コズミック フロント☆NEXT「史上初!ブラックホール直接観測」強烈な重力を持つ魔の天体・アインシュタインが予言した謎の…



出典:『コズミック フロント☆NEXT「史上初!ブラックホール直接観測」』の番組情報(EPGから引用)


コズミック フロント☆NEXT「史上初!ブラックホール直接観測」[字]


強烈な重力を持つ魔の天体・ブラックホール。アインシュタインが予言した謎の天体だ。このブラックホールを直接観測しようという史上初のプロジェクト。最新成果を報告!


詳細情報

番組内容

強烈な重力を持つ魔の天体・ブラックホール。アインシュタインが予言した謎の天体だ。このブラックホールを直接観測しようという、史上初のプロジェクトが進められている。世界各地の望遠鏡をネットワークで結んで、仮想的に地球サイズの巨大望遠鏡を作ったのだ。しかし、10年に及ぶ準備期間をへて始まった観測では、次々とトラブルが発生。研究者たちに難題が襲いかかった。果たしてその結果は?最新の研究成果を密着報告!

出演者

【語り】萩原聖人,中條誠子,【声】宇垣秀成,樫井笙人,植竹香菜,河本邦弘,佐々木啓夫,土田大




『コズミック フロント☆NEXT「史上初!ブラックホール直接観測」』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数ベスト20)

コズミック フロント☆NEXT「史上初!ブラックホール直接観測」
  1. ブラックホール
  2. 観測
  3. 望遠鏡
  4. ドールマン
  5. データ
  6. 画像
  7. プロジェクト
  8. 中心
  9. 天気
  10. 研究者
  11. 問題
  12. ハワイ
  13. メキシコ
  14. 時間
  15. 方法
  16. 作業
  17. 南極
  18. ガス
  19. チーム
  20. ティラヌス


『コズミック フロント☆NEXT「史上初!ブラックホール直接観測」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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今 天文学史上 前例のない取り組みが
進められています。

それは…

強烈な重力で
あらゆるものを吸い込む天体…

その中心には 文字どおり

黒い穴があるとされています。

でも この黒い穴

直接観測されたことが
一度もないのです。

そこで 世界中の科学者
200人以上が参加し

ブラックホールの撮影に
挑みました。

使うのは 世界6か所にある電波望遠鏡。

なんと
これらの望遠鏡をネットワークで結び

地球サイズの超巨大望遠鏡を
作り出そうというのです。

誰も成し遂げていないことを
切り開こうとしています。

科学の歴史の金字塔ではないかと
思います。

準備に要した期間は10年以上。

しかし ようやく始まった観測は
苦難の連続でした。

≪記録を開始できそうか?

≪光がこない。
≪光がこない?

チームには ビッグプロジェクトの重圧が
のしかかります。

判断が正しければ
いいデータが取れますが

誤れば 予算の むだづかいです。

さらに データの解析作業でも
次々とトラブルが発生。

疲労もピークに達します。

うそだろ? ちょっと待って…。

なんてこった!

