アナザーストーリーズ「ノストラダムスの大予言~人類滅亡の狂騒曲~」なぜ日本で大流行したのか?出版社は予想外の恐るべき…


出典:『アナザーストーリーズ「ノストラダムスの大予言~人類滅亡の狂騒曲~」』の番組情報(EPGから引用)


アナザーストーリーズ「ノストラダムスの大予言~人類滅亡の狂騒曲~」[字]


「1999年7月、人類は滅亡する!?」ノストラダムスの予言は、なぜ日本で大流行したのか?出版社は予想外の恐るべき騒動の渦中へ!世界が狂騒したアナザーストーリー!


詳細情報

番組内容

「1999年7月、人類は滅亡する!?」16世紀フランスの伝説的な占星術師ノストラダムスの予言は、なぜ日本で大流行したのか?彼の予言を解説した新書が日本で発売されたのは1973年。それは出版社が想像もしなかった恐るべき大騒動を巻き起こしていく。その驚きのてんまつとは?さらに破滅が始まると名指しされたフランスの町の大騒動や、世界的学者が巻き込まれた日本の事件など、世界が狂騒したアナザーストーリー!

出演者

【司会】松嶋菜々子,【語り】濱田岳




『アナザーストーリーズ「ノストラダムスの大予言~人類滅亡の狂騒曲~」』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数ベスト20)

そんなコト考えた事なかったクイズ! 玄米の「玄」って何?太陽が昇る方角は?
  1. ノストラダムス
  2. 予言
  3. ショマラ
  4. パコ
  5. ラバンヌ
  6. 恐怖
  7. 日本
  8. 意味
  9. 会社
  10. 言葉
  11. 麻原
  12. 滅亡
  13. 予言書
  14. 宇宙ステーション
  15. 研究
  16. 世界
  17. 大王
  18. 地方
  19. 当時
  20. パリ


『アナザーストーリーズ「ノストラダムスの大予言~人類滅亡の狂騒曲~」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


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覚えているだろうか? あの予言を。

それは 世界を騒がせた。

ノストラダムス・ブーム。

その 知られざる真相。

♬~

私が小学生の頃 人類滅亡の時が来たら
どうしようと

不安になったことを覚えています。

フランスの占星術師
ノストラダムスが

450年前に書いたとされる
なんとも謎めいた予言。

一体 恐怖の大王とは何なのか?

壊滅的な…

それとも…

謎が謎を呼び 人類滅亡の予言は

世界各地に広がったのです。

ヨーロッパでは古くから語り継がれてきた
伝説の予言者だ。

代表作…

前書きによれば彼は

未来に起こる
大事件や災害を

詩の形で予言したという。

その詩は 難解で…

だが 200年後のフランス革命や

ナポレオンの登場を予言した箇所が
見つかったとされ

みるみる信奉されていく。

その影響が大きかったことは

第二次世界大戦中 ナチスが
イギリスの敗北を

ノストラダムスが予言したと

宣伝した事実からも読み取れる。

対するイギリスは

ノストラダムスはヒトラーの
破滅を予言したという

ニセの文書を わざわざ ばらまくに至る。

(雷鳴)

そんな いわくつきの予言書に

20世紀末としか読み取れない
箇所があった。

これが 騒動の発端だった。

運命の分岐点は
人類が滅亡すると言われた…

その予言が最も広く浸透した国が
日本でした。

20世紀後半に出版された
ノストラダムスの本は…

もう世間は その話が非常に
こう盛り上がって

ノストラダムスっていうのは
頭の中に言葉は入っています。

「滅亡する」 これが一番やっぱ
強烈に残ってますね。

めちゃくちゃ はやりましたよ やっぱり。

一体なぜ ヨーロッパから
遠く離れた日本で

こんな現象が起きたのでしょうか?

その奇抜な本を出版した男たちが
第1の視点。

手がけたのは 創業3年目
船出したばかりの小さな会社でした。

そのシリーズは やがて 当人たちの想像を
はるかに超えた事態を巻き起こします。

一獲千金を夢みた男たちの

驚くべき アナザーストーリー。

♬~

あの予言が
日本に上陸したのは…

高度経済成長が
終わろうとしている年だった。

11月 書店に並んだのが この新書。

「大予言」という
なんとも怪しいタイトル。

だが なぜか 飛ぶような売れ行きを
みせることになる。

いや まさに狂騒ですよね。 狂騒曲です。

一体なぜ こんな現象が起きたのか?

