアリティーの話で言うと

私自体は 美とか…

…っていうのは あるかもしれませんね。
ああ なるほどね。

浜崎あゆみさんの 前 ムービーを
お作りになったじゃないですか。

その中で男性が出てきて…

楽屋の 上海の。

2カットぐらいありましたよね。
ご覧になってくださった…。

♬「触れた指の先から」

♬「想いが溢れ出しそうに」

♬「なったあの瞬間から」

♬「この恋に気付きました」

♬~

ああ…。
それで 下村さん やっぱり

男性 撮るときと 女性 撮るときと

違うのかなと
思ったりもしたんですけれど

そうじゃないのね 同じなのね。
そうじゃないですね。

むしろ ちょっと 私の中で…

なるほどね。

雄々しいというか
そういうところを暴いていく

いい写真もあると思うんですけれどもね
きれいになっちゃうんですよね。

セクシーなシーンも。 …だとしても。

じゃあ まあ それ専門でいいやと
今は思っています。    あっ なるほどね。

♬~

美しい女性像っていうのは
どういうふうに考えてらっしゃいます?

私は一つ 自分の…

その人の
知性であったりとか

自分を俯瞰で見る
自己プロデュースの能力であったりとか。

自己プロデュースの能力がある人
っていうのは 逆に…

何か そういう…

そういうことを ひっくるめて…

ああ なるほどね。

その美にこだわってる 何か
原点みたいのは どこかにあるんですか?

例えば そうですね
母からの影響は とても強く…。

母が おしゃれな人でしたので。
ああ そうですか。

キャビンアテンダントをしてました。
ふ~ん…!

母が こう お化粧したりとかすると

何か ちょっと いつもじゃないような…

そういうことに 小さいころから

何か 感化されたというか。
ああ なるほどね。

ああ~ そうですか。

風景画とか ああいうものには
全く興味ないですか?

風景も撮りますし 物も撮ります。

それも人と同じように接するんですが
私は 人に興味がありますね。

感情の機微だったり…。
やっぱりね そうでしょうね。

それは映画を見てるっていう…。
ご覧になってるからね。

そうですよね。
人間に興味があるっていうことですよね。

姫もそうですよね? 人間に…。

そうですね 私もそうですね。

そういうことですね 同じですね。
ハハハハ…! ねえ。

ハハハハ…!
その辺は同じかもしれない。

写真は撮影しただけでは終わらない。

色の補正や細かい画面の修整をする

「リタッチ」という作業も大事な仕事。

ぶらすと うそっぽくなるので。

何か
しわ しわ しわになっちゃってるから。

下村にとってのリタッチは
絵を作る作業の一環でもある。

それは 着地点を どこに持っていくか
っていうことですよね。

完成した写真の影の部分に注目。

色を濃くして
シャープな直線に修整している。

影を濃くすることで
人物の存在が際立ち

写真の中に 今にも動き出しそうな
躍動感が加えられるのだ。

虚像ですよね。
時間が止まってるじゃないですか。

私たちが こう 普通に生活してて
止まってる…

本当に止まってる場所って
ないでしょ。

だから もう この時点で 実は
リアリティーじゃないっていうか。

だから 何でしょう? 私は こういう…

下村さんって あれですか?
お仕事なさってるときに

悩んじゃって
もう できないっていうことで

葛藤されることって あるんですか?

