シリーズ 人体・特別版 神秘の巨大ネットワーク 六集“生命誕生” 胎内の赤ちゃんがメッセージ物質を使って…


出典:『シリーズ 人体・特別版 神秘の巨大ネットワーク▽六集“生命誕生”』の番組情報(EPGから引用)


シリーズ 人体・特別版 神秘の巨大ネットワーク▽六集“生命誕生”[SS][字]


未公開映像を加えて、より深くお伝えしている、シリーズ「人体」。たった一つの受精卵が赤ちゃんに育つプロセスこそ、“メッセージ物質”が大活躍する舞台だ。


詳細情報

番組内容

新しい「人体観」を最先端の映像を駆使して伝える、シリーズ「人体」。第6集は“生命誕生”だ。胎内の赤ちゃんがメッセージ物質を使って、母親とまるで会話をするように情報をやりとりしていることが明らかに。そうした胎内のメカニズムに学び、人工の臓器を作る研究も加速している。知られざる、生命誕生の壮大なドラマに迫る。

出演者

【語り】吹越満,池松壮亮,上田早苗



『シリーズ 人体・特別版 神秘の巨大ネットワーク▽六集“生命誕生”』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数BEST10)

シリーズ 人体・特別版 神秘の巨大ネットワーク 六集“生命誕生”
  1. 細胞
  2. メッセージ
  3. 赤ちゃん
  4. 子宮
  5. 臓器
  6. 物質
  7. 受精卵
  8. メッセージ物質
  9. 肝臓
  10. 松永


『シリーズ 人体・特別版 神秘の巨大ネットワーク▽六集“生命誕生”』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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あなたは
たった一つの小さな受精卵から

あなたになりました。

複雑で精巧な人体が

どのようにして
形づくられていくのか?

それは 世界中の科学者たちが
追い続けてきた

人類最大の謎の一つです。

それが今 急速に
解き明かされつつあります。

原動力となったのは
再生医療にも使われる…

こうした新たな技術が
ついに神秘の扉を開いたというのです。

見えてきたのは…

その主役は
細胞同士が情報のやり取りに使う

メッセージ物質です。

いくつものメッセージ物質が
次から次へと働き

臓器がひとりでに作られていくことが

分かってきました。

このメッセージのやり取りは
お母さんのお腹の中で

とんでもない大事件も引き起こします。

必死に生きようとする
赤ちゃんが起こす

思いも寄らない行動。

これまで 全く知られていなかった
生命誕生の壮大なドラマが

明らかになってきました。

どうすれば
この命を全うできるのか。

体の中には 巨大な情報ネットワークが
存在する。

臓器同士のダイナミックな情報交換。

命を支える臓器たちの会話に

今こそ 耳を傾けよう。

2016年12月。

私たちは 生命誕生を

はじまりから
追いかけていくために

あるご夫婦の取材を始めました。

松永めぐみさん あつしさんです。

3年前に結婚した お二人。

めぐみさんは
子宮筋腫の手術を受けた経験があり

なかなか 子どもに恵まれないことに
悩んでいます。

婦人科で検査を受けたところ
更に気になることを知らされました。

松永さんは 一つの決断をしました。

思い切って…

体外受精では
松永さんたちの卵子と精子が

シャーレの上で受精されます。

医療の現場では

受精の瞬間が
鮮明に記録できるようになってきました。

画面左下に見える精子。

卵子に向かって進んでいきます。

今 入りました。

しかし これで終わりではありません。

丸いものが 2つ現れました。

母親と父親
それぞれの遺伝子が入った核です。

精子の頭にギュッと
詰め込まれていた遺伝子が

膨らんで出てきました。

その2つが…。

おや? 見えなくなりました。

実は この瞬間に

新たな命のはじまりが
隠されています。

その神秘の瞬間を
特殊な方法で捉えた

世界初公開の映像です。

2つの核が消える瞬間。

遺伝情報が入った染色体の
一本一本まで鮮明に見えます。

あっ 集まってきました。

父と母の遺伝子が出会い

今 新たな命が生まれたのです。

2時間後 分裂を始めました。

5日間かけて
細胞が100個ほどに増えていきます。

このあと いよいよ
子宮に着床する時期を迎えます。

受精卵が
松永さんの子宮に戻されました。

しかし 最大の難関は ここからです。

受精卵が 子宮の中に
しっかりと根づくかどうか。

体外受精でも 自然の受精でも

ここが うまくいかないと
妊娠には至りません。

この時 お腹の中では

あるメッセージ物質が働いて

大きな変化が始まることが
分かってきました。

一体 何が起きるのか?