果たして プロジェクトの行方は…。

≪見てみようよ。
オーケー。 レディー ゴー…。

成功すればノーベル賞級ともいわれる

ブラックホールの直接観測。

研究者たちの挑戦の日々に密着しました。

「ブラックホールを撮影する」。

夢の実現に向け
準備を進めてきた研究者がいます。

今回のプロジェクトの発案者です。

10年以上にわたって
計画を練り続けてきました。

(ドールマン)目的は
ブラックホールを 直接捉えることです。

ブラックホールの形や

その周りで起きている現象を
観測するのです。

リスクの大きい賭けですが

成功すれば その価値は計り知れません。

ドールマンさんのターゲットは
銀河系の中心にあります。

銀河系の中心では

星が すさまじい勢いで回るという
奇妙な動きが捉えられていました。

計算では 太陽の400万倍の質量が
そこになければ

そんな動きはありえません。

このことから 銀河系の中心には
ブラックホールがあることが

間接的に示されました。

しかし ブラックホール自体が
観測されたことはありません。

銀河系の中心までは
2万6, 000光年も離れていて

しかも サイズが あまりに小さいのです。

(ドールマン)ブラックホールが小さすぎて
誰も観測できませんでした。

月に置かれたオレンジ1個を
見るようなものです。

根本的に新しい望遠鏡が必要です。

そこで考え出されたのが

かつてないスケールの望遠鏡です。

1万キロ以上離れた望遠鏡同士を
つなぐのです。

地球サイズの望遠鏡にすれば
ブラックホールも見えるはずです。

それこそが…

チリにある2つの望遠鏡。

メキシコ アメリカ本土。

ハワイにも2つ。

スペイン そして 南極。

世界6か所

8台の電波望遠鏡を使う

一大プロジェクトです。

遠く離れた電波望遠鏡を結んで
同時に観測を行うと

まるで
一つの巨大な望遠鏡のような解像度を

得ることができます。

「イベント・ホライズン・テレスコープ」は

地球規模の超巨大望遠鏡を作り

ブラックホールの姿を捉えようという

桁違いのプロジェクトなのです。

観測データは 最終的に
スーパーコンピューターで統合されます。

パズルを完成させるには
この装置が不可欠です。

観測で集めたデータを
一つにまとめ上げるのが

コンピューターの役目です。

「ブラックホールを直接見る」。

それは 多くの科学者が
長年 夢みてきたことでした。

天才物理学者
アルバート・アインシュタイン。

ブラックホールは
アインシュタインの理論が基になって生まれた

想像上の天体でした。

しかし 理論上のブラックホールは
あまりに奇妙で

「こんな天体は実在しない」
と言う研究者も 大勢いました。

後に 観測によって

存在を示す間接的な証拠が
次々と見つかりました。

しかし 直接見た人は 誰もいません。

ブラックホールの黒い穴。

その姿を観測できれば

ブラックホールは実在するという

究極の証明になるのです。

2017年1月 観測の日まで
3か月を切りました。

この日
リハーサルが行われようとしていました。

リーダーのドールマンさんも
メキシコの天文台にやって来ました。

(ドールマン)朝 目が覚めると

「よし! 今日もやるぞ」っていう
気持ちになりますね。

地球サイズの望遠鏡を作ろうっていう
突拍子もないことを

やっているんですから。

地球サイズの望遠鏡を作るとき

問題になるのが時間のずれです。

地球は球面なので

ブラックホールの電波が
それぞれの望遠鏡に届くのに

僅かな時間のずれが生じます。

しかも 地球は自転しているので
望遠鏡の位置は常に変化します。

刻々と変化する
時間のずれを調整しながら

ネットワークを連動させられるかが
成功への鍵です。

また このプロジェクトは
すべての望遠鏡が正常に観測できて

初めて一つの巨大望遠鏡として
機能します。

1か所でもトラブルがあれば大問題です。

(ドールマン)この観測方法は
うまくいったのかどうかが

データを解析してみるまで
分からないのです。

すべて予定どおりに進められるか
確認しないといけません。

そのためのリハーサルです。

一方 こちらは
望遠鏡ネットワークの最南端。

物理学者 ダン・マローンさんのチームは

リハーサルに備え
望遠鏡のセッティングにやって来ました。

南極がネットワークに入ると
まさに地球規模になります。

解像度が2倍以上 上がって
ブラックホールの細部まで捉えられます。

しかし 作業は極めて過酷です。

氷点下30度。 寒いです。

リハーサルに向け
アンテナに装置を据え付けます。

ブラックホールからの電波を
受信機に送るためのものです。

(マローン)よし 設置できたぞ。

この反射鏡は1ミリの何分の1という
精度で置かないといけません。

うまくいったと思います。

一方 メキシコでは
リハーサル開始を目前に

緊張が高まっていました。

0.78じゃない。 数値が違うぞ。

記録開始のコマンドを入力します。

あと1分だ。 どうだ? いけそうか?

いくぞ! 始まった!

リハーサル開始。 ところが…。

オーケー 記録中。

≪光がこない。
≪光がこない?

