SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ロバート キャンベル×桑田卓郎」日本文学に精通し、さまざまなメディアで…


出典:『SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ロバート キャンベル×桑田卓郎」』の番組情報(EPGから引用)


SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ロバート キャンベル×桑田卓郎」[字]


日本文学に精通し、さまざまなメディアでも活躍中のロバート キャンベル。大胆な造形と色彩感覚で海外からも注目される陶芸家・桑田卓郎と、岐阜・東京で語り合う。


詳細情報

番組内容

岐阜県土岐市に工房を構える桑田を訪ねたキャンベル。工房内の部屋に並ぶ作品に驚くが実は桑田にとっては失敗作だという。伝統的な技法を踏まえつつ、陶芸と現代アートを軽やかに行き来する桑田の思いとは。一方、東京・立川にある国文学研究資料館では、キャンベルが愛してやまない古い書籍、文献を紹介。古くから蓄積されてきた貴重な文学資料を守るだけではなく、現代に生かそうとするキャンベルの取り組みに桑田も共感した。

出演者

【出演】国文学研究資料館長…ロバート キャンベル,陶芸家…桑田卓郎,【語り】六角精児,平岩紙



『SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ロバート キャンベル×桑田卓郎」』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数ベスト20)

SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ロバート キャンベル×桑田
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  2. キャンベル
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『SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ロバート キャンベル×桑田卓郎」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)


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京都の名刹 清水寺。

重要文化財 経堂に鎮座する 釈迦三尊像。

その横に…。

この日 展示されていた
現代アート作品の数々。

実は これ すべて 陶磁器
焼き物なのだ。

ピンクと金色という
大胆でポップな色彩感覚。

溶け落ちた釉薬が
メタリックな存在感を放つ。

両方あるし…。

作品を作ったのは この男。

現代アート界から注目される
セラミック・アーティストだ。

これは焼き物なのか?

現代アートのオブジェか?

液体のように飛び出した釉薬による
摩訶不思議な造形。

「驚愕のセラミック」と評される
桑田の作品には

既成概念を覆す新しさがある。

そんな作品は海外からも注目。

ロンドンやニューヨークで個展が開かれ

さらにオファーが後を絶たない。

一方 美しく
静かなたたずまいの作品。

これも また 桑田の世界だ。

みずからのベースは茶碗にあるという
桑田。

修業時代 伝統的な陶芸の技法を
徹底的に たたき込まれた。

「アート」と「焼き物」。

桑田の中に その境界線はない。

桑田の作品は 伝統を重んじる世界からも
注目されてきた。

2年前に亡くなった
陶磁器研究家 林屋晴三は

桑田に目をかけていた一人だ。

厳しい言葉をかける一方
自分が主宰する茶会で桑田の作品を披露。

将来に期待していたという。

桑田が工房を構える…

そこにやって来たのは…。

日本文学研究者…

ロバート キャンベルです。

深い知識に裏打ちされた
分かりやすい解説で

テレビや雑誌など幅広く活躍。

今日見せていただく
舞踊も乙女文楽も

演技力ですとか表現力の
確かさっていうこと

すごく ちょっと 圧倒されました。

キャンベルが 桑田に興味を持つ
きっかけになったのが

この金色の茶碗。

お茶を飲んだら こう…
この辺が ちょっと

切れるんじゃないかなとか

飲んでるうちに
自分の顔が金に映って

気持ち悪いんじゃないかとか。

でも 物としては すごく美しいので。

古い日本文化に精通するキャンベルは
桑田の作品をどう見るのか。

ああ 桑田さん…。
ようこそ。

桑田さんですね こんにちは。
はじめまして。

すっごく楽しみにしてきました。
遠い所を ありがとうございます。

ありがとうございます。
あの… 陶芸家の手って冷たいですね。

そういうことですね。
汗かいちゃってて 手 洗っちゃいました。

「焼き物」と「日本文学」。

2人は 伝統から
何をつくり出そうとしているのか。

…とか 何か 言われたりとか。

そうじゃなくて…

だって 違うじゃないですか。

そこで…

これ 読むんですか? っていう。

酸素で言うと この…

「いなきゃ」っていう…。
「いなきゃ」って…。

♬~

お邪魔します。 わあ~ すごい。
こういう感じで…。

全部… 今 完成品はないんですけど

もうちょっとで完成…
仕上げてる途中のやつです。

すごいな~! いや もう 完全に
桑田さんの世界に

踏み入れた感じがしますね。
本当ですか?

