アナザーストーリーズ「犬神家の一族~エンターテインメントの革命児たち~」 金田一耕助とおどろおどろしいマスク姿の佐清で有名…


出典:『アナザーストーリーズ「犬神家の一族~エンターテインメントの革命児たち~」』の番組情報(EPGから引用)


アナザーストーリーズ「犬神家の一族~エンターテインメントの革命児たち~」[字]


名探偵・金田一耕助とおどろおどろしいマスク姿の佐清で有名な、映画「犬神家の一族」誕生の舞台裏!日本のエンターテインメントに革命を起こした男たちの野望とは?


詳細情報

番組内容

あの、と思わず言いたくなる映画「犬神家の一族」誕生の舞台裏!おどろおどろしいマスク姿の佐清&凄惨な殺人、そこにまつわる数々の謎をとぼけた表情で推理する名探偵・金田一耕助の物語は、日本中に強烈なインパクトを与えた。だがご存じだろうか?あの映画製作のウラに、日本のエンターテインメントに革命を起こそうとした男たちの野心があったことを。映画未経験の出版社の若社長・角川春樹&鬼才・市川崑、知られざる物語!

出演者

【司会】松嶋菜々子,【出演】角川春樹,石坂浩二,【語り】濱田岳




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アナザーストーリーズ「犬神家の一族~エンターテインメントの革命児たち~」
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  19. 出演
  20. シーン


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佐清 頭巾を取っておやり。

ああ!?

(悲鳴)

それは 日本の
エンターテインメントを変える

革命だった。

♬~

殺された男が 湖で発見される
この映画を象徴するシーン。

当時の子供たちが
こぞって まねをするほど

日本中に大ブームを
巻き起こしました。

映画…

よれよれの袴姿で現れた 名探偵…

犬神家の莫大な遺産を
めぐって起こる

凄惨な連続殺人事件の解決に
乗り出します。

この事件のキーマンとなるのは
マスク姿の…

公開から 40年以上たった今でも

語りぐさとなっている
キャラクターです。

映画は空前の大ヒットとなり

興行収入が 当時としては異例の 16億円。

その映画の作り方は

それまでの日本映画には
ないものでした。

ご遺言状ならば
お預かりいたしております。

(悲鳴)

舞台は
古い因習が残る山あいの村。

大富豪の一族に
遺産相続をめぐる

殺人事件が
巻き起こる。

古めかしい題材を扱った映画に
なぜ 日本中が熱狂したのか?

まず 映像美。

日本の土俗的な文化を
美しく切り取った。

そこに ショッキングな映像が
挿入されていく。

おい もう一度 水につけろ。

すばらしいアート性があるよね。
芸術性がね。

そして サスペンスとは
対照的な

ユーモラスな
キャラクター。

よし 分かった!

監督を務めた 市川 崑には

名だたる映像作家たちが
オマージュを ささげている。

映画は 歴史に残る大ヒット。

公開1週目の観客動員数は
世界一を記録した。

そのヒットの陰には
数々のドラマが隠されていた。

運命の分岐点は…

東京・日比谷の映画館で
「犬神家の一族」が封切られた日です。

おびただしい数の観客が
劇場前に列を成す様子を

1人の男が見つめていました。

その男が 第1の視点。

当時 34歳。

映画界とは無縁の
中堅出版社の2代目若社長でした。

しかし 映画に関して
素人であるはずの男は

この有名なシーンに
自ら登場するほど

製作に入れ込みます。

男にとって 映画をヒットさせること。

それは
人生をかけた戦いだったのです。

そして 次々と奇抜なアイデアが
飛び出します。

常識と戦い続けた男。

「闘争」の
アナザーストーリー。

全ての始まりは
1人の男の途方もない野望だった。

(取材者)おはようございます。
本日は よろしくお願いいたします。

カリスマと呼ばれた男…

77歳の老境にある今なお
その信念に揺るぎはない。

初めて取り組む映画製作に
不安はなかったのかと尋ねても…。

これは かつて角川が

「時代の寵児」としてドキュメンタリーの
取材を受けた時の映像。

質問に こう答えている。

多分ね 戦いだろうと思うんですね。

いろんなことを
何回も何回も繰り返しながらも

いろんなことを やりながらも
絶えず それが入り口になってる。

終わったら入り口。
入り口が出口みたいなね。

戦いだと思いますね。

彼が父親から引き継いだ角川書店は
当時 辞書や教科書を手がける

中堅の出版社に
すぎなかった。

そんな会社を躍進させるために

斬新な戦略を次々生み出した。

例えば
書店に行くと必ず目にする この風景。

書棚の下に売れ筋の本が
平積みにされている。

この売り方を最初に始めたのは 角川。

時代を先取りしていた。

逆に どういうことか
といえば…

そして 爆発的ヒットを ねらって
角川が乗り出したのが

誰も目を付けていない
新たな鉱脈の開拓だった。

他の出版社の息が かからず

それでいて革命的なフィーバーを起こせる
作家は いないか?