実は あの本 ひょんな成り行きで
作られたものだ。

そう証言するのは 「大予言シリーズ」
最後の担当編集者…

急きょ出版することになった経緯を
こう聞いている。

73年の9月ぐらいに
出さなきゃいけないはずの

出版計画に のっていた本が
出なくなって

会社としては非常に焦っていた
っていうんですね。

祥伝社は当時
大手出版社から独立して3年目。

社員数 僅か二十数人の
小さな会社だった。

看板シリーズは…

既存の価値にノンを突きつけろ
という意味だ。

面白そうなら何でもござれ

現代人の
心の病を救うという 般若心経から

セックスの悩み解消法まで

新知識を ふんだんに紹介した。

この小さな会社にとって
新刊本が出せないのは死活問題。

予定した本が頓挫した時
代替案として上がったのが

あの名前だった。

持ち込んだのは…

週刊誌で 殺人事件から
ご成婚ブームまで

あらゆるネタを追いかけてきた
ルポライター。

学生時代 フランス語の先生が語った
不思議な予言者の名前が

以前から気になっていたという。

ともかく早く1冊 出さなきゃいけないと。

じゃあ ノストラダムス
これ非常に面白そうな人で

すごい人だって 五島さんが
それだけ言うんだったら

この人に絞って やってみようよ
っていうことになって

急きょ もう大急ぎで
原稿を書き始めたっていう話でした。

実は ノストラダムスの詩自体は 極めて…

(雷鳴)

なにやら含蓄はありそうだが

このままでは意味が分からない。

そこで五島は
英語の研究書を参考にし

独自の解釈を
加えていった。

2か月後 上がってきた原稿は…。

これまでに見たことのない
不思議な内容だった。

本の冒頭は
ノストラダムスが医師として

ある町のペストの流行を ぴたりと止めた
という逸話から始まる。

強烈な超能力で
300年後の医学的知識を知り

ペストを食い止めた男だと。

続いて 王の死を予言し

ノストラダムスは
奇妙な病気で

死んでいった。

そして
その言葉は

「四百年前に
今日を

完全に予言した」
として…

公害までが言い当てられていると
つづられている。

その年の春 小松左京のSF
「日本沈没」がヒット。

突然 日常が壊れる危うさが
ブームになっていた。

それと同じ危うさを
ノストラダムスの予言は突きつけた。

その究極の箇所が あれだった。

ノストラダムスの詩の中で

明確に年が記されているのは 僅かに3つ。

2つは 17世紀のことだ。

五島の文章は その大胆な解釈に
多くのページが割かれていた。

降ってくる恐怖の大王は 核兵器か?

はたまた 大気汚染か。

果たして出版社の人々の反応は?

自分の家族をね 当てはめてみた時には
やっぱり 愕然としましたよ。

朝来るまで ほとんど
一睡もしなかったと思います その日は。

当時もう子供3人いましたから
寝顔を見ながら

「いや こいつらは ほんとに99年までしか
生きないのか。 生きられないのか」とか。

一瞬ね やっぱり特に
夜 読んでるから

怪談話じゃないですか 一つの。

これは もしかしたら本として
すごいことになるよという予感は

ちょっとしましたね。

一方 当時役員で…

う~んと これがねえ
まあ 彼には悪いんだけど

僕は あの… なんつったら あんまり…

人柄が ちょっとひねくれてるせいも
あるんでしょうけど。

と 反応は さまざまだったが…。

何しろ 中世の怪しい予言書という
インパクトは抜群。

かくして 出版準備が整っていく。

販売に向けて宣伝を担当したのは
若手の高木だった。

この あおりに あおった
新聞広告を出すことになる。

とにかく同時は
ノストラダムスの肖像画自体が

日本にあったっていうのが
分からなかったものですから

だから デザイナーに想像させて
ヨーロッパの荒野を ふらふら歩く

予言者風のイラスト描いてくれと。
これ 下手な絵ですよ。

だけどね 不気味さを出すにしては
すごかったんだけどね。

この 「ゲーテも絶賛した
『禁断の書』」という

これがね
このゲーテっていうのは

相当 効いたんじゃないかと
思うんですよね。

ほんとは ゲーテが
絶賛してないんだよな。

ほんとは どういう人なんだか
よく分からない。

いや 分かんない。

ちなみに
ゲーテの文は こうだ。

ただし 語ったのは

小説 「ファウスト」の主人公。

ゲーテ本人が信じていたかどうかは
分からない。

なぜ こんなにも
あおった広告がなされたのか?