世界で初めて
その決定的な瞬間を捉えた

アリ・ブリバンロー教授です。

シャーレの上に
子宮と似た環境を作りだし

着床後の受精卵を観察します。

すると 黄色く見える物質が

あちこちから放出され始めました。

日を追うごとに
どんどん増えていきます。

hCGと名付けられた
この物質こそ

受精卵が母へ向けて発する
最初のメッセージ。

受精卵が子宮に根づくために

大切な働きをしています。

子宮の壁にくっついた受精卵。

しかし それだけでは

次の生理が来た時に
体の外に出てしまいます。

そこで受精卵が放出するのが

あのメッセージ物質。

母親の血液の流れに乗って広がり
卵巣などに働きかけます。

すると 母親の体は
生理を起こさなくなり

代わりに 子宮の壁を
どんどん厚くしていきます。

そこに 受精卵が
しっかりと包み込まれるのです。

このhCG。

血液検査で妊娠を判定するために
既に使われています。

妊娠を願う人にとって

血液からhCGが見つかることが

最初の一歩を踏み出した
証しとなるのです。

体外受精をした松永さん

受精卵を子宮に戻して
3週間がたちました。

お願いします。 松永めぐみです。

この日 血液検査の結果が出ます。

1回の体外受精で…

松永さんの血液には 赤ちゃんからの
ここにいるよというメッセージが

大量に含まれていました。

厚く やわらかに変化を遂げた
子宮の壁に

赤ちゃんが
しっかりと根づいています。

(取材者)無事 育ってましたね。

おめでとう 松永さん。

でも 受精卵が歩む道のりは
まだ始まったばかり。

これから 大仕事をしなければなりません。

私たち 人間の体は

さまざまな種類の細胞で できています。

大きさも形もさまざま。

胃の細胞 腸の細胞 それぞれが
臓器の中で働いてくれるおかげで

我々は生きているのです。

これらの細胞は全て

たった一つの受精卵が分裂して
生まれてきました。

一体 どうやって
そんなことができるのか?

それこそが…

実は その答えも
細胞たちがひそかに交わす

メッセージにあることが
分かってきました。

はるか昔から 科学者たちが
挑み続けてきた 生命誕生の謎。

今 ある発見をきっかけに
急速に解き明かされ始めています。

再生医療の分野で世界をリードする
ケニス・チェン教授。

その発見とは…。

ES細胞とiPS細胞は

受精卵が分裂を始めた直後に似た状態の
細胞。

これらを使うと

受精卵が
さまざまな臓器に分かれていく様子を

シャーレの上で観察できるのです。

チェン教授の研究室では

人のES細胞から

ある臓器の細胞を 毎日のように
作っているといいます。

ES細胞に特別なメッセージを与えます。

メッセージ物質 ウィント。

分裂していく受精卵の中で
大量に見つかる物質です。

1週間後。

おや? 細胞の一部が動き始めています。

更に2日後。

この2つなんですけどね…

シート状の細胞全体が
大きく波打つようになりました。

これは 心臓だ。

実際の受精卵の中の映像も
捉えられ始めています。

分裂を繰り返す受精卵。

まだ どの臓器も できていない
初期の段階に細胞の変化が始まります。

ここで
ウィントのメッセージが

放出されているのです。

心臓は最初に生まれる臓器です。

そして ひとたび 心臓が生まれると

劇的な変化が始まることも
分かってきました。

一体 何が始まるのか?