作動中を示すランプが点灯しません。

ネットワーク全体を連動させて
観測した信号を記録します。

とても重要なステップです。

でも 今 それができていません。

今 急いで
解決しようとしてくれています。

うまくいくといいんですが。

うまくいってくれ…。

駄目? 駄目なのか?

問題は分かってる。
少し 手順を変えてみるよ。

記録開始のコマンドを再入力しました。

あと10秒。

≪きた!

よくやった!

午前2時46分
なんとか問題は解決できました。

トラブルを事前に防ぐ
貴重なリハーサルとなりました。

本番まで あと2週間に迫ってきました。

このころ 各国を飛び回る人がいました。

観測全体の作業を管理 統括する…

この日は リハーサルの結果を
チームメンバーに伝えに来ていました。

ハイノ いい結果が出ているよ。

数千キロ離れていても 一つの天体を
ぴったり同時に観測できてるよ。

ただ 南極では 氷が動いて

望遠鏡の位置が
20メートルも変わっていたんだ。

そんなことが起きる望遠鏡は
ほかにないね。

全くだ。 もう起きないことを願ってるよ。

実は 望遠鏡の位置が
変わってしまうという事態は

起こりうるといいます。

こういう観測では
究極の緻密さが求められます。

1ミリの何分の1のレベルが必要です。

例えば ハワイは火山帯なので
プレート運動によって

1年に6センチ移動しています。

南極点の場合 地面は氷で
しかも流れています。

1年で10メートル
移動することだってあり

望遠鏡の世界では
F1カー並みの速さです。

もちろん 地球の近くには
月があることを忘れてはいけません。

月は地球全体に影響を与えています。

望遠鏡は月の引力によって引っ張られ

6時間ごとに50センチも
上下動するのです。

当然ながら 潮の満ち干も
考慮する必要があります。

どの望遠鏡であれ 駄目になったら
結果に大きく影響します。

データは得られますが
画像にはならないでしょう。

夜8時。

ティラヌスさんの仕事は
まだ終わりません。

ほかのメンバーと
インターネットで会議です。

「開始は現地時間午後3時
世界標準時1時だ」。

それについては これ以上 何もできない。

もう 何度も話し合ってきたから
時間変更はなしだ。

「うまくいくと考えよう」。

了解。

では みんな ありがとう。
また連絡を取り合おう。

望遠鏡をネットワークに組み込むのに
10年かかりました。

とにかく ブラックホールが見たい。
それが我々の究極の原動力です。

でも 今やりたいのは
ワインを一杯飲んで寝る。 それだけだね。

目前に迫ったブラックホールの観測。
前例のない挑戦です。

では 何が見えたら ブラックホールを
捉えたことになるのでしょうか?

プロジェクトチームは
次のように想定しています。

ブラックホールは
重力で周囲のガスを引き寄せます。

このとき ガスは回転しながら加速し
摩擦で数百万度に達して 光を放ちます。

ガスが光ることで浮かび上がる
この黒い穴を観測するのです。

観測では 銀河系と

5, 900万光年かなたにある
M87銀河という2か所で

中心のブラックホールを狙います。

M87銀河の中心付近を
最も高倍率の望遠鏡で捉えた画像です。

ブラックホールを捉えるには

この小さな四角の中心を見る必要が
あります。

10年以上も努力を続けてきました。

ここは 天文学が長い間

立ち入ることができなかった
場所なのです。

もし観測できたら どんな画像になるのか。

この画像が撮れたら
ブラックホールの揺るぎない証拠です。

示された プロジェクトの最終目標。

果たして
プロジェクトは成功するのでしょうか?