それは この本の特殊なつくりにも
関係している。

実は 最後の数ページに こんな文章が。

書かれているのは
滅亡への道を阻止するためには…

これが 著者 五島のメッセージ。

まずは不安を あおってから

最後に 避ける道はあると
ひっくり返すのが五島流。

そんなつくりだからこそ
広告も振り切り

「人類滅亡」 「的中率99%」と宣伝した。

「大予言」の この文字には

ひび割れ入れてみよう
っていうことで

そういうことを どんどん やってる
時点で楽しくなっちゃって

これは ほんと売れるかも
分かんないぞという話になった。

書籍担当の役員さんなんかは
「ちょっと怖くなってきたな」なんて

はっきり言ってましたからね。
もう亡くなりましたけどね。

「ひび割れしたら 震えが来るような
感じだね」なんて言って。 うん。

当時の資料は 未整理のまま。

だが今回 貴重な資料が発見された。

経営陣が どのくらい売れると
思っていたかを示す資料だ。

これですね。

ノストラダムスの大予言の
重版関係の資料を

まとめたノートなんですけど

役員が自分のために作ったノートなんで

他の人 ちょっと見たことないと思います。

これは みんな 下手くそな字は私の字。

ノートを まとめたのは 藤岡。

新刊を何部販売するかは 彼が決めていた。

というぐらいのところが
おおよその基準でして。

それで この本は…

つまり よく分からない本。

上層部は 期待していなかった。

だが発売するや 意外な事態が起きた。

早いうちに反応が出たわけですよ。

東京駅の書店に

出来立ての本を 20冊 持ってって
女性に 並べてよって頼んで

店長と昼飯食いにいって帰ってきたら
女の子が真っ青な顔して。

「置いてないじゃない」
って言ったら…

実は本の発売は
ふたつき ずれ込んでいた。

その間に
とんでもない事件が発生していた。

第4次中東戦争を皮切りにした…

日本から石油が

いや 何もかもなくなる
という大パニック。

現代に忍び寄る危機は
それまでも指摘されていた。

ゴジラだって
公害怪獣へドラと戦っている。

それでも どこかで他人事だった危機は
このオイルショックで現実の恐怖となる。

あの本が売り出されたのは
まさに そのパニックの さなかだった。

根本的なルールが ガラッと変わって

これから世の中どうなるんだろう
っていうようなことがあり

毎日 私たち朝
学校に行くと朝礼の時に

今日 光化学スモッグ注意報が
出てるとか

だから朝礼は やらないとか

朝礼の最中に失神して倒れちゃう女の子が
2人ぐらい いたりとか。

ニュースとかテレビとか見れば
米ソ冷戦 真っただ中ですよね。

ICBMを お互いの陣営が
どんどん増やしていって

どっちかが間違って 核ボタンを押したら
おしまいだっていう雰囲気が

常時ありました。

その時のね。

本は売れに売れ

祥伝社には すぐに重版の要請が かかる。

だが 責任者の藤岡は渋った。

あの奇想天外な本が
そんなに売れるわけがない。

私の経験だと…

…っていうのがね
出版界では話題になってて

ベストセラーが出たあと
半年で会社が潰れた。

調子に乗って重版した出版社が
在庫を抱えて倒産した例が

頭から離れなかった。

慎重な藤岡が決めた重版は
たった 5, 000部。

これが更なる混乱を巻き起こす。

幻の本扱いされ
更にヒットに火が付いたのだ。

書店の担当者も必死ですよ。

実際いましたよ。

そういう話もありましたよ。

割を食ったのは

書店からの矢のような催促に
対応させられていた

出版社の新人だった。

小池君っていうんだけどね

電話切った途端にね
ホロリホロリって泣いてるの。

どうしたんだと思ったら
本屋に さんざん怒られて。 電話でね。

慌てて重版しようにも
オイルショックで紙が手に入らない。

ようやく大量重版に
こぎ着けたのは年明け。

100円 値上げしたにもかかわらず

飢えた客たちが
恐ろしい勢いで持ち去った。

これは 1月20日の販売実績。

僅か3時間で 279冊。

1分で1冊以上 売れたことになる。

…っていう言葉を発明したんですけど

「足りない」って言うと欲しがる。

現代に警鐘を鳴らした内容が評価され
すぐに映画化。

なんと 文部省推薦の お墨付きを受ける。

だが このブーム
想像を超えた落とし穴が待っていた。

どうせ 人類が滅亡するなら
生きていても意味がない。

そんな未来なら 赤ちゃんを産みたくない。

読者の裾野が どんどん下がっていって

小学校の3~4年生
低学年の子まで読むようになって

ある日 会社に べそかいた小学生から

「地球は なくなっちゃうんですか?
人類みんな死んじゃうんですか?

