先人たちの底力 知恵泉「立川談志のダンディズム(前編)常識にかみつけ」破天荒な言動の裏に秘めた神髄をバカリズムが探る



出典:『先人たちの底力 知恵泉「立川談志のダンディズム(前編)常識にかみつけ」』の番組情報(EPGから引用)


先人たちの底力 知恵泉「立川談志のダンディズム(前編)常識にかみつけ」[解][字]


落語家・立川談志。その生き様は、常識や道徳でがんじがらめの現代人の心を解きほぐし、亡くなった今も愛され続けている。破天荒な言動の裏に秘めた神髄をバカリズムが探る


詳細情報

番組内容

些(さ)細なことや思わぬ一言で、ネットが炎上してしまう今日この頃…そんな事態に窮屈さを感じる人も多い中、常識でがんじがらめの現代人の心を解きほぐし、没後なお愛され続ける落語家・立川談志。決まりきった社会の風潮とあらがい、ときに弱く愚かな人間の存在を肯定した。破天荒な言動の裏にある立川談志の神髄を、バカリズムらが探る二回シリーズ。第一回は「常識にかみつけ」談志の反骨心はどう生まれたのか、探っていく。

出演者

【出演】バカリズム,立川談笑,室井佑月,【司会】新井秀和




『先人たちの底力 知恵泉「立川談志のダンディズム(前編)常識にかみつけ」』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数ベスト20)

先人たちの底力 知恵泉「立川談志のダンディズム(前編)常識にかみつけ」
  1. 談志
  2. 自分
  3. 師匠
  4. 落語
  5. バカリズム
  6. 落語家
  7. イメージ
  8. ネタ
  9. 寄席
  10. 今日
  11. 生意気
  12. 弟子
  13. 本当
  14. 立川談志
  15. ライバル視
  16. 炎上
  17. 楽屋
  18. 喧嘩
  19. 昇進
  20. 世界


『先人たちの底力 知恵泉「立川談志のダンディズム(前編)常識にかみつけ」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


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常識や道徳 大切なものですけれど

もっと思うままに生きたい時
ありますよね…。

はあ~。 う~ん もうちょっとだな。

何やってんの? さっきから ずっと。

いや これね 駄目なんですよ。
ちょっとでも汚いと

あの店は不潔だっていうんで
ネットで炎上しちゃうんですよ。

え~っ そんなことあるの?
もう何か SNSでたたかれたら

どうしようって 心配で心配で。
面倒くさいね。

何か もう窮屈ですよね。

≪ちょっと待って下さいよ!
えっ 誰ですか?

そんな窮屈な世の中だからこそ
今 学ぶべき人がいるかもしれませんよ。

どこかで見たことありますが
どなたでしたっけ?

立川談笑でございます。
ある時は落語家

そして ある時は
情報番組のリポーターでございます。

さあ 今 話題になっている
炎上話になるのが

こちらでございます。

こういうところが炎上しがちと。

見覚えありますよね
こういうのの覚えがね

重なったりなんかもしますけれどもね。

さあ ところが一方では
その非難が正当な場合もあれば

あまりに炎上ということで
普通の発言をするのも

何となく息苦しいというようなことも
あるようなんですね。

さあ どこか息苦しい世の中だと
感じるんですが

この人の生きざまに学べば

もっと楽しく生きることが
できるかもしれません。

誰だろう…。

こちらが現場のようです。

今回の主人公が 生前 住んでいた家です。

ご覧下さい。

書斎の棚には
明治から現代までの落語の資料。

歌や踊りにまつわる大衆芸能の本も
びっしり。

研究熱心だったんですね。

机の引き出しには… なぜか髪の毛が!

本人のもののようです。

怪しいですね…。

トレードマークは バンダナ!