浮かんだのは ある老作家だった。

この時から遡ること 20年ほど前
終戦直後に人気作家だった…

だが既に小説は書いておらず

忘れられた存在となっていた。

そのタイトルは
どれも おどろおどろしい。

横溝さんに目を付けたというのは…

(角川)当時ですね オカルト小説…

その一種の怪奇的なものと

それから 土俗的なものと
ミステリーという3つの要素。

この要素の作家は誰だろうと
考えた時に

横溝正史さんだったんですよね。

当時 20代だった角川は 思い立つなり

勇み足気味に横溝家に向かったらしい。

横溝の次女 野本瑠美は

その様子を
笑い話として聞いている。

そうしたら母が出てきて その次に…

…とかってね 後々言ってらしたしね。

幽霊扱いされたのも無理はない。

なにせ横溝は
始終 事件のトリックを考えるのに夢中。

本の売れ行きにも関心がないような
世間離れした男だった。

常に ストーリー。

そんな横溝に 角川は…。

…と持ちかける。

すると…。

でも 現実は…

角川には この時
明確なアイデアが浮かんでいた。

それは横溝の おどろおどろしい本を
文庫本で売り出すこと。

ヒントになったのは
アメリカ旅行で目にした ある光景。

日本の場合だと それは…

角川は文庫本そのものに革命を
起こそうと もくろんだのだ。

当時の文庫本は 難しいものが大半。

それを逆手に取り
思い切った策を仕掛けた。

表紙に ド派手なイラストが描かれた
カバーをつけた。

この 文庫本にカバーをつけたのも
角川が初めて。

当時 角川の側近だった
井上泰一は

次々 下される常識破りの戦略に
目を丸くした。

(井上)あの平台っていうのも
角川が仕掛けたようなものなんですね。

結果 忘れられた作家だった
横溝正史の人気に

再び火が付き始める。

しかし 角川が思い描くヒットは
こんなものではなかった。

「圧倒的なPRを行いたい」。

そこで ひらめいたのが
映画作りだった。

だから 映画は本を売るために

巨大なコマーシャルと
考えればいいという。

最初に映画化を もくろんだのは…

戦前 岡山県で実際に起きた
衝撃的な殺人事件がモチーフだ。

事件が ミステリアスであればあるほど

人は興味を惹かれる。

まさに 怖いもの見たさ。

しかし 「八つ墓村」の製作は
映画会社と製作費で折り合わず…

(井上)納得できなくて。

角川が
この小説を選んだ理由は やはり…。

そして 一世一代の冒険が始まった。

製作発表の記者会見。

大勢のマスコミを前に
製作費は破格の…

2億2, 000万円と
発表された。

集めたキャストも
絢爛豪華。

昭和の名優たちから
人気アイドルまで

妥協のないキャスティングが
なされた。

角川が見せた圧倒的な自信。

ただし 製作に当たるスタッフたちは
半信半疑だった。

助監督を務めた 浅田英一は

その微妙な空気を覚えている。

ひと言でいえば…

…っていう気持ちは もちろん現場の

映画の世界の人たちは
みんな思ってたと思いますね。

映画のスタッフとしては…

だが いぶかるスタッフに

角川は こんな先制パンチを放ってきた。

これね 「犬神家の一族」の台本です。

普通は真っ白い表紙に 映画のタイトル
製作会社が入ってるだけ。

僕らは 台本は派手じゃなくていいわけ。
派手じゃなくてね。

角川が示した気合いは
意外なところにも及んでいる。

今までの映画を。

「犬神家の一族」は

映画界が見落としてるっていうか
関心を示さない…

それまでは 映画の音楽費用というのは
50万円だったんですよ 1本。

抜擢されたのが…

後に 「ルパン三世」のテーマ曲で
有名になる大野は

映画音楽を担当するのは初めてだった。

要するに 革新を起こしてやろうと
思ってる人だから。

その思いに応えて
大野は

日本では まず
目にすることのない

ヨーロッパの民族楽器で
主旋律を奏でた。

そうして生まれたのが あのメロディーだ。

♬~

この時 角川は大野に

むちゃとしか言いようのない
要望を出している。

