逆転人生「執念の開発!世界が驚いた 認知症治療薬」…新しいモノを生み出すためには何を大切にすべき?ヒントが満載!


出典:『逆転人生「執念の開発!世界が驚いた 認知症治療薬」』の番組情報(EPGから引用)


逆転人生「執念の開発!世界が驚いた 認知症治療薬」[字]


認知症治療薬の開発を牽引した元研究員の七転八倒の物語。意外なリーダシップが開発の成功につながった!?新しいモノを生み出すためには何を大切にすべき?ヒントが満載!


詳細情報

番組内容

主人公は元製薬会社の研究員・杉本八郎さん。同僚たちと一緒に、アルツハイマー病の症状の進行を遅らせる効果がある薬を開発した。薬の開発は非常に難しい。候補物質から薬になる確率は1万数千分の1という数字もある。杉本さんは何度も失敗を重ねながら、独自の方針を貫いて、開発を成功に導いた。ピコ太郎の大ヒット動画を誕生させた、古坂大魔王とも意外な共通点が!現在は、認知症の根本治療薬の開発に挑戦しているという。

出演者

【司会】山里亮太,杉浦友紀,【ゲスト】杉本八郎,【出演】古坂大魔王,藤本美貴,順天堂大学名誉教授…新井平伊,【語り】蟹江俊介



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逆転人生「執念の開発!世界が驚いた 認知症治療薬」…新しいモノ
  1. 杉本
  2. 開発
  3. 化合物
  4. 藤本
  5. 古坂
  6. 認知症
  7. チーム
  8. 部下
  9. 症状
  10. 上司
  11. ミッション
  12. 研究
  13. 治療薬
  14. 結果
  15. 拍手
  16. 一緒
  17. 億円
  18. 介護
  19. 効果
  20. 合成


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(杉浦)治療前は
思考力が落ちていたそうですが…。

…は いくつでしょうか?

また引いて。

はい 次は?

おお~ しっかり答えられてますね。

池内さんが飲んでいる薬が こちらの…

(拍手)

医療現場に普及した
初めての認知症治療薬で

世界が驚いたんです。

その開発を率いたのが
製薬会社の研究員だった…

なんで剣道の
シーンなんですか?

薬の開発で 見事に

「一本!」を取ったと
いうことなんです!

なるほど!

開発は まさに…

困難の連続でした。

億単位の資金をつぎ込み
朝から晩まで研究に打ち込むも

なかなか 物にならず。

同僚たちからは
こんな陰口もたたかれました。

ついには…。

研究の中止が決定。

絶体絶命の中 杉本さんが
繰り出した秘策とは?

こうなったら もう…

分かります?

成功するのはね コツが2つあるんですよ。

いや 今日はダジャレ大会?

実は このダジャレも
「逆転劇」に一役買ったんです。

♬~

杉本八郎さんにお越し頂きました。

(拍手)
ようこそお越し下さいました。
こちらへどうぞ。

いやぁ なんでしょうね。 すごい方だ
というのは分かってるんですけども

繰り出されるダジャレから
ものすごく親近感がですね…。

一緒ですね。
あ~ 一緒ですね…。

あ いいんですか?
勝手にいきなり並べましたね。

…がありますけども。
(笑い)

薬の開発っていうのは すごい
難しいイメージなんですけども…

一般的には…

はぁ~。 ただ そんな難しい
ミッションを突破するのに…

いや それは これからのお楽しみです。
あらっ。 そうですか。

いやぁ ちょっと楽しみですけども。
さあ 藤本さん どうです?

これまでいろいろ挑戦したことあると
思うんですけども。

一番難しいと思ったミッション。
ミッションですか。

ああいうのって
ミッションっていうんだね。

あれ ミッションです。
まだ遂行中ですから。
今 ミッション遂行中で。

何をもってコンプリートなのか
分かりませんけども。

でも ほんと今 こうやってね

気さくに我々の話を聞いてくれてますが
すごいことなんですよね。

そうなんです。
ちょっと整理しておきましょう。

日本で発売されたのは 1999年。

認知症 いくつか種類があるんですが

主に
アルツハイマー型の治療に使われます。

患者の症状に応じて 適切に使えば

進行を遅らせる効果が まず期待できます。

一定期間 認知機能が回復する
場合もあるんですね。
(藤本)え~。

ただ 根治して

元の状態に戻すことはできません。

医療現場に普及した
初めての認知症治療薬で

薬の世界のノーベル賞とも言われる
こちら…

古坂さん 今の言い方だと
「ガリアン賞」というのはご存じですか?