テレビ出演の時にインパクトを
与えるためにつけたとのこと。

もう お分かりでしょうか
今回の主人公は…。

「えっ 文句あんなら出てこい。
出らんねえだろ ざまあみやがれ。

このキリギリス かごの鳥!」。
「出らんねえから

てめえみてえなバカ相手にしてんだ。
悔しかったら あがってきやがれ。

あがれねえだろ。
ざまあみやがれ オケラ野郎め。 ええ?」。

枠に収まらず奔放な彼を
世間は そう呼びました。

落語家としてデビュー後
すぐに その才能は注目されます。

談志の話芸といえば
演目を始める前に話す「まくら」。

毒があり 客を引き付けます。

落語でもそうですよ
東京都内の寄席からは 夜ごと

市民の または庶民の明るい笑い声が
響いたなんて ニュースにならない。

なると決まって
談志 また客と喧嘩ってなっちゃう。

(笑い声)

絞首刑をやるんですね。 こうやってね。
これで ド~ンと押すとね

これ 縄が取れてね
川の中にボチャンと落っこっちゃって

こいつ 泳いで向こうへ
逃げちゃうんですよ。

次のやつがね 「しっかり縛ってて下さい。
私 泳げませんから」って言うんだよね。

この毒気 中毒になっちゃう。

型破りな立川談志の知恵を読み解く
今回の仕事人は…。

「ドリブルについて」。
バスケットボール選手が

一番大切にしなければいけない
ボールをですね

備え付けの このような
買い物かごに入れまして

これを運ぶ行為を
ドリブルとさせて頂きます。

お笑いのみならず
俳優や脚本家としても活躍

マルチな才能を発揮。

シュールな視点で
ウイットに富んだ笑いを生み出します。

さんずの川とか やっぱ渡るのかな。

俺 こんなとこ ホクロあったんだ。
へえ~ そっかそっか。

クールな芸風のバカリズムさんと
ワイルドな談志。

研ぎ澄まされたセンスは
どこか相通じる この2人。

バカリズムさんは 立川談志の知恵を
どう読み解くのでしょうか。

あら 談笑さん
もうすっかりと着替えなさって。

あっ はい はい 先ほどは失礼しました。
いや とんでもないです。

落語家バージョンで戻ってまいりました。

改めて よろしくお願いいたします。
はい よろしくお願いします。

というね 談志さんを今日はね
見ていこうと思うんですけれども。

そうですね うん 俺様のことが

お前らごときに分かるかと
言われそうだな。

こんばんは。             こんばんは。
お待ちしておりました。

バカリズムさん。 どうぞ どうぞ…。
あっ どうも失礼します。

いらっしゃいませ。

いや~ 今日は立川談志さんのね
お話をしていこうと思うんですけど。

よろしくお願いします。
どうですか バカリズムさん

談志さんのイメージというのは。
イメージですか。

何かこう 正統派のヒーローに対抗する
ちょっと陰のあるヒーローというか。

割と 若い人とか 同性とかは
やっぱり引かれるんですよね。

何か格好いいというか
そんな感じのイメージですね。

ほうほう ほうほう
女性からは どうですかね。

私 ちょっと時代がずれてて
よく分からないんですけれども

お亡くなりになった時
スペシャル番組やってて

みんな 何か…

バカリズムさん かつて ネタ番組で

共演されたこともある
ということなんですけど。

何か 結構 もっと すごい厳しいイメージ
あったんですけど

割と その時に出てた
若手芸人のネタとかを

結構 みんな褒めて下さって
で 僕とかも 打ち上げで

少し お話できたんですけど
すごく褒められたんですよ 何か。

ほかの芸人は 割と こう
どういうパズルの絵柄を…

どういう絵柄にするかで
笑いを取ってるんだけど

お前たちは…

何か すごい褒められて

大変だけど そのままやってった方が
いいぞって言われて

で そのあとに 何か イベントに
呼んで頂いたんですよ 談志師匠の。

あっ すごいはまったと思って。

で そこで 僕
同じネタやればよかったのを

何か ちょっと
全く違うネタやったんですよ。

それは いろいろ幅を見てもらいたくて
こんなのもできますよっていう。

それが どうやら はまらなかったらしくて
二度と呼ばれなくなりました。

いや~ もうちょっと同じネタ
やっときゃよかったみたいな。

もう既に評価されている人だとか…

自分で見て 自分で判断して
これは価値があるとなったら

たとえ人気がない人でも
俺は いいと思うよっていう

そういう自分の見方について
自信を持ってる人でしたね。

今日は ちょっとね いろんな面が
見られると思うんですが

今日 ご用意したメニューが
こちらなんですね。

ほう。 本人はね とっても
予定調和の嫌いな人だったんで

そこに はまるかどうか分からない。
あんま破天荒 破天荒と言い過ぎると

そのイメージが定着することは
嫌いそうですよね。

裏を行きそうな気がするから。

この予定調和感が もしかしたら
私 怒られるかもしれないですかね。

そうですね。
(笑い声)

