クローズアップ現代+ 住宅ローンが返せない 密着!残業代減が直撃どう家計再生?サラリーマンに忍び寄る危機を描く。
出典:『クローズアップ現代+ 住宅ローンが返せない 密着!残業代減が直撃どう家計再生?』の番組情報(EPGから引用)
クローズアップ現代+▽住宅ローンが返せない 密着!残業代減が直撃どう家計再生?[字]
残業代削減や転職・不動産投資の失敗によって住宅ローンが破綻、自宅を手放すことになった人が相次いでいる。カメラは相談現場に密着、サラリーマンに忍び寄る危機を描く。
詳細情報
番組内容
【出演】NewsPicks副編集長…佐藤留美,ファイナンシャルプランナー…深田晶恵,【キャスター】武田真一
出演者
【出演】NewsPicks副編集長…佐藤留美,ファイナンシャルプランナー…深田晶恵,【キャスター】武田真一
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>>住宅ローンが返せない。
サラリーマンの相談が殺到する
現場に、カメラが密着しました。
働き方改革による残業の減少で
年収が500万円も
下がったという40代後半の
男性です。
>>少しでも収入を増やしたいと
転職したものの
年収が100万円以上
減ってしまったという
50代の男性も。
>>相談者の告白から
見えてきたのは
サラリーマンの家計が、ピンチに
立たされている現実です。
>>サラリーマンを待ち受ける
落とし穴。
その防衛策を徹底的に探ります。
>>この日、横浜にある
不動産会社に相談に訪れたのは
映像制作会社で正社員として働く
石井孝さん、48歳。
>>残業代が減少したことで
住宅ローンを5か月滞納。
金融機関からローンの残額
2600万円を一括で支払うよう
督促が来ていました。
>>石井さんは20年前
都心に5000万円で
一戸建てを購入しました。
母と姉の3人暮らし。
月にすると21万円のローンを
3人で分担し、石井さんの負担は
6万円でした。
当時、石井さんの手取りは
月25万円前後。
そのうち残業代は
6万円程度でした。
ここからローンを返済しても
貯蓄などに
お金を回すことができました。
しかし、1年前。
働き方改革で
石井さんの会社では、残業時間を
規制するようになったのです。
それまで月40時間だった残業は
多くて月1時間ほどに。
収入は19万円にまで
落ち込みました。
さらに母親が
認知症と診断されます。
介護や医療の費用を
姉が負担することになり
住宅ローンはすべて
石井さんの負担に
なってしまったのです。
>>石井さんの相談を受け
不動産会社は
金融機関と協議して
家の差し押さえを
猶予してもらいました。
そして少しでも高く買ってくれる
買い主を探しました。
4か月後、2800万円での
売却がようやく決定。
ローンの残額を
すべて返済することはできました。
しかし、今月中に自宅から
退去しなければなりません。
母と姉はすでに引っ越し
石井さんは一人
家の片づけに追われています。
>>民間のシンクタンクの
試算では
残業時間の規制によって
給料は日本全体で
年間5.6兆円減少。
1人当たり月7万円程度
減るとされています。
残業代削減によって
高年収のサラリーマンも
住宅ローン破綻に陥っています。
金融機関で働く
40代後半の坂元淳一さん。
以前は
年収が1400万円ありました。
しかし…。
>>高校生の息子と中学生になる
娘の4人暮らしの坂元さん。
都心に近いマンションを
購入したのは4年前でした。
会社の家賃補助が
40代で打ち切られるため
賃貸に住み続けるよりは
持ち家にしたほうが
資産にもなると考えたからです。
新築の4LDKで8400万円。
金融機関から0.8%の低金利で
ローンを組むことを
勧められました。
当時の手取りは月70万円。
ローンを返済しても、十分余裕の
ある生活ができるはずでした。
>>さらに驚いたのは
金融機関から請求される
遅延損害金の額でした。
利率は年14%。
1か月滞納するごとに
80万円ずつ増えていきました。
しかも、マンションの売却は
思うようにいきませんでした。
都心に近く、高く売れると
考えていた坂元さんのマンション。