(笑い)

さあ それでは杉本さん どのように開発を
進めたのか 早速 教えて頂けますか。

はい。 実はですね
アルツハイマー病の薬の開発には

非常に長い紆余曲折があったんです。

(藤本)そりゃあるだろうなぁ。

今から58年前。

工業高校を卒業した私は
製薬会社に就職していました。

学校に求人が来ていて
軽い気持ちで応募したのです。

配属されたのは 薬の開発をする部署。

しかし…。

これは…。

高校で学んだ程度の知識では…

はっきり言って足手まとい。
お荷物社員でした。

まだそれ途中じゃないの?

当時 私は決まって 定時に退社。

そして…。

だいぶ先取りしてますね!

会社の屋上に行き
剣道の練習に明け暮れていました。

今から思うと申し訳ないんだけど
ある意味では…

そのころの思いが つづられています。

ところが 15年後。

お疲れさまでした。
お疲れ~。

私は 打って変わって
仕事漬けの日々を過ごしていました。

自腹で 夜間大学に通い…

進んで残業を繰り返すほど
のめり込んでいたのが…。

私には 開発を急ぐ理由がありました。

母さん どうしたの?

実は 母のマツコが

脳の血管が詰まることによる
「血管性認知症」になっていたのです。

しかし 当時は
有効な治療法がなかった時代。

私は 母が弱っていくのを
だまって見ているしかありませんでした。

そして 忘れられない出来事が起きました。

私は涙が止まりませんでした。

すごいなぁ…。

母の症状は

脳の血管が詰まり 周りの神経細胞が
機能しなくなることで起こるものです。

逆に言うと 血管を広げて
血が流れるようにすれば

症状が改善するかもしれません。

私は ひたすら
薬作りの基本である

「合成」という作業を
繰り返しました。

複数の物質を混ぜ合わせ
血管に作用する新しい化合物

いわば薬のタネを作り出すのです。

失礼します。

見込みがありそうなものは
マウスなどの小動物に投与して…

さらに精度の高いデータを得るため

サルの実験をしている大学にも
協力を頼みました。

大学までは片道3時間。

毎週 新しい化合物を持って
通い続けました。

すごいね。

杉本さん…

また頑張って。

手応えのないまま
時間だけが過ぎていきました。

そして 2年後。
恐れていたことが起きてしまいました。

母のマツコが
風邪をこじらせ 亡くなったのです。

認知症の悪化により 体も弱っていました。

シジミとってきたよ~!

いっぱいだねえ。

貧しかった我が家。

母は9人の子どもを抱えながら
朝から晩まで働きづめ。

苦労を重ねた人生でした。

老後 ようやく訪れた穏やかな日々も

認知症という病に切り裂かれました。

私は満足な親孝行もできず
母を死なせてしまったのです。

…んじゃないかなっていう
思いですね。

母の死から1年…。

私は
相変わらず 成果を出せずにいました。

ところが…。

(杉本)失礼します。

杉本さん。

(杉本)本当ですか!?

ある化合物をサルに投与したところ…

…が 認められたのです!

ありがとうございます。
よく頑張りました!

この化合物は 間もなく
人に投与される臨床試験に進みました。

いわば薬の開発の最終段階。

私は 全ての望みをかけていました。

杉さん!

(杉本)すぐ行く!

もしもし お電話かわりました 杉本です。

試験の結果は…。

肝臓にかかる
負担は大きく

無視できないレベル。

頼みの化合物も…

え~! 折れるな 心。

費やした期間は8年。

結果を出せない私は
こんな陰口を言われるようになりました。

杉本だよ。

撃墜王。

かかった経費も

8億円にまで
膨らんでいました。

ええっ。 この時代で。

大きいですよね。
むちゃくちゃ大きいですね。

私は上司から ため息をつかれました。

いや これはつらい!

(杉本)…って
いうんですけどね。

ええっ!?

う~わっ!

こうして
母に誓った新薬の開発は

中止になってしまったのです。

はぁ~ 薬の開発って大変なんですね。

これ… で その上司の叱責の言葉。

これ トリプルエイト事件というのは
誰が言ってらっしゃったんですか?