これ 手に取って
もちろん。
見ていいですか…。

ちょっと まだ 未完成の部分も
あるんですけど。

まあ 茶碗みたいな感じですね。

これ コーヒーカップですね。

ちょっと 飲めない… これ…。
勇気がいりますね。

まあまあ ハードルが
高いかもしれないです…。

いやいや…。

まだ制作中という こちらの壺。

何やら ピンだらけ。

このピンで
釉薬の流れを調整しているのだという。

桑田オリジナルの技法だ。

あっ 刺さってる。

そうですね。
へえ~!

このぐらいのサイズだったら
こういうピンを打たなくても…。

重力に負けない…。
そうです。 そのとおりです 本当に。

へえ~!
で 結果 何か こういう所

つららみたいになったりとかして…。

ここにピンが入ってるんですよ。
本当だ! あっ すごい すごい すごい。

ここが ピンがつながっている所から

中から まるで こう 金が

溶け出してるように見えるんだけれども。

ちょっと 見どころになったり
みたいな感じはありますね。

液体を 何か こう引っ張る粘着力が
すごく ねばっとしたものを

引っ張ってる感じが すごくするんだけど
それは まあ 偶然かもしれないけど

うまくいったわけですね。
そうですね。

そうすると それを繰り返し
そこを それを使っていく。

それを もうちょっと こう
もっと詰めていったりとか

もっと どっち寄りにしたいのか
っていうのは

その日々の積み重ねという…
積み重ねっつったら…

まあ 何か やることによって。

さらに 工房の2階に上がってみると…。

ちょっと狭いんですけど。
へえ~。

ここが…。
わあ~ え~ すごい!

そうですか?

作品で…

だんだん たまっていっちゃったみたいな。
たまっていっちゃった?

僕が見て どれも失敗してないんですよ。
そうですよね。

みんな すごい こう
何か魅力っていうか

いいな~と思うものばっかりだけれども。

単純に でも 形が気に入らないとか…。
いや それを聞きたい!

こういうのも 何か このバランス… 悪さ。
このバランスの悪さ。

ちょっといいですか? これがね
バランスが悪い?

そうですね。
これは発表したくはないですね やっぱり。

じゃあ それ 具体的に。

まあ もうちょっと高さと高台…。
浅すぎるとか…?

そうですね。

…自分は。
相手のほうの気持ちを考え過ぎてて

でも それが
いいほうに転んでたらいいんですけど

いいほうにも 別に転んでないのに
僕は 一生懸命やってて。

何となく分かるんだけれども… 美しい!

あっ 本当ですか?
きれいですね。

そう言われると いいかなって
思ってきちゃいそうなんですけど。

でも まあ そういうのもあります 確かに。

言葉に触れることで
感性が変わったり判断が変わったり

手の動きが ちょっと変わったりする
っていうことはありますか?

ありますね。 例えば…

また違う…

こちらは
桑田が自分でも納得しているという茶碗。

冷たい抹茶でキャンベルをもてなす。

この器 飲み心地はいかが?

これがね 実は すごく ずっと何年も
したかったです。

桑田さんの茶碗からお茶を飲んだら
どんな気持ちかなって

ずっと思ってたので…。 いただきます。

ちょっと多いかもしれないんで
もし あれだったら残していただいても。

あ~…。

ああ おいしかったです。
本当ですか?

本当に おいしかったです。
この ひんやりした この銀の…

この… 茶器と
すごく やっぱり 合ってますね。

あっ 本当ですか?

あっ 本当ですか?
重くないし…。

まあ 僕は 手が ちょっと 若干 標準より
大きいかもしれないけれども

本当に 引っ掛かるというか

親指の この第1関節で

ちょうどいい具合に 引っ掛かる。

これ 形は僕には…
アワビに見えるんですね。

ちょっと楕円になってますからね。
楕円になっていて

何か こう… 海から あがってきたもの。
はい。

うわ~ すごい…! 手びねりですか?