私も そう。 私も常に葛藤。

もうちょっと楽な人生だったらって…。
失礼ですけど 一緒にするのは…。

思いますけどね
楽にできないんですよね。

結局は自分が それで満足できない。
納得しないとね できない。

なので 写真の葛藤は常にあります。
ああ やっぱりね。

いい写真を撮るかどうかっていうのは
生意気ですけれども 撮れます 私は。

だけれども やはり コミュニケーションが
うまくいかなかったりとかすると

いろんなノックのしかたをしてみて

本当 「人間」対「人間」だと
思うんですけれども

その葛藤はありますね。
なるほどね。

そりゃそうですよ 誰でもね。

もう いつも私は 今日が…

あっ そう?
ええ。 どんな撮影でも

えこひいきなしに たとえ 姫が

どんなにご高名で すばらしい人で
私が愛していても

これが最後の撮影だと思って挑んでます。

ああ そうなの…。
ええ。

何があっても… もしかしたら
けがしちゃうかもしれないし

もう これで最後。

だから 自分にも うそをつかないし
被写体の方にも…

後半は 舞台をスイッチ。

緊張した面持ちで下村が訪れたのは…。

東京 築地にある高級料亭。

都会のけん騒を忘れる
優雅な庭園を眺めながら対談する。

まあ! 鯉がいっぱい。

すてきな所ね。

この日 岩下は藤色の着物で登場。

和服姿で下村を迎えたかったという。

♬~

まあ お美しい! どうも。
あら まあ! どうも。

今日は… すばらしい! お美しい。
ありがとうございます。

どうも。 よろしくお願い申し上げます。
どうも。 また よろしくお願いします。

きれいですね!
うわ~ ありがとうございます。

でも すてきじゃないですか 今日は。
いやいや いやいや…。

グレーで しっかり決めて。

岩下は…

以来60年 女優の道を走り続けてきた。

その人生について 今年 出版された
インタビュー集で語っている。

「『何をやっても岩下志麻』では
私は嫌です。

女優と言いましても
私の人生は華麗ではないんです。

常に挑戦ですから」。

狂おしいまでに役を突き詰め
演技に生きることを自分に課してきた。

ああ この本! 「美しく、狂おしく」。
そうなんです。

それね 私 今年ね
ちょうど60周年なんで

春日太一さんっていうね
映画史の研究家の方がね

私のデビュー作とか
思い出の作品とか 代表作とか

そういうものを まとめてみませんかって
お声をかけていただいて

一冊の本にしたんです。

「美しく、狂おしく」っていう
「狂おしく」は 私が何か…

その「狂おしく」でもあり
私が狂気の女を随分やったから

その「狂おしく」でもあるということで
題名を…。

ぴったりですね!
そうですか? ハハハ…。

岩下が28歳で挑戦した代表作の一つ…

人形浄瑠璃をモチーフに
黒子を登場させるなど

実験的な演出が話題となった作品だ。

岩下は 二役に挑戦している。

紙屋の主人 治兵衛と
道ならぬ逢瀬を重ねる

遊女の小春。

女郎が男にほれたら罪作りなこと。

そして 治兵衛をけなげに支える
妻の おさん。

対照的な2人の女性を演じ分けた。

私が至らぬばっかりに。 なあ 兄さん。

これで この人も さっぱりと
明日からは商いに 精 出せます。

おさん様には
やっぱり あんたは大事な夫。

そのあんたが 何で この小春と一緒に
死ぬことになってしもた… なあ!

姫の その役作り… 組み立てていく。
しかも 二役じゃないですか。

先に小春 遊女のほうを
お撮りになったのかな…。
そうです。

先に 小春 撮って
それから おさんをやりました。

あれは もう 全く違う人物ですからね。

本当に 最初は
できるかしらと思ったんですけど

まあ 思い切って
やらせていただいたんですけれど。

その2人の人間…

まあ 後 撮りましたからね おさんはね。
なるほど。

それで 小春のほうは
ちょっと はかなさを

遊女のね はかなさを出すために
ちょっと…

きれいでした。

「心中」で黒子もびっくりしたでしょ?
そうです そうです!