アハハハハ 自ら。
あっ 自分で。

こういうセンスっていうのは
どうですか 古坂さん。

8億円ですからね。 8年かかって。

そこで このギャグを
言えるってことは…

(藤本)でも…
ここで言える人じゃないと

ここまで これない
みたいなことですよね。
僕 そう思うんですよね。

結局ここで言うんですよ。

これ でもね 古坂さんもね…

「ピコ太郎」さん。 生み出しましたね。
いやいや…。

あのミッションも相当難しいミッション
だったと思うんですけども。

だから これは全然比べるもんじゃ
ないんですけど

僕も 今28年目ですから
25年目であれが来ましたから。

テレビ出れないんだから
インターネットの番組出まくろうとか

イベント出まくろうとか。
ただ 8年で8億はヤバイ。

(笑い)

ここで ちょっと説明させて頂きますが
その杉本さん

困難に立ち向かうための
モチベーションがありましたよね。

お母様が患った血管性認知症。

これ 認知症の中でも

2番目に割合が多いものなんですね。

で 他にも種類がありまして

アルツハイマー型 レビー小体型と

3つで
9割を 認知症 占めているんですよね。

これ 杉本さんね
お母様の症状が進んでいくのは

息子さんとして ほんとに
つらかったんじゃないですか。

あの こんな思い出ありますよ。

正月の2日にね 大雪の日。
私 母と一緒に寝てたんですね。

朝起きたらね 部屋が異臭がしたんですよ。

あっと思って起きたらね
大変な状態だった。

すぐ お風呂に連れてって
家内と一緒に 母の体 洗ったんですよ。

だけど もう遅くてね
便が体についてるんですね。

これをこすりながら お風呂で洗ってる。
これ 正月の2日ですよ。

これがね 介護をやってる人の現実ですね。

子どもだったら
外に出ていっちゃう場合

出ていかないようにできるとか
なんか こう やりようがあるけど

相手は大人なので 力もある。

自分の生きてきた知識だったりとか

やっぱり 全部が
なくなってるわけではないと思うので

だからこそ なんか こう… 大変ですよね。
面倒を見るというか 介護が。

しかも 自分の母親ですからね。
これは重いですよね。

でも ほんとに今
世の中に回ってるあの薬は

杉本さんの…

そうです。 それは
間違いないですね。
そうですよね。

さあ これは杉本さん
最終的に たどりつくのは…

実はですね 不思議な偶然が
私を導いてくれたんです。

治療薬の開発が頓挫して1年。

私は以前 目にした

ある論文のことばかり
考えていました。

認知症の一つ アルツハイマー病の
メカニズムを説明する有力な説でした。

脳の神経細胞から放出される
「アセチルコリン」という物質が減ると

記憶力が衰えてしまうといいます。

逆に その減少を補う手だてがあれば

症状を改善できるかもしれません。

「どうにかして アルツハイマー病の
治療薬ができないか?」。

そんなある日。

他の部署の研究員が声をかけてきました。

(杉本)うん。

全く別の目的で作った化合物が
ヒントになるかもしれないというのです。

そんなことがあるんですね。
偶然ですね。

へえ~!
不思議。

早速 その化合物を調べてみると…。

ほんの僅かですが…

…があることを突き止めたのです。

私は上司に直談判し
研究の開始を訴えました。

そっか。 同じ人が…。

おっ やらせてくれた。

しぶしぶですが
会社から正式な…

目指すのは
新しく見つかった化合物を改良し

その効果を さらに高めること。

当時 管理職になっていた私は

部下たちを引き込んで
チームをつくりました。

普通なら まずは理論を固め

リーダーが示した方向性で
作業を進めます。

しかし 私は…。

(杉本)あ~ 何でもいいから…

…作ってみろ。

つまり…

しかも やり方は
それぞれに任せることにしました。

いや でも これちょっと怖くない?
部下としては。

薬の開発とは 広い砂浜から
一粒の砂金を探し当てるような作業です。

え~!

自分だけの発想では限界がある。

むしろ「意外性」が大事だと
考えたのです。

う~ん。 すごい。
なるほど。

(杉本)それこそ…

…にあるところが…

…だと思うんですね。

若手たちは戸惑いながらも
合成の作業に取りかかりました。

私は 資金を調達したり
行き詰まった時にアドバイスをしたり…

化合物は次々と出来上がりました。

ところが…。

(杉本)結果はどうだった?

(杉本)こっちは?

(杉本)そうかぁ…。

「数打ちゃ当たる作戦」は…

…諸刃の剣でもあります。

部下たちは次第に
ストレスを ためていったようでした。

≪土屋さん。
何だ?