その瞬間を捉えた貴重な発見が

なんと 番組の取材中に起きました。

武部貴則さんは

iPS細胞から
さまざまな臓器の細胞を作りだし

今 世界から注目を浴びている科学者です。

この日は
人のiPS細胞から作った

心臓の細胞を
観察していました。

拍動する心臓の細胞。

そのすぐ横に 肝臓と思われる細胞が
ひとりでに現れていました。

調べてみると
心臓の細胞が 隣の細胞を刺激して

肝臓を作りだしたことが分かりました。

世界中で進む最新研究によって

受精卵が さまざまな臓器を
生みだしていく過程が

明らかになってきました。

母親の胎内で分裂していく受精卵。

細胞がある程度まで増えると

あのメッセージ物質が働き始めます。

メッセージを受け取った細胞たちは

心臓に変化を始めます。

すると 心臓が次なるメッセージ物質を

出し始めます。

これが 近くにいる細胞たちに届くと

肝臓が生まれます。

その後
メッセージ物質を互いに出し合い

複雑に絡み合いながら

肺や膵臓など 臓器が
次々と作られることが分かってきました。

松永さんのお腹の中でも

メッセージ物質のやり取りが
始まるはずです。

着床を確認した あの日。

赤ちゃんの大きさは
僅か3ミリ。

でも…。

最初の臓器
心臓が動き始めていました。

ここが スタートライン。

赤ちゃんの中では メッセージ物質が
次々と放出されているはずです。

あっ 手足もできてきました。

これも メッセージ物質の働きです。

さあ 体の中は
どうなったでしょうか。

およそ2か月後。

心臓の周りを見ると…。

すぐ下に 肝臓。

肺や腸も できています。

黒く見えるのは
羊水がたまった 胃です。

ほとんどの臓器が出そろい
人体の基本ができました。

いや~ どんどん 体ができてきますね。

臓器はメッセージが作るのか。

でも まだ不思議なことが残っています。

ちょっと 臓器の中を見てみましょう。

これは 肺の中。

人の気管支は 20回以上も
枝分かれを繰り返す 複雑な構造です。

更に その中にも。

気管支の管の内側を
びっしりと覆う細胞たち。

よく見ると 1種類ではありません。

毛が生えた細胞の間に

分泌液を出す細胞が
一定の割合で現れています。

この構造は ゴミや病原菌を
排除するために欠かせません。

どの臓器の中にも こんなミクロの
複雑な構造が詰まっています。

臓器の中身は
どうやって作られていくんだろう?

その答えを解き明かそうとする現場に
行ってみましょう。

九州大学の三浦 岳さんは
気管支が伸びる仕組みを

コンピューターシミュレーションで
探っています。

気管支は 周囲の細胞が伸びなさい
というメッセージを出すことで

伸びていくと言われていました。

しかし このメッセージだけで
枝分かれ構造を作るには

非常に複雑なプログラムが必要でした。

そこで 三浦さんは

気管支の細胞自身が出す
別のメッセージを計算に入れてみました。

あまり伸びたくない というメッセージ。

2種類の細胞が互いに調節し合う条件で
シミュレーションすると…

非常に単純なプログラムでも

気管支の枝分かれに そっくりな構造が
ひとりでに現れることが分かったのです。

また 気管支の内側に2種類の細胞が
現れる秘密も メッセージにありました。

解き明かしたのは
理化学研究所の森本 充さん。

隣の細胞にだけ伝わる
特別なメッセージを使えば

細胞が交互に並ぶ構造を
簡単に作りだすことができます。

臓器の場所や形だけでなく
細胞一つ一つの並び方まで

あらとあらゆることを
メッセージ物質が決めていました。

人体を作り上げるのは
まさに メッセージなんだ。

さまざまな臓器を作り上げると同時に

赤ちゃんは もう一つの大仕事を
しなくてはなりません。

それは 大きく育つこと。

もし 受精卵が直径10センチの
リンゴの大きさだとすると

誕生する頃の赤ちゃんは
どのくらい大きくなるでしょう?