これは ろくろですね。
ろくろで回して…。

それで そのあと… 何ていうんですかね

乾いてくるときに
ちょっと収縮したりとかで

どうしても
正円じゃなくなってくるんですけど

本当は その前で
調整したりするんですけど

そのまま楕円のままになって
まあ いっかな… みたいな。

そういう楕円のままにして。

ちょっと たくらんで…。
ちょっと たくらみ…。

でも そういう繰り返しの中で…

あなた もうちょっと…

これは 桑田が狙った形が作れたと
初めて納得できた記念の作品。

器から剥がれて
くるっと丸まった釉薬が

ダイナミックな動きを表現している。

へえ~ これ すごくかわいいですね。
何か こう…

いちごミルクのような感じがして。

これは… 一番最初のやつです。
僕が最初に作った。

そうですか。 これ 何か
いちごパフェを こう 盛って食べたら

すごく分量が多い…
3人分ぐらいのものだと思うんだけど

すごくおいしそうだし。

これは ある意味…

「かいらぎ」とは

釉薬が さめ肌状に縮れた状態のこと。

古くから用いられてきた技法だ。

これを大胆にアレンジしたのが
桑田流かいらぎ。

その秘密は
桑田が独自に調合した釉薬にある。

素焼きしたものに
この釉薬をたっぷりつける。

土や釉薬は
加熱すると縮む性質を持っている。

桑田の釉薬は 土よりも大きく縮むように
調整されているため

独特な形状になるのだ。

たぶん
いろんな かいらぎがあると思う…。

釉薬によっても
いろんな かいらぎがあるので

例えば この辺に出たものも
あったりとかもするし

現代的に わざと
ここをそいで

ここに かいらぎを
出したりっていうのも

あるかもしれないですけど。
この ぶつぶつは何ですか?