サントラは編集された映像を見ながら
最終的に作り上げていく。

映画が出来ていない以上
作れるはずはなかったが…。

実は 大野に出した この要求にこそ

一気に爆発的なヒットを生むカギが
隠されていた。

角川の ねらいは
映画公開と同時にサントラを発売

更に 文庫本でもフェアを仕掛ける
メディアミックス。

あらゆる媒体で多面的にPRを仕掛け

一気に相乗効果を ねらう
戦略だった。

文庫本に帯をつけ
宣伝コピーを入れたのは

この時の角川が初めて。

その結果…。

映画は思惑どおり
興行収入 15億6, 000万円という

当時としては大ヒットを記録した。

角川社長 忘れてるかも知れないけど…

…と言ったことありますよ。 僕らも。

…という言葉ですよね。

書籍も軒並み大ヒット。

「犬神家の一族」を含む
横溝正史シリーズは

1, 800万部を突破する
大ブームとなった。

そして角川書店は 地味な出版社から

その名が 日本中に知れ渡る存在となる。

ところが 角川というだけで
モテるようになったんです 社員が。

これが 一番端的な変化でしたね。

カリスマと呼ばれる男は
事もなげに成功を振り返った。

1人の若きカリスマ社長の熱意によって
もたらされた大ヒット。

しかし その熱意に応えた
巨匠の存在がなければ

この映画は生まれなかったはずです。

第2の視点は 監督 市川 崑。

この映画作りは
市川にとっても まさに戦い。

新しい日本映画とは何か。

「犬神家の一族」に
自らの映像表現 技術を全て注ぎました。

映像美を追い求め続けた男の
アナザーストーリーです。

「犬神家の一族」の撮影は
ここから始まった。

今から行くというかね
紹介する第8ステージが

「犬神家」のメインのセットが
建ったとこですね。

一番広いので 大きなセットが作れる
ということで ここを使ってました。

日本一とも称された
この巨大なスタジオに

犬神御殿のセットが建てられ…。

劇中 何度も登場する大広間のシーンから
撮影が始まるはずだった。

キャストが勢ぞろいする 荘厳なシーン。

ところが撮影初日 中止の号令が かかる。

くわえ煙草の この男が

セットの襖を見るなり
こう漏らしたからだ。

金ぱくで あの襖とかなんかが
出来てたんですけど

それが 市川さんがね…

(浅田)僕らは肉眼ではね
金に見えなくもないよねって。

ただ あの人は もうほんとにね
独特の感性だから

フィルムになった時にね 光ってるか
光ってないかっていうのが

多分ね 分かるんだと思うんですよ。

市川さんはね。

聞きしに勝る巨匠ですよね。

そのころ市川は 当時の映画界について
こう語っている。

「映画の信用」とは 一体何か?

まずは こちらを ご覧頂きたい。

全て 市川 崑の映画の手法を
研究した書物。

名だたる表現者たちが

憧れを隠そうともしない。

なぜ彼は 「国民的巨匠」と
呼ばれるまでに至ったのか。

市川は 1948年に
デビューして以来

他に類を見ない独自の
存在感を放っていた。

当時の映画界は
人気スターを主役に据え

短期間で映画を撮る…

その中で市川は
徹底的に映像に こだわり続けた。

例えば 現代の若いクリエイターにも
支持されている 「黒い十人の女」。

男が 10人もの女性と不倫し
復讐される映画でも

ドロドロした描写はない。

陰影を駆使したクールな映像で
人間模様を客観的に見つめた。

常に新しい手法を
探し求めてきた市川は

出演したテレビ番組で
こんなふうに紹介されている。

そんな市川が 直後
空前の論争を巻き起こすことになる。

♬~(ファンファーレ)

1964年の…

騒動の火種は 市川が
監督を任された

この国民的行事の記録映画だった。

(号砲)

(歓声と実況の声)

最先端の技術を駆使して ねらったのは
超人的なアスリートたちの躍動。

誰もが熱狂した日本人の活躍や
勝敗に こだわらず

肉体の美しさを切り取った。

しかし 1人の政治家が
市川の手法を批判した。

今おっしゃった中の「哀しみ」というのは
例えば どういうことですかね?

