ダークサイドミステリー「三億円事件 解決せず“昭和の死角”の謎1968-75」懐かしい映像で描く昭和40年代秘話。


出典:『ダークサイドミステリー「三億円事件 解決せず“昭和の死角”の謎1968-75」』の番組情報(EPGから引用)


ダークサイドミステリー「三億円事件 解決せず“昭和の死角”の謎1968-75」[字]


昭和!現金史上最高額!映画のような手口!そして未解決!発生から50年、いまだ話題となる三億円事件。なぜ犯人は捕まらなかった?懐かしい映像で描く昭和40年代秘話。


詳細情報

番組内容

「この車にダイナマイトが!避難しろ!」白バイ警官姿の犯人がまるで映画のような手口で、史上最高額の現金を奪った府中三億円事件(昭和43年)。なぜ犯人は捕まらなかったのか?実は警察の総力捜査の前には、知られざるワナが潜んでいた!有名な「犯人モンタージュ写真」がおちいった「記憶のワナ」とは?スゴ腕刑事たちの追及をはばんだ東京「昭和40年代の死角」とは?当時の懐かしい映像で描く、時効まで7年間の昭和秘話。

出演者

【ナビゲーター】栗山千明,泉麻人,小川泰平,【語り】中田譲治,【アナウンサー】片山千恵子




『ダークサイドミステリー「三億円事件 解決せず“昭和の死角”の謎1968-75」』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数ベスト20)

ダークサイドミステリー「三億円事件 解決せず“昭和の死角”の謎
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  17. 捜査陣
  18. 白バイ
  19. 警視庁
  20. 平塚


『ダークサイドミステリー「三億円事件 解決せず“昭和の死角”の謎1968-75」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


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(急発進の音)

(ヘリコプターの音)

あなたは 知っているはず。

♬~

あなたは気付いてしまいましたね。

この世に隠された恐るべき謎に。

さあ 今宵もまいりましょう。

危険な驚きの世界 ダークサイドへ。

今から50年前…

闇に消えた3億円。 犯人はどこだ?

これが犯人だ。

日本中が信じたモンタージュに
落とし穴。

捜査の切り札が直面した闇。
「記憶のワナ」とは 一体!?

犯人が残した大量の遺留品。

手がかりは十分。

そこに…

豊かさと発展が秘めた闇…

「時効」へのカウントダウンで
何が起きたのか?

その謎に迫る。

これから1時間
闇の世界に光を当て

あなたと共に
謎を解き明かしていきます。

♬~

東京オリンピックから4年。

日本は めざましい好景気にわいていた。

この年 日本のGNP 国民総生産は

西ドイツを抜いて
アメリカに次ぐ世界第2位に浮上。

企業のボーナスも大盤振る舞い。

そんなボーナス支給日

12月10日に事件は起きた。

現場は 新宿から西へ20キロ
中央線 国分寺駅周辺。

この日は 朝から
バケツをひっくり返したような雨。

…で 大金を積んだ車が
出発の準備をしていた。

輸送するのは
東芝府中工場の従業員4, 523人分の

冬のボーナスが詰まった
ジュラルミンケース3つ。

現在の価値で20億円分もの大金が
現金で用意されていた。

現代なら これほどの大金のやり取りは
オンラインだが

昭和のこの時代
給料もボーナスも手渡しなので

現金輸送もやむをえない。

現金輸送車 出発。

東芝府中工場まで3.5キロ

わずか10分ほどの道のり。

銀行から
中央線を越えて南へ。

この道は
毎月 給料を運ぶ道。

銀行員4人にとっても
日常業務のはずだった。

ところが…。
(サイレン)

後ろから来た白バイが 横に。

目的地まで あと数百メートル。

府中刑務所の壁沿いで
車を止められた。

(銀行員)一体 何事だ?

運転していた銀行員は
雨の中 窓を半分だけ開けた。

えっ!?

ダイナマイト!?
足元 足元!

銀行員たちは言われるまま 車内を探す。

その時 車の外から!