これは ちょっと
オタマジャクシの卵みたいな感じで…。

すごいですね。 これ ほとんど

何か タピオカみたいな感じが すごく…。

これは 固体だというふうに
とても思えないんですよね。

触ってるから液体じゃないっていうことは
たぶん分かると思うんだけれども

置いたら ちょっと触ったら
付くんじゃない? っていう…。

…感じですか?
ちょっと これは釉薬を何層かにしてて。

溶けなかったんだけど
なんとか この子も

うまく いい作品にしたい
っていうところで…

ちょっとだけのたくらみから生まれた
新しい表現が…。

そうですね。
次々と出てくるんですね。

もともと こういう…

土のもので ろくろ挽いて
ただ単に 本当に

素のものを焼いたっていう。

言い方
ちょっと 誤解もあるかもしれない…。

素朴な感じ。
それだけで すごい魅力的だし

いいと思ってたんですけど。

センターで踊っているのが桑田だ。

そういう仲間とかと
僕 焼き物やってて

「こういうの どう思う?」って言ったら…

…とか 反応だったときに

こんなに このろくろの 挽いたときの…

それで 何か もっと…

もっと こう そういう方と…
安易かもしれないですけど

伝わるような感じでっていうんで…

…っていうのがあって。
でも その色入れたりメタリックは

もともと自分も嫌いじゃないし。

前衛的な表現をもとに

未来の仏教寺院の在り方を模索する
プロジェクトの一環として

桑田の個展が開かれた。

悠久の時が流れる空間の中で
桑田の作品がエネルギーを放つ。

今のエネルギーを 常に

いつ いかなる時代も
足し続けていかないと

どんどん
目減りしていきますし。

それこそ 下りのエスカレーターを
一生懸命に上るかのイメージですけども

何にもしないと どんどん後ろに
下がっていきますんでね。

そういう…

…思っております。

伝統と革新の融合に
大きな関心が寄せられた。

日本って すごい… 4, 000年ぐらい

陶芸の歴史があると思うんですけど

その歴史の中で
初めて 現代アートの世界で…。

う~ん 認められたっていう言い方は
ちょっと あれなんですけれども

注目された人だと思っております。

伝統的な技法を踏まえつつ
革新的な作品を作り続ける桑田。

彼は 一体 何を目指しているのだろうか。

もともと…

ファッションなのか何なのか。

…と思ってて。 例えば 昔は

交通手段として馬…
馬に乗ってた時代もあれば

今は 道路で ガソリン入れて
車が走ってる時代 あって

全然 違いますよね。 で 今は やっぱり

洋服着て 僕も…
今も こう 西洋文化で椅子に座って。

昔は 座禅組んでたのか正座してたのか
分からないんですけど 目線も違うし。

だから…

…っていうのは思ったりとか。

そんな中で
じゃあ 何を作っていったらいいか。

昔の良さもあれば 今の…

…と思って。
うん。

何か よく 僕…

…って言われることがあるんです。

…とか「変わってるもの作ってるね」って
言われることが多くて。

何か それで…

…とか 何か 言われたりとか。

どっちかというと 本当 昔からある…

…って言いたいわけです 何か…。

だって 違うじゃないですか。

そこで…

自然だと思って…。 ただ…

何か こう… 何ていうんですかね…

そういう部分では やっぱり…

その中で あとは 自分自身が
今現在の中に こう… 偽りなく…。

そっちも偽りなく。

…っていうふうに思いました。

1981年 桑田は広島県福山市で生まれた。

図画工作が大好きな小学生だったという。

桑田さん もともとは何者?

どういう… この世界に

いろんなものを作るようになった こう…
そもそもの…。

こういう焼き物を 今 仕事としてて
やってて何なんですけど

別に 焼き物に
すごく興味があったわけでもなくて。

でも 美術だけは ある程度 何か…
大丈夫だったっていうか。

絵 描くのが好きで
写生大会とかっていって

どっか 公園とか行って
みんなで絵 描いたりとか…。

そのときに光ってたんですね。
そのとき すごい楽しかったっていうか。

でも 気付いたら
一人になってるみたいな。

みんな どっか行っちゃって
気付いたら一人で

ああ…! って焦ってる自分がいて。
だから 夢中になると気付かない…

そういうふうに
入っちゃうタイプだったんですけど。

もう勉強だけは嫌いで。

僕は もう それに反抗するかのように
本を全く読まなくなって。

僕は 確か 国語で 10段階で
「1」があったっていう…。     えっ!

でも 国語って生の言葉ですよね。

世界… 世の中を
どういうふうに見るかとか

人と どういうふうに
渡り合っていくかとか

すべてに関わってるから 教室の中で
学ぶものばかりではないですね。

今日 お話ししてて すごく やっぱり…

高校卒業後
将来の道を決められないまま

京都にある芸術大学に進学。

小学校から絵を描いてた桑田さんが

じゃあ 今度は
土を ちょっと触ってみようっていう。

そこは… つながるんですか?

いや…
何か表現したいっていうだけですね。

でも 絵を描いてましたよね。
絵… 絵を描くのが好きで

ただ 「画家になりたい」とかも思わないし
「う~ん…」とか思って。

最初 「デザイナーになりたいな」と
思ったんです。 プロダクトとか。

「車のデザインとかしたら かっこいいな。
モテるかな?」とか安易な感じですね。

本当に安易なんです もう。

で 僕は デザインコースに
行きたかったんですけど。

デザインのほうって
結構 「平面構成」っていって こう

線の枠の中に きっちり こう…
線から はみ出さないようにやったりとか。

デッサンも
すごい精密に描くとかっていう…

デッサンだったりっていう入試が多くて。

僕 そういうのが
すごい どうしても苦手で

線が はみ出ちゃったりとかする
タイプだったので。

ラフのほうがいいっていうのが
満たされるという…。

何となく
それも どっかで感じてたのか…。

その間は ずっと ストリートダンスも
やったりしてるわけですね。

大学に行かなかったりとかして。
で ストリートダンスとか

外に 友達と遊びに行ったりとかして。

…っていうふうに言われたことがあって。

厳しいですね。
はい。 いや でも そういうの すごく…

そうなると 僕も ちょっと こう
何か すごい本気になってきちゃって。

で 何か…

それで… そしたら
どんどん はまっていっちゃって。

でも 嫌いなことはできないので。

大学卒業後 ふるさとに戻った桑田に
運命的な出会いが待っていた。

広島県在住の陶芸家
財満 進に弟子入りしたのだ。

寝食を共にし
毎日 ろくろを挽いていたという。

土や釉薬の基礎を学んだ桑田。
財満は…

…と 語った。

当時作った作品が こちら。

ここから 桑田の
陶芸家としてのキャリアがスタートした。

そこで学べることって…
卒業してて 陶芸は 一人前…?