2年たっても 全く希望は見えません。

そんなに!
(藤本)そうだよね~。

会社の風当たりは
どんどん厳しくなっていきました。

そして ついに部下たちまで

あの汚名を
着せられることになったのです。

(古坂)そうか。
チーム撃墜王…。

若手たちのストレスは
ピークに達しました。

杉さん 僕も言わせてもらいますけどね…

そうですよ。

このままでは
チームがバラバラになりかねない…。

そこで私は 一計を案じました。

お邪魔します。
お邪魔します。

若い部下たちを自宅に招いての…

(藤本)大事ですよね でもね。

妻の元子も 協力を申し出てくれました。

(杉本)いつも悪いな。
いいのよ 私にも協力させて。

それに若い人たちが
たくさん食べてくれて うれしいわ。

結構な頻度でやってたんですか?
(杉本)そうですね。

うお~。
うまそ~。

当時 部下たちは皆 独身の1人暮らし。

妻の手料理は 効果てきめんでした。

こんな調子で 私は度々 飲み会を開き

チームの和を保っていたのです。

人を動かす意味合いで。

お~
なんか出てきた。

土屋が作ったものは
「アセチルコリンの回復を助ける」成分が…

おお きた!
(藤本)おお~。

(杉本)やっと出たのが 土屋の…

かっこいい!

すぐに動物実験に回しました。

杉さん…

おお 出たか。 どうだ?

最強の化合物も?

土屋の化合物には

確かに アセチルコリンの回復を助ける
成分がありました。

しかし…

脳には
ほとんど たどりつかないというのです。

私は 上司に呼び出されました。

私は 必死に継続を訴えました。

しかし 研究の中止が決まり

チームは解散となってしまったのです。

いやぁ これ せっかく手応えのある
化合物できたのに!

もう絶対いくと思いましたから。
最強の化合物。

ただ 絶対いくと思って
夢をリアルに見ただけに

それがダメだったっていうのは…。
ショック大きいですよね。 大きいですね。

でも 杉本さんのやり方っていうのは
珍しいんですか。

数打ちゃ当たる作戦っていうのは…。
ええ ええ。 あんまりないですよ。

あ やっぱり やらないんですか みんな。
普通はですね 作用機序があって

作用機序に
合うものを 合成していくんです。

なるほど。
でも それでも当たらない。

だったら とにかく たくさん作ってみて
いいものができたら

そこを中心にいこうっていうような
やり方だったんですね。

ほんとに杉本さん 変わった方針で
チームを率いていましたよね。

一つは 理論より数を作る。
そして やり方は任せる。

なぜかというとね

任せて 本人が作ったものが当たれば
モチベーションが全然違うんですよ。

ほっといても 二倍三倍働きます。
なるほど。

はぁ~。
う~ん 確かに。

一緒に研究してたら
なんか楽しそうですね。         そっか。

この上司の下にいたら
ミキティも何かやってみようかと。

自分の名前が…。
やってみようかなって ちょっと。 うん。

だって何でもいいって言ってくれるから。
そういうことですよね。

すごい だから僕は…

上からドーンと
義務と責任を ドンと置くんじゃなく

責任は取るから 君らも成果を得ろと。
そういう分配してる感じが すごい

やっぱり リーダーって感じがしますね。
(藤本)確かに。

他にも杉本さん チームを率いる上で

こんなやり方をしていたので
ご紹介しますね。

若手が 他の上司に
怒られたり

失敗して
落ち込んでいると

すかさず慰める。
(笑い)

結果これで リーダーとしてのイメージが
アップしたそうです。

う~ん なるほどね。
僕たち3人の心の中にあるやつ

オブラートにしたの
一個 言ってみましょうか。

(藤本)オブラート包みました? 今。
いや あのね

薬の研究者の方の前で やっぱ
オブラート包むのは よくないかなと。

半分破けてました 今ね。
苦みがありましたけども。

失礼しました。
(杉本)腹黒いのは よくないですよ。

腹黒い人は 結局
信頼されないでしょう。

リーダーはね…

人間的な魅力 これ大きい。
なるほど。

えっ あれですか?
他の上司に怒られてる時に…

あったんですか!
あるんだ!

女性を口説くマニュアルみたいな
感じの…。    (笑い)

ここで認知症専門医の新井先生に
お越し頂いていますので

お話 伺います。
よろしくお願いいたします。

杉本さんが開発に情熱を燃やしていた
理由の一つに

治療法がない中
医療・介護現場がとてもつらい状況だった。

それを打開したい
というお気持ちがあったと思うんですが

当時の 実際に医療の現場では

どういうふうに
認知症って対処されていたんですか?