周囲には新たなマンションが
次々と作られていました。
>>結局
4年前に購入したときよりも
大幅に安い7000万円で売却。
残りの返済額1000万円は
親戚から
借金することになりました。
>>そもそも
サラリーマンの手取りは
この20年近く減り続けている
という指摘もあります。
年収700万円の場合
50万円減少。
社会保険料が上がったことや
子どもの扶養控除の縮小などが
原因と見られます。
こうした中で、家計の見直しを
どう進めればいいのか。
不安を感じる家族の
駆け込み寺になっている
ファイナンシャルプランナーの
事務所です。
ここでは、毎月の収入と支出を
事細かに聞き取り、むだを減らす
方法をアドバイスしています。
>>この家族は
携帯電話を格安に変更。
食費や日用品費も見直し、さらに
シャワーを節水型に変えることで
ガス代と水道代も節約。
こうして月に6万円ほど
支出を減らすことができました。
>>家計を守るには
子どもの教育費について
家族で考えることも必要です。
相談に訪れた40代の女性です。
>>35年ローンで買った
自宅のマンション。
夫婦共働きで
月14万円ずつ返済しています。
ことしの春から小学4年生の娘が
学習塾に通い始め
月々4万円かかることに
なりました。
>>獣医師を目指すという
子どもの夢をかなえるために
家族は
徹底的に話し合うことにしました。
>>まず決めたのは
レジャーの回数です。
>>さらに、こんなことも。
>>ガリガリ君…。
>>ガリガリ君はいいよ。
お店のアイスはだめだけど
ガリガリ君ならいいよ。
>>住宅ローンを返せないほど
追い込まれるサラリーマンの家計。
危機は、どこまで
広がっているのでしょうか。
>>こちら、
VTRでもご紹介しましたけれど
も、
サラリーマンの手取りが減少して
いるという試算がある中で、
こちら、ご覧ください。
基本給だけでは足りないという人
が、
6割にも上るという調査もあるん
ですね。
サラリーマンの実態を取材されて
いる佐藤さん、
働き方改革って、
確かに重要だと思うんですけれど
も、それによって、
残業代を前提にした生活が苦しく
なる、
家計が苦しくなるという実態も見
えてきました。
今、どんな変化が起きているんで
しょうか。
>>昔、社員の暮らしに合わせて、
お給料が設計されていたと思うん
ですね。
ですので、一番お金が教育費とか
でかかる50代とかに、
頂上が来るように設計されていた
と思うんですが、
今は何年働いたとか、
何時間働いたとかっていうことで、
お給料が決定しなくなったという
ことが、
前提が変わったっていうのが、働
き方改革の本質だと思います。
>>単に時間を切り詰めるという
ことではなくて、
給料の払い方そのものが変わった。
>>そのお給料は、
その仕事の難易度や希少性といっ
たことに呼応して払われるように
なったということなんです。
あるいはなるということだと思い
ます。
>>住宅ローンというのは長年払
い続けるわけですよね。
>>なので残業代を見込まないほ
うがいいということ。
>>そういう中での社会の変化、
何十年も払い続ける中で、やっぱ
り働く環境の変化っていうのも、
やっぱり大きく影響しているとい
うことですね。
そして、ファイナンシャルプラン
ナーの深田さんによりますと、こ
ちらご覧ください。
サラリーマンをさらに追い詰める
2つのポイントがあります。
1つ目が、教育費の上昇です。
子ども1人当たりの平均ですけれ
ども、年間37万円。
この20年で7万円程度増えてい
るんです。
でも深田さん、教育費を削る、親
としては忍びないんですけれども、
これ、検討するうえでどんなこと
が大事になるんでしょう。
>>先ほどのVTRのご家族はす
ばらしいですね。
話し合っています、しかもお子さ
んと。
塾代の4万円が毎月増えるという
ことは、何かほかの支出を見直さ
ないと、家計が苦しくなる一方な
んですけれども、この家族で話す、
子どもと話をするっていうことが
できていないうちが多数で、それ
ができてない人が、住宅ローンの
破綻に追い込まれるという一因に
もなると思います。
>>破綻の原因が話していないと