次のコーナーでは いよいよ
史上最大の観測 本番が始まります。

巨大な噴水がシンボル。

スイス 第二の都市 ジュネーブに
やって来ました。

この街の地下に 巨大な施設があります。

1周27キロメートル。

山手線が すっぽり入るサイズです。

ここで 驚きの実験が
行われたことがあるんです。

それは なんと…

地下100メートルに張り巡らされたパイプ。

この中で「陽子」という粒子を

ものすごい速さまで加速して
衝突させるんだそうです。

最高エネルギーに達すると

陽子は
光速の99.9999991%まで加速します。

ほぼ光速です。

そして 陽子同士を正面衝突させ
その反応を観測します。

猛スピードで衝突する陽子は
超高密度にまで潰されます。

その瞬間
極めて小さなブラックホールが出来ると

考えられています。

ブラックホールが
実験で作り出せる可能性はあります。

わくわくしています。

しかし 思わぬ問題が。

いろんな国から
「そんな危険な実験はやめろ」という

訴えが起こったんです。

訴えの内容によると
たとえ 小さなブラックホールでも

次々と物質をのみ込みながら
巨大化していく。

そして 最後には

地球まで のみ込んでしまう危険がある
というのです。

こんな実験をして
本当に大丈夫なんですか?

ここで作られるブラックホールに
心配は無用です。

なぜなら 宇宙には
光速で飛び交う粒子がたくさんあって

ここでの実験と同じような
小さなブラックホールが

次々と生まれています。

しかし 私たちは存在しています。
ですから 危険はありません。

今のところ
ブラックホールが出来たという成果は

得られていないそうです。

驚きの人工ブラックホール。

宇宙の謎が
実験で解き明かされるかもしれませんね。

ついに あすから本番の観測が始まります。

リーダーのドールマンさんは
アメリカから各地に指示を出します。

観測の期間は 最大10日間。

8か所の望遠鏡のうち
1か所でも天気が悪ければ

難しい判断を迫られます。

各地の望遠鏡を
稼動させるかどうかの判断が重要です。

判断が正しければ
いいデータが取れますが

誤れば 予算の むだづかいです。

実は データを保存できる容量には
限りがあります。

そのため 仮に天気が大丈夫でも

10日間すべて観測を行うことは
できないのです。

判断を誤れば
ブラックホールの撮影が駄目になる。

そればかり考えてしまって
心が落ち着きません。

それぞれの望遠鏡の状況は
逐一 伝えられます。

(ドールマン)全員 状況を
分かるようにしなければなりません。

どこか問題があれば 大変です。

チリでは最終調整のため

アラン・ロイさんが
向かっていました。

プロジェクト全体に関わる仕事が
残っています。

絶対的に重要なことは 時間の調整です。

かかった労力や予算も

すべては この調整が
うまくいくかに かかっています。

世界一正確な原子時計を使って
時間調整を行います。

(ロイ)水素メーザー時計です。

1000万年で誤差が1秒という正確さです。

各望遠鏡が ブラックホールの電波を
受け取るタイムラグを

この時計を基準に 調整します。

しかし…。

内部が焼きついて冷却機能が働きません。

調子が悪そうです。

冷却システムに異常発生です。

修理できるエンジニアはいません。

しかし 観測開始は目前に迫っています。

できるのは
ドアをちょっと開けてやるぐらいです。

装置から出る余分な熱を
逃がせるでしょう。

これで うまくいってくれるか
ちょっと 緊張しますけどね。

プロジェクトの運命は
この一片のテープに託されました。

同じく観測初日
太平洋のハワイ島。

標高4, 200メートルの山頂に
望遠鏡があります。

「今日は観測する」と
さっき連絡がありました。

準備に取りかかります。

ハワイの観測は
ティラヌスさんの担当です。

(ティラヌス)ここまで本当に長かった。
観測の本番は もう まもなくです。

ようやく この日が来ました。

ここでの観測には
隣り合った2つの電波望遠鏡を使います。

これから 2台の最終調整。

時間との闘いです。

ここでの観測に
日本からの研究者も参加しています。

プロジェクトには
10年前に計画され始めたころから

関わってきました。

ハワイは 観測拠点の中でも
重要な場所の一つだといいます。

アレイで見たときに

西の端に位置してるのがハワイです。

ですから
ハワイが参加することによって

東西方向の基線が非常に伸びる。

それによって
非常にシャープな画像を撮るのに

貢献します。 ですので ハワイの局は

非常に この観測網にとって
重要な観測局です。

受信機の調整を始めよう。

まず 反射鏡の方向に合わせようか。

ラジオみたいなもんだ。

よし。 良さそうだ。

確認作業を終えました。

記録開始まで あと50分。

高地だと 頭が働きにくくて
ミスが多くなりがちです。

そのとき…。

うん?