驚いた銀行員は車を脱出 物陰に隠れる。

入れ代わりに
白バイ警官は運転席に乗り込むと…。

(エンジン音)

急発進! 府中街道方面へ向かった。

白バイ隊員が身をていして
車をダイナマイトから遠ざけてくれたと

銀行員は思った。

ところが…。

おかしい。

いつまでたっても煙を出すだけで
爆発する様子がない。

ダイナマイトではなく…

さらに 銀行員の1人が気付く!

だまされた!

慌てて近くの公衆電話から
出発した国分寺支店に連絡。

それを受けた支店長は すぐに…

被害額の大きさに
警視庁の総力を挙げた捜査が始まる。

10分後

警視庁は…

…を発令!

都内全ての警察署 全署員に出動命令。

機動隊員も合わせ…

さらに2分後。

乗り逃げされた車が
県外へ向かうことも想定し…

第一報からここまで わずか15分。

3億円を積んだ黒のセドリックは
完全包囲され

犯人逮捕も時間の問題。

ところが…。

車が発見されたのは
他県どころか…

…の竹やぶ。

トランクに積んだ3億円は…

ジュラルミンケースごと なくなっていた。

車のすぐそばには…

犯人は車を奪った直後に
近場で乗り捨て…

…が高い。

つまり 全体配備で
黒のセドリック包囲網をしいた時

犯人は既に 次の車種不明の車に
乗り換えていたことになるのだ。

犯人に先手を打たれた警視庁は
ただちに次の手を打つ。

警視庁は車種不明のまま
全ての車両を止めて

ジュラルミンケースを積んでいないか
検問するよう 一斉通達した。

ところが 時は師走…。

検問によって
主要道路は完全にマヒ。

…を引き起こした。

警視庁は苦渋の決断をする。

犯人は 闇へと消えた。

「3億円」 今の価値で「20億」もの
現金盗難に メディアはわいた。

この年 宝くじの1等賞金が
初めて1, 000万円台の大台に乗り

大きな話題になった時代だ。

事件当日の夕刊は どれも破格の扱い。

まさに映画や小説のように
銀行員をだました手口には…

…が うかがわれた。

事件直後 銀行員たちは
口をそろえて語った。

だまされるのも
無理もない。

当時の日本では 警察官に変装した犯罪は
珍しかったうえ

わざわざニセの白バイまで用意し
しかも上手に運転して近づくなど

予想を超えている。

いきなりダイナマイト! という

ギャング映画のような
突拍子もない状況にも

銀行員を信じ込ませる伏線があった。

実は…

…が届いていた。

…という内容だ。

銀行員たちは 本物の警察官だと
思い込まされたのである。

昭和43年12月10日。

この日から時効までの7年間。

さらなる謎と予想外のワナが

事件を 未解決の闇へと
引きずり込んでいくのだ。

三億円事件
まず当時のこと 覚えてらっしゃいます?