私もね…

あの黒子の登場がね…。

外国の方も
外国に持っていかれたときに

びっくりなさったっていう。
そうです。

何か こう
新しいことをトライしていこうって

アバンギャルドにしても
そういうサイケデリックな表現にしても

「いこう!」という あの時代の
興奮が好きなんですよね。
なるほどね。

本当に すばらしいね
芸術家の方たちが集まって

ものすごく斬新で
本当に衝撃的でしたね。

台本には
自分が演じた遊女のせりふについての

細かな書き込みが
びっしりと。

一つの役に集中するため

作品の掛け持ちをすることは
ほとんどなかった。

盲目の女性を演じた
「はなれ瞽女おりん」では

目が見えないという状況を
理解するため

取材を重ねた。

準備に半年をかけたという。

分析力といいますか

役を こう がっと憑依なさる前に

例えば 映画に参考になるだろうと思って
「はなれ瞽女おりん」でしたら

瞽女さんの所に行ったりとか。
私ね 割とね…

瞽女さんの所に行ったりとか
盲学校に行ったりとか。

それから…

手を洗ったり…

そういうことをやって それで 外側から
だんだん だんだん 入っていって

それで 台本を開いて
せりふを言ってっていう感じで。

そこで…

やっぱり…

何か こう 性格も全然 違っちゃうし。

だから それから…

虚脱状態に陥ることが多いんですね。

姫の ご本の中に…

…という言葉が新しい本の中に
書いてあったんですけれども。

そういうふうに こう
人が… 今まで あったものじゃない

何か新しいことをしようと思って…

「かおり 入っちゃって」って 何か…。
「疑惑」のあれですか?

「疑惑」ご覧になりました?
見ましたよ。 何百回と見ました。

岩下がエリート弁護士
桃井かおりが容疑者を演じた。

アドリブを駆使し
奔放に演じる桃井の姿は

岩下にとって新鮮なものだった。

あんた 私がやったと
思ってるでしょ?

嫌いだな 私 あんたの顔。

警察も新聞も…。

大体 先生 まずいわよ~。

無理心中だなんて 下手な弁護するから
保険金 入んなくなっちゃうのよ。

入ったらさ 先生に5, 000万ぐらい
やろうかなと思ってたのよ。

とちるんだもん。

3億円 パァよ パァ。

あなた 福太郎さんが

無理心中 仕掛けなかったら どうしてた?
えっ?

殺してた? それとも殺せなかった?
どっち?

度胸もないくせに じたばたすんのは
およしなさいよ みっともないから。

そうだね。

よく… よくさ 「疑惑」のまね
してくださるじゃないですか

撮影の合間に。
「大体 先生 まずいわよ~」。

「無理心中なんて 下手な弁護するから
保険金 下りなくなっちゃうのよ~」。

それ かおりちゃんね。
「下りたら 先生に5, 000万ぐらい

やろうかなと思ったのよ。
ハハハハ…!
とちるんだもん」。

「あなた 福太郎さんが
無理心中しなかったら どうしてた?」。

「殺してた? 殺せなかった?」。
フフフフフフ…。

「度胸もないくせに じたばたするのは
およしなさいよ みっともないから」。

…みたいな。
ハハハハ…!

使ってください。
よく せりふを…。

最後までやっても いいですか?
あのワインのとこまで。 ハハハハ…!

せりふを よく覚えてらっしゃるわね。

何で練習してるんでしょうね?
何で練習してるの? ハハハハ…!

あれはね すごい…

かおりちゃんのやってらっしゃる役も
もちろん… 悪女ですけれど

私の役もね…

上から目線で。
はい そうでした。

いつも あごを こう 上げてらっしゃる。
そう。

嫌な女だったんですよ。

何か あの辺がね ものすごく私は…

それで 私は今まで
台本どおりの お芝居をやってたから…

刺激になって「今日は どんなせりふで
言ってくるんだろう?」っていう。

楽しみになって
毎日 とても楽しかったですね。

あと 姫はね 役に入ってらっしゃるので
ほかの役者さんと あまり私語を…。

ああ~ 駄目なの。
ええ。

もう本当にね 役に入ると
その役の気持ちでいたいからね

「昨日 六本木でさ」とかね
平気でしゃべる人 いるんだけど

もう ほとんど しゃべんないですね。

だから 何か「怖い」って言われるんだけど。
すばらしいです。

スタジオに入ると
「怖い」って言われるんだけど。

いや びしっとしてらっしゃるからね
周りの方が

その空気を壊せられないんでしょうね。
ああ… そうかしらね。

本当に プライベートな話
できないですね。

岩下は東京 銀座生まれ。

精神科医を目指していたが

17歳のころ 猛勉強のため 体を壊し
夢を断念する。

落ち込む岩下を心配した父の勧めで
テレビドラマに出演。

女優としての道を歩み始めた。

2人とも やるの?