なんと 身長500メートル。

10か月で こんなに大きくなるのです。

この急激な成長を支えている
重要なものがあります。

それは胎盤です。

赤ちゃんから伸びた へその緒の先が
子宮に接する部分。

胎盤は 受精卵から分裂してできた
赤ちゃんの一部なんです。

赤ちゃんが 成長に必要な
酸素と栄養を受け取る 胎盤。

どんな仕組みになっているのか。

さあ 胎盤の中へ入ってみましょう。

木のようなものが生えています。

名付けて 赤ちゃんの木。

中には 赤ちゃんの血管が通っています。

これが 赤ちゃん側の最前線です。

一方 上に見えるのは
お母さんの子宮の壁。

血管の出口が見えます。

酸素と栄養を与えてくれる
いわば 恵みの窓。

降り注ぐ 母親の血液から
赤ちゃんの木が栄養を吸収していきます。

酸素もまた 赤ちゃんの木を通して
吸収されます。

赤血球が ぶつかった その瞬間

酸素が 枝に受け渡されました。

更に お母さんは こちらも送っています。

そう メッセージ物質。

母親からのメッセージに こたえ
赤ちゃんの木が伸びていきます。

こうして より多くの酸素と栄養を
受け取れるようになり

赤ちゃんの成長が支えられるのです。

今 最先端の研究で

胎盤の中で働くメッセージ物質が
次々と見つかり始めています。

詳細な遺伝子の解析によって

胎内で交わされるメッセージの全貌が
見えてきました。

見つかったメッセージ物質は
なんと 100近く。

一体 どんなメッセージなのか?
解明が進められています。

その中の一つが

赤ちゃんの成長を
大きく左右していることが

分かってきました。

この物質は 母親の子宮の中で
壮絶な変化を引き起こします。

妊娠4か月目を迎えた 松永さん。

安定期を迎えるまで あと1か月ほど。

無事 育ってくれるのか?
誰もが不安に陥る時期です。

赤ちゃんは まだ 身長10センチほど。

頭の中を見ると…。

薄い皮のように取り囲む 大脳。

脳の中心部分との間には
大きな空洞があります。

脳をはじめとした さまざまな臓器を

まだまだ
成長させていかなければなりません。

この時期 子宮の中では

母親の身を切るような
驚くべき現象が起きています。

その秘密を解き明かした
スーザン・フィッシャー教授。

注目したのは 子宮の血管の出口。

そう あの恵みの窓です。

恵みの窓を捉えた電子顕微鏡写真。

左が妊娠初期 右が中期です。

一見 同じように見えますが

倍率を合わせると
このとおり。

直径が 10倍にも
広がっています。

更に詳しく調べると
驚きの現象が見つかりました。

恵みの窓を拡大すると
黄色く示した部分に

周りとは少し違った細胞がいました。

更に拡大します。

おや? 細胞の表面に
細かい毛のようなものが生えています。

実はこれ 赤ちゃんの細胞。

本来 赤ちゃんの木の枝に
いるはずの細胞が

母親の子宮の壁で
大量に見つかったのです。

赤ちゃんを大きく成長させるための
驚異のドラマ。

その瞬間を目撃しに行きましょう。

妊娠4か月ごろの胎盤の中へ。

見違えるほど大きくなった 赤ちゃんの木。

枝を伸ばし 立派な大木に育っていました。

しかし 枝が少し黒ずんでいます。

赤ちゃんが大きくなるにつれて
お母さんの血液が足りなくなり

酸素と栄養が行き渡っていません。

このままでは 赤ちゃんが
成長できなくなってしまいます。

大ピンチです。

おや? 赤ちゃんの木が
何かを出し始めました。

メッセージ物質 PGF
これこそが

赤ちゃんの成長に欠かせない
大切なメッセージです。

あっ メッセージを
お母さんの子宮が受け取っています。

すると…。

お母さんが恵みの窓を広げました。

与える血液の量を増やしたのです。

しかし これで終わりではありません。

枝が更に伸び
先端が次々と子宮に届きました。

赤ちゃんの木の細胞が
子宮の壁に潜り込んでいきます。

あっ! 恵みの窓の内側に
次々と顔を出し始めました。

血管の壁を突き破って
どんどん割り込んできます。

そして…。

血管の壁が壊され 恵みの窓が
更に大きく広がりました。

大量の血液が
赤ちゃんの木を潤していきます。

お母さんの身を切る

壮絶な変化によって もたらされた
恵みの雨。

赤ちゃんの木が受け取った
大量の酸素と栄養が

へその緒を通して
赤ちゃんへと送られます。

こうして 赤ちゃんは 大きく
成長していくと考えられています。

この壮絶な変化が

松永さんのお腹の中でも
起きているはずです。

しかし 松永さんには
心配なことがありました。

妊娠する前に受けた
子宮筋腫の手術です。

その後 子宮の全摘出は免れたものの

内側を大きく切り取る手術を受けたため
子宮の壁が薄くなっています。

赤ちゃんが求める大量の血液を
送り続けることができるのか?