ですから やはり…

映画の作り方をめぐって
日本を二分する論争を呼び

やがて 市川の あずかり知らぬところで

作り直すという事態にまで発展する。

だが皮肉にも
市川が手がけた映画は未曽有の…

しかし 騒動に巻き込まれた市川は
こう語っている。

市川は しばし 映画界から距離を置き

テレビやCMなど
新しいメディアに進出する。

そして生まれた傑作が

日本の土俗的な文化と 現代的な精神を
掛け合わせたテレビドラマ…

一切の組織から逃れ さすらう男。

その主題歌は 当時 働きづめだった
サラリーマンたちの共感を呼んだ。

♬~

絶望の中でも 一縷の希望を信じて
さすらう魂。

♬~

それは 一人挑戦を続ける
市川の姿にも重なって見える。

その実験的な試みは
CM制作にも引き継がれ

土俗的な風景を舞台に
最先端の編集を融合させていく。

♬~

(CMのナレーション)<僕は 若者らしい
緊張した旅に出たいと思う>

♬~

<厳しさ。 永平寺には それがあるんだ>

どう読んでいいか分からない 問題の…。

長年 市川作品の編集を担当した
長田千鶴子は

生き生きと自らの映像表現に
磨きをかけていた姿を思い出す。

(長田)テレビって何やろ
みたいなことで きっと

自分から飛び込んで
知ってる人を つてにして

作られてたんじゃないかと
思うんですよね。

そんな市川の前に突如 現れたのが…

市川の第一印象は こうだ。

従来の映画界の
作法を無視した

角川の話に乗ってみることにした。

お話があった時には。

日本映画を新たな時代に導く
奇跡のタッグの誕生だった。

20歳以上 年の離れた2人は

精力的なロケハンを
共に おこなっている。

再び映画の第一線に舞い戻った市川は

培った技術の全てを注ぎ込んでいく。

陰影を
最大限に生かした画づくり。

市川さん 光と影の専門家ですから

とにかくライティングを凝って
なおかつ…

ごしごし ごしごし。

テレビやCMで磨き上げた編集技術は

旧態依然とした映画界を仰天させた。

遺言状の精神は
一字一句の間違いなしに…。

真実の娘が相続の対象にならないなんて
そんなの遺言でも何でもないわ!

あなた! それでも弁護士!?

(長田)やっぱり今までにない映像を
作るということでしょうね。

一生懸命だったんじゃないでしょうかね。

そして 特に こだわったのが

この極端なキャラクター造形。

マスクを作った
特殊美術担当の 安丸信行は

さんざん苦労させられた。

ようやくOKが出たマスクは

頬がピクリと動くのも
分かるほど。

そのこだわりについて 市川は当時
こんな言葉を残している。

その格闘のせいで
大変な目に遭ったのが

ロケ現場近くで林業を営む 遠藤さん。

急に声を掛けられ
出演を依頼されたのが あの役だった。

(悲鳴)