私 割と言いたいこと言ってると
ストレスが たまらないから

まあ 死なずに長生きするんじゃないかと。

圓鏡みたいに 気ぃ遣ってると
すぐ死んじゃうんだな あれはな。

よく生きてると思うよ。 私は死なないね。

したら こないだ 楽屋で 「あの人は
でも 他殺ですね」なんつってる。

(笑い声と拍手)

歯に衣着せぬ発言で世間を沸かせた
立川談志は

生前 こんな言葉を残しています。

本音を隠さない性格は
16歳で高校をやめ

憧れだった落語界に入門した時には
自覚していたと言います。

生意気なガキで
どっか 世の中を斜に見てて

「うそだよ こいつらの言ってることは」
っていうのは 常にあったんですね。

だから 少なくも 学歴を取るよりは
落語歴を取った方がいいだろうって

判断は はっきりしたみたいですね。

談志は なぜ生意気な姿勢を
貫くようになったのでしょうか。

そこには こんな知恵が隠されていました。

落語の歴史は古く
江戸時代に成立した大衆芸能。

師匠のもとで修業を積み
認められれば 寄席の高座に上がり

落語家と認められます。

談志が弟子入りしたのは
5代目 柳家 小さん。

「おい! こら!」。

「おい それ やめた方がいい 君。

それは穏やかじゃない。
それくらいに…」。

庶民的で 愛嬌たっぷり。

昭和を代表する名人で
落語界初の人間国宝です。

談志は 憧れの小さんのもとに
入門できたものの

下積み生活は厳しいものでした。

朝一番に寄席の楽屋に入り
座布団を並べ 湯を沸かしてお茶を出す。

師匠たちの身の回りの世話は
数えきれないほど。

あらゆる雑用を
こなさなければなりません。

疑問に思っても
師匠の言うことは絶対という世界。

いつまでたっても
この風習になじめない談志は

生意気だと言われ続けました。

師匠の小さんからも こんなお小言を。

談志 こんな口答えをします。

言っちゃった!