僕 小学校6年生だったんでね 結構
事件自体は 非常に記憶に残ってます。

それまでの
大体 漫画なんかで出てくる金額はね

せいぜい1, 000万ぐらいなんだよね。

「1, 000万」の単位が
いきなり「億」になったっていうね。

この年 ちょうど このころに…

♬「大きいことはいいことだ」

気球か何かに乗りながら
こういうふうに指揮をして…。

指揮しながら「大きいことはいいことだ」
やってました。

それと3億円っていう大きい金額とか
自分の記憶の中で重なってんだよね。

私が警察官になってからも
三億円強奪事件

というふうに
よく言われてました。

現金輸送車 こういう お金を運んでる
車を狙う事件とかあるんですけども…

力を行使してやる
要は いわゆる強盗事件ですよね。

ただ 実際はこれ 法律上 刑法上 見ると…

窃盗っていうと
急に小さくなるイメージが…。

だから変な話ですけど
空き巣に入ったりとか

ひったくりとか置き引きとか
それと同じ罪名なんです。

こういうふうな…

…っていうのは すごいなと思いますね。

1人で こういう手の込んだことを
やってるっていうところがね

一種の爽快さを感じたことは
確かにあるんですよね この事件。

ニセの白バイ
そして ニセの警官にふんしての犯行。

これ 大胆だなとは思うんですけど…。

白バイはですね オートバイを盗んで

改造というか 改装というか …して
実際に使っていた。

このスピーカー 「トラメガ」っていうね
ついてるんですけど あのトラメガも

いろんな部品を組み合わせて
色を塗って使ってる。

「素人でも改造できるレベル」
っていったような

コメントもあったようですけども

あの後ろのボックスの
クッキー缶とかですね

そういう粗悪なものというか
ものを使ってるんですけども…

そういうことなんですね。
そうです。

あとVTRにも出てきてましたけども

実際に現金輸送車
セドリックを止めるわけですね。

で 「警察です。 爆弾が仕掛けられて
爆破されました」。 下に潜っていく。

あのVTRどおりだとすれば…

…も してますよね。

もう一点 警察の視点から
警察も迅速に対応してましたよね。

すぐに検問を張って
パトカーも 600台以上ですか!?
そうですね。

この当時は 交番に電話がかかってきて
こういう重要事件が起きた と。

じゃあ 緊急配備を発令されたので

自分の所定の場所
決められた場所ですね

駅とか交差点とか そういった所に
配置させられるんです。

ですけども どんな車で逃げているかとか
何が起きたとか…

車を止めて職務質問しろ
っていうことで

ただ その間も…

…っていったような情報の中で
捜査が進められていったんですね。

それとまあ 当時の…

…したところがあって

昭和43年ね この年は 頭の方から
金嬉老事件なんていうね…。

ライフルを持って 寸又峡温泉という
静岡の山の方に立て籠もって

それから まだこの年には
犯人は捕まってなかったんだけども

あの 「連続射殺魔事件」って その後
永山則夫っていう人が捕まって。

この永山則夫って人は
自分で詩なんかも書いてね。

そういうのもあったんだろうけども
金嬉老も永山則夫も…

…というかな そういうのがあった年で

それはやっぱり学生運動の

全般的な 「国家権力に対する反体制が
カッコイイ」なんていうね

そういう中で
三億円事件というのも発生して

彼も いわゆるアウトロー側のヒーローと
なって みんなに持ち上げられた

みたいな そういうこと
あったんじゃないかなと思うんですよね。

三億円事件といえば
この写真。

犯人の顔を見た
銀行員の証言で作られた…

あなたは見覚えありますか?

このモンタージュ写真は
大々的に広められ

世間は これで犯人逮捕に大きく近づいた
と思ったわけですが…。

な~んて ウソ。

気付いたかしら? 実は この写真…

もし 「これこれ 見覚えある」と
思った人は

記憶がだまされやすい
ということ。

そう 三億円事件 未解決

最初のダークサイドは…

あなたも危ない。

事件発生から10日余り。

警視庁は
姿を消した犯人を捜し出すため

市民の協力を得る
有力な切り札を公表した。

もとになった顔は…

…ものだという。

さらに 修正を加え

白ヘルメット 無線マイクなどを合成し
出来上がったのが この顔だ。

警察は 大量のチラシを配布。

街の至る所にポスターが張り出され

日本中が
「これが三億円犯人の顔」と認識した。

リアルな顔写真の効果は絶大だった。

公開初日から500件 多い時は…

…が寄せられたのだ。

(捜査員)「この中に
有力な手がかりがきっとある!」

捜査員たちは期待を寄せ
情報の確認に走った。

ところが…。

この市民からの膨大な情報が

かえって
捜査員たちを苦しめることになるのだ。

ジャーナリストの近藤昭二さんは

当時の捜査員たちから
困惑する様子を聞いている。

あのモンタージュ写真が発表されて
誰に限らずですね…

それで…

…けども 「ただ似てる」っていうだけで
寄せられる情報が かなりあるわけですよ。

そうすると…

しかし
どれほど情報の裏取り作業をやっても…

その一方で…

それでも 捜査員たちは
モンタージュ写真を頼りに

足を棒にして
地道な確認を続けるしかない。

ところが 3年後…。

しかも 記事には
こう書かれるほど。

有力な技術で作成された犯人像を
捨てるというのだ。

一体なぜなのか?