映画は 完成した。

劇場を幾重にも取り巻いた 観客の行列。

その光景を目の当たりにした興奮を

角川の側近だった井上は 今も忘れない。

映画を見終わった観客の様子を
ある映画研究家は こう語っている。

映画で観客を魅了する。

市川は確かに
映画への信頼を取り戻したのだ。

さまざまな人の力の結集で 日本映画の
金字塔となった 「犬神家の一族」。

私も
市川 崑監督ご自身がリメイクされた

「犬神家の一族」に
出演させて頂きました。

監督の映像への こだわりを
そばで実感できたことは

とても貴重な体験となりました。

登場人物の中でも
日本中に愛されたのが

名探偵 金田一耕助。

その人気によって
金田一が活躍するシリーズは

映画 テレビ合わせて
延べ87作品が作られました。

第3の視点は 金田一耕助を演じた男。

よれよれの袴に ボサボサ頭。

原作どおりのキャラクターを
初めて演じたのは…

そこには数々の試行錯誤がありました。

名探偵 金田一耕助誕生の
アナザーストーリーです。

ロケが行われた…

犬神一族の御殿として登場する
築200年の旧家。

その塀の前を 金田一耕助は駆け抜けた。

家主である飯田さんは

金田一耕助を演じた 石坂浩二との
思い出を今も大切にしている。

しかし 当の本人は…。

どうも よろしくお願いします。

撮影中 ずっと悩み続けていたという。

金田一耕助の役作りに関する

市川監督の
謎めいた要望があったからだ。

監督は 探偵というのは
この横溝さんの作品においては

「天使」みたいなもんだと。
「神様」みたいなもん。

どうしようかなと思ってたんですけどね。

最初は 「はあ… じゃあ
人間じゃないんですか」って。

そもそも 映画の中の金田一耕助は

勇猛果敢な名探偵としては
描かれていない。

次々に起きる殺人事件に
驚きながら

頭を 掻き掻き 走り回る。

とぼけた雰囲気で どこか憎めない。

それが 石坂演じる金田一耕助の
最大の魅力だった。

しかし ご存じだろうか。

これ以前の金田一は 時代劇の大御所

片岡千恵蔵が重厚なスーパーヒーロー
として演じていた。

反対に 石坂はスマートで
時に頼りない若者を演じることが多く

片岡には遠く及ばないと
当初は出演を断ったという。

原作では金田一は
こう かかれている。

そもそも 金田一を生み出した
横溝の姿を見てほしい。

もじゃもじゃ頭に 着物姿。

どことなく似てはいないだろうか。

何を言っても父ですよ。

もう 何ていうんですかね…

頭 これこそ それこそ フケなんて
そりゃしないですけれども

お風呂入るの大嫌い。 アハハハハ。

更に 監督の市川は

金田一像に もう一つ
独自の解釈を付け加えていた。

それが 「天使」という解釈。

だが 演じる石坂には
まるで見当がつかなかった。

やむなく手探りで役作りを始めた。

まずは 着物や持ち物。

実はトレードマークにもなっている
トランクは 石坂の私物だ。

(石坂)神戸へ行ったらば
骨とう品を買うんですけど…

そのトランクは
今も東宝撮影所に保管されている。

わあ… いいねえ。

ところどころに 戦前のものとおぼしき
旅行先のステッカーが貼られている。

横溝の原作には こうある。

金田一は 東京の大学に通っていたが…

石坂が見つけてきたトランクは

原作にある「旅人」という
イメージに ピタリと重なった。

そんな ある日
石坂の背中を押してくれる人が現れた。

ちょい役で出演するため
現場にいた横溝。

そこで ボヤ騒ぎが起きた時。

「それ どういうことですか?」
って言ったら…

石坂は なおも考える。

旅人のような金田一は
犬神家と どう向き合うべきか。

そもそも 犬神家とは どんな家なのか?

犬神家は 当主・佐兵衛が

戦争に乗じて巨万の富を得た
いわくつきの家。

その富を巡って 一族に
ドロドロの連続殺人事件が起きていく。

やがて石坂は こんな解釈に至る。

それは 戦争に手を染めてるというか

戦争になれば もうかるという
商売に手を染めている。

そして それで成り上がった。

巨万の富が生んだ欲望の渦と
複雑に絡み合った血縁関係。

金田一という
「天使」の存在があるからこそ

観客は 客観的に見ることができる。

(石坂)だからこそ 一歩下がって

ほんとに…

そして天使が
呪われた殺人事件を全て見届けた時

物語は終わった。

浄化され 最後には未来を感じる。

その後味は 見事に極上の
エンターテインメントになっていた。

既に過去の作品の一つとなっていた
小説から 大ヒット映画が生まれ

それによって 小説にも再び光が当たり
爆発的に売れる。

まさにメディアミックス
新しいヒットの方程式の誕生です。

時代が変わる。

その渦の中心にあるのは いつも

常識を超えようとする人たちの
情熱なのです。

金田一耕助の人気は 今も健在だ。

横溝正史の世界をモチーフにした
昭和初期を感じさせる喫茶店。

金田一を愛してやまない人々が
今も訪れる。

やっぱり 何といっても
金田一耕助の魅力ですかね。

…みたいなのが
私 すごい好きで。

「犬神家の一族」のヒットにより

金田一を生み出した
横溝正史の晩年も変わった。

一度は筆を折っていた横溝は
ブームを機に執筆を再開。

好きな探偵小説を
亡くなる前年まで書き続けた。

ヒットの秘密を聞かれた時に
こう答えている。

(笑い声)

寝食を忘れて
事件のトリックを考え続ける日々。

それは横溝にとって 何よりの幸せだった。

金田一耕助シリーズ 全77作品。

いまだ 新たなファンを生み続けている。

♬~


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