後に談志
当時のことを振り返って ひと言。

談志の弟子 立川生志さんは

ある時 師匠から
こんなことを言われました。

具体的に 僕は…

こうやって拭いてたら…

ぞうきんがけしてるところに。

うわっ 師匠が見てると思ったら
一生懸命 ぞうきんがけしてたら…

上から しゃべってくるから 「はい」。

…って言うんですよ。
そんなこと全然思ってないから

当たり前だと思ってやってるから
「いや 思っておりません」。

「いや 思ってません」って言ったら…

よく分かんない。

矛盾に耐えながら
談志は落語の勉強を重ね

入門から2年後に 二ツ目に昇進します。

寄席では テンポがよく
ぬきんでた落語センスを発揮。

注目の若手と騒がれます。

「何だか知らないけど
今 2回ばかり跳び上がったね。

土管を二本 飛び越しちゃった。
冗談じゃねえな。 危ねえな。

何でもいいけど おい 前見てみろ
信号は赤だよ」。

しかし 周囲からは

思ったことをあけすけに言ってのける
態度が 疎まれます。

師匠の小さんでさえも センスは認めても
人間ができていないと

なかなか真打昇進を許しません。

24歳の談志が書いた日記には 苦悩が…。

活躍の陰で
談志は一人 思い悩んでいたのです。

追い打ちをかけたのは 古今亭志ん生を
父に持つサラブレッド

後輩の志ん朝に先を越されたこと。

「おめえ いつでもそうなんだよ。
何か ものを頼むってえと

おんなじセリフだ。 なあ?
ほかのことだったら何でも引き受けるが

これだけは勘弁してくれって。
じゃあ 先に聞こうじゃねえか。

何だったら てめえは
気持ちよく引き受けんだい」。

「だからさ こいつを飲めとか
あれを食えとか」。

「バカなこと言うんじゃねえ」。

異端児 談志に対して
志ん朝は 華やかで正攻法の落語家。

5年も後輩の志ん朝が
先に真打に昇進することに。

落語の世界は 真打昇進の時期で
序列が決まります。

抜かれれば抜き返すことはできません。

あまりの悔しさから
談志は ある日 志ん朝に こう迫ります。

すると 志ん朝は…。

その翌年 談志は ようやく 入門から
11年目にして真打昇進を許されます。

「修業」と「昇進」…
2つの矛盾に もがいた談志。

このまま
名人たちの後を追ってもしかたがない。

談志は ほかの落語家とは違う
独自の道をゆく決意をします。

そんな談志が打って出たのが…。

(拍手)

私は 運動が好きなんですけども
ごろ寝も不可欠だと思います。

落語の伝統を足がかりに
寄席を飛び出し

メディアへの出演を増やしたのです。

あ~ 私も随分しくじってますしね。

あけすけに人気が欲しいと公言し

毒舌を武器に 常識や権力にもひるまず
人々を挑発しました。

早かったり 何か することに対して
遅いことがヒューマンだというのを

これを甘ったれだと言ってるんです。

実際 ヒューマンという
ヒューマンじゃないんです それは。

この子どもに
どうやって説明したら分かるか。

つまり 程度の低い者に どれだけ…
それが 今 対策なんですよ。

多くの人が腹の底で思っていても

口に出せないことを言ってのける。

その痛快さに人々は魅了され
人気は急上昇。

スケジュールは
寝る間もないほどの過密ぶりに。

テレビ ラジオの出演が週に8本
合間に連載の執筆が3本。

キャバレーで司会や

スタンドアップコメディを披露。

もちろん 落語の高座にも上がりました。

しかも 毎晩7~8軒にわたって
飲み明かし…。

芸能界のみならず
社交界にも人脈を広げていきます。

異業種の大物たちとの交流によって
審美眼を養い

現代の感覚に合う芸に
一層 磨きをかけます。

落語界のしきたりにとらわれず
信ずるままに行動する談志。

そんな談志の言葉です。

誰が決めたの 「そのルール」。

談志の毒舌は 本当にそれでよいのか
問いかけます。

やっぱり落語の世界って
ちょっと うるさそうだから

その枠組みには
はまらない人だったんだなって。

そうですよね。
でも 別に出ちゃえばいいんですよね。

現代的な落語に
現代の息吹をっていうのも

戦略的にそうしようとしたんではなくて

もう そうせずに
いられなかったんですよね。

古典落語というので
決められたことを話をする

決まったとおりの話をする
どう緩急で受けるかじゃなくて

そこに自分のセンスを入れたりだとか

今 まくらというのを
落語家さんは みんな振るんですよ。

本編の前に 時事ネタみたいなの…。
それは今までなかったんです 談志以前は。

談志以降
みんなが やるようになったんですよ。

へえ~ すごいや。
そう。

イメージ的には もっと本当若くして
才能を認められて

とんとん拍子で昇格していってという
イメージだったんですけど

何か意外と ちゃんと挫折があって
そこからまた

いろいろ道を開いていったんだな
っていうのがね 意外でしたね。

そうですよね。
でも 何て言うのかな…

私は 耐えられない派なんだけど…

だって 世の中 出ていけば
何て言うの…

矛盾してることばっかりだからさ
というふうに思うけどね。

理不尽なことばっかりだし。

例えば中学の時なんか ジャージがある
学校指定のジャージがあって

それを 裏が… 紺色に
裏地が ちょっとグレーっぽい色で

裏地をこう見せて
ロールアップしたいんですよ。

それが はやってたんですけど…

ロールアップは2年からなんですよ。

だから みんな もうね それで

2年生とか3年生とかと会わなくなって
自分の帰り道になったら

ロールアップしてとかいうことを
やったりとか。

ええ もう そういうのだらけですよ。

何か ここにカラーって
学ランだとあるんですけど

ここに白いのが ちょっと出るやつ。

あれ やっぱ
ちょっと もう外したいんですよ。

でも あれ1年のうちは
外しちゃいけないんですね。

その襟から飛び出ない
白いのが出ないタイプの

ちょっと低めの白いカラーは
2年になったら つけていいとか。

誰が決めるんだろうね。
それは 学校が決めるんじゃなくて

生徒の中で
暗黙のルールとしてあるんですよ。

自然発生的に こういうふうにね。
自然発生的に。

そういうのやってたら
呼び出されるみたいな。

誰も困らないのに
そんなロールアップしたって。

そういうのは でも
中学とか高校を卒業すれば

先輩になれば
抜け出せるじゃないですか。

それがないんですもんね。
ず~っと あるわけですもんね。

そうですよね。      そうだね。
ねえ。 ずっと。

どうなんだろう。

本当に 楽屋では ひどい目に遭ったなんて
言ってましたけどね。

小さん師匠との関係って
気になりますよね。

小さん師匠とは
その後 私が弟子に入って 前座の頃

小さん師匠と行き合ってるんですよ。
日比谷の芸術座というところで。 楽屋で。

桂 米朝師匠がいらっしゃって。
だから その楽屋の中に…

小さん 米朝って 宝物庫みたいになって。

談志と その小さんの喧嘩ですよ。
親子喧嘩。 すごいおかしかった。

どんな喧嘩するんですか?

米朝師匠としか
話できないんです 談志が。

で 目の前で ず~っと
小さん師匠が にらんでるんですよ。

談志のことを グ~ッと にらんでいて。
無言で ず~っと にらんでいて。

「ねっ 師匠ね」なんつって。
ず~っと 米朝師匠と 「ねっ」なんつって。

こういうね ジャブ ジャブ ジャブを
繰り返して。

そのうちに 小さん師匠が…

胴間声ですよ。 剣道をやっている人。
「大概にしやがれ!」。

「何を大概にするのかな」。
「お前はな そもそも生意気なんだ」。

「いや 生意気かどうかというのは
人の価値観の違いで」…。

すごい生意気じゃん もう!
寝技に引きずり込むんですよ。

で 小さん師匠は
まんまと そのままダ~ッと まっすぐ

談志に こうやってね からめ捕られて。

で そのまま
口喧嘩 親子喧嘩になってきて

言ったのが おかしかったなあ。
「よくね ガキの頃

師匠に たたかれましたよ」。
「いや たたいてない」。

「殴られましたよ」。 「いや 殴ってない」。
「殴られましたよ」。 「殴ってない」。

「いや 殴られました」。

小さん師匠のこと殴ってるんですよ
弟子なのに。

ええっ!? すごいですね。
うん 意味 分かんなかった。

何だろう? この人たちと思って。
そんな方が よく… 弟子にね。

普通だったら 弟子とか後輩って
あんまり よく分からないですけど…。

まあ ありえないですよ。
絶対に ありえないです。

自分に似た人を かわいがるんじゃないの。
まあ 普通そうですよね。

談志が 小さん師匠に言ってたのは

「甘やかしてたという歴史が
あるでしょう」と。

「あなたは師匠として 立川談志 弟子が
こういうムチャをするっていうのを

許してきた歴史があるでしょう」と。

「今… 今 この時点になってから ねえ
和室だから 靴を脱げとか

師匠の頭 引っぱたくなって
今更 言うっていうのは

これまでの自分を
否定することなんじゃないの」って。

そういう謎の理屈を
こね始めるわけですよ。

すごいなあ。 最強。
さすが!

「あなたが生んだんだ」と。
「あなたが こう育てたんだ」っていう。

まあ そうですもんね。

「欲しいものは 取りにいけ」
ということでしたけれども

バカリズムさんは
これまで どうしても欲しいもの

取りにいったっていうような
ご経験とかって あったりします?

僕は取りにいかないですね~。

何か やっぱり声をかけてもらうのを
待つというか

自分から 「下さい」とは
僕 言えないですね。

それ 言ってもらえるまで
頑張ろうみたいな。

何か どっかに取りにいってる自分が
嫌だというか

やっぱり それなりにプライドも
捨てなきゃいけないじゃないですか。

だから あんまり…
その辺は ちょっと世間の目というか

何か そういうのを考えちゃって
なかなか行けないですね。

私は何か 自分には
すごく優しくしようと思ってるんで…

人の男だろうが。
(笑い声)

大事なこと…。
取りにいくっていうね。

欲しいものあったら そう。

だって 自分の人生だもん。
なるほどね。

でも すごい好感 持つなあ。
自分より年下の人が先に昇進した時

「辞退しろ」って はっきり言うって
かわいい。

「昇進 辞退しろよ」というふうに
言ったってね。

それ すごいですね。
本当に取りにいってますもんね。

どうですか? あのセリフ お二人は。
いや すごい。

あれは なかなか言えないですよね。

もう いてもたってもいられなくなった
ってことですよね。

すごい すがすがしい。
何か直接的に言ってくれる方がいいよね。

ある意味 評価ですもんね。
そうか 確かにそうですね。

嫉妬してるぞということを
伝えるわけですから。

ああ そっか。
ねえ。 いや
多分うれしかったと思いますよ 何か。

あんな直接的に言われたら笑っちゃうね。
笑っちゃいますよね。

完全に ある程度 負けを認められてる
ということですから。

バカリズムさんは
ライバルという存在については

どう考えるんですかね?
考えたことないんですよね。

何か 仮に こういうところとかで

誰かライバル
例えば こういう人ですって言った時に

その相手が
自分をライバル視してなかったら

ものすごい恥ずかしいじゃないですか。
そんな…。

分かります?
何か 向こうが別の人を挙げてた時に

それは その時点で もう負けだから
だから挙げたくないです 考えたくない。

向こうがライバル視してなかった時の
恥ずかしさたるや 我慢できないんで。

だから
基本的に考えないようにしてますね。

向こうから
ライバル視してるって言われたら

普通に じゃあ 俺もライバル視しようって
なりますけど

両思いでありたいから ライバル視って。
真面目。

やっぱり賢いんじゃないですか
バカリズムさんね。

もっと浅はかにね 「お前 辞退しろよ」
とかっていう性質じゃない。

その辺りは ちょっと
談志さんとは真逆というか。

ですね。
すごいなって そこまで行けるって。

てれ屋だし てれ屋だけれども

てれの裏返しの露悪的なところも
あったしっていう。

一筋縄じゃいかない。

あと いろんな人脈を
お持ちだったようですけれども。

すさまじいですよ それは。 ええ。

だから 私なんか拝見してて そばにいて

政治家もそうですし あとは何だろう…
長嶋茂雄 ミスターだとか

石原慎太郎さんだけじゃなくて
石原裕次郎さんだとか 勝 新太郎だとか

まさにね 慕われてたりだとか 肩を並べて
おつきあいしたりだとかっていう

その層の すさまじいこと。

手塚治虫先生とかね。
へえ~。

落語の天才だったわけだから…

それが才能だもんね。
人たらしですよ。

人たらし 人たらし。 だから
もちろん厳しいところもありますよ。

前座の頃も けちょんけちょんにね
その 口を極めてですよ

こういう しゃべるのが上手な人が
もう私の精神から何から

ズタズタにするような言葉で…。
「じゃあ どうも失礼します」って

談志のところから帰る時に 背中越しに…

え~っ。
「あ~っ」て。

「この人に一生ついていこう」って
また だまされちゃう。

離れられなくなる。

何か イメージ
色っぽい感じがしちゃうよね。

色っぽいし
その場の空気をつかむのが上手だから。

そう スピークじゃなくてトーク
クロストークですよね。

お客さん たくさんいますけど
たくさんいるお客さんと

落語家とのクロストークで
息を合わせていってっていう。

談志が よく 手のひらの上に お客さんが
乗るという言い方しましたけど

うまくいく時は そういう感じですよ。
へえ~。

ですから 女性だとか あるいは
女性から見た男性と つきあう時も

相手のことをよく見て
相手と波長を合わせていくって

これはね モテますよ。

僕 以前 何かの談志師匠の密着か何か
テレビで見てて

本当に その辺の街を歩いてて
子どもと しゃべってるんですけど

普通の人は こうやって
かがんで しゃべるんですけど

談志師匠は ずっと
こうやって しゃべってるんですよ。

「いや 俺は かがんであげることをしない。
これは逆に この子に失礼だ」つって。

なるほどなと思いましたけどね。

室井さん どうですか? そういう姿勢
誰とでも対等というかね。

誰とでも…。 意外と 膝 痛いから
かがみたくなかった…。

(笑い声)
そうかもしれない。

もしかしたらね
それを何か いろいろ理由つけて。

でも これが何か…

私なんかは思っちゃう。

そうか。
何か それが すごく格好よかったですね。

確かに。
「人間として接したい」とか言って。

「欲しいものは取りにいく」。

人気者になった談志は
政界にも進出します。

落語家が落語だけやって
政治は政治の世界に任すなんていう

そんな常識的なやつが落語やったって

面白くも何ともねえだろうと
思ったんですよ。

「それ行け~!」って おっちょこちょいが
落語やるから面白いんでね。

1971年 35歳の時 参議院議員選挙に出馬。
最下位ながらも当選を果たします。

1975年には
早くも 沖縄開発政務次官に就任。

ところが 政務次官として初めて
沖縄海洋博を視察すると

事件が起きます。

二日酔いで記者会見に出席。

赤い目を隠すために
サングラスをかけて臨みました。

その態度にあきれた記者から
矢継ぎ早に質問を浴びせられます。

議員としての資質を問われ
追及されたのです。

ついには 「酒と公務と
どっちが大事ですか?」と聞かれると

こう言い放ちます。

この発言が物議を醸し 世間は炎上。

周囲から謝罪を勧められても
談志は かたくなに拒否。

結局 就任から僅か36日で

政務次官を
辞任せざるをえませんでした。

ところが この災いが
談志を新たな境地へと導いたのです。

政務次官を辞任した直後
談志が出演する寄席の前では

呼び込みが こう叫んでいました。

その時 談志は 自分が どう世間に
見られているかということを

改めて痛感します。

高座に登場する談志を待っていたのは
大歓声。

談志は一礼して 早速 こんなまくらを…。

自分のしくじりをネタに 会場は大ウケ。

記者会見で記者にかみつき
外に向けた刃を

あえて 己という内にも向けて
笑いを取ったのでした。

後に談志は「この時 芸に開眼した」と
語っています。

落語は 悪い行いをすれば
罰が当たるなどという

説教めいたものでも 美談でもない。

他人に対して辛辣にあたるだけが
毒舌ではない。

自分のしくじりさえも
笑いに変える。

人間の弱さや不器用さを隠さず愛する。

それが談志にとっての
落語だったのかもしれません。

度々 客と喧嘩をして
裁判沙汰にもなったこともある談志。

こんなまくらが残っていました。

東京都内の寄席からは 夜ごと

市民の または庶民の明るい笑い声が
響いたなんて ニュースにならない。

なると決まって
談志 また客と喧嘩ってなっちゃう。

(笑い声)

高座という客席より一段高みが仕事場。

そんな目は世の中だけでなく
自分さえもふかんし

芸へと変えていったのです。

外に向けた刃をね 自分にも向けた
ということでしたけれども

室井さんは いかがでした?

意外と 自分のことを評価 下したりとか
どういうふうな人間だって…

だから それをやった人なのかなって。

やっぱ 芸人の場合は
コンプレックスだったりとか

失敗とかはネタになるし
すごい いいことなんですけど

ここまで 体 張り過ぎというか
立候補してとか そこまでの規模での…。

その時は もちろん ちゃんと 政治家に
なるつもりだったんでしょうけど

最終的に それをまた
ネタにするわけじゃないですか。

もしかしたら こういったところで
また そういう話をされることまで

計算に入れて やってたのかなっていう。

当時は だって
ちょっと びっくりするじゃないですか。

いきなり 落語家から政治家になるって。

ここまで来ると。
なるほどね。

当時は 主にマスコミに

たたかれたりということもあったと
思うんですけど

今はね
SNSっていうものもありますから

一般の人たちからも
たたかれるっていうか

炎上ということもあったりしますけれども
室井さん その辺りって どうですかね?

全然気にしない。

何か 他人が どう思ってるかとか
あんまり気にしないですね。

私 基本は あんまり人を そんな…
自分のことしか興味がないよね。

う~ん 僕も気にしないというか

もう気にする前に
見ないようにしてるっていう感じ。

どうせ悪いこと言ってるに
決まってるって決めて

もう見ないようにしてれば
まあまあ大丈夫かなという感じですよね。

いろんな考えがある中でね…

今みたいに SNSが発達して
なんていうような時代に

談志みたいなことを言ってたら
まあ それは大変でしょう。

でも言ってたと思う。
何か変わらなそうですね。

ですから ひょっとして
談志が言ってることによって

今 この世の中で 談志が元気で…

何にでも 何でも文句言う人って
いるじゃないですか。

多分ね パーセンテージは
少ないのかもしれないけれども

でも そういう人たちの主張というのを
そのほかの人たちが

どう接すればいいのかというのはね
進むんじゃないかな。

接しなくて本当はいいんじゃないの。
何か 多分 自分の今の状況が嫌だから

あたってるっていうとこが
すごくあると思うよ。

そうですよね。
だから 気にしなくていいんだと思う。

攻撃を受ける側というのが
まともに対応しなくちゃいけない

例えば 官公庁だったり
企業だったりするわけですよね。

だから そこの間に挟まって 例えばね

談志なんか出演させるなっていう話が
どこかの会場 ホールにいったと。

そうしたら 談志は 多分ね
本当に行かないと思うんですよ。

「行くなというやつがいるから行かないよ。
でも 損害賠償は そいつにしなさいね」。

まあ そうですよね。  ひょっとしたら。
賢い。

というような 何かこう 動きがね
あるんじゃないのかな。

今の時代に どう談志さんが
対応したのかというのも

ちょっと見てみたかった。
でも そのままな気がする。

やっぱり 何か 談志さんが すごい…

うんうん… それは間違いないですよ。

それがあるというのは大きいですよね。
なるほどね。

政治の世界に飛び込んだという話も
ありましたけれども

マルチな活動といいますと
バカリズムさんもね

脚本家ですとか 俳優としても
活動されてますけれども

それは
どういう思いがあってなんですか?

芸人として培ったものを
ただ応用しているだけなので

演技に関しても
別に コントで演技やってるから

そのままやってるだけなので
僕としては

別の仕事をやってるつもりは
ないんですよね。

たまたま 僕が… 今まで…

それで やらせて頂きます
という感じなんですけど。

あなたにしかできませんって
言われたらとか

これ 今まで誰もやってないんですって
言われたら

やりたくなっちゃう感じですよね。
ほら 今度の参院選に向けて

政府から お声がかかって

「いかがですか」と口説かれたら 弱そう…。

さあ でもね 今日のメニューですけれども
「二度と作れるもんか!

勝手気ままな破天荒汁」
ということだったんですけれども

立川談志さんに見る
常識にがんじがらめにならない知恵って

どんなことだと思いますか?

う~ん やっぱり 多分 破天荒な人って
たくさん 今までいたと思うんですよ。

成功したのが談志師匠であって。

我々が知ってるのは
成功例しか見てないから

格好よく映りますけども
それだけ勇気もいると思うし

だから 自分は なかなか そこは…。
あと 破天荒に見せてる 真面目者…。

いますよね 実はね。
一生懸命ね。

実は すごい
ちゃんと裏で全部やってるとか。

ここまで本物の破天荒は
リスクが大きすぎて

なかなか勇気はないと思いますね。
なるほどね。

私は 何か やっぱり自分に対する…

殺すんなら殺せよって。
そんな覚悟ですよね。

とりあえず ここね 長いものに
巻かれとこうみたいなふうに

みんな なっちゃうわけですけども

そこを 先頭 切ってね
やっぱ 突き進んでいくから

みんなに そういうふうに
できない人たちに愛されたり

尊敬されたんじゃないかなと思いますね。

さあ 談志さんの人生は
まだまだ続くということでね

また ちょっと 次回も その辺りを
お話しできればと思いますので

今日は どうも
ご来店ありがとうございました。

♬~


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