捜査本部は 捜査方針を
転換せざるをえなかったのだ。

近藤さんは 当時 モンタージュ作りに
協力した銀行員たちから

意外な作成状況を聞いたという。

そのあと毎日毎日 明けても暮れても
被疑者写真を

犯人に似てる写真あったら
選んでくれ 抜いてくれっていうのを

何万枚というのをですね…。

「難しいよ」って言ってですね
半泣き状態で言ってましたね。

つまり 顔写真を選ぶ作業は…

…で行われたというのだ。

実は 人が記憶を思い出そうとする時

本人でさえ気付かない
大きな落とし穴があるという。

人間なら誰でも陥る 記憶のワナ。

それを証明した カリフォルニア大学
スクーラー教授の実験だ。

まず実験の被験者たちは
銀行員の立場になり

銀行強盗の映像を見て
疑似体験してもらう。

実験で使われた映像がこちら。

銀行の窓口に一人の男がやって来る。

強盗だ。

その後20分 時間を空けたあと

被験者をA・B 2つのグループにわけ
課題を与える。

Aグループは 犯人の顔を思い出しながら
その特徴を言葉にしていく。

例えば 目はタレ目で 口にはヒゲ など。

一方 Bグループには
全く関係のない課題を答えさせる。

そのあとで…。

…と聞く。

あなたは分かりますか?

正解は6番。

そして両グループの
正解率を比較。

普通 記憶を
言葉にした方が

覚えていそうだが…。

言葉にしなかった
Bグループの正解率は 64%。

ところが 言語化したAは 38%と

はるかに悪い結果が出たのだ。

…というふうに呼ばれています。

…ということが
分かっています。

目がどういう形だったかとか
口がどういう形だったかということを

言語化してもらうと。 例えば…

あるいは
上書きされていく可能性があるので…

三億円犯人の目撃者も
大量の写真を見せられ

「もう少し目が細い」など
特徴を言葉にすることで…

捜査の切り札は
「人間の記憶のワナ」にはまったのか。

そして この先
さらに巨大な迷宮が待ち構えていた。

私も刑事ドラマとかで見たことあります。
モンタージュ写真。

ドラマでは普通 犯人役の
俳優さんの顔をもとに作るから

本当に犯人そっくりな
顔写真になりますけど

実際は 事件に巻き込まれた
目撃者の記憶で作るから

そんなに簡単じゃないですよね。

そこで 三億円事件のモンタージュ写真と
人の記憶について

専門家のお話を伺ってみましょう。

このモンタージュ写真 当時生まれてない
私でも よく知っている。

犯人のモンタージュ写真のポスターは
街の派出所はもちろん…

私が警察官になった当時も
まだまだ銭湯は多くてですね

そういった手配書というのは
必ず銭湯には よく配ってましたね。

そこで皆さん 目にして
「おっ! この人 見たことある」とか…。

そうそう 思い出したけど
クレージーキャッツの映画でね

三億円事件の犯人のポスターが

銭湯の中に貼ってあった映画を
見た覚えがある…。   あ そうですか。

ただ あれやっぱり
ヘルメットの警察官の姿だからね。

お風呂屋さんでも その格好で

入ってくるようなイメージを
思い浮かべてしまいましたよね。

逆に あの輪郭というか…

…と思いますね。

顔自体は結構おとなしい。
あの人 やっぱり 周りの…

…ぐらいの 顔だちの方かな。

そもそもモンタージュ写真
もともと導入するということは

つまりメリットがあるから
導入したっていうことですよね?

そうですね。 もともと
「人相書き」というのがいたんです。

ただ それよりも…

…ということで写真なんですけども

ただ 一人の人物になってしまうんです。
それが実際にいる人物ならいいですよ。

モンタージュ写真だと もう この人!

固定化しますよね?
なってしまうんです はい。

私もモンタージュを
作ったことあるんですけども

作って… できます。
一応 最後に目撃者に…

一応 70%以上は似せよう
といったような

私たちの中での
取り決めがあったものですから

上司に持っていくんですね
で 上司が「これ何%なんだ?」って。

「70%です」と。

「分かりました」って直すんです。

あ~。    もう全然
最初の方がよほどいいと。

いろいろさ だから何ていうの…
モツ鍋 作ってるうちに

カレーになっちゃうみたいなことでしょ?
ハハハハハ!

せっかく導入した
モンタージュ写真ですけども

結果的には逮捕につながらなかった。

そうなると そういったものが実際に…

あなた ここから先に進む覚悟はできた?