僕は ちょっと まあ やっぱり
自信というか

「焼き物やったんだ」
「大学卒業したんだ」… 短大ですけど。

ちょっと まあ 自信もあったんですけど
全然… 全然ですよね やっぱり。

それで もう 先生の所で 一から…
本当に 一から

もう「菊練り」っていう 土の練り方から…。

本当に… 本当 基礎の基礎から もう…。

そこが まず なってないわけですね。
大学だったら ビニールに入った土で

シュッと出してですね
こう 作っていくわけです。

先生の所に行って
山が ちょっと崩れてるとこ見て

「あそこの砂 使えるかも」とか先生が…

…とか 先生が よく 茶碗とか持って

同じ透明釉なんですけど
「もうちょっと焼けるといいね」とか

本当に微妙なところとか…。

僕 すぐ横で そういう 先生が言うことを
ずっと聞ける機会が…。

それと…

ああ…。

じゃなくて…

…っていうことを
やってねっていうふうに…。

その後 桑田は
岐阜県土岐市に工房を構える。

美濃焼で知られる
日本有数の焼き物の街。

国内外から さまざまな原料が集まり

周りには釉薬や顔料などのプロフェッショナルが
ひしめき合っていた。

♬~(音楽)

人の営みと焼き物が密接に結び付いた
この街で

桑田ならではの作風が出来上がっていく。

桑田の持ち味である
かいらぎや粒状の造形。

釉薬を開発する技術者たちから

「特別な接着剤を調合してみたら?」
といった

具体的なアドバイスがあったという。

新しい伝統を築こうとする
多くのクリエーターの中で

桑田の表現は磨き上げられている。

こういうメタリックな感覚が
もう 自分の中には志向としてあった?

大胆な こういう表現をしようと
思ったんですか?

そうですね。
いろんな段階とかタイミングがあって。

あとは ただ単に 無理に こう…

メタリックで
派手にしようとかっていうんではなくて

やっぱり 出会いとかも
その中で あって。

技法との出会いもあるし
こういう… 岐阜に来たから

どういう職人さんが いっぱいいて
そこで技術を教えていただいて

その中で
こんなこともできるよって言われて

「えっ! そうなんですか?
そんなこともできるんですか?

じゃあ やってみます」とか。

うまく そんな すぐに いかなくて
原料屋さんに行って

「うまくいかないですね」とかって言って。

「こういう長石に変えたら どう?」
とかって言われて。

そういう中で… 自分も

素材を もっと
知っていったりとかっていう中で…。

いや でも いろんなことをやってて
ダンスもやってるし

陶芸の中でも
陶芸らしからぬようなものも

たくさん作ってるんだけれども。

そうですね…。

う~ん 焼き物…。

そうですね 焼き物…。

やっぱり 今 話してたように…

だから やっぱり そこだけは 今後も…

そういうサイクルになっていきたいな…。

何か ちょっと
死に際みたいな言葉ですけど…。

そう思ったりとかしますね。

ちょっと 意外な答えですね。

僕は 一番コアで…
引き算できないコアっていうのは

土に向かったときの
この気持ちであるとか。

ろくろで こういうふうに
上げていくときの瞬間の

そういう手応えが
返ってくるかなと思ってたらば…

はい。

自分だけだったら
そういうことを感じれなくて。

そういうのを…

自分は 今 すごく…

でも そういう中で…。

最後に 桑田がキャンベルに
リクエストを募った。

もうちょっと こんなん作ってみたらとか
ありますか? 何か。

例えば…。
こういうものでですか?