どうした?

表示されている数字が
目まぐるしく変わっています。

受信したい周波数の数値が
固定されません。

ロックされてないのか…。

手動で設定しようとしますが…。

(ティラヌス)ああ… 老眼鏡が要る。

ダイヤルが ちっとも見えない。

よし! ロックされた。 すばらしい。

準備は なんとか間に合いました。

よし! 信号は良好だ。


(ティラヌス)こっちは すべて順調だ。
☎(ウィンドローブ)こっちもだ。

(ティラヌス)今 何で待機中なんだ?

☎(ウィンドローブ)まだセッティング中なんだ。
了解。

いよいよ 観測が始まります。

注意してください。

ゲートが開いています。
ゲートが開いています。

5 4 3 2 1…。

始まった。

超巨大望遠鏡の完成だ。

ハワイ上空は快晴。

観測には 最高のコンディションです。

順調だ。 すばらしい!

かわって 南極。

ここも 雲一つありません。

観測初日は
どの観測地点も天気に恵まれ

滑り出しは上々です。

しかし 2日目には
思わぬトラブルも発生しました。

みんな 疲れてる。
結局 徹夜になりました。

(ドールマン)メキシコの望遠鏡で
問題が起きて

とんでもないデータを記録していました。

(ドールマン)ひたすら作業して
なんとか直せました。

そして 観測3日目。

アメリカで天気を確認していた
ドールマンさんに

悪いニュースです。

(雷鳴)

(ドールマン)なんてひどい映像だ。

メキシコは混乱してます。

ウェブカメラは 霧で よく見えないし

雲も接近中のようです。

天気が際どいです。

ひどくなってるな。

嵐が向かっているようです。

メキシコ
そして アリゾナの天気も際どい。

待つしかありません。

しかし メキシコの天気は

どんどん微妙な状況になっていきました。

「誰か ウェブカメラの映像について
説明してくれないか?

一つは バカンスのような晴天だ。

でも ほかの2つは 全くひどい天気だ。

どっちの天気を信用すればいいのか
さっぱり分からないぞ」。

追い打ちをかけるように
大問題が発覚します。

(ドールマン)「ちょっと待った。
つまり こういうことか。

アルマ望遠鏡の昨晩のデータが

破損しているかもしれないということか」。

≪「可能性はある」。

なんと
アルマ望遠鏡の2日目の観測データが

クラッシュした可能性が
あるというのです。

アルマ望遠鏡は
8か所の拠点の中心にあり

ずば抜けた性能を持っています。

データが失われれば
観測の精度が著しく下がります。

(ドールマン)「これは全く新たな問題だ。

ざっと説明してもらえないか?」。

≪「ざっとは説明できそうもない」。

今後もアルマを使い続けて大丈夫か
保証はありません。

果たして 決断は…。

(ドールマン)「今夜の観測は実行する。

アルマを点検する時間なんてないし

大丈夫という前提でやらざるをえない」。

アルマは続行。

そして 天気も
メキシコ以外は良好だったため

3日目の観測が決定しました。

データを記録中です。

その後 天候の悪化などで
中断を挟みながらも

ついに観測が最終日を迎えました。

チリのアラン・ロイさんたちも
疲労困ぱいです。

(ロイ)あと3分で観測が終わります。

くたくたですが 満足です。

しかし 観測が終わっても
安心はできないといいます。

観測ってやつは はったりを
かましているみたいなものです。

1週間以上も夜通し観測してきたのに

成果に結び付くかは
まだ分からないんですからね。

次から次へと襲いかかる
トラブルを乗り越え

ようやく観測が終了しました。

≪5 4 3 2 1…。

終了。

(拍手)