いうことにあるというのは、ちょ
っと単純すぎて驚きますけれども、
それが実態なんですか。
>>一つの要因ではあります。
>>そうなんですね。
>>ぎりぎりまで抱えてしまう、
ローンの返済をしている人。
>>ぎりぎりまで。
家族で共有せずに、自分一人で抱
え込んでしまっているということ
なんですね。
そしてもう1つ、追い詰めるポイ
ントがこちら、低金利の落とし穴。
深田さんによりますと、例えば6
000万円のローンを組む場合、
2006年、金利2.8%だと、
月々の返済は22万円。
それが2018年には、
金利1%だと、
月々17万円。
住宅ローンを組んで、家を買うこ
とに、
抵抗感が減っているということで
しょうか。
>>2006年の22万円の返済
額だと、
これはもう無理って思う方がほと
んどなんですが、金利が低くて、
17万円だと、返せそうと思う方
も中には多いです。
特に今は共働きが増えているので、
もともと借りていた家賃が多かっ
たら、
高い所に共働きの人で住んでいた
ら、17万円だったら、
なんか返せそうっていうふうに。
>>家賃と同じぐらいだからって
思っちゃいますけど。
>>その家賃と、
低金利を本当に返せそうって、い
いことばかりではないんです。
このようにちょっと無理しちゃい
がちなんですが、家賃並みの返済
額で借りると、貧乏になります。
>>え?
佐藤さん?
>>びっくりですね。
>>でも返済額って、大体皆さん、
そういうふうに決めてるんじゃな
いですか。
僕、
実はそうなんですけど。
>>マンションだったら管理費、
修繕積立金がほかにかかりますし、
持ち家になると固定資産税もかか
るわけですから、ローン以外の住
居費の分だけ、きちんと貯蓄がで
きていないと、貯蓄ができなくな
る、もしくは貯蓄額が減るという
ことになるので、家賃並みの返済
額は危険なんです。
>>手取りが増えにくくなる中で、
広がっているのが、転職や投資で
す。
ここにも落とし穴が潜んでいます。
>>この日、不動産会社が
訪れたのは、4か月にわたって
ローンの返済を滞納していた
藤田俊秀さん、54歳。
きっかけは、転職による
収入の大幅な減少でした。
>>藤田さんは20年前
3000万円で一戸建てを購入。
サービス業の会社で
課長として働きながら
妻と4人の子どもを
養ってきました。
転職する前の手取りは月32万円。
12万円のローンを支払っても
貯蓄は可能だったといいます。
しかし3年前。
突然、会社から役職定年を
宣告されます。
給料は月10万円減額すると
言われたのです。
転職を決断した藤田さん。
転職ブームの中、元の給料と
同じくらいの仕事は
見つかるだろうと考えました。
人手不足の中、転職者は
40万人以上増加しています。
>>退職して転職活動を始めた
藤田さん。
しかし
厳しい現実が待っていました。
ようやく見つかったのは
月21万円の清掃会社の仕事。
妻もパートを始めましたが
ローンの返済は
できなくなりました。
実は中高年の転職は
容易ではありません。
これは年代ごとに、転職で
収入が増えた人と減った人の差を
示したグラフです。
収入が増えるのは
20代から40代前半。
50代を超えると
下がる人が多くなります。
藤田さんの家は
売却が決まったものの
1000万円の借金が残りました。
引っ越しは今月。
高校生の娘から
私もアルバイトを始めると
言われました。
>>バイトとかで出すという
話になって
だからすごい助かるんです。
>>低金利が続く中
不動産投資に乗り出し、破綻を
招いたケースが相次いでいます。
関西で営業マンとして働く
横山佑一さん、45歳です。
4年前から不動産投資を
始めました。
>>妻と2人の子どもと暮らす
横山さん。
年収は600万円ありますが
老後の資金に
不安を感じていました。
そのとき、会社の先輩から
勧められて始めたのが不動産投資。
都心にある
ワンルームマンションを
妻にはないしょで3部屋
ローンを組んで買いました。
>>そのとき、不動産会社からは
家賃収入があるので、自己負担は
ほとんどなくマンションが
手に入ると説明されました。
実際に、月26万円近いローンの