お兄ちゃんが言ってました」みたいな
そんな電話が かかってきて

その当時の その担当役員が
しばらく頭を抱えていて。

大人向けだからこそ
あえて あおった内容。

いや警告なのだと訴えても
もはや収まらなかった。

恐ろしい反応だったですよね。

ちょっとね 世の中 騒がせすぎたんで
頭 冷やした方がいいだろうって。

立て続けに出せば これは
いわゆる商業主義で 「売らんかな」だし。

実際そういう新聞宣伝も だから
だんだん これは やめましたから。

あおるってことはね。

以後 ブームは ゆっくりと沈静化。

だが 人類滅亡の予言だけは
長く尾を引き続けた。

20年後 オウム真理教が
信者の獲得のために

ノストラダムスの滅亡の予言を
利用していたことが判明。

関係者たちは再び 非難に さらされた。

地下鉄サリン事件のあとですね
会社に電話が かかってきて

お前のところが こんな本 出さなければ
うちの息子はオウムに入って

もう2年も帰ってきてないんだけど
こんなことに ならなかったんだ

どうしてくれるんだ
みたいな話っていうのは

まあ 連日のように
電話が かかってきました。

嫌ですよ それは。

でも ぬれぎぬだって言っても
ご理解頂けないですしね。

とはいえ 謝るわけにもいかないし。

著者の五島は近年
インタビューで こう答えている。

そして あの 「7の月」…。

それは かつての狂乱などウソのように
静かに過ぎていった。

「1999年 7の月」は
日本では あっけなく過ぎていきました。

しかし あの時 リアルな騒ぎに発展した
場所があります。

ノストラダムスの母国
フランスの とある町。

恐怖の大王は
まさに この町に降ってくると

突如 名指しされてしまったからです。

その説を唱えたのは

パリで絶大な影響力を持つ
カリスマデザイナー。

恐怖の大王の正体は…

地球に落下し 火の玉と化した
宇宙ステーションだと主張しました。

この騒ぎに翻弄された町のリーダー
フィリップ・マルタンが 第2の視点。

彼らは 町をあげて
独自の行動を起こします。

「世界の破滅は まさに
お前の町で始まる」。

そう名指しされた人々の
ただでは済まない アナザーストーリー。

名指しされた町は 全部で5つ。

そのうちの1つが
この のどかな田園地帯にある。

この地方に点在する
教会を中心に栄えた町の1つ オーシュ。

パリから 遠く600キロ以上
今も古い町並みが残る。

当時は 評議会 会長を務めていた。

ノストラダムスの名は
もちろん知っていたが

まさか 滅亡の町と名指しされるとは
思ってもみなかった。

とにかく驚きましたよ。

私たちの町が突然 宇宙ステーションの
標的になったんですから。

だから あの予言を聞いた時
怒りが込み上げてきました。

単なる予言に なぜ彼らは
怒らねばならなかったのか?

しかし この町の人々にとって
それは見過ごせない危機だった。

この地方の歴史は
古代ローマ時代にまで遡る。

主な産業は 広い丘陵地を生かした牧畜と
ブランデーの生産。

だが 20世紀後半 人口は減り続けていた。

そんな中 町の活性化を図ろうと
力を注いだのが観光業。

特別大事に育ててきたイベントがあった。

毎年夏 この地方の村で開く
ジャズ・フェスティバルだ。

地元経済を支える
最重要イベントになっている。

(雷鳴)