リーダーのドールマンさんは
少し重圧から解放されました。

(ドールマン)どう考えたって

これは終わりではありません。
始まりなんです。

やることは山積してますが
大きな一歩を踏み出せました。

観測を終えた世界中の天文台から
次々と飛行機が飛び立ちます。

膨大なデータを記録したハードディスクが
アメリカに集まるのです。

次はデータから画像を描き出す
最終工程に入ります。

天才アインシュタインの理論から誕生した
ブラックホール。

そこでは 実に不思議な現象が起こります。

コロラド大学の
アンドリュー・ハミルトンさんは

その現象をシミュレーションしました。

理論を基にコンピューターで作った
ブラックホールです。

ブラックホールは球の形をしています。

地球のように緯度や経度の線を引くと…。

あれ? 南極と北極が
どっちも見えちゃっていますね。

(ハミルトン)北極と南極が同時に見えるのは

ブラックホールの強い重力で
光の軌道が曲げられるためです。

ブラックホールでは 北極と南極を
一緒に見ることが可能なんです。

宇宙から地球を見るのとは大違いです。

本来は見えない面が同時に見える?

実に奇妙な現象ですね。

興味深い事実が もう一つ。

ブラックホールのイメージとは
真逆の現象です。

中心に白い線が写っていますよね。

ハッブル宇宙望遠鏡で捉えた
画像です。

銀河から伸びる白い線は
ジェットという現象です。

長さは なんと8, 000光年。

これを生み出しているのが
ブラックホールなんです。

M87銀河の中心では

ブラックホールが
大量のガスを引き寄せています。

そのガスの一部が はね飛ばされ
ジェットとなって噴き出しているのです。

何でも吸い込むブラックホールが
はるかかなたまでガスを噴き出す。

知れば知るほど ブラックホールは
謎多き天体なんですね。

観測から5か月たった 2017年9月。

アメリカに
最後のハードディスクが届きました。

ここは 日々 活発に動いています。

すべての観測場所からのデータが
集められています。

この装置で
データ処理が着々と進んでいます。

これはスペインからです。
これはハワイ。 こっちはメキシコです。

まるで天文学界の
国際連合みたいですね。

この作業は いわば
それぞれの場所で記録された光を

冷凍保存状態から取り出し
データ同士を結合させていくのです。

しかし 早速 問題発生です。

(ドールマン)そんなわけがない!

うそだろ?
なぜ誰も気付かなかったのか…。

ちょっと待って。 なんてこった!

スペインの観測データに

原因不明の時間のずれが
発見されたのです。

(ドールマン)ここにランダムなノイズがある。

私たちは限界を打破すべく
技術を高め続けてきました。

何かを推し進めるからこそ
初めての問題にも直面します。

今後 二度と起きないように
解決策を見つけないと。

問題がある箇所を丹念に洗い出し
データを補正していきました。

1か月後の…

…にプロジェクトのメンバーが
招集されました。

ここから 最後の難関が待っています。

ブラックホールの画像化です。

20人以上の研究者が参加し
その方法を探る検討会が行われました。

最大の難問は
ブラックホール全体を描くには

データが足りないことです。
画像の一部はあります。

すべてが そろっていない中で
どう描くかが腕の見せどころです。

例えば ブラックホールが
このような姿をしているとします。

実は 8台の電波望遠鏡を使っても
この全体像は撮れません。

実際に観測できるのは この線の部分だけ。

これだけのデータから どうやって
全体像が分かるのでしょうか?