まあ なかなか その専門の治療薬
なかったんですね。

まあ あと 誰でも考えるのは じゃあ 脳の
血液の流れを少し増やそうかみたいな

脳循環改善薬ぐらいを使って

それで
代用してたというのが 現状でしたね。

もう 現状維持っていうのが
せめてもの目的だったんですけども

それも難しくて 進行してくると
精神状態も悪くなってくる。

ですから もう認知症になったら
おしまいだというような

絶望的な思いだったと思いますね。
それは我々 医療者も同じでしたね。

さあ 是が非でも
治療薬が欲しい状況ですけど

チーム解散しちゃいましたよね。
どうやって再開したんですか?

うん。 実は意外なものがありましてね
それが役に立ちました。

何ですか?

まさか!?

チームが解散したあとも 私は
治療薬の開発を諦めきれずにいました。

しかし これまで
大見得切ったプロジェクトが2度 失敗。

上司たちは渋い反応ばかりでした。

(藤本)
ちょっとちょっと結果出てますもんね。
(古坂)ねっ 出てるんだよね。

そんなある日。 残業をしていると…。

やって来たのは
将来の幹部候補とうわさされる部長。

社内の各部署を視察していたのです。

(杉本)もう…

ああっ…
アハハッ なるほど。

ハハハハハハッ!

えっ これで!?

私は ここぞとばかりに
得意の親父ギャグを連発!

(藤本)すごい!
(古坂)面白い!

部長に気に入られれば 何かいいことが
あるかもしれないと思ったのです。

あ~ なるほど!

間もなく 信じられないことが起きました。

なんと 1年という期限付きで
研究を再開することが決まったのです!

ダジャレがつなぎましたよ 奇跡的に!
(藤本)いけいけ~。

(古坂)ありがとう 部長!

もちろん
ギャグだけが理由じゃないんですが

ともかく部長が
GOサインを出してくれたのです。

私は早速 かつてのメンバーたちを
呼び戻しました。

おお~ かっこいい!
やる気がすごい!

(杉本)よし。

(杉本)みんな…

目指すのは
前回 土屋が作った化合物の改良。

脳に有効な成分が届く前に
肝臓で分解されてしまうという

欠点の克服です。

チームには 新たな若手も加わりました。

皆様 今日から なにとぞ…

(拍手)

飯村という
大学院を出たばかりの新入社員。

独特の雰囲気を持った男でした。

マイペースで 周りのことは
あまり気にしないという印象でした。

しばらくすると
チームに不協和音が生まれました。

ああ…

ケトン…

そうだな…。

飯村は…

…で 化合物を作ろうとしていました。

もう時間はありません。

これまでは自由にやらせてきたけど
方針を一本化した方がいいのか?

「逆転人生」の
運命の分かれ道でしょ ここ。

杉さん…

しばらく 逡巡した私。

でも すぐに大事なことを思い出しました。

不可能とも言われる薬を
常識どおりのやり方でできるわけがない。

そのとおりですよね。

(杉本)みんな…

(一同)はい!

化合物の合成は これまでどおり
自由な発想で とにかく数を稼ぐ。

私が 土壇場でも
方針を変えなかったことで

部下たちも腹を決めました。

いつしか研究室は…

…と ささやかれるように
なっていたのです。

そんなある日…。

部下の一人が大声をあげて
飛び込んできました。

結果が出たんです! 出ました!

おお~。

肝臓で分解されず 脳まで効果が届く
化合物が ついにできたのです。

改良を成功させたのは

一人だけ違うアプローチをした
飯村でした。

(古坂)ケトン飯村が!

うん まあ 皆さん 意外な…

…だったと思います。

チームみんなの研究の蓄積が生んだ

この化合物。

臨床試験でも
アセチルコリンの回復を助ける

確かな効果があると
結論づけられました。

そして 1996年。

承認が いち早く下りた
アメリカを皮切りに

世界100か国で販売されたのです。

認知症が社会の関心事となっていた
アメリカでは

驚きが広がりました。

♬~

アトランタでは 薬の発売を記念して
式典も開催されました。

(歓声と拍手)

新薬の開発を 母に誓ってから20年。

私は ずっと胸に秘めてきた思いを
語りました。

(拍手)

2か月ぶりかな。

治療薬の発売から20年。

今や認知症をめぐる状況は
大きく変わっています。

患者と家族を支えるための
大きな選択肢ができたのです。

私は少しだけ 母に
恩返しができたような気がしています。

(拍手)
いやぁ まずは おめでとうございます。

ありがとうございます。
いやぁ すごい。

炸裂しましたね あの…

あの時 あの…

ゾッとしませんか?