未解決の迷宮
さらなるダークサイドへ ようこそ。

実は 三億円事件の捜査では

早い段階で 大きな壁を予感させる
出来事があった。

この日突然…

現金輸送車から乗り換え
行方をくらました車だ。

発見されたのは
犯行現場からわずか4キロ。

団地の駐車場でシートをかけられ

空のジュラルミンケースを載せたまま

事件直後から放置されていたのだ。

車が見つかったんでございますがね
奥さん 全然 気が付きませんでした?

外から車が来ても
勝手にとめられるわけですか?

このころ 事件が起きた…

人口が爆発的に増加。

20年間で3.5倍にまで増えていた。

急激な町の変化は

住民同士 ささいな異変に無関心な風潮を
生み出していた。

昭和40年代 変わりゆく東京。

これこそが この先 大きな壁として
捜査陣の前に立ちはだかっていく。

このころ
捜査陣に すご腕の刑事が参加する。

少年漫画の主人公にもなった
伝説の刑事…。

平塚が関わった100件もの事件のうち
未解決はわずか2件とも。

人呼んで…

当時 戦後最大の誘拐事件と言われた
「吉展ちゃん事件」も

犯人逮捕へと導いた 警視庁のエースだ。

物証こそ
重大な手がかりを語ってくれる。

これこそが平塚八兵衛の信念。

モンタージュが有力視されていても
平塚はアテにしなかった。

犯人が残した…

捜査陣は 124点に及ぶ
遺留品の洗い直しに着手する。

捜査陣が目をつけたのは
遺留品のニセ白バイにつけられていた…

同じ型は 852台 製造されたという。

トラメガに関する 平塚らの捜査メモ。

そこには 捜査陣が足を使って調べた
販売ルートや

購入者の身元の確認・未確認が
記されている。

2年間の捜査で
686台の購入者まで突き止めたが

残り166台は未確認。

購入者の線から容疑者に迫るのは
これが限界だった。

犯人さえも気付かない
「物を言うブツ」はないのか?

何だ? これは。

トラメガを ニセ白バイ用に
白く塗った時に付着した

複数の小さな紙切れが。

今まで見逃していた
わずか数ミリの紙切れ。

平塚たちは
すさまじい執念で迫る。

「物を言わせる」手がかりは
この黒い点だ。

平塚らは…

その正体を調べた。

すると いくつかの紙片から
「ひし形」の模様が見つかった。

科学検査所では これを…

…ではないかと推測。

地紋とは…

新聞社ごとに
独自の模様を使っていたため

一致する地紋が分かれば
新聞が特定できるはず。

そこで平塚たちは 事件発生前2年分の
各社の新聞を取り寄せ

一致する地紋を探した。

だが それは砂浜で米粒を探すような
気の遠くなる作業だった。

ところが 奇跡が起きた。

平塚さん 見て下さい!
この部分の この所… 見出しの この所!

捜査員たちは 膨大な新聞記事の中から

小さなひし形が完全に一致する
記事の特定に成功。

それは 事件発生4日前
12月6日の「サンケイ新聞」朝刊。

婦人面の見出しの一部と突き止めたのだ!

さらに捜査陣は…

紙を作った
工場が分かれば…

その結果 配達地域は犯行現場もある
多摩地区。 配達先は 数千件。

そこに犯人がいるのか?