研究者が4つのチームに分かれ

それぞれ別の方法で
正解を探っていきます。

♬~

本間さんをはじめとする
日本の研究者は

「スパースモデリング」という
独自の方法で

ブラックホールを描き出そうと
考えました。

「スパースモデリング」とは
限られたデータを基に

足りない情報を数学的に補って
画像を作り出す手法です。

例えば 先ほどの僅かな部分しか
見えていないブラックホールを

従来の方法で画像化すると…。

太陽のような見た目の画に
なってしまいました。

一方 スパースモデリングを使うと…。

見事に特徴を捉えた正解に近い画像を

描くことができます。

復元したい画像
例えば 画像に対して

取得できる観測量っていうのは
非常に量が限られているんです。

この作業の目的は ほかの方法と
画の精度を競うことではないといいます。

でも 一番期待してることは
違う方法でやっても

大体 同じ答えになりますっていう
そこまでいければ かなり自信を持って

この結果は正しいって
言えるようになると思うので。

そこを目指してやってます。

一方 こちらはアメリカチーム。

初めての画像なので興奮します。

アメリカチームは 日本とは違う方法で
ブラックホールの画像化に挑みます。

しかし どの研究者も
苦戦を強いられていました。

そんな画も作れるけど 何か違う。

(ボーマン)同じデータなのに
違う画像が出ちゃうんです。

投票で決めるわけにもいかないしね。

本間さんたち日本チームも
苦戦していました。

(英語で)

チームみんなの取り組みには
感銘を受けます。

誰もやったことのないことを
達成するために

作業に励んでくれています。

20人以上の研究者による懸命の作業は
4日間 続きました。

その努力のかいあって
少しずつ形が見え始めてきました。

たくさんのプロセスを経て
各チームの方法が確立しつつあります。

それがポイントです。
技術に自信があるからこそできる。

そもそも ブラックホールが
どんな姿か分からないんですから。

空前の規模の観測プロジェクト。

待望の成果が
いよいよ明らかになろうとしています。

これは途方もないプロセスでした。

チームは今 ブラックホールの
画像を作るに足るデータを

やっと得ることができました。

ブラックホールは どんな姿なのか
やっと明らかになります。

プロジェクトは
いよいよ佳境を迎えました。

≪よし 見よう。
オーケー!

レディー セット…。 ゴー!

アメリカチームは ブラックホールの
画像解析の最終段階に入りました。

(ドールマン)今は ごく初期段階です。

手術台に乗った患者のおなかを開いて
状態を把握しているところです。

計算式に基づいて コンピューターが

ブラックホールの姿を
描き出していきます。

(ドールマン)面白い…。

(ボーマン)予想どおりになりそう。

少しずつリング状の形が
浮かび上がってきました。

丸い形が見えるわ!

ついに完成です。

皆が待ち望んだブラックホールの姿です。

(ドールマン)この画像は驚きです。

あまりに鮮明で 頭をハンマーで
殴られたような衝撃です。

これが確かなら 私の生涯最高の発見。

いや 誰にとっても
間違いなく最高の発見になるでしょう。

初めてブラックホールの姿を見て
目が覚めるような気分です。

これが観測された M87銀河の中心にある
巨大ブラックホールの姿です。

この画像から
さまざまなことが分かるといいます。

これは
アインシュタインが予測したとおり

宇宙の最も極限的な環境では
時空がゆがむことを示しています。

ブラックホールの輪郭に沿って
オレンジの光が見えています。

(ドールマン)光が
ブラックホールから逃れようと

闘っているのです。

巨大な重力で つなぎとめられた光が
円のように見えています。

時々 光の一部が なんとか逃れて
我々のほうへ向かってくる。

つまり 光が永遠に失われる境界線を
目にしているのです。

リング状になった光は
ブラックホールの中心に

強烈な重力が存在することを
示しています。

(テグマーク)ガリレオが望遠鏡で
天空の写真を撮影した瞬間が

天文学の本当の始まりでした。

同じように
今回のプロジェクトの最も重要な点は

今後 全く新しい科学の分野を
生み出すということです。

(グリーン)今から何十年か後に
ブラックホールについての理解は

根本的に変わっているでしょう。

夢を達成した今
ドールマンさんの これからの目標は?

深々と おじぎして
「はい おしまい」と言う気はありません。

これまで不可能だった

ブラックホールが周りにあるものを
のみ込む様子が見えたのです。

天文学の全く新たな方向を
示したといっていい。

一生にまたとない
実に すばらしい成果です。

足かけ10年 前人未到のプロジェクトは

見事
ブラックホールの撮影に成功しました。

アインシュタインの予言から始まった
人類の夢。

この偉大な成果は 宇宙の謎の解明に

新たな未来を
切り開いていくことでしょう。

♬~


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