やるわよ!
勝ったほうが晩ごはん おごるのよ!

高校卒業後
映画会社に入社し 銀幕デビュー。

21歳で巨匠 小津安二郎の
映画の主演に抜てきされ

徹底的に演技をたたき込まれた。

小津先生は とにかくね あの…

もう 本当に 自分のリズム
すごい大事になさるんですよ。   はい。

だから…

すごいですよね。
やっぱり 小津先生の その…

もう 一枚一枚の画じゃないですか
監督さんのものって。

だから…

やっぱり
納得できなかったんだと思うんですよね。

だから…

極端な言い方をすると。

だから 俳優さんは 癖とかテクニックは
もう すごい嫌われて。

だから すごく
あの先生との出会いっていうのは

私にとって 勉強になったし。

先生がおっしゃった あのひと言がね

今でも私 何か 芝居するとき

「いや これは こう思ってるけど
実は違うんじゃないかな?」っていうね。

すばらしいお言葉ですね。
そうですね。

でも 姫 意外と
周りの人に引っ張られませんよね?

う~ん… どうだろう?

演技論なんか言うと
ちょっと申し訳ないんですけど

よけいなことをしないんですよ。
ああ そうかもしれない うん。

いつも びしっと いらして。

でね まばたきも
あんまり なさらないんですよね。

そうですね まばたきは…
「あんまり まばたき しないで」とかね

カメラマンの方に よく言われたんで。

割と習性で
まばたきは あんまりしないですね。

だから 長い間でも まばたきしないで
お芝居したりできますね。

それで また
がっと こう 目がぬれてくる。

まばたきをしないがゆえに。
それがまた 美しく 妖しく

そして また凛とした お芝居に
つながっていて。

そうですか?
ええ。

特に…

だから 台本も
もう そのとおりやらないと。

アドリブなんて とんでもなかったですね。

時代的に。

岩下は スター女優として活躍していた
20代半ばで

映画監督の篠田正浩と結婚。
一児をもうけた。

家庭生活については
悩みもあったという。

葛藤を抱えながら
女優の仕事を続けた。

そんな岩下を認め
一番の理解者となったのは

夫であり 仕事のパートナーでもある篠田。

その支えを受け 岩下は
結婚後も女優としての生き方を貫いた。

私 あんまり…

仕事のことだけで。

私は いろんな役に入るときに
やっぱり その人のイメージがね

家庭の中にいる彼女をイメージしてると

イメージが
ごっちゃになるじゃないですか。 はい。

だから…

生活を あんまり表に出すのは やめようと
自分で思ったんですけどね。

私 聞きましたのがね
ちょうど 娘様をご出産なさったときで

台本 頂いて お乳が…。
母乳が。

特に… 何か 気持ち的には

そういう役になるじゃないですか
雰囲気にね。

そういう作り方でしょうかね。

白紙にしていく段階といいますか
それは もう徐々に?

もう 時間ですね。
なるほど。

そして 新しいお仕事がくると
その役を作るために

また いろんな所に見学 行ったり
いろんなことをやったりしてるうちに

また 自分が違った人間に
なっていくっていう感じですね。

姫ね 私の話で
申し訳ないんですけれども

私は写真を撮っていて 基本 それを中心に
生活をしておりまして

ほぼ24時間 そのことを考えてます。

そのために自分を整えて現場に行く。

で 帰ってくるっていうのが
僕の人生なんだなと思ったんですけど

姫は どうお考えになります?