ほとんどが、家賃収入で
支払うことができました。
さらに、ローンを返済し終わった
あとは、家賃収入が得られると
言われたのです。
しかし、買ってすぐに
1つのマンションが空き室に。
家賃収入が減り
毎月8万円近い赤字が
続くことになってしまったのです。
>>収入が増えにくい時代。
家計をどう守るのか。
住宅ローンを返せなくなった
4人の失敗談をもとに探ります。
>>この皆さん、どこで失敗した
のか、
まず残業代頼みの生活、
それから借りられる額と返せる額
は違う、さらには、
転職の見通しが甘かった、投資の
知識なく、
妻にもないしょにしていたという
ことなんですが、佐藤さん、
ローンを抱えて転職を試みる人、
多いと思うんですよね。
収入を維持するために、
どんなことを気をつけたらいいん
でしょう。
>>収入を維持するためには、伸
びる業種、
伸びる職種に移ることだと思うん
ですけれど、転職だと。
その場合、同一業種、同一職種に
こだわらないっていうことが、転
職のポイントだと思います。
>>自分のもといた業種にこだわ
らない、伸びる業種。
>>伸びる業種。
例えば呉服屋の営業だった方が、
介護施設の施設長として活躍なさ
っていらっしゃるとか。
>>それはなぜ?
>>やはりそれは、
お年寄りの方へのホスピタリティ
ーとか、共通しているという、
そういった伸びる業界で使えるス
キルって、
意外なところで使えるスキルとい
うのはあると。
>>ほかにもありますか?
>>例えば塾講師の方が、キャリ
アカウンセラーとして活躍されて
いるとか。
それは人のポテンシャルを引き出
すというところが共通なんですよ
ね。
そういった移動ができるっていう
ことも、希望だと思いますね。
>>そうすれば、収入も維持して、
ローンも。
希望を持てる。
>>業種にこだわらず、
広く視野を持つということが大事
だと思います。
>>そうしないと。
>>それが厳しいようだったら、
社内でまず副業してみるというの
も重要かと思いますね。
社内で例えば横断的なプロジェク
トとかに挑戦してみることによっ
て、自分の持っている能力って、
この別の職種のこんなところに生
きるんだとか、こんな仲間がいて、
こんなふうに支えてもらえるんだ
とか、人脈もできますし、
自分の意外な得意を発見すること
ができるのではないかと思います。
>>深田さん、借りられる額と返
せる額、違うということばも印象
的でしたけれども、ローンを組む
ときにどんなこと、気をつけたら
いいんでしょう。
>>短期の視点と長期の視点を持
ってチェックすることですね。
短期の視点は、ローンを返済しな
がら、貯蓄ができるかどうかって
いうのを考えてから、借りるとい
うことですね。
ローンを組みながら貯蓄ができる
と、不測の事態、例えば収入がダ
ウンするとか、
支出が増えるといった家計の変化
にも、
貯蓄額がバッファーになるわけな
んですね。
>>それはいくらぐらい貯金すれ
ばいいんですか、月々。
>>専業主婦かパートで妻が働い
ている場合でも、年間で50万円、
少なくとも50万円ぐらい。
>>50万円ぐらいを目安に貯蓄
をする。
それから長期の視点というのは。
>>長期の視点は、
自分のローンの返済期間は65歳
まで。
>>35年ローンで借りていて、
70とか80まで借りる人もいる。
>>年金生活になったら、10万
とか15万とか返せないじゃない
ですか。
なので、
どんなに長くても65歳まで。
65歳までの返済期間で、
試算をしてみたら、こんなに返せ
ないよということであったら、そ
もそも借り過ぎのシグナルになる
というのが、一つの目安になりま
す。
>>最後にひと言、本当に延滞し
そうになったら、どこに相談に行
けばいいんでしょう。
>>銀行に行ってください。
延滞はいけません。
>>銀行に行けばいいんですか?
>>銀行で返済計画の見直しをし
てもらえる体制は今、整っていま
すので、遠慮なく行ってください。
>>ありがとうございました。
途中で音楽が鳴ってしまいました。
失礼いたしました。
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