捜査員らは…

配達先の名簿や 道順が記された…

ところが…。

どこの家に配ったか その 配り順ですね。

それがもう だいぶ…

どの家に配ったかまでは
分かんなかったですね。

もう一歩のとこなんですけどね。

町は毎日のように変化し 犯人への
手がかりは どんどん失われていく。

三億円事件の遺留品の数は…

これほどあれば
犯人特定の手がかりも数多くあるはず。

しかし 捜査陣が 誰が いつ

どこで手に入れたのか迫ろうとしても

遺留品の多くは
大量生産 大量消費されたもので…

豊かさが秘めた「昭和の死角」が
手がかりを消していったのだ。

新聞 よく見つけましたよね。

ほんとに警察の捜査の執念
感じますけれども…。

鑑識の三原則って3つあるんですけども…

この「微」ですね。

ほんとに少しのものから こう いく。

あとは よく
「物に語らせる」っていうふうにですね。

どんな遺留品でも物でも

その物が何かを語ってくれるって
よく言うんですけども 物に語らせろと。

この時代は 一般人は
科捜研なんて知らなかったでしょ。

今は 誰でも科捜研って知ってるから。

当時の ほんとに あの
小さな 小さな この証拠を

もう しらみつぶしで探っていく
っていうのは…。

個室に入ってですね
多分 このトラメガを持ち込んで

ルーペをかけながらですね
ピンセットで一つ一つ こうね

もう本当 気の遠くなるような作業を
多分やったんだろうなと思います。

また そこから また
さらにさらに 捜査ですもんね。

あの 我々 その証拠というと
やっぱり指紋

これを思い浮かべるんですけど
こちらは?

実際に この
今回の犯行に使われた白バイ…

遺留指紋というのは
この被害者のものでもない

誰のものでもない
この残ってる指紋のことを言うんですが。

ただ この8個の指紋をですね
当時の前歴者データ 800万人。

当時 800万人の指紋と
照合をしなきゃいけない。

今は コンピューターを使えるんですが…

見て確認?
はい。 実際に8個の指紋が残ってます。

この指紋が 人さし指なのか
中指なのかの指紋か 分からないんです。

ですから

データの10個の指紋と
一つ一つを合わせていかなきゃいけない。

1人と合わせる… って考えると
8, 000万の照合をしなきゃいけない。

なるほど…。

せっかく遺留品
遺留品 出どころ 探る 探る。

あっ 店が分かった!
しかし 大量生産の時代。

それほど やっぱり ちょうど社会も
変わっていっていたっていう時代ですか?

商店で みんなで 今日 売れたもの
帳面につけてた時代から なんか

その後のコンピューター管理になる
ちょうど過渡期みたいなところで

そういうので混乱してたのかなみたいなの
想像しますけどね。

そういう時期だったんですね。

当時 府中 東京の西部に
人が どんどんどんどん流入して…。

ちょっと奥の辺りとか あの…

もう一つは あの 戦時中のね…

ちょうど その団地が
どんどん できあがってくような時代で。

2台目のカローラでしたっけ?
そうですね。

あれが見つかった所なんて
ほんと そういう…

(歓声)