いや~ 本当に
「表現の奴隷」とおっしゃったけど

やはり 毎日 違ったシーンで
違った役で またやったりして

やはり…

やっぱり その役をやってるときって
役の気持ちでいますでしょ。

だから…

それなんでね
旦那様がね 映画監督だからね

「今 こういう役をやってるから

ちょっと
こういう感じなんだな」っていうのを

理解してくれたと思いますけどね。
ご理解がね うん。

普通の人だったら
3日で追い出されてたかなと思うぐらい

やはり 何か 仕事の中に

ずっと いたかなっていう感じはしますね
ええ。

私も…

それが 実は たまたま職業になったから
よかったんですけれども…

私も そうよ!
それも ちょっと

コンプレックスになることありませんか?
あるんです。 それと 何か こうね…

例えば 何か免許を持ってるとかね
何かに すぐなれるとかね

そういうものは何にもないわけですよ。

だから…

だから それが ものすごい
コンプレックスですね。 でも…

「これしかない」っていう感じで
やってきましたけどね。

2年前に出演したドラマ「鴨川食堂」。

浩さん 人生なんて星の瞬き。
今が大事え。

岩下は 今 自分のペースで

ドラマや映画への出演を続けている。

一方で 化粧品の広告には 47年間 登場。

女優 岩下志麻として
常に「美」を体現してきた。

化粧品会社の広告を 40…。

47年!
47年!?

そう。 もうね
本当に私も信じられないですよね。

いや 世界中にいらっしゃいませんよね。
そうかもしれないですね。

本当に ありがたいことだと思ってます。

家にいるときは すごく あれですか?

ご自分をメンテナンスなさるっていう…
言い方 あれですけれども。

やっぱり 60歳になってから
もう 体が資本ですから。

体を気をつけなくちゃっていうことでね
食事のこととか 運動のこととか

そういうことを考えるようになりましたね
生活のリズムとかね。

趣味 おありになります? すみません。
私 趣味はね

最近はね
割と時間が出来るようになったんで

太極拳 習ったり それから
陶芸に行ったりしてましたけどね。

事務所で陶芸の作品 拝見しましたけど
すごい粋で 格好良くて

美しい作品でした。
そうですか?

でも 篠田がね「もう これ以上
食器棚に入らないから

食器は もう これで
終わりにしたら?」って言われて

次は花瓶にして
今は花瓶も多くなって。

それで 鉢カバーになって
それで はみ出して

今 事務所に
置いてあるわけです。     すてきでした。

0 100なんですね。

お作りになるっていうと 追求…
役じゃないですけれども 陶芸も。

そうね 0か100かもね うん。

岩下志麻さんは
どこに飲みに行かれるんですか? 銀座?

私… そうですね 銀座が多かったかな。

でも NHKに入ってるときは

NHKの近くで みんなで終わってから
新宿二丁目に行ったりとか。

新宿二丁目の方が ほぼ全員

姫のこと 大好き。
ああ そうですか。

たぶん 大好きなのは もちろん
たくさん理由ありますけれども…

ああ そうですか。

私はね 姫…

「レンタル商品」?
はい。

自分の持ってらっしゃる…

「私が悪いんだ」って。
じゃあ どう追求していく…。

寂しさとかっていう意味じゃなくて…。

やっぱり 姫の追求のしかたでもある。

私の写真も そうなので。

下村さんも そうですか?

生意気ですけれども…。
孤独ですか? それじゃあ やっぱり。

孤独です。
ああ…。

それも…

そうですね。
姫の場合だと

孤高という感じがありますが
美しさも併せまして。

ありがとうございます。
で 謙虚さと。

はい。 謙虚さはね
忘れないでいたいと思いますね。

もう 若いときは
外見で美しければよかったけれど

やっぱり…

やはり こう 感動…

何かに感動する心を忘れないとか
常に謙虚でいること。

そして すべてのことに感謝する。

本当に だって 皆さんのおかげで
成り立ってるんですもの。

今日だってね 皆さんのおかげで
これが成り立ってるわけですから。

やっぱり 常に感謝ですね 私は。

下村さんにも感謝です。
光栄です。

これからも よろしくお願いいたします。
どうぞ… 撮影させてください。

そうですね お願いいたします。
よろしくお願い申し上げます。

ハハハハ…!
ありがとうございました。

どうも ありがとうございます。

いえいえ…!
どうも ありがとうございました。

どうも ありがとうございました。

♬~


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