例えば 器とか。
ああ いや…。

はい。
アイルランドの人って 卵を…。

半熟卵を… 半熟卵を
朝食に よく食べるんだけど

その卵立てっていうのは
すごく大事なんですね。

はい。 分かりました。
卵を立てられなくてもいいと思う…。

傾いても… 入らないとか。
破れ卵立てみたいなものを。

後半は 舞台をスイッチ。

キャンベルさん この乙女文楽。

黒子がいないというか
いつも…。

日本の文化に造詣が深く

テレビのコメンテーターとしても活躍する
ロバート キャンベル。

近世 近代の日本文学を専門とし

東京大学の名誉教授でもある。

3年前から
国文学研究資料館の館長を務めている。

岐阜での初対面から およそ1か月後。

アハハハ… どうも。

桑田さん。
先日は どうも。

こんにちは。 先日は そちらのほうでも
すっかり お世話になりまして

ありがとうございました。
今日は よろしくお願いします。

お願いします。
よろしくお願いします。
楽しみに…。

でも それは 僕が…。

岐阜の2階のアトリエの
アウェイ感に比べれば どっちが…。

いや… まあ はい。

この資料館には
およそ98万点の文献が所蔵され

その中には
「古典籍」といわれる

江戸時代以前の文献も
52万点 含まれている。

キャンベルが熱心に取り組んでいるのは
古典籍のデータベース化。

インターネット上で公開している。

例えば 「猫」と検索すると

200件の古典籍と 93件の画像がヒット。

文献だけではなく
挿絵なども 検索できるのだ。

このデータベース化により
海外の研究者とも連携が進んでいる。

キャンベルは 日本文学にまつわる著書も
多く発表している。

キャンベルが編集をした
こちらの本。

誰もが知る名作を英訳し
比較することで

今まで 気付かなかった魅力を
再発見することができる。

中には こんな本も。

54歳のとき
病床にあったキャンベルが

大好きな井上陽水の曲の歌詞を
訳した本だ。

「今日の雨 傘がない」の歌詞を
キャンベルは

「today's rain-there's no umbrella.」
と訳した。

その理由について

本の中で
キャンベルは こう述べている。

海外の方とか
日本語が分からない方とかにも

ちょっと伝えたいっていう
思いもあったとか…。

桑田さん…

なかったんですか?
ないです。 全くないです。

みじんもないです。

2か月以上 入院をしないといけない
ということを告げられていたので

日々 どういうふうに過ごせばいいかと。

すごく暗い気持ちで悶々としていて。

ある夜 外の この景色…

東京の この遠い景色を見ていて

「青い闇の警告」という歌があって。

「窓のガラスが割れて
そのかけらを自分が拾って

心のように並べた」っていうことを
最初に書かれているんだけど。

窓から ずっと景色を見ていて
何か それを思い出したんですね。

いつの間に それを英語で…
英語に置き換えようとして。

自分の中だけなんです。
自分の世界だけなんですね 最初は。

ちょうど1か月半ぐらい入院してたので

そうすると 50曲ぐらい…

まあ ラフな翻訳ができたら

面白いなというふうに ちょっと思って。

そこに不純な気持ちが
そこから入るんですね。

やっぱり 50曲を
全部 やりたいとかっていう。

僕は 使命と感じられて やられたのかな
っていうふうに

勝手に ちょっと思っちゃって。

それを 毎日 こう… 何ていうかな?

結構 病気のときとか
気分が すぐれないときって

結構 いいんですよ 非常に。

一日 小さな 自分の形を…
それこそ 器のような茶碗を

毎日 一個ずつ それを作って…。

何か 宵越しにしないで
その日のうちに それを終わってっていう。

どうですか?
そういう… 気分的に分かります?