人一倍 大きな不安を抱えていました。

予定日まで あと ひとつき。
胎盤への血流を確認します。

松永さんの子宮は
大量の血液を送り続けていました。

それを受け取った赤ちゃん。
驚くほど 大きく育っています。

空洞だった部分にも ぎっしりと
脳の細胞が詰まっています。

いよいよ 出産の日。

子宮筋腫の手術を受けていた松永さん。

出産中に
子宮が破裂するリスクがあるため

帝王切開することになりました。

開始から 1時間。

(産声)

(産声)

部屋いっぱいに響き渡った 産声。
元気な女の子です。

2, 164グラム。

ちっちゃい…。

母と子がメッセージを交わして

たった一つの受精卵から赤ちゃんに。

これは あなたもたどった
道のりなのです。

いや~
かわいい赤ちゃんが生まれるまでに

こんなにも
壮大なドラマがあったなんて…。

赤ちゃんの細胞が
子宮の壁を突き破っていく あの現象は

哺乳類の中でも ヒトに近い
仲間だけが持つ特徴なんだそうです。

人間は 胎児の間に
脳を大きく発達させる動物です。

脳を成長させるために必要な
酸素と栄養を得るために

我々は みんな
お母さんに苦労をかけたんですね。

改めて お母さん ありがとう。

この世界に生まれてくる 大切な命。

生命誕生の神秘が解き明かされたことで

命を救う現場でも革命が起きています。

ランドリー・マルホランドちゃん 12歳。

ぼうこうや腸 胆のうなど
いくつもの内臓に障害を抱えています。

生まれる前 メッセージ物質が

うまく働かなかったためと
考えられています。

何度も手術を繰り返してきましたが

ここにきて
肝臓の状態が悪化し始めました。

そこで 治療に 最近 関わり始めたのが
武部貴則さん。

臓器ができる仕組みを探っている
あの研究者です。

武部さんが目指す治療は
iPS細胞から 小さな肝臓を作り

患者の体に埋め込むこと。

今 世界中の科学者が挑んでいる
再生医療です。

しかし 肝臓の細胞を作っても

臓器としての肝臓を
作ったことにはなりません。

肝臓は 複雑な臓器です。

これは 8K顕微鏡で捉えた
生きた肝臓の内部。

青く見えるのが 肝臓の細胞

その周りの赤い部分が毛細血管です。

肝臓が機能するためには
こうした複雑な構造が欠かせません。

これほど複雑な構造を
人の手で作りだすことは

ほとんど不可能だといわれていました。

そこで 武部さんが考えたのが

母親の胎内で起きていることを
まねする方法です。

iPS細胞が 肝臓の細胞に
変化していく途中で

血管の細胞と
その周りを支える細胞を混ぜ合わせます。

これは 胎児の中で
肝臓ができる途中に近い状態です。

そして 母親の胎内に似た環境で
培養します。

こうすれば 細胞たちが
メッセージ物質を出して語り合い

複雑な構造を ひとりでに
作ってくれるのではないか。

実験を重ねた ある日。

バラバラだった細胞たちが
自然に集まり始めました。

きれい きれい。

そうですね 違いが出ていますね。
出てる 出てる。

できたのは 大きさ僅か数ミリの
小さな肝臓。

中には 血管の網の目もありました。
果たして 体の中で働くのか?

肝臓の機能が落ちているマウスに
小さな肝臓を埋め込みました。

すると 30日後の生存率が
飛躍的に高まりました。

世界で初めて
体内で実際に働く小さな肝臓

ミニ肝臓を作りだすことに
成功したのです。

この方法を人間の治療に生かすため

ミニ肝臓を大量生産するための施設を
去年から動かし始めました。

2020年には 重い肝臓病を患う
子どもたちを対象に

臨床研究を始めたいと考えています。

今 世界中で人工的な臓器を作る研究が
爆発的に進んでいます。

立体的な構造や機能を持った小さな臓器は
オルガノイドと呼ばれています。

胃酸を分泌する
胃のオルガノイド。

腸のオルガノイドは 便を押し出す
ぜん動運動をしています。

人体で最も複雑といわれる 腎臓。

その立体構造の一部も
作りだせるようになりました。

今日も この世界に
かけがえのない命が誕生しています。

(産声)

一人一人が
奇跡を積み重ね 生まれてきました。

あなたの始まりは たった一つの受精卵。

ここから あなたの物語が
はじまりました。

次々にメッセージ物質を出し
臓器を生み出しました。

そして 大きくなりたいと声をあげ

お母さんは それに応え
たくさんの恵みを与え続けました。

こうして できあがった
複雑で精巧な人体が あなたなのです。

誕生から5か月たった
松永さんの赤ちゃん。

体重は 生まれた時の3倍に増え
大きくなりました。

私たちは どうやって生まれてきたのか。

その神秘に触れた今
あなたは 何を思うでしょうか?

これは 命の始まりの物語。

ただ一人の例外もない
真実の物語です。

♬~


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