あの年 パリで発信された
ノストラダムスの本は

どういう根拠か…。

「恐怖の大王はオーシュに降る」と予言。

その時期は あろうことか
ジャズ・フェスティバルの真っ最中。

一年で最大の書き入れ時だった。

私は あんな予言 信じていませんでした。

笑い飛ばしてしまいたかったです。

もちろん 取るに足らない予言。

…のはずだったが。

著者の大物デザイナーは やたらと精力的。

テレビや雑誌に顔を出しては

「とにかく逃げろ」と
熱を込めて話して回る。

ついには 国営テレビにまで。

8月11日に 多くの人が死ぬ。

信じていない人がいるのは とても残念だ。

大勢の人を見殺しにできないから
言っているんだ。

見殺しにしたら 眠れなくなるよ。

パコ・ラバンヌは
オーシュの名を挙げては

危険だと呼びかけ続けた。

ここまでくると 放ってはおけなかった。

パコ・ラバンヌに対して
訴訟を起こすことにしたんです。

彼の予言で
この地方のイメージは悪くなり

その結果
経済的損失は ばく大になるからです。

彼が本気で言ってるので
こっちも本気を見せないとね。

私が予言を信じていなくても

もしかしたら
大勢の人が信じるかもしれません。

予言を恐れて 観光客が減少したら
どうしようと心配でした。

地元新聞も 本格的な反論を決める。

私が記事で訴えたのは
パコ・ラバンヌへの警告でした。

「あなたの でたらめな話が
この地方の経済に

どんなにマイナスなのか
分からないのか?」とね。

怒りを込めた記事の見出しは…

「予言を撤回し 謝れ」と 主張を展開した。

だが パコからの返答はなし。

両者の全面衝突は
もはや避けられない事態となった。

ところで この男
なんだって そこまで

ノストラダムスの予言に
こだわったのか?

パコ・ラバンヌといえば
日本でも多くの女性が知っている大物。

パリコレの常連で
今更 注目を集める必要もない。

実は あの予言に こだわった裏には
悲しい歩みが隠されていた。

パコ・ラバンヌは スペインの生まれ。

3歳で ゲルニカの空爆を経験している。

歴史上初めての無差別爆撃。

ピカソも生涯 心に刻んでいたという
あの悲劇だ。

17歳でフランスに亡命したあとも

パリの町が燃え上がるイメージを
度々見たという。

パリで人々が生きたまま燃えている姿が
見えたんだ。

セーヌ川に飛び込んでも
まだ燃えていたよ。

もし これが神の啓示だったとしたら?

自分が果たすべき責任を
ずっと考えていた パコ。

その思いは あの予言書を見た時
はっきり形を成した。

読み進めるうち
ある文字に出会う。

オーシュといえば ある逸話がある。

この場所は
「ノストラダムスの塔」と呼ばれています。

彼が この地で教師をしていた
という伝説が残されています。

そう ノストラダムスゆかりの地なのだ。

とすると
この町が関係するのではないか?

そんな折
研究者から気になる話を聞いた。

ロシアの宇宙ステーション「ミール」が
老朽化して落下のおそれがあるという。

しかも 「7の月」に極めて近い
8月11日には

20世紀最後の皆既日食が
観測されるという。

ノストラダムスゆかりの地。

宇宙ステーションの落下。

皆既日食。

これこそ天変地異に違いない!

となれば 彼は 自らの責任として

「逃げろ」と警告せずにはいられなかった。

対立していたマルタン。

ある作戦を思いついた。

それが どんな作戦だったのか

運命の日の映像を ご覧頂こう。

♬~

フェスティバルは 予定どおり開催。

太陽が欠け始める。

みんなが日食を見るために
こんな眼鏡を掛け始めたんです。

こんなふうにね。

町は 現実離れした雰囲気に
包まれました。

みんなが息を殺し
固唾をのんで見守っていました。

何が起きるのか?

その緊張が収まった頃…。

やおら住民が騒ぎ始めた。

宇宙ステーションが降ってきたと
叫びながら

飲めや歌えの大騒ぎ。

題して 「世界の終わり」祭り。

これが マルタンのたくらみ。

あの予言を逆手にとって
地方一帯を盛り上げた。

狂乱騒ぎだったよ!
パーティーは よくするけど

あの日は特別だった。

なんたって 世界最後の日だからね。

あの騒ぎで 農家の貯蔵庫が倒れたんだ。

そこに 「本物の宇宙ステーション」と
書いてあって

あの時は さすがに笑ったよ。

やあ!

住民は ノリノリでコスプレを楽しんだ。

彼は仲間と ヘルメット姿で練り歩いた。

頭は大丈夫。 けど 肩はヤバいね!