ふだん オブジェとかも
いっぱい作ってはいるんですけど…

何を 別に やるっていうのでは
ないんですけど

とりあえず
土を ろくろの上に ポンッと置いて

ろくろを… お茶碗形のものを作る。
何も考えない。

それが すごく あの…
リセットされるっていうか

そういうのは ありますけど。
ちょっと それと近いのかなって

勝手に思っちゃったんですけど。
とても近いんじゃないかなと思いますね。

日本文学に熱い思いを寄せるキャンベル。

そのルーツは どこにあるのか。

1957年 キャンベルは

ニューヨークの
ブロンクスで生まれた。

当時
移民が多く暮らしていたブロンクス。

キャンベルの祖父母も

アイルランドからの移民だった。

本を見てると… もう 夢中になっちゃう
っていうふうに お聞きして。

やっぱ そういうのって
きっかけとして…。

僕は 桑田さんとは逆で

ニューヨークのブロンクス地区っていう

結構 労働者たちが
たくさん住んでるような場所で。

そうすると…

僕が小さいときは。
ああ…。

何か
いい点数を取るとかっていうことは

欠如しているんですね 完全に。

…とかを読んでいて。

あっ そういうのは ちょっとあります。

何かね 子どもが
手にしちゃいけないもの…。

…のようなものを上に置いていて。

僕が…。
行きたくなっちゃいますよね。

え~! っていう…。

いや 立派な小説ですよ。 でも…

そういうのが
何か「読みなさい」とかっていうのは

「…なさい」が全然なかったんですね。

でも そういうことですよね。

13歳で
西海岸 サンフランシスコへ引っ越す。

そこで 高校に進学したあと
日本の文化に出会った。

ある程度 何か
好きだったりとかじゃないと

こんなに
日本に ずっと いれないと思うし。

そういうところで言うと 何が…。
そうですね。

大学に ちょっと入る前に
サンフランシスコで 高校生…

高校時代を過ごしたんですけれども
結構…

僕は…

YMOを聴いてたっていう…。
そうですね。

音楽も すごく入っていて 面白いなと。
でも 全然知らないので。

大学に入ってから やっぱり 授業で…

もっと こう…。
何かがあるだろうっていうか。

あるんじゃないかな
っていうふうに思って

日本語を学び始めたんですね。

すでに 日本文学の研究に
夢中になっていたキャンベルは

想像もしなかったお宝に出会う。

九州大学の
私の恩師の研究室に行ったら

大きな… たぶん お中元か何かの

到来物が入ってた段ボールの箱の中に

こういう本が 30冊ぐらい詰められていて。

タイトル見て 私が まさに求めている
これから…

先生の長年の いろんな所で収集する
たまものなんですね。

これ 読むんですか? っていう。

すごく 今でも

ちょっと意識が 一瞬 遠のくというか。
どういう感じ…?

どういうことですか? っていう…。

今まで ハーバード大学の図書館の中で

活字を ずっと コピーを取って
下宿で読むっていうこととは

全然 違う世界。

つまり 日本にいて こういう…

それを そうこうしているうちに

これは ちょっと もう…

本当に これは…

「いなきゃ」っていう…。
「いなきゃ」って ちょっと思って

それで こう 手放さなかったっていうか。

っていうことが…。

…っていうのは
あったっていうところは…

一致してるんですね。

たぶん… そこはしっかり ちょっと うん。

キャンベルが夢中になれる
濃度の場所が

実は この資料館にもある。

ここは 多くの古典籍が置かれている
国文学研究資料館の地下倉庫。

江戸時代のものから

古くは
奈良時代に書かれたものもあるという。

さらに こちらは

まだ 詳しい事実が分かっていない文献が
並ぶ 書棚。

誰も見たことのない書物が
今でも出てくるんですよ。

ちょっと取ってみますね。

これは いろんな軍記ですね。

軍記物。

これは 鳥瞰図ですよね。

鳥になって 戦場の場面を

正成が もう一度 兵を起こして

赤坂の城を乗っ取る。

その場面があって
ずっと これが原文ですね。

文書そのものを読んでいて
ルビが たくさん振ってますね。

え~と…
振り仮名が たくさんあるんですね。

でも その振り仮名があることとかで

これは どういう人向けだったか
とかいうのとかを

ちょっと分かったりする…
分かりますね。
ってことですよね。

きれいですね。
すごいきれいですね。

唄が書かれてますね。

「正月柳」とか「鴬」とか。

すごい絵ですね。
すごいきれいですね。

というふうに 1時間も 2時間も…

時間が もう…。
はい。

ちょっと分かりました。
キャンベルさんの感じが。

ちょっと想像できました。

キャンベルは
この膨大な古典籍を生かそうと

新しいプロジェクトを立ち上げた。

その名は…

演劇 小説など
さまざまなジャンルのクリエーターと

古典籍の研究者がタッグを組み

新しいカルチャーをつくり出そうという
試みだ。

さっき 下で

本を見てると
もう夢中になっちゃうっていうふうに

下で ちょっと お聞きして。

それで 僕 すごい…

キャンベルさんって
そんな感じなんだっていうか。

つまり 一番 私たちは…

僕が ここに来る前まで…

それは キャンベルさんが
考えられたっていうことですか?