昭和50年1月 「怪物」と呼ばれる強さで
国民的人気を誇った競走馬

ハイセイコーが惜しまれながら引退。

三億円事件担当の…

3月5日 平塚八兵衛警部 勇退。

時効の12月まで残り9か月。

去り際まで 捜査を強く意識した。

残された時間 捜査陣は

ぎりぎりまで 新たな手がかりを
見つけ出そうとしていた。

17人まで縮小していた
捜査員を 87人に増員。

さらに警察官2, 000人も投入し
大規模なローラー作戦を展開。

これまでの捜査結果も 全て洗い直す。

そのうえ
警察らしからぬ異例のイベントまで。

実際に犯人が使ったニセの白バイや
遺留品を屋外展示して 一般市民に公開。

改めて情報提供を呼びかけた。

こうした警察の努力に…

当時 流行った刑事ドラマのスターたちが
犯人をズバリ推理! という企画や…。

超能力ブームの中
「超能力者もこの際協力したい」と

提供してきた情報は…。

どうやら犯人は2人組らしい。

こんな記事の中でも

警察の
特別捜査本部長は

懸命に
市民に呼びかけている。

しかし 世間は全く違うノリだった。

♬~

時効まで あと少し
なんとか逃げきりたいという

犯人の気持ちに面白おかしく共感する
レコードが発売され…。

こちらは 犯人Tシャツ。

ヘルメットにスカーフをなびかせた
劇画ヒーロー風。

白昼堂々…

まさか犯人登場? …ではなく

「これが真犯人!」と銘打つ
映画の宣伝だった。

駅の地下通路には 犯人への手紙を
募集する企画で 掲示板が特設。

「犯人様 もし女性なら
結婚してください。

してくれないと
つねつねしてやる」。

事件が起きた時の高度経済成長も
2年前に終了。

熱い時代は冷めつつあった。

12月10日 午前0時の時効まで
あと1か月。

時効になる前に
何としても取り調べたい人物がいたのだ。

「最後の男」。

「クロ シロ決着急ぐ」。

ところが よく見ると…。

否定的な要素を残したまま
その身柄を確保。

それで当時 ハワイに住んでましてね。

しかし 事件への関与は認められず
12月3日 シロと断定。

最後の賭けが終わった。

そして 7年前と同じ雨…。

事件発生から丸7年。

捜査員が…

この距離は 地球20周近くにもなる。

ところが 街の人々は…。

もはや 「被害額3億円」は
特別な驚きではない。

昭和は 新たな時代へ移ったのだ。

時効の年 世間の盛り上がり
ものすごかったようですけども

映画 レコードまで出ていたっていう。

…は 割と見てましたね。
沢田研二がやるというね。

実は容疑者は 沢田研二がやって

自分は難病に侵されてて
あと何日かで絶命するみたいなのと

時効が ちょうど 同時期に訪れるような
テーマのドラマでね。

まさに三億円事件が
モチーフになっている?
モチーフでね。

…があるんだなってことをね
感じましたけどね。        はあ。

その時効までの7年っていう その間で

時代も社会も変わっていった。
どんな感覚ですか?

僕 ちょうど この年が
大学の入学の年なんです。

小学校の頃に塾みたいなところで
当時の大学の教室を借りて行った時には…

で 僕が上がった年は

学校にもよりますけど
全く ほとんどアジ看板はなくて

端っこの 食堂の端っこの荒れ地の所に

壊れたアジテーション看板が
捨てられてるみたいな状態で

で もう入っていくと サークルの
テニスサークルとか

そういうのの勧誘ばっかりですよ。

いわゆるノンポリ学生の時代になって。

「ポパイ」なんていう雑誌が
もう翌年ぐらいに創刊されるというね。

特に学生の…

若者も変わっていった時代?
若者も変わっていったから。

あまり この時期だと ちょっと
三億円事件の犯人も

さほど ヒーロー視されたかどうか
っていうのは

また ちょっと
違ってくるのかなって思いますね。

それぐらい ちょっと
時代の空気感も変わってきた。

警察は そんな中で最後の一年を迎える。

これ どんな気持ちで
警察 臨んでいたと思いますか?

もう あとね 数日で時効

だったら今しかないと。 時効になったら
何も できないんですから。

「だったら今やろうよ」っていう結論。

これ もう ほんとに
葛藤があったと思います。

その気持ちは
ほんと よく分かるなっていう。

誰も…

そうした警察の粘り強い捜査も
あったんですけども

結果的に 三億円事件は未解決となる。

これは例えばですけども…

捕まりますか?   同じことをやってれば。

それは
もちろん先ほども言いましたけど

通信技術も そうですし
防犯カメラも そうです。

あとは指紋も 今は照合 照会する
システムが全く変わっています。

あと DNAというものもあります。

そういった…

同じことが起きれば それは捕まります。

ただ当時は この犯人の方が正直言って
一枚うわてだったんだろうと…。

三億円事件を未解決に陥らせたワナの数々
いかがでしたか?

これらは 今を生きる私たちも陥りがちな
ダークサイド。

特に 人の記憶が曖昧で
あとから上書きされやすいってことは

ちゃんと知っておくと
トラブル解決に便利かも。

皆さんも お気を付け下さい!

現代 防犯カメラや顔認証など
ハイテク技術は進んだが

顔に対する「人間の記憶」は
重要な役割を果たしている。

目撃者の記憶を元にした 似顔絵だ。

三億円事件当時の
モンタージュ写真重視から

今は
この似顔絵の捜査手法へと かわっている。

モンタージュは
作成に時間がかかるため

目撃者に聞き取りをしている間に
記憶が変わりやすい。

三億円事件の教訓だ。

一方…

似顔絵で重要なのは
決して捜査官から誘導しないこと。

「どんな顔?」と
具体的な特徴を聞くのではなく

「どんな人?」と
真っさらな印象から始める。

平成12年の似顔絵捜査官設置以来
現在 全国に6, 000人。

人間の内面には
人間でしか分からない不思議さがある。

事件発生から半世紀たった今も
語り継がれる 府中三億円事件。

変わりゆく時代の中
事件を未解決に導いた「昭和の死角」を

犯人は どのように見ていたのだろうか?

犯人は
その答えさえも 闇へと持ち去ったのだ。

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