この祭りを仕掛けたマルタンは

相手のパコにも 招待状を送っていた。

パコ・ラバンヌに招待状を送り

「何も起こらなかったことを
一緒に確認しよう」と誘いました。

「楽しく飲んで すばらしい一日を
過ごしませんか?」とね。

パコを迎える準備はできていた。

それが このTシャツ。

この計画 町長までも加わっていた。

私は マルタンから計画を聞き
すぐに「いいね!」って賛同したよ。

あの日は みんなが祝いたい気分で

パコ・ラバンヌの健康を祝して
乾杯する人までいた。

おっと でも それは
やりすぎだろうと思ったけどね。

対立を 際どい笑いに変えるのは
この地域の伝統。

庶民の知恵だ。

しかも このバカ騒ぎを宣伝して
例年以上の客を呼んだのだから…。

いやはや したたか。

この地方では
ユーモアで人を からかったり

自分をネタにして笑うことを
大切にしています。

だから 風変わりな お祭りが
いっぱいありますよ。

ユーモアこそが我々の精神なんです。

結局 パコ・ラバンヌは来なかったが

住民は もう彼を恨んではいない。

パコ・ラバンヌに
ありがとうと言いたいよ。

だって 災難をもたらすどころか
田舎町を宣伝してくれたんだからね。

あなた方と話していたら
いいことを思いつきました。

今年の夏
パコ・ラバンヌを招待しましょう。

今度は来てくれるかもしれませんしね。

とにもかくにも人騒がせな
ノストラダムスの予言。

しかし なぜ 450年も前の言葉が

その後も色あせず 力を持ち続けたのか?

その謎に魅せられ 研究を続けてきた
世界的権威が 第3の視点。

長年の研究の末
ある発見に至ったことを明かしました。

その発見とは?

そして ショマラもまた
予言を巡る数奇な縁に

のみ込まれていったのです。

450年前 ノストラダムスの予言集が
出版された町…

男は ノストラダムスを
45年にわたって研究してきた。

彼が半生をかけて集めた関連本は

今 市立図書館に収められている。

世界屈指の規模だ。

なぜノストラダムスは
古来 人の心を捉えてきたのか?

古書の歴史を調べる学者である
ショマラは

その問題に関心を寄せてきた。

はっきり言いますが…

その意味とは?

そもそも ショマラが興味を抱いたのは

なぜノストラダムスの関連本は
こんなにも多いのか ということだった。

予言集だけでも
170以上のバージョンがあり

研究者によれば
「一つとして信頼に値しない」。

もともと難解な内容なのに加えて

古いフランス語で書かれており
意味が取りにくい。

そのため 誤訳や勝手な解釈が横行し

もはや 何が正しいのか
分からない状態だった。

そこでショマラが とったのは
シンプルな方法だ。

できるかぎりオリジナルに近い書物を
探してみること。

10年にわたる努力の末
ついに見つけたのが これだ。

450年前に出版された 予言書の初版本。

これまで
世界で2冊しか見つかっていない。

前書きで ノストラダムスは

「西暦3797年まで見通した」と
書いているんです。

ということは つまり
少なくとも その時まで

世界の終わりなど来ない
ということです。

あの本を持ってきて。

そしてショマラは 初版本を
そのあとに出された本と比較。

ある からくりを発見した。

これは…

ご覧のとおり
活字は 44番で終わっています。

ところが 手書きで
45番目の予言が加えられているのです。

確かに この部分だけが

手書きで書き加えられている。

なにやら 国内の内戦を

予言するかのような内容だ。

実は当時
実際に反乱が起きたばかり。

あたかも予言されていたように
誰かが書き加えたのだ。

売れるよう 出版社がやったのでしょう。

更に 予言書の改変は続く。

第二次大戦中 ナチスとイギリスは

勝手な解釈と
でっちあげの予言を作り

戦況を有利にしようとした。

こうした何百年にわたる改ざんが

あの的中伝説を つくり上げたのだ。

だが そもそも なぜノストラダムスは
こんな人騒がせな本を書いたのか?

ショマラは その足跡をたどった。

ノストラダムスが生きた時代
フランスには

ペストが まん延していた。

大学で医学を学んだノストラダムスは

その治療に奔走したと言われる。

最新の知識を庶民に広める活動にも
精力を傾けた。

これは 体にいい化粧品や
ジャムの作り方を解説した本。

かなりボロボロでしょう。

料理本なので みんな
これを見ながら料理したのでしょう。

そして 69ページが面白いのですが
何が書かれていると思いますか?