こちらは
古典籍とアニメのコラボレーション。

参加したのは 国内外で受賞歴がある…

研究者から提供された古典籍の中から
山村が選んだのは

江戸中期に刊行された…

この作品をモチーフにして

作者である鍬形斎を主人公にした。

研究者から 山村に提供された古典籍は
すべて原書。

当時の紙に じかに触れる体験は

江戸時代の絵師を想像するのに
役立ったという。

そして
ストーリーの背景になっているのは…

2つの古典籍から

新作アニメーション
「ゆめみのえ」が誕生した。

暖かい日ざしに包まれて

斎は うとうとし始めました。

≪下に 下に。

≪下に 下に。

≪下に 下に。

(犬の鳴き声)

不思議な夢を見たことよ。

カバーしていながら…

アニメーション作家。 ただ…

何度も何度も… 100回も200回も
その絵本を見ながら

鍬形斎という人の
筆遣いを模倣しながら

乗り移ってくるらしいんですね。
ああ…。

それを 自分のものにしないと納得しない。

自分のものにして
初めて それが 山村浩二さんという

すごく大変有名なアニメーション作家の
作品が そこから生まれる。

動き始めるんですね。

ものすごく面白い物語が
出来ているんですね。

そういうものを…

このプロジェクトには
こんな人気作家も参加している。

作家 川上弘美は

平安時代に書かれた
「伊勢物語」をベースに

現代の女性を描くことにした。

在原業平と思われる主人公の

恋愛模様を中心に描かれた「伊勢物語」。

これをモチーフに 川上は

夫の女性関係に悩む主人公が

いにしえの恋愛に学んでいく小説
「三度目の恋」を執筆中だ。

「伊勢物語」をめぐる…

何ていうかな そこから派生的に
ひれを付けて

いろんな 在原業平の
生まれ変わりを作って。

それが すごくエロチックな小説に
書き換えられたりするバージョンが

ものすごく たくさんあるんですね
10世紀から ずっと何百年の間に。

また それが…

知るっていうことは重要ですよね。
重要。

それを知ったうえで 今 じゃあ どうする
っていうこととかっていうのはあるし

自分は どうやりたいっていうのは
たぶん 出てくるような気がします。

知ってるから 崩せるし。

例えば この業平ぐらいの階級の公家は

奥さんですね
妻がどういうふうに呼んでたのか。

今だったら 「あなた」とか
「まさひろさん」とかっていうふうに…。

「卓郎さん」とかって
呼ぶかもしれないけど。

お互いに。
進んで…。

最後に 桑田からキャンベルへ
プレゼント。

キャンベルさん 岐阜のお土産を
ちょっと 持ってきたんで

ちょっと お渡ししようかなと思って。
何ですか?

これ どうぞ。
え~?

これ 何だと思いますか? 岐阜の…。
ああ!

岐阜のお土産です。
すごい すごい!

あのとき 私が 最後に…。
ああ~! 言ってしまった。

作らせてしまった…。
作ってくださったんですね。

エッグホルダー。
エッグホルダー。

ただ 卵は入れてないんで
入るかどうか分からないですけど。

すごいすてき!

うわあ~ きれい。 え~! すごいすてき。

これ 最高ですね。 ありがとうございます。
これは 手びねりで?

これ 手びねりですね。

手びねり 土の塊に 親指を こう入れて

卵って こんな感じぐらいの大きさかな?
みたいな。

ちょっと 焼いたら 縮むしな
みたいなことを思いながら。

桑田さんの親指が…
想像した卵の形ですね。

エッグホルダーを使ったこともないし。

もちろん 初めて作りました。

コラボレーションで キャンベルさんと。
ああ うれしいです。

♬~


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