いや
ただですね…

ねっ そうですよね。
すごいですよ。

あのメンバーがいてのことですよね。
そうですね。

もし方針を一つに固めて
こう 向かってったら

多分 杉さんの…
杉さん一人だけ すごいみたいな気持ちに。

ちょっと待って下さい。 ミキティ
あまりに 親父ギャグとか言う人だから

距離感近くなって
ニックネームで呼びだしてる。

…の手柄みたいなだけに
なってしまうけど

やっぱ あの部下の方たちも
自由にさせて

その子たちも成長させてあげられるし

そして 結果にもつないでるっていうのが
すごいなと思いました。

アリセプトの開発でね 毎年…

そっかぁ~。
(杉本)これが薬の世界。

すごい。 そっか。
だから 昔の8億円も全然もう…。

余裕ですよね。

「トリプルエイトって言った人
呼んで」って!
ほんとに もう!

ちゃんと特別報奨金もらってますから。
それで 剣道の防具 買ったんですよ。

それで 京都行って 七段受けて
1回で受かったんです。

すごい!
だから 防具で受かった。

そんなことないですよ。 剣の腕もあり…。
確かに相手も びびったでしょうけどね。

それ聞いたら 相手ね 胴取れないですよ
きっと。 傷つけるの怖いから。

古坂さん 古坂さん。

(古坂)あっ
今あったんですか?
(笑い)

「胴だ」… 「胴だ」です。
(笑い)

(笑い)

こんなに僕らと今 気さくに しゃべって
くれてますけど さらっと出ました。

今 年間… 年間ですか?      3, 000億円。
3, 000億円ですよ!

それだけ欲しがってる人もいる
ってことですよね。

患者さんが多いですから。
(藤本)すごいな~。

いよいよ このアルツハイマー型の
治療薬が誕生したわけですけれど

これで認知症医療って
大きく変わったんじゃないですか?

世界中が一変しましたよね 劇的に。

劇的に。
はぁ~。

ただ やっぱり我々医療者から言うと…

この薬も やっぱり一定の期間 過ぎると

どうしてもまた
進行し始めるっていうこともあります。

それから あとは
効き目が薄い人もいますよね。

あとは 効きすぎて 逆にそれが
怒りっぽくなるとか 副作用があるので。

その辺を やっぱり
うまく使い方を学んで 治療していく。

認知症を患いますと こういった
さまざまな症状が出ますけど

医療だけじゃなくて
介護も必要になってきますよね。

そのとおりですね。 薬だけではなくて

やっぱり いい介護ができてると

症状が それだけでもよくなります。

そういった介護があって そして

今日のお話のあった
医療の薬物療法があって

この両輪というのが
こういった症状に対して

うまく包括的に治療できる
っていうところが

ポイントになりますね。

これ 杉本さんね
歴史に残るような薬を開発できた

一番の要因は何だと思われます?

うん。 あのね 今から思うとね…

う~ん。

根拠のある自信というのは
ロジックに倒されますよね。
はい。

根拠のない自信っていうのは
ロジックじゃないじゃないですか。

パッションですよ。
「俺はやるぞ!」っていう気持ち。

これが最後まで到達する
エネルギーなんですよ。

…だと思いますね 成功したのは。
すごいですね。

ものすごい化学的な最先端の場所の勝因が
化学とは真逆のものなんですね。

♬~

私は 会社を退職したあと
京都で暮らしています。

いただきます。
いただきます。

かつて部下をもてなしてくれた 妻の元子。

うん。 おいしい。

今は 私の体を気遣った
健康食を作ってくれています。

実は私 悠々自適な老後を
過ごしているわけじゃないんです。

(藤本)う~ん。
研究者ですね 一生。

4年前 大学の中に部屋を借り
ベンチャー企業を立ち上げました。

ここで3人の社員と 新しい
認知症治療薬の開発を目指しています。

もちろん チーム運営の方針は…。

(藤本)出た!

既に手応えのある化合物は
合成できています。

えぇ!
(藤本)すご~い!

その物質の名前は 「863」。

どういう意味か分かりますよね?

(藤本)八郎さん!
(杉本)当たり。

(藤本)すごい!

78歳ですが まだ夢の途中。

ギャグのセンスも 開発への情熱も
若い者には負けません!

♬~

(けん騒)


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