媚薬の作り方ですよ。

ちょっと恥ずかしがり屋な人でも
恋ができるよう

書いたんじゃないでしょうか。

マッコウクジラの腸内にある結石
「竜涎香」を

煮込んだ香りが効くんだとか。

そして彼が 最先端の科学の恵みとして

庶民に伝えたのが…

星の動きをもとにした正確な「暦」は
必需品。

特に人気を博した秘密が これだ。

今で言う…

ひとつきごとに
こんな詩も つけている。

そう。 あの予言集を
ほうふつとさせる表現。

とすると それを暦につけた意味は?

「残酷な3月」「恐れさせる」とありますが

3月は季節の変わり目。
冬は まだ終わらないという意味です。

つまり
よく起きることが書いてあるのです。

それは 2019年3月にも
当てはまるかもしれません。

人々は 未来に起きることを
事前に知ることで

安心したいんですよ。

ショマラは
この詩は 今でも よくある

天気予報のようなもの
だったと考えている。

予言書も同じ。

警告的な表現で 注意を引き…

…と伝えるのが
ノストラダムスの やり方だったと。

もう一度 あの部分を読んでみよう。

人類滅亡の予言だ。

「恐怖」という言葉で始めて
「幸福」で終わっています。

最初の2行は
おおむね不安がらせるものですが

次の2行で補って
釣り合いを取っているのです。

そこには「大きな希望」があります。

私にとって彼は
偉大なヒューマニストです。

何と言いましょうか 彼を研究し
著作に触れると分かるのです。

ショマラは 誤った伝説に
振り回されてはいけないと

警鐘を鳴らしてきた。

だが何百年もの間 重ねられた誤解は
簡単には解けない。

そしてショマラは ある訪問を受ける。

あれは 1989年でした。

忘れることは できません。

30年後に また来ることになるとは…。

あのホテルで 麻原と会いました。

彼の周りには 付き人がたくさんいました。

長い間 話しましたよ。

ショマラに面会を申し込んできたのは…

その時の写真が 教団の本に載っている。

ショマラに
好意的に迎えられたとしたうえで

「1999年7月に人類は滅亡すると考える
研究者が圧倒的に多い」と

まとめている。

だが ショマラによれば
会見の印象は違う。

麻原は 私に

教団の広告塔に
なってほしいと言ったのです。

何のことか分かりませんでした。

そして おかしなことを言い始めたんです。

ノストラダムスの…

日本や富士山について
書かれていないかと。

私は 冷静でいるよう努めました。

そして 麻原に ノストラダムスの知識は
ヨーロッパに限られていたはずだと

説明しました。
しかし 納得がいかないようでした。

話し合いはピリピリした雰囲気で
終わったのです。

麻原は 自分の思いどおりに
私が話さないと思ったのでしょう。

この訪問が何をもたらしたのか。

あの地下鉄サリン事件で
ショマラは全てを知った。

事件後 ショマラのもとには
マスコミが殺到。

事件に責任があると
非難されたこともあった。

麻原と会ったことで

多くの人が オウムの事件を挙げて
私を責めました。

全てはノストラダムスのせいだとね。

麻原と会ったのは
あれが最初で最後でしたが

第2第3の麻原が来るかもと考えると
怖いですよ。

誰がどう利用するかは 今後も分からない。

それでも 長年
ノストラダムスを研究してきたことに

後悔はないという。

ノストラダムスは この世の終わりを
告げる者だと言われていますが

未来は 3797年まで続くのですよ。

人々を安心させるために

私は 人生の全てを
研究に費やしていくつもりです。

さまざまな欲望が渦巻き

まことしやかな伝説が つくり上げられた
「ノストラダムスの予言」。

その言葉は
無事に21世紀を迎えた今もなお

新たな解釈を生み続けています。

ある人は言います

「今 世界を覆うテロの連鎖こそ
恐怖の大王の正体である」と。

信じるも自由。 笑い飛ばすのも自由。

それでも 「予言」という謎めいた言葉に
なぜか心惹かれてしまうのは

私だけでしょうか?

いや~ 分かんない。

ところで もし
「伝説の予言書」という いわくを離れて

タイトルどおり 詩として読んだら
どうなんでしょう?

う~ん 皆さんは